喘息の発作

喘息の発作が起きた際の対処の方法は? 慌てずに対応しましょう!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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喘息とは、気管支などの空気の通り道が炎症によって狭くなる病気です。喘息患者の気道は刺激に敏感になっているため、冷たい空気などの刺激で息苦しさや喘鳴をともなう発作が起きやすいでしょう。

今回は喘息の発作の対処法をご説明します。喘息の発作が起こると本人が苦しいのはもちろんのこと、周りの人も慌ててしまいがちです。特に子供が発作を起こした場合は、親が慌ててしまうと対処が遅れてしまい大変なことになるかもしれません。落ち着いて対処することが大切です。ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

  1. 喘息とは?
  2. 喘息の発作はどうして起こるの?
  3. 発作が起きた時の対処法は?
  4. 喘息の発作を予防する方法は?
  5. おわりに

1.喘息とは?

この項では、喘息の症状や発作がおきやすくなる環境などをご紹介します。喘息は治療をせずに放置すると、発作がどんどんひどくなる可能性があるのです。

1-1.喘息ってどんな病気?

喘息とは、気管支など気道と呼ばれる空気の通り道が炎症によって狭くなる病気です。炎症を起こす原因はさまざまですが、子供の喘息は小児喘息と呼ばれ大人の喘息は気管支喘息と呼ばれています。炎症を起こした気道はたばこの煙や冷たい空気などちょっとした刺激では気道が狭くなり、息苦しくなったりします。これが喘息の発作です。

1-2.喘息の発作の症状は?

炎症を起こした気道は、健康な人なら気にならない程度の刺激でも気道平滑筋と呼ばれる気道内の筋肉が収縮を起こし、気道が狭くなります。その結果息苦しくなったり、喘鳴と呼ばれる風切音が発生し呼吸困難になるのです。

発作の状態はその時によってさまざまで、安静にしていれば治る程度の軽いものから、一刻も早く治療を受けないと命の危険がある重いものまであります。喘息の発作が起きたら、慌てずに治療薬を吸引させるなど適切な処置をとることが大切です。

1-3.喘息は適切な治療が大切

喘息を放っておくと、気道の粘膜が狭くなって戻らなくなります。こうなると、少しの刺激で重い発作を引き起こしやすくなり、最悪の場合命にもかかわるでしょう。ですから、風邪でもないのにひどい咳が治まらないという場合は、できるだけ早く病院に行って診察を受けてください。

また、喘息は薬を使って症状をコントロールすれば、発作も起こりにくくなります。しかし、医師から完治を告げられるまで治療を中断してはいけません。独断で治療を中断してしまうと、病気がぶり返してさらにひどい症状になる可能性もあります。

2.喘息の発作はどうして起こるの?

喘息の発作は、炎症を起こした気道の周りにある筋肉が収縮を起こすことによっておこります。この収縮を起こす引き金になるのは、天候の変化・運動・薬・たばこの煙・大気汚染・ストレス・風邪などの感染症・年齢・心理の問題とさまざまです。

また、ハウスダストなどがアレルゲンになっている人の場合は、アレルギー反応が発作のきっかけになることもあるでしょう。「これを控えれば喘息の発作が起きない」という決定的なものがない以上、喘息患者はストレスをためない、規則正しい生活をすることが大切です。しかし小児喘息の場合は体を鍛えることで症状が軽減する場合もあるので、医師から適度な運動をすすめられる場合もあるでしょう。

3.発作が起きた時の対処法は?

では発作が起きた場合、どのように対処すればよいのでしょうか? この項では、喘息の発作が起きた場合の対処法についてご説明します。

3-1.薬を吸入させることが第一

喘息患者は医師から吸入薬を処方されています。喘息の発作が起きた場合は、まずは薬を吸入させましょう。前述したように、何がきっかけで喘息の発作が起こるかわかりません。ですから、喘息患者は薬を常に持ち歩く習慣をつけましょう。

子供の場合は、持ちやすい袋に薬一式を入れて、外出の際には常に持たせてあげてください。
また、学校の保健室に薬を預けておき、いざとなったら使ってもらうようにしておくとよいですね。

3-2.薬を吸入しても発作が治まらないときは?

薬を吸入しても発作が治まらないときは、すぐに病院に行きましょう。発作が起きている時の気道はとても狭くなっています。このまま放置しておくと窒息する可能性もあるでしょう。

特に、指先が青紫色になった場合は、チアノーゼ状態といい危険な状態です。一刻を争いますので、救急車を呼んでください。

また、喘息の発作は夜間に起こりやすいです。特に、子供が重大な発作を起こした場合は、様態が急変しやすいでしょう。喘息の治療をしてくれる夜間救急の電話番号を控えておくと、いざというとき安心です。

3-3.喘息発作の軽減の仕方

たとえ薬が効いたとしても、喘息の発作で苦しんでいる人を何とか楽にしてあげたいものです。喘息の発作を起こした際は、水分を取らせると呼吸が楽になるでしょう。

ただし、冷たい水分や炭酸は厳禁です。この刺激でまた発作がひどくなるかもしれません。喘息の発作の際に飲ませる最適な飲み物は暖かい紅茶です。紅茶には気管支を広げる作用があるので、飲ませると発作が軽くなる場合が多いでしょう。

また、発作が起こると固い痰がたくさん作られます。この痰を体外に出してあげると、喘息の発作が軽くなるでしょう。上半身を低く傾斜させたり、背中をとんとんと軽く叩いてあげると痰が吐き出しやすくなります。発作が起きた際は、横にならせるよりも、上半身を壁などにもたれさせた方が呼吸が楽です。

4.喘息の発作を予防する方法は?

では、喘息の発作をできる限り予防する方法はあるのでしょうか? 最後にその方法をご紹介します。

4-1.部屋を清潔にし、季節によっては外出時にマスクをつける

ハウスダストや花粉が原因で、喘息の発作が起きる場合があります。ハウスダストは掃除の仕方によってかなり軽減できるでしょう。掃除をこまめにして部屋を清潔に保つことが大切です。

また、花粉の季節は外出する際にマスクを付けましょう。家の中に入る際は、服を払い、花粉を家に入れないようにしてください。

4-2.季節の変わり目には服装などに気をつける

季節の変わり目は気温が不安定になりやすく、喘息の発作も起こりやすくなります。特に、秋から冬へ季節が移る際は、服装などに気を配りましょう。また、夜遊びなども控え、体に疲れを残さないことが大切です。

4-3.心配しすぎも逆効果

子供が喘息を発症した場合、親は心配でたまらないでしょう。しかし体調を気遣うあまりつい口うるさくなってしまうと、逆にそれがストレスになって発作が起きやすくなってしまいます。喘息は薬で症状をコントロールできる病気です。

また、成長して体に抵抗力がついてくると、症状が軽くなっていくケースもあります。ですから、喘息の発作の引き金になりそうなこと以外は、子供の行動を制限しないようにしましょう。大人の場合はストレスをためすぎないことが大切です。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、喘息の発作の対処についてご説明しました。

まとめると

  • 喘息の発作の原因はいろいろある
  • 喘息の発作が起きたら、すぐに薬を吸入させることが大切
  • 薬を飲んでも症状が治まらない場合は至急病院へ行く
  • 飲み物を飲ませ、痰を吐き出させると症状が軽くなるケースもある

ということです。

喘息発作はとても苦しそうなので、患者だけでなく周りの人もパニックになる場合もあります。しかし慌ててはいけません。薬を吸入させて落ち着いて様子を見ましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績