外耳炎の症状・原因

外耳炎とはどのような病気? 症状や原因・治療方法をチェック

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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耳の中に痛みを感じる、痒みがあるなどの症状でお悩みですか? このような症状がある場合、耳に炎症が起こり、外耳炎(がいじえん)を発症していることが考えられます。外耳炎が疑われる場合、早めに処置をすることが大切です。

そこで、外耳炎とはどのような症状なのか、原因や治療方法について詳しく見ていきたいと思います。

  1. 外耳炎とはどのような症状?
  2. 外耳炎になってしまう原因は?
  3. 外耳炎の治療方法と注意点

1.外耳炎とはどのような症状?

耳の病気として知られている「外耳炎」とはどのような症状なのでしょうか? 症状について詳しく知っておくと適切な処置が早めにできます。できるだけ初期段階で治療していかなければ命にまで関わることになるので要注意です。

1-1.外耳道の炎症

耳の穴から鼓膜までの道を「外耳道(がいじどう)」と呼びます。この部分が何かしらの刺激で傷つき、そこからウイルスや菌が入ることで炎症を起こしてしまうのが「外耳炎」です。外耳炎になってしまうと耳に触るだけで痛みが走り、ご飯を食べたり、飲んだりすることもままならなくなるほど腫れてしまいます。少しでも動かせないので日常生活に支障をきたすでしょう。

また、炎症がひどくなってくると耳の周囲にあるリンパ腺まで腫れ、耳漏が起こる可能性もあります。もしこのような症状がみられたら“悪性外耳炎”になっているかもしれません。悪性外耳炎になると皮膚を飛び越えて骨にまで影響がおよぶため、重度の病気を併発させるおそれがあります。

特に糖尿病をお持ちの方はご注意ください。ただの炎症だからとそのまま放置すれば取り返しのつかないことになるので注意しておかなければなりません。できるだけ早めの処置がとても大切になるのです。

1-2.「かゆみ」と「痛み」

外耳炎の症状として挙げられるのは主に「かゆみ」と「痛み」の2つです。かゆみと痛みが同時にやってくれば外耳炎になっている可能性が非常に高いでしょう。かゆみがあるうちはまだ軽症であり、なかなか外耳炎と気づかないですが、自然と耳の中をかき続けていくと痛みが次第にやってきます。耳をひっぱったり、耳たぶを押したりするだけで痛みが感じるでしょう。

また、耳の中から黄色い分泌物が出てくるかもしれません。もしそのような症状がみられた場合は、耳の中が腫れている証拠であり、膿(うみ)が蓄積されて非常に汚い状態となっています。すぐに耳鼻科を受診しましょう。

耳の中にできたおできが破れてしまうと膿だけでなく少量の血が出ることもありますが、そのときは慌てずにキレイなコットンで汚れを拭き、できるだけ耳の中は触らないようにしてください。そしてすぐに耳鼻科へ行ってください。

2.外耳炎になってしまう原因は?

2-1.耳かきのやりすぎ

耳が気になるとすぐに耳かきをしたり、毎日耳を掃除しないと気が済まない人もいるでしょう。実は、頻繁な耳かきが外耳炎の原因になっていることが少なくありません。外耳炎は耳の中の皮膚が傷つき、傷口からさまざまなウイルスや菌が入ることで炎症を起こす病気です。よって、耳の中の皮膚が傷つかなければ外耳炎は起きません。しかし、毎日のように耳かきをすると刺激をたくさん与えてしまい、皮膚が傷ついてしまう恐れがあります。実際に、外耳炎になる人のほとんどが耳かきを頻繁におこなっていました。

耳あかは耳の中を守る大切な役割をもっているので、ある程度は必要なものです。耳かきの頻度は1~2週間に1度でよいでしょう。もし、どうしても耳が気になる場合は柔らかい綿棒を使ってやさしく掃除するとよいですよ。

2-2.耳の中に入るさまざまな刺激物

外耳炎を起こす原因としてはもうひとつあります。それは耳の中に入ってくるさまざまな刺激物です。例えば、ヘアスプレーや髪染めの染料、プールの水、ホコリなど外から耳の中に入る刺激物はたくさんあります。どれも危険なものですが、特に気をつけておきたいのは“プールの水”です。プールで泳いだ後に外耳炎を発症する人が多く、外耳炎は別名“スイマーズイヤー”とも呼ばれているくらい、プールの水は強い薬が含まれています。その薬が耳の中に入ることで皮膚の炎症を起こし、外耳炎になってしまうのです。

湿疹(しっしん)がある人、アレルギーを持っている人は外耳炎にかかりやすいのでプールに入るときは耳栓をしたり、できるだけ水の中にもぐらないように気をつけましょう。

2-3.プールで使う耳栓・補聴器にも要注意

耳に水が入ってこないように防げる「耳栓」や難聴の人が使っている「補聴器」にも注意しておかなければなりません。常に耳につけるものが汚れているとそこからウイルス・菌が耳の中に入り外耳炎になるおそれがあります。そうなるとイヤホンも注意が必要でしょう。

電車やバスの中で音楽を聴いている人がたくさんいますが、イヤホンも定期的に掃除することをおすすめします。このように、耳につける器具も常に清潔にしておきましょう。

3.外耳炎の治療方法と注意点

3-1.外耳道をキレイに消毒し薬を塗る

基本的に耳鼻科では外耳道をキレイに掃除し、消毒をします。腫れたところから膿が出てくるのでその部分をキレイに取り除き、消毒しなければ次の治療に進められません。消毒し終わったら患部に軟こうのような薬を塗って様子をみます。

だいたいほとんどの外耳炎はこのように治療をすれば時間の経過とともに痛みもとれ、完治するでしょう。しかし、完治したからといって再び耳かきを頻繁におこなったり、プールにすぐ入ってしまうと炎症を繰り返すおそれがあるので注意してください。

3-2.切開が必要なケースもある

ほとんどの外耳炎が外耳道をキレイにするだけで症状が回復します。しかし、どうしても外耳道にできてしまった膿が取り除けない場合は耳を切開しなければなりません。症状がどのくらい進んでいるのかによって処置も変わってくるでしょう。耳を切開し、膿をすべて取り除かなければならないケースもあるため、できるだけ早めの段階で処置をすることが大切です。

また、悪性外耳炎になるほとんどの人が糖尿病をわずらっている傾向がみられます。糖尿病をもっていると血糖値のコントロールをしていかなければならないため、治るまで時間がかかってしまうデメリットがあることをあらかじめ知っておくとよいでしょう。

まとめ

外耳炎の症状や原因、治療方法について説明しましたがいかがでしたか? 「かゆみ」と「痛み」が外耳炎の初期段階となるので常にそのような症状がないかどうか、また生活面で引き起こす動作をしていないかどうか確認してみましょう。

  • 外耳道の炎症で引き起こされる耳の病気
  • 「かゆみ」と「痛み」が代表的な症状
  • 耳かきのやりすぎはNG
  • 耳の中に入るさまざまな刺激物が原因
  • 不潔な耳栓や補聴器はつけないこと
  • 外耳道をキレイに掃除し、消毒する
  • ひどい状態の場合は切開をし膿を出す

外耳炎はひどくなればなるほどとりかえしのつかない状態にまで悪化します。異変を少しでも感じたらすぐに耳鼻科を受診してください。耳から膿が出てきたら耳の中が腫れている状態なので耳鼻科に行くことをおすすめします。後悔しないためにも外耳炎の症状を把握し、日ごろから生活の中でできる予防をしておきましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績