医院名:川村耳鼻咽喉科クリニック 
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くしゃみの原因と治療方法

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なぜくしゃみが起こるのか?

鼻水や鼻づまりと共に最も一般的な鼻の症状であるくしゃみ。くしゃみが止まらず困った経験のある方は少なくないと思います。ではこのくしゃみはどのような原因でどうして起こるのでしょうか?

三叉神経への刺激がくしゃみ中枢に伝わる

鼻の中には無数の神経が存在します。神経には鼻を刺激するとその興奮を脳・延髄の中枢に伝える知覚神経(鼻では三叉神経)と脳からの命令を鼻に伝える自律神経(交感神経および副交感神経)があります。知覚神経(三叉神経)が刺激されると求心性インパルスが延髄のくしゃみ中枢へ伝わり、中枢からの命令が各種神経を通って呼吸筋(横隔筋、肋間筋など)、へと伝わりくしゃみが起こります。

アレルギー性鼻炎・血管運動性鼻炎・光刺激でも

アレルギー性鼻炎では粘膜自体が刺激を受けやすい状態になっており、自律神経もくしゃみや鼻水が起こりやすい副交感神経優位になっており、さらに中枢の過敏性も更新しているので正常な人よりくしゃみが起こりやすくなります。
また血管運動性鼻炎や寒暖差アレルギーと言われる温度変化や鼻を触ったりする軽い刺激でもくしゃみが起こりやすい方も粘膜に分布する知覚神経(三叉神経)が刺激に興奮しやすい状態になっていると考えられます。
さらには光くしゃみ反射と呼ばれ強い光の刺激でくしゃみが起こる方がいます。日本では約4人に一人の優性遺伝で起こるとされていますが、これは光刺激によって瞳孔が縮小するとその刺激が鼻汁分泌やくしゃみを起こす神経とつながっていているためと考えられていますが、まだ詳しくはわかっていません。

くしゃみが起こる疾患

風邪

風邪のほとんどはウイルスですがウイルスや細菌などの異物が侵入しようとすると、それに反応してくしゃみが出ます。またウイルスや細菌などの病原菌に対する免疫反応によって生じる刺激でくしゃみが起こります。高熱がでたり、鼻水だけではなく粘調な色の付いた鼻汁が続く場合は耳鼻科受診をお勧めします。

アレルギー性鼻炎

抗原が鼻内に侵入するとマスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されます。これが三叉神経終末を刺激して中枢に伝えられてくしゃみを起こします。
一年中アレルギー性鼻炎を起こす抗原で代表的なものはダニやハウスダスト、ペットです。季節性の花粉症では春のスギやヒノキが有名ですが、夏のイネ科、秋のヨモギやブタクサなどもあります。

アレルギー性鼻炎詳しくは >

血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)

アレルギー性鼻炎のようにダニや花粉などに反応してするのは主に自分とは異なる特定の蛋白に反応するので特異的鼻過敏症とも言いますが、抗原ではなくても温度変化や接触刺激、気圧の変化などの特定できない刺激でも神経が興奮しやすく、くしゃみ発作が誘発される方がいます。このような病態を非特異的鼻過敏症、あるいは血管運動性鼻炎と言います。
朝晩と日中の温度変化が強い春・秋の季節の変わり目や夏場でもクーラーの効いたビルに入った時に症状が起こる寒暖差アレルギーもその一種ですし、電車に飛び乗っただけでもくしゃみが連発する方はこの病態かもしれません。

くしゃみの治療

風邪の場合

風邪の場合はほとんどの原因がウイルスであるため根治的な薬はなく、風邪を治すことが第一です。そのためには安静にして身体を温め、室温を25度程度に保ち加湿を心がけて下さい。くしゃみの対症療法としてはアレルギー性鼻炎などと同様に抗ヒスタミン薬などを用います。
 アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)の場合
この場合は鼻の粘膜に分布する知覚神経(三叉神経)が刺激を受けると興奮しやすい状態になっているのが原因です。

薬物療法

治療の第一は抗ヒスタミン薬などの薬物療法でしょう。抗ヒスタミン薬はマスト細胞から分泌されるヒスタミンが血管や神経のヒスタミン受容体と結合するのをブロックすることによって症状を抑えます。ただ知覚神経はヒスタミン以外の温度変化や刺激によっても反応しますのでくしゃみは鼻水や鼻づまり以上に薬で抑えにくいにやっかいな症状でもあります。
点鼻薬も市販されているものの多くは血管収縮剤が含まれているので鼻づまりには速効性があり効果が実感しやすいですが、知覚神経の反応を抑える作用は成分中の抗ヒスタミン薬ですので飲み薬と同様にくしゃみを抑える効果はあまり強くない印象があります。
病院で処方される点鼻薬の多くはステロイドが含まれます。これはアレルギー反応全体を押さえる効果が期待できますが、速効性はあまりありません。

レーザー手術(鼻粘膜焼灼術)

手術的な治療の一つとしてよく知られているのがレーザー手術(鼻粘膜焼灼術)です。炭酸ガスレーザーを用いるのが最も普及しているのでレーザー手術という呼び方が定着しましたが、炭酸ガスレーザー以外にもアルゴンプラズマやラジオ波を用いる方法などがありますが基本的な原理は一緒です。これは下鼻甲介というアレルギー性鼻炎を起こしている粘膜の表面を焼く方法で粘膜を縮める作用が強いので鼻づまりに最も効果を発揮します。また粘膜表面をアレルギー反応が起こりにくい状態に変性しますのでくしゃみや鼻水もある程度は減りますが、鼻づまりの効果には少し劣ります。また効果は永久ではなく、レーザー手術では1年間ほど、ラジオ波でも2~3年後から効果は薄れてきます。なお当院ではラジオ波を用いており、炭酸ガスレーザーでは数回行わなければ効果が出にくいところが一度の手術で効果が得られる利点があります。

ラジオ波焼灼術(レーザー手術)について >

後鼻神経切断術

くしゃみに対して最も効果が高いのは後鼻神経切断術でしょう。これはアレルギー性鼻炎の反応の場所となっている下鼻甲介に分布する知覚神経と鼻水の分泌神経を切断する方法で20年ほど前から行われはじめ、当初は鼻の深部で切断していたために時間がかかる手術で、しばしば術後の出血も認められましたが、近年では他の方法も確立され短時間で出血の危険性も少なくなりました。神経を切断すると聞くと少し怖い感じもするかもしれませんが、鼻の中のすべての神経を切断するわけではなく、分泌神経の7~8割、知覚神経の3~4割を切断します。したがってくしゃみや鼻水がすべて無くなるわけではなく、個人差はありますが、全体としてくしゃみ、鼻水が半分程度になることが多いようです。くしゃみ、鼻水が全くなくなると異物を吸い込んだときに反応しなくなったり、鼻が乾きすぎたりしますから半分になれば過剰な反応が適度な反応になる程度と考えられます。また臭いの神経には影響がありませんので嗅覚の低下も起こりません。当院では日帰りの局所麻酔でも行っております。詳しくは後鼻神経切断術をご参照下さい。

後鼻神経切断術はこちら >

参考

このページでは院長・川村が多数の手術や臨床経験に基づいた少し専門的な症状や病気の解説、学会などで得られた最新の知見など少し深い内容を追加していきたいと思います。やや専門的で難しい部分もあるかもしれませんが、症状や病気の詳しい内容を知りたい方には参考にしていただけると思います。