TOPへ TOPへ

ブログ

好酸球性副鼻腔炎の手術成績の論文が正式に掲載されました。

以前にこのブログでも当院での好酸球性副鼻腔炎に対する手術成績をご紹介しましたがその結果が正式に論文として認められましたので下記にご紹介します。

論文について



100例以上で約3年間の経過を追って手術成績を検討した論文は大学病院などの基幹病院を含めてもありません。

内容は以前にご紹介したとおりですが
大規模な研究でも1年で20%が再発し6年では半数、重症例では3年で60%が再発するとの結果に対して当院での成績は術後3年間で再発30%でした。
また再発例でも多くは保存的治療で症状のコントロールは可能であり、追加治療が必要であったのは全体の1割にすぎなかった1割の症例に対して再手術や生物製剤の追加治療を行うと、ほぼ全症例でコントロール可能であった。というのが要約です。

論文は専門医向けの執筆ですのでやや難解かもしれませんが興味がある方はご覧下さい。

見学に来ていただいた先生方のコメント

開業して20年余り、その間多くの日帰りや一泊二日での短期滞在による鼻・副鼻腔手術を行ってきました。
また、その結果や方法をほぼ毎年、専門学会である日本鼻科学会で発表し論文報告もしてきました。
その関係で全国の鼻を専門とする先生方と懇意にしていただき、私の手術手技や麻酔方法などに興味を持って頂く場合もあります。
この項ではそうして当院の見学にお越し頂いた先生に感想をお願いしたのでご紹介します。

詳しくはこちら

 

2023年の手術件数を更新しました。

2019年から院長川村の一診体制を継続しておりましたが、昨年4月からは月曜日の局所麻酔下手術と全身麻酔下手術を内藤医師が担当しております。
手術枠自体は変わりませんので年間の手術患者数は約400人前後でほぼ安定しております。
手術数のカウント方法は施設によって異なりますが、患者さん一人に対して複数の手術を行うことが少なくありません。例えば後鼻神経切断術はほぼ全例に両側行いますのでそれだけで一人あたり2件になります。またこれと同時に鼻中隔矯正術を行い、これも別に計算すると一人あたり3件になります。副鼻腔炎手術も同様で左右両側行う事が7~8割ですので患者さんの数の1.7倍程度になります。
従って2023年に手術を行った患者さんの数はメスを使う手術で407名、いわゆるレーザー手術を加えると484名です。さらに他の施設と同様に手術件数の表記では年間1624件になります。
開院して20年が過ぎました。開院数年後からはこのペースでの手術件数ですので20年間で3万件以上の手術を行ってきた事になります。
それだけ日帰りや一泊での短期滞在手術を希望する患者さんは多いと言えますが、これからも安全で効果の高い手術を行っていく所存です。

手術実績詳しくは

 

2021年手術と2022年手術実績を更新いたしました。

少しさぼっており、2021年、2022年の手術件数開示が遅くなりました。申し訳ありません。
前副院長の馬場医師が退任後の2019年からは院長川村の一診体制に戻ったことから手術枠が減少したので年間約400人(人数です。手術件数は一人の患者さんに複数の術式をおこなう事が多いので件数は多くなります。)でほぼ安定しています。

近年目立つのは「ラジオ波凝固術+鼻内後鼻神経凍結術(いわゆるレーザー手術)」が減少し、かわりに粘膜下後鼻神経切断術が増えたことでしょうか。
この理由としては、いわゆるレーザー手術は鼻中隔弯曲や下鼻甲介肥厚などの骨形態異常には無効で、くしゃみ、鼻汁にも効果が弱く、鼻づまりも数年で再発しやすいのに対して粘膜下後鼻神経切断術(多くは鼻中隔矯正術と下鼻甲介骨切除も同時に行います)はこれらの骨形態も改善しますし、鼻づまりはもちろん、くしゃみや鼻汁の抑制にも効果が高く、持続性も高い事が浸透したために、これらの後鼻神経切断術を希望される患者さんが増えた事にあると思います。

手術成績はこちら

学会発表や論文作成がどうして
患者さんの役に立つのか

学術活動の再開

2020年のコロナ禍以降、医療分野での学会開催などは大幅に制限されていました。
学会そのものが中止になったり縮小されたり、開催されてもオンラインが中心で実際に対面しての討論を行う機会はめっきり減りました。
その間、私も学会に参加できず発表の機会も減っていましたが昨年後半ころからコロナ禍もピークを過ぎ、ようやく通常の形で学会が催されるようになりました。
それを機に昨年は全国的な学会で3度発表をし、そのうち2報を原著論文として投稿、採択されました。

