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新着情報

好酸球性副鼻腔炎の論文が学術誌に掲載されました。

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以前ブログでもご紹介した内容ですが、このたび「好酸球性副鼻腔炎に対する手術成績と再発例の検討」が全耳鼻咽喉科医が購読する日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会誌に掲載されました。
詳しい内容は2022年1月の当院HP「好酸球性副鼻腔炎再発しやすいの?その時の対応は」に掲載しておりますのでそちらをご覧ください。

簡単に要約しますと

  1. 好酸球性副鼻腔炎114例を術後3年間の観察したところ、再発を認めなかったのが約7割、再発したのが約3割であった
  2. 再発例でも再発しなかった例と同様に鼻汁、鼻づまり、後鼻漏は手術後改善を認めた。嗅覚障害も改善したが再発例ではやや不十分であった。
  3. 再発した症例も術後の薬物療法などでほぼ症状は抑えられていた、抑え切れなかったのは約1割であった。
  4. 1割の症例に対して再手術や生物製剤の追加治療を行うと、ほぼ全症例でコントロール可能であった

との結果でした。
なお本文は Google などで「川村繁樹✕好酸球性副鼻腔炎」で検索していただけると誰でもダウンロードして読むことができます。
なおそのキーワードで検索をかけると約10年前に論文として掲載された「好酸球性副鼻腔炎の診断および評価基準作成の試み」もダウンロードできます。
耳鼻咽喉科専門医を対象とした文章ですのでいささか難解なところもありますが、ご興味がある方は是非ダウンロードしてご覧ください。

論文として載るということはその内容を専門の先生が審査して、学術的に問題がないと認められたものしか掲載はされませんので信頼できる内容と言えると思います。
過去に100例以上3年以上の観察をした論文の報告は大学などの大病院でもまだありませんし、一クリニックで行なった症例数としてもかなり多く、再発率が高いと言われている好酸球性副鼻腔炎においても手術治療はかなり有効だと言う臨床上の印象通りの結果が得られたと感じております。
当院で手術を受けていただいた患者さんからその後の術後治療、及びデータの使用の許可を頂きこのように貴重な論文とすることができました。
心より感謝しております。
そのおかげで学術的にも認められたこの結果を元ににさらなる良い治療を求めて精進していきたいと思っております。
今回の論文では書き切れませんでしたが、再発して再発後の保存的治療にも抵抗する患者さんには、現在、生物学的製剤などの次なる治療手段として素晴らしいものが出てきております。
その結果もかなり良好なものであり、学会で発表しておりますのでまたいつか論文にしてご報告したいと考えております。
「メニュー」→「日帰り手術」→「日帰り手術について」→「手術実績」にも書いておりますが手術をさせて頂いてる以上その成績を信頼できる形でホームページ上にも公開するのがわれわれにとっての義務であり信頼して頂けるただ一つの方法だと考えております。
今後も、もちろん個人情報に配慮した上で成績などは公開していきたいと考えております。よろしくお願いします。