医院名:川村耳鼻咽喉科クリニック 
住所:〒536-0001 大阪市城東区古市3丁目23-21 
電話番号:06-6939-8700

耳から出血・血が出る原因と治療方法

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耳からの出血

耳は、いわゆる耳たぶ(耳介)から外耳道を通って鼓膜までを外耳、鼓膜から三半規管の手前までを中耳、三半規管や蝸牛から奥を内耳とわけています。耳からの出血はそのどこかに外傷や炎症などのトラブルがおこっている証です。まずはどこからの出血なのかを調べることが大切です。

耳かきに注意を

耳から出血で一番多いのは、耳かきによるトラブルです。耳垢は通常、外耳道の内側から耳外に自動的に排出されるような仕組みになっているため、耳掃除は月に2回程度で十分間に合います。しかし耳が乾燥して痒かったり、気持がよかったりしてつい耳かきをしすぎてしまう傾向があります。
しかし、耳の皮膚は大変薄く、骨の上を覆っているだけですので、耳垢が耳の皮膚を保護しているといった意味もあります。くれぐれも耳かきをしすぎないようにしましょう。
耳かきはできるだけ柔らかい素材のもの、とくに細めの綿棒などで耳の入り口の少しだけを掃除すれば十分です。
またお子さんの耳かきなどについては、押し込んでしまったり、お子さんが動いて傷つけてしまったりする危険性もありますので、お気軽に耳鼻咽喉科で耳掃除をしましょう。

出血が起こっている場所

耳介

耳介とは、耳の外に見えている部分、いわゆる耳たぶのことです。耳介の出血は外傷によることが多いのですが、耳たぶの後ろ側や、耳たぶのすぐそばにあるこめかみを通る動脈などがあり、ちょっとした怪我で大出血をおこす可能性があります。そんな時は、細菌などに感染しないよう、清潔なガーゼなどで傷を押さえながら急いで病院に行きましょう。
きちんと手当せずに傷を放置してしまうと、細菌などに感染して耳介軟骨膜炎などをおこして耳たぶが変形してしまうこともあります。
また耳たぶに強い圧力を受け続けることによってできる耳介血腫は、いわゆる「柔道耳」ともいわれ、皮下出血を繰り返すことによって変形してしまったものです。

外耳道

外耳道とはいわゆる耳の穴で、見えている入り口のところから鼓膜までを指します。ここからの出血は、ほとんどのケースが耳かきによるものです。
その他の原因としては、外耳道が何らかの原因で炎症をおこして出血する外耳道炎があります。この場合鮮やかな赤い色の出血が特徴です。
さらに鼓膜からの出血があります。鼓膜からの出血は微量であることが多く、痛みのほうが強い傾向があります。鼓膜から出血する原因としても耳かきが一番多いのですが、稀に水疱性鼓膜炎で水疱が破れたことによる出血もあります。
また外傷性のものでは、球技をしていてボールがあたったことによるものや、平手うちによるものもあります。

中耳

中耳は鼓膜から奥、鼓室という空洞から内耳に音を伝えるアブミ骨などが存在する、内耳の手前までをいいます。外部とは鼓膜で遮られていて、外傷による出血のケースはほとんどありません。
中耳からの出血の多くは、急性中耳炎の悪化によるもので、炎症による膿が鼓膜を破って耳だれとなって出てくるさいに血液が混入したものです。
また真珠腫性中耳炎という鼓膜の一部がへこんで溜まった耳垢とともに真珠のような塊になってしまう中耳炎では、同様に鼓膜を破ってでてきた耳だれに血液が混じることがあり、臭いが強いことが特徴です。

内耳

内耳はもっとも深い部分にあり、平衡感覚をつかさどる半規管や音を信号にかえて脳につたえるための蝸牛や聴神経などがあります。耳から外への出血は、交通事故などで側頭部を骨折したさいなど、特殊ケースでしかおこらないのが普通です。
内耳の疾患による出血もありますが、通常外部へ流れ出ることはなく、耳鼻咽喉科で検査を受けたときに内出血が見つかることがほとんどです。