学会活動へ

論文の作成

他のブログでも触れましたがこの「好酸球性副鼻腔炎に対する手術成績と再発例の検討」と「短期滞在で行う粘膜下下甲介骨切除術・後鼻神経末梢枝切断術」は開業以降、ずっと継続して行ってきた手術の成績や安全性、患者さんの評価をまとめたもので私の一種ライフワークとも言っても過言ではないと思います。
臨床治療の善し悪しは短期間の結果ではあまり正当な評価はできず、また少ない症例数でも論文として認めてもらえません。多数の患者さんに対する長期間の解析ではじめて各大学の教授を含めた専門家にも認められます。
そのため開業して約20年でようやく結果をまとめることができましたし、それが耳鼻科専門誌でも最も読者数の多い耳鼻咽喉科頭頚部外科学会誌に掲載されたことは私が行ってきた手術治療が耳鼻咽喉科学会において正当に評価されたことだと感じています。

原著論文とは

好酸球性副鼻腔炎100例以上で3年以上、アレルギー性鼻炎・鼻中隔弯曲症で100例以上で6年以上の臨床成績を論文にまとめました。
このような内容は開業医はもちろん、大学病院関連でも報告のないビッグデータですので原著論文として認定されたのかと思います。
原著論文は新規性(オリジナリティ)・有効性・信頼性があり、記述内容がこれまでに報告されておらず、内容に信頼性があることが第三者の専門家により厳格に査読されていることなどが特徴で、不備な部分などを何度も書き直しする必要があり、総説や著書などよりもハードルは高いものです。

論文を書く意義

近頃、周囲の先生に「なぜ、そんなに労力を費やして論文を書くのか?」と聞かれることがよくあります。
確かに大学内で教授を目指しているような先生は、多くの論文を書いて、それが有名な学会誌に掲載されると、それらが点数として業績に加えられます。教授選などではその点数が教授になれるかどうかを左右するので論文作成に意欲的です。
ただ、私のような一般開業医はそんなことは全く関係ありませんので、論文を書くことが直接的に社会的地位や利益に繋がることはなく、むしろ投稿するには時間も費用もかかります。それなのになぜ?と聞かれると「義務と権利だから」と答えています。
義務というのはホームページを立ち上げた時にも書きましたが、手術を行う医者としてはその結果、成績を学会などで公開して第三者の評価を受けるべきだと考えているからです。それによって自分が行っている治療が正しいものかどうか客観的に判断できますし、足りない部分もわかりますので、より良い治療、手術へと進んで行けるからです。そして常に進歩した治療を患者さんに還元する事が手術を行う医師の義務だと考えているからです。実際に私から見ても信頼できる先生、敬意を持てる先生はすべからず積極的に学会発表されていますし、論文も書かれています。だからこそある意味ライバルでありながらも同業者である他の医師からも信頼されるのだと思います。逆にいくら手術件数が多くても学会や論文で成績を発表していない施設は私はあまり信用しません。どのような内容の治療や手術を行っているかわからないからです。

論文が患者さんの利益になる理由

これは自分自身が病院を探す時にも当てはまります。
2年前に鼠径ヘルニアを患った時に、なるべく仕事を休まずに済み、なおかつ安全性の高い医療機関を探しました。やはりネットで「鼠径ヘルニア*日帰り*名医」などと検索して、いくつかの医療機関を比較しました。その中で手術件数も多く、学会や論文の発表も積極的で、なおかつホームページに詳しく治療内容を記載している医療機関を選択しました。その結果、休診にする事もなく、ほぼ想定通りに回復したので、その選択は間違っていなかったと思います。
やはり手術治療を行う医師、医療機関は学会や論文の発表を労を惜しまずに行って、それをホームページなどで患者さんに知らしめることが義務でもあり、それが患者さんにとって有益な情報になると確信しています。
権利というのは論文を書く権利という意味で、これは手術の症例数や経過を観察してきた年数に依存します。いくら自分で素晴らしと思った手術や治療を行っても、その症例数が少なかったり、経過を観察した期間が短かったりすると論文としては認めてもらえない場合が少なくありません。症例数が少なかったり、観察期間が短いと信頼できる成績ではないと判断されるからです。
前述したように好酸球性副鼻腔炎に対する内視鏡下副鼻腔手術100例以上、アレルギー性鼻炎・鼻中隔弯曲症の後鼻神経切断術も100例以上で、それぞれ3年以上、6年以上の観察期間での成績を論文として上梓しましたが、この症例数や観察期間は大学病院などを含めても一医療機関での報告は過去にありません。論文においての検討対象はそれぞれ100例強ですが手術実数は好酸球性副鼻腔炎で2000例以上、後鼻神経切断術で6000例以上あり全国的にもトップクラスです。
このように多くの症例数と観察期間を有しているから論文を書く権利があると言う意味ですが、逆に言えば、だからこそ成績を公にして手術が患者さんにとってどれほど意義があることか示す義務もあると考えています。
この診療スタンスというかポリシーは開業以来変わっていませんが、これからも継続してさらに良い医療、優れた手術を行うために日々研鑽してその結果を公にしていく所存です。

