慢性的な鼻づまり、頑固な鼻づまりは集中力や睡眠の妨げになり、とてもつらいものです。日常生活に支障をきたすだけではなく、頭痛の原因になったり、集中力が低下したりして仕事や勉強の効率も悪くなります。
鼻づまりの中でも特に
- 市販の点鼻薬や病院で処方された点鼻薬でも一時的な効果しかない
- 病院の内服薬では効果が実感できない
- レーザー手術を受けても効果が短い、あるいは弱い
- 昼間も鼻がつまるが、特に夜間に寝るとつまりやすい
- 両方、あるいはどちらかが常につまっており、左右が完全に通ることがない
などの症状がある場合は結構治りにくい鼻づまりだと言えます。
では、その原因と対処法を説明します。
正常の鼻腔

鼻づまりの鼻腔
骨の構造
鼻中隔が弯曲していたり下鼻甲介の骨が大きい、あるいは偏倚したりすると物理的に鼻の中は狭くなります。この場合は点鼻や内服では骨は小さくなりませんので、鼻づまりを治すには手術的に骨をまっすぐにしたり、削ったりするしかありません。
下鼻甲介粘膜の腫れ
下鼻甲介や中鼻甲介は内部に骨があり表面を粘膜で覆われていますが、特に下鼻甲介の粘膜は血管が豊富でここの血管が拡張すると粘膜が腫れて鼻づまりの原因になります。アレルギー性鼻炎や就寝時に横になったりすると粘膜は腫れやすくなるので鼻づまりが起こります。市販の点鼻薬などの血管を収縮させる方法は病院での処置で一時的に改善する場合はありますが、薬の効果が切れると元に戻ってしまいます。レーザー手術は粘膜を焼いて縮める方法ですのである程度は有効ですが、高度の腫れの場合は限界があり、数年で効果は薄れてきます。
そのような場合はアレルギー反応を抑えて血管を拡張させる神経を処理する後鼻神経切断術が最も有効です。
中鼻甲介蜂巣
鼻腔の上方にある中鼻甲介は成長とともに風船状に腫れる場合があります。この中の空気は外と交通しませんので鼻づまりの原因になります。これも薬は無効で手術的に半分切除するしか方法はありません。
ポリープ(鼻茸)
副鼻腔炎が慢性かつ高度になるとしばしばポリープが発生します。軽度な場合は薬で小さく、あるいは消失する場合もありますが、一般的にはポリープができる副鼻腔炎は高度な場合が多く、薬や処置で消失する事は稀です。その場合はポリープを削る処置が必要です。
いかがでしょうか?これらがレーザー手術や薬でも効果が乏しい鼻づまりの原因と対処法です。 すなわち骨の構造に問題があったり、下鼻甲介粘膜の腫れが高度な場合には市販の点鼻薬、内服薬、レーザー手術でも限界があります。
そのような場合は骨の構造を治すには手術しかなく、下鼻甲介の腫れを小さくするには下鼻甲介の骨を摘出して後鼻神経を切断する手術が最も効果的と考えます。
これらの手術は日帰り局所麻酔で可能ですので、長年お悩みの方は一度ご検討下さい。