医院名:川村耳鼻咽喉科クリニック 
住所:〒536-0001 大阪市城東区古市3丁目23-21 
電話番号:06-6939-8700

鼻水が止まらない(サラサラ、水っぽい、ネバネバ)

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鼻水が止まらない鼻水が止まらないという状態は、それほど重篤でないケースでも生活の質(QOL)が大きく下がり、本人にとってはつらいものです。
鼻水といっても、さまざまですが、よく患者さんから相談を受けるのは、さらさらしたもの、水のようなものといった粘り気のないものと、ネバネバしたものやドロっと膿のようになっている粘り気の高いものに分けることができます。ここでは、こうした鼻水の状態からどんな疾患が考えられるのか、どのように治療するのかについて説明します。

サラサラした、水っぽい鼻水の原因

さらさらしていて水っぽい、粘り気の少ない鼻水がでる場合、風邪、アレルギー性鼻炎、寒暖差アレルギーなどが考えられます。受診の際には原因が特定しやすくなるため、ほかにどんな症状がおこっているかも伝えるようにしましょう。

1.風邪

風邪の初期には、粘り気の少ないさらさらした鼻水がでることがあります。いわゆる鼻風邪の状態ですが、ほかにも喉が痛む、発熱がみられる、頭痛や倦怠感などがあるといった諸症状をともなうこともあります。

2.アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎には花粉症などに代表される季節性のもの、ハウスダストなどによる通年性のものがあります。どちらの場合も粘り気の少ない水っぽい鼻水が出ることが多く、ときには鼻水がとまらなくなってしまうこともあります。多くの場合、鼻づまり、目のかゆみ、くしゃみなどの症状をともないます。

 

3.寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)

温かい部屋で換気のために窓を開けたときや、寒い屋外から急に温かい室内にはいったとき、温かい麺類を食べたときなど、さらさらとした鼻水がでたり、くしゃみがでて鼻がつまったりすることがあります。鼻の中の血管が温度差にうまくついていけず、急に収縮したり拡張したりすることによっておこると言われており、一般的には7℃差以上の寒暖差でおこりやすいとされています。さらにイライラしたり食欲がなくなったりすることもあります。

 

ネバネバした鼻水、ドロッとした鼻水の原因

ネバネバした鼻水、ドロッとした鼻水の原因粘り気の強いドロっとした鼻水がでる場合は、風邪やアレルギー性鼻炎などで炎症が長引いたときのほか、細菌感染や副鼻腔関連の疾患が考えられます。長期間続いたり、繰り返しおこったりするようなら、一度耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

1.細菌感染

風邪の原因はウイルスが圧倒的に多いのですが、細菌感染が原因となることもあります。とくにインフルエンザ菌(過去にインフルエンザの原因と考えられこの名称がつきましたが、インフルエンザをおこすウイルスとは別のものです)、肺炎球菌、人の上気道に定着しやすいといわれる病原菌のモラクセラ・カタラーリス、黄色ブドウ球菌などが細菌感染性の鼻炎や副鼻腔炎の原因としてポピュラーなものです。ウイルス性の風邪から抵抗力が落ちて、細菌感染を引き起こすこともありますので、風邪の症状があるときは感染症の悪循環をおこさないよう注意が必要です。

治療法

細菌感染に対しては抗菌剤の投与が必要です。鼻内に感染を引き起こす細菌には抗菌薬が効きにくい、いわゆる耐性菌が見つかる場合があります。感染の状況にあった抗菌薬の選択が大事です。一般的には抗菌薬を処方します。ただしこうした感染を引き起こす細菌はポピュラーなものですから、いわゆる耐性菌も多いため慎重に菌の種類を見極めて抗菌薬を選択します。

2.副鼻腔炎(蓄膿症)

黄色や緑色っぽい粘り気の強いドロっとした鼻水が出る、そうした鼻水が臭うなどの場合には副鼻腔炎の可能性があります。顔の中には、数か所大きな空洞があってそれぞれ鼻とつながっています。これを副鼻腔といいます。風邪の炎症が副鼻腔にいたると、急性の副鼻腔炎をおこします。この急性副鼻腔炎によって、鼻とつながっている通路が塞がれてしまい、慢性化すると慢性副鼻腔炎となります。その他にも原因としては、奥歯の虫歯や歯周病によっておこる歯性上顎洞炎や、真菌が副鼻腔内で繁殖しておこる真菌性副鼻腔炎などもあります。一度耳鼻咽喉科で検査を受けることをお勧めします。

治療法

鼻水の吸引、鼻の内部の洗浄といった保存的療法のほか、ネブライザーによる副鼻腔内への薬液噴霧などを行い、原因にあわせた内服薬を処方します。悪化して薬の効果がないときや、真菌性副鼻腔炎では手術を検討します。手術は内視鏡下鼻腔手術で出血や痛みも少ない日帰り可能なものです。また虫歯や歯周病など歯が原因となっているケースでは歯科と連携して治療を行います。

 

3.上顎洞嚢胞

頬の奥がなんとなく腫れて重たい、突然黄色くてさらさらした鼻水が大量にでてきたなどの症状がでたら副鼻腔嚢胞の可能性があります。副鼻腔内になんらかの原因によって嚢胞ができ、内部に粘液などが溜まってしまうことによる症状です。嚢胞ができる場所としては頬の内側にある上顎洞といわれる部分が一番多く、原因としては虫歯や歯周病がきっかけとなったりすることもありますが、過去に副鼻腔手術を受けて残った粘膜が袋状になってしまうことによるものが多く、全体の3分の2程度あります。こうした症状を繰り返す場合、はやめに耳鼻咽喉科を受診してください。