最後に

これらの論文作成において治療成績などのデータ提供を承諾していただいた患者様に心より感謝申し上げます。
おかげさまで多少なりとも医療の進歩に貢献できる(と信じています)論文を報告することができました

後鼻神経切断術の論文が正式に掲載されました!

以前にもお知らせしたとおり、当院で行っている後鼻神経切断術の成績をまとめた論文「短期滞在で行う粘膜下下甲介骨切除術・後鼻神経末梢枝切断術」が本年2月に日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報に掲載されました。
下記のURLからPDFをダウンローしていただくと全文がそのまま見ていただけます。

論文ダウンロード

 

医学論文で医師を対象読者としておりますので、少なからず難解な部位もあるかと思います。
内容は本年1月5日の「後鼻神経切断術が長期的にも効果が高く安全性も高いことが証明されました」とほぼ同じですので簡単に理解していただくのであればそのブログを参照して頂ければと思います。

論文掲載以降その反響は大きく、全国から手術見学希望の先生も来られ、近隣の先生からの紹介も増加しております。
また、なによりご家族、あるいはお知り合いの方が当院で手術を受けて勧められたとの患者さんが増えております。

これらのことは非常に励みになりますが、これからも少しでも鼻づまりや鼻水でお困りの患者さんの力になれるように精進致します。

後鼻神経切断術の長期的にも効果が高く
安全性も高いことが証明されました

薬やレーザー手術や等でも治りにくい頑固なくしゃみ・鼻水・鼻づまりに対する後鼻神経切断術の長期手術成績を2022年の耳鼻咽喉科臨床学会で報告いたしました。
また2023年2月には全耳鼻咽喉科医が購読する日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会誌にも掲載される予定です。
鼻水、鼻づまりに対する手術としてはいわゆるレーザー手術や骨の構造を改善させる鼻中隔矯正術や下鼻甲介骨切除術などもありますが、最も根本的かつ長期的にも良好な成績と考えられるのは後鼻神経切断術(9割の方では鼻中隔矯正術も同時に施行します)だと考えております。
下鼻甲介骨を摘出してその裏の後鼻神経を切断するこの手術は有効性が高い事は知られていましたが、

  • 長期的にも効果が続くのか
  • 短期、あるいは長期の合併症はあるのか
  • 日帰り局所麻酔や一泊全身麻酔などの短期滞在でも可能か

などの問題点は以前から指摘されていましたが、その答えとなる報告はありませんでした。
今回この手術を受けて3~16年、平均6.5ヶ月経過した100例以上の患者さんにアンケートにお答え頂き、それを元に問題点を検討しました。
結果

  1. くしゃみ79%、鼻汁83%、鼻閉97%、日常生活の支障度に対しても89%の良好な有効率であった。
  2. 主な短期合併症である術後出血の頻度は0.6%と少なく、過去2年では大量出血は認めていない。
  3. 長期合併症でもエンプティノーズ症候群のような日常生活に支障をきたすような重篤なものは認めなかった。
  4. 術中疼痛は軽度で、術中出血は少なく、手術時間も短く、局所麻酔下の日帰り手術で施行し得ると考えられた。

との結論を得ました。

効果の持続性(グラフ)

下鼻甲介骨切除術と後鼻神経切除術を併施した術式の比較

論文としての掲載が認められると言うことは、専門の先生の厳しい審査を通らないと掲載されませんので単なる術後の感想文とは異なり学術的に正当性があるということです。
過去にある報告は長くて1~2年で症例数も数十例ですが、今回の3~16年で100例以上であり、そのぶん信頼性が高いと言えます。
当院で手術を受けていただいた患者さんからその後の術後治療、及びデータの使用の許可を頂きこのように貴重な論文とすることができました。
心より感謝しております。
そのおかげで学術的にも認められたこの結果を元ににさらなる良い治療を求めて精進していきたいと思っております。
今後もよろしくお願いします。

ブログを始めました

ブログを始めました。

よろしくお願いします。