耳の皮膚がん

まれなケースとして、耳の内部に皮膚がんができることがあります。炎症性の腫瘍ががん化したものが多く、ほとんどの場合は中耳にできます。進行すると痛みとともに出血があります。耳鳴りやめまい、難聴などの症状がでて、さらに進行すると平衡器官や神経などに症状が及び、吐き気や嘔吐、顔面神経麻痺などを起こすこともあります。
耳の皮膚がんは、中耳炎を併発して、その治療で見つかるケースが多くあります。

耳からの出血の治療法

耳介の外傷

耳介の出血は外傷によることが多いのですが、耳たぶの後ろ側や、耳たぶのすぐそばにあるこめかみを通る動脈などがあり、ちょっとした怪我で大出血をおこす可能性があります。そんな時は、細菌などに感染しないよう、清潔なガーゼなどで傷を押さえながら急いで病院に行きましょう。

耳介軟骨膜炎

耳たぶ(耳介)は3分の1ほどが軟骨でできていて、皮膚が大変薄いため、少しの外傷でも放置して細菌感染をおこすと、すぐに軟骨にも炎症が拡がってしまいがちです。いったん軟骨に感染が拡がると、血腫ができて耳が変形してしまう原因ともなります。
きっかけは外傷や虫刺されなどもありますが、ピアスの穴をあけるさいに感染するということもありますので、くれぐれもきちんと消毒して清潔な環境で行ってください。またピアスをつけっぱなしにして感染症をおこすこともありますので、日常生活でも注意が必要です。
原因菌としては緑膿菌やブドウ球菌が多く、小さな赤い腫れがだんだんと大きくなって疼痛や熱感などがでてくるようになります。
できるだけ早く治さないと耳が変形してしまうこともあります。腫れが大きくなってきそうなら、その部分を氷嚢などで冷やしながら耳鼻咽喉科で治療を受けてください。
治療は、抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与で炎症をしずめ、膿が溜まっている場合は排膿します。炎症が強い場合はステロイド薬を使用することもあります。
悪化すると、軟骨が露出することがあります。狭い範囲であれば保存的な治療ですむことおもあるのですが、広範囲にわたると手術による修復や、植皮などの外科的治療となります。

耳介血腫

変形してしまっている場合、形成手術が必要になる場合もあります。
柔道などに代表されるように、耳たぶ(耳介)への圧迫や摩擦が繰り返され、皮下出血をおこすと、そこが血腫となります。一般的には柔道耳と呼ばれています。
放置すると、感染から耳介軟骨膜炎を発症する可能性がありますので、注意が必要です。
治療としては、耳たぶに孔をあけて血腫を吸い出します。再発を防ぐためには、ガーゼタンポンを縫合留置する方法やドレーンパイプを留置する方法などで内容物を溜めないようにする方法をとることもあります。

外耳道

耳かきなどによる外傷

外耳道から出血のほとんどは耳かきによるものです。耳かきが原因で出血がおこり、やっと血が止まったところにかさぶたができると痒くなってまた耳かきでかさぶたをはがして悪化させてしまうという悪循環をおこすことがあります。
繰り返し出血をおこしていると、感染リスクは高くなります。出血をおこしても血は自然に止まりますが、清潔にして放置せずに耳鼻咽喉科を受診してください。

外耳道炎

外耳道炎もやはり耳かきによる刺激から起こることが多いものです。多くは自然に治りますが、糖尿病や免疫疾患などがある方は繰り返し外耳道炎を繰り返すことや、悪性外耳道炎という進行性の疾患をおこすことがありますので注意が必要です。
通常の外耳道炎であれば、外耳道の消毒と抗菌薬やステロイド薬の軟膏を外耳道に塗布するなどで治療します。
悪性の場合は、進行して側頭骨などに炎症が拡がり、生命に危険を及ぼすこともあります。症状が軽いうちは抗菌剤の内服、進行した後は抗菌薬の静脈注射を続けることになります。そこまで進行した場合は感染管理のため入院治療となります。
糖尿病が原因の場合は糖尿病管理も同時に行います。