治療法

症状が強い場合は、手術による嚢胞切除を行います。内視鏡下副鼻腔手術によって行うため痛みや出血も少ないものです。

4.異物

小さいお子さんは、好奇心旺盛で知らない間に、小さなおもちゃや紙、ビー玉などを鼻に入れてとれなくなってしまうことがあります。内部で炎症をおこし化膿して黄色い鼻水がでることがあります。また、大人でも、薬を飲もうとしたり食事中にくしゃみが出たりして、鼻に錠剤やカプセル、食べ物の塊などがつまってとれなくなることもあります。お子さんの場合は症状がでて受診してはじめて発見されることもありますが、気づいたらすぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

治療法

鼻鏡などを使って異物を取り出します。通常は異物がなくなると症状も自然に治っていきますが、細菌などに感染してしまった場合は抗菌剤を処方することもあります。
粘り気が強い鼻水や黄色い鼻水が出る原因としては、風邪などによる炎症の悪化が最も考えやすいものです。風邪は通常1週間程度で治っていきますが、その間に副鼻腔炎をおこすなどの場合、症状がずっと続いたり、悪化していったりすることもあります。そのような場合には、はやめに耳鼻咽喉科を受診してください。

鼻水が止まらない時の対処法

鼻水が止まらない時の対処法鼻水が止まらない、夜間に悪化して眠れないなどの症状があると、生活の質が大きく下がってしまいます。そのようなときの対処方法をご紹介します。ただしあくまでも、緊急対応的なものですので、症状が続く場合は早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

1.鼻をかむ

鼻水がでるときは鼻をかむ、あたりまえのことのようですが意外と間違ったかみ方をしているケースを見受けます。鼻をかむ場合、必ず片方の鼻を軽くおさえて、あいてる方の鼻を静かにかむようにします。強くかと鼻血を出してしまう可能性もあります。また両方同時にかむと耳に影響がでることもありますので注意が必要です。

2.蒸しタオルであたためる

タオルを水に浸し、固く絞ってから電子レンジで1分ぐらい温めた蒸しタオルを鼻にあてることで、鼻水や鼻づまりが緩和されることがあります。ただし、風邪などで強い炎症がおこっているときは逆効果になることもありますので注意が必要です。また蒸しタオルを用意するさいは火傷にも十分注意してください。

3.鼻水吸引器(鼻吸い器)を使用する

昔は赤ちゃんの鼻が詰まったときなど、お母さんが口で吸ってあげるなどで対処したものですが、感染の危険などもありますので、現在は家庭用の鼻水吸引器を利用することをお勧めしています。大人の場合でも、よく鼻がつまるような方はこの吸引器が有効です。

4.マスクで加湿する

鼻の粘膜は乾燥することによって鼻水がでやすくなってしまいます。マスクは外界の冷気から鼻や喉をまもり、湿度を適度に保つために有効です。鼻水がつらいときはマスクの着用をお勧めします。

5.加湿器を使用する

部屋全体がエアコンなどで乾燥している場合も鼻の粘膜にとっては刺激になってしまいます。加湿器を使い、適度な湿度を保つようにしましょう。加湿器は湿度4060%程度に設定するとよいでしょう。加湿器がない場合は、洗濯ものを部屋に干したり、ぬれタオルをかけておいたりするなどでも部屋を加湿する効果があります。

6.お風呂に入って身体をあたためる・鼻腔を加湿する

入浴は体全体の血行を促すだけではなく、湿気によって鼻の内部も加湿されます。発熱などの症状がないかぎり、ゆっくりと入浴して温まるのも有効です。

鼻水が止まらない症状に関するQ&A

鼻水が止まらない場合、一般的にどのような原因が考えられますか?

鼻水が止まらない主な原因は、アレルギー反応、風邪、鼻炎、副鼻腔炎などの上気道感染、または鼻ポリープなどの鼻の異常な成長が挙げられます。

鼻水が止まらない場合、手術が必要になることはありますか?

鼻水が止まらない場合、症状の原因によっては手術が必要となることがありますアレルギー性鼻炎には後鼻神経切断術やレーザー手術、副鼻腔炎に対する内視鏡下副鼻腔手術などが行われることがあります。ただし、手術の必要性は個々の症状や病歴によって異なるため、専門医の指示に従うことが重要です。

鼻水が止まらないとき、いつ専門医に相談すべきですか?

鼻水が1週間以上続く、鼻水が黄色や緑色に変わる、頭痛や顔の腫れ、高熱がある、味覚や嗅覚の喪失など他の症状が現れる場合には、すぐに専門医に相談することをおすすめします。また、呼吸が困難である場合も早急に診察を受けるべきです。

鼻水が止まらないときに自己判断で薬を使ってもいいですか?

自己判断で市販の風邪薬や抗ヒスタミン薬を使うことは一時的に症状を緩和する場合がありますが、潜在的な原因を取り違える可能性があるため避けるべきです。長期間鼻水が止まらない場合は、専門医に相談して適切な処方薬を受けるようにしましょう。

鼻水が止まらない症状を予防する方法はありますか?

アレルギー反応による場合は、アレルゲンを避けることが予防策となります。風邪や感染症を予防するためには、手洗いやうがいをしっかり行い、人ごみを避けるなどの予防対策が重要です。また、タバコの煙を避けることも鼻水の症状を軽減するために役立ちます。健康的な生活習慣を維持し、免疫力を高めることも予防に役立ちます。

監修医師

医院名 医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック
院長名 川村繁樹
資格 医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

院長