外耳道湿疹

シャンプーや化粧品などにアレルギーがあると、外耳道炎に湿疹を併発してしまうことがあります。その場合強い痒みをともないますが、悪化しやすいため患部を触ることは厳禁です。また湿疹をおこした皮膚がはがれおちて耳だれが出ることもあります。
ただちに、原因と思われるシャンプーや化粧品の使用を中止して耳鼻咽喉科で治療をうけてください。
ステロイド薬を患部へ塗布し、抗アレルギー薬やかゆみ止めの抗ヒスタミン薬などを併用し治療を行います。

真菌感染

いつもイヤフォンなどで耳を塞いでいると、耳の換気が悪くなり真菌(カビ)に感染することがあります。強い痒みをともなうのが特徴です。外耳道炎などを併発している場合、その治療のためのステロイド薬や抗菌薬が真菌を増殖させて悪化することがありますので注意が必要です。
真菌感染の場合、抗真菌薬を患部に塗布、または内服することにより治療を行います。

鼓膜

外傷性の鼓膜穿孔

球技などでボールがあたったり、平手打ちをうけたりして鼓膜が破れる場合があります。極端なときは耳かきで鼓膜を破ることもあります。通常は自然に塞がってきますが、
鼓膜に孔が開いたままになってしまうと、通常外気と隔てられている中耳が感染を起こしやすくなりますので、鼓膜が塞がらない場合は、鼓膜の孔を閉じる手術や人工鼓膜と取り替える手術などを検討することになります。鼓膜の孔を閉じる手術は30分程度の簡単なもので、日帰りでの施術が可能です。

水疱性鼓膜炎

鼓膜の表面に水疱ができ、強く痛んで難聴などの症状があらわれます。まだ原因はわかっていませんが、ウイルスや細菌が鼓膜に感染することによるのではないかと言われています。
出血したとしても僅かですので、出血に対する治療は不要ですが、しっかりと消毒を行い、抗菌薬と鎮痛消炎薬を用いて治療します。

中耳

中耳炎

中耳からの出血は、中耳炎によるものがほとんどです。中耳が炎症をおこし化膿が進むと膿が鼓膜を破って、耳だれとなって出てきます。ここに血液が混じることがありますが、出血自体は極めて少量ですので、止血して消毒を行えばほとんど心配ありません。
ただし、中耳炎はきちんと治さないと繰り返すことが多くなり、また悪化して周囲の骨を溶かすなど、重篤な状況になる場合もあります。
通常は急性中耳炎をおこし、悪化して鼻や耳管から滲出した液が溜まる滲出性中耳炎になったり、鼓膜に孔があいて中耳炎が治らない慢性中耳炎になったりします。
さらに悪化すると、鼓膜の一部がへこんでそこに耳垢が溜まって真珠のような塊になって炎症をおこす真珠腫性中耳炎や鼓膜が中耳粘膜に貼り付いてしまう癒着性中耳炎などになってしまう可能性もあります。
悪化すると手術が必要になってしまいますが、急性中耳炎のうちに、医師の指示を守りきっちりと完治させれば、ほとんど繰り返す可能性もなくなります。
急性中耳炎は、多くが風邪などによって鼻から耳管を通って感染をおこすため、鼻からネブライザーなどで薬液を噴霧し、鼻から炎症をしずめる治療を行います。それと併行して抗菌薬を内服します。抗菌薬を使ってもなかなか炎症が治まらず、痛みが続く場合には、鼓膜切開で排膿処置を行うこともあります。鼓膜切開の孔は数日で塞がりますので心配はいりません。

内耳

内耳からは内科的な要因で耳の外まで出血することはまずありません。もし耳の外に出血が見られる場合は、打撲などによる側頭骨骨折が考えられますので、すぐに救急対応が必要になります。救急病院へ搬送してください。