鼻呼吸が苦しい! 鼻をスッキリさせて呼吸しやすくする方法

鼻呼吸が苦しい! 鼻をスッキリさせて呼吸しやすくする方法

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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あなたは普段、口と鼻どちらで呼吸をしていますか? 人は本来、鼻で呼吸をする生き物と言われていますが、無意識に口呼吸をしている人は多く、子供では80%以上が口呼吸だといいます。口で呼吸をしていると病気になりやすいなど、さまざまなデメリットがあるため注意が必要です。しかし、意識して鼻呼吸をしようと思っても、鼻呼吸が息苦しいという方もいるでしょう。それは一体なぜでしょうか?

そこで今回は、口呼吸と鼻呼吸の違い、鼻呼吸が苦しい場合の対処法をご紹介します。

  1. なぜ、鼻呼吸に直す必要があるのか?
  2. 鼻呼吸ができない原因は?
  3. まずは耳鼻科を受診しよう
  4. 口呼吸から鼻呼吸へ切り替える方法

鼻呼吸がしづらいという方や、口呼吸から鼻呼吸へ切り替えたいという方はぜひ読んでみてくださいね。

1.なぜ、鼻呼吸に直す必要があるのか?

なぜ、鼻呼吸に直す必要があるのか?

鼻呼吸でも、口呼吸でも息を吸うことには変わりありません。では、なぜ口呼吸の人は鼻呼吸への切り替えをすすめられるのでしょうか?

1-1.鼻は天然の空気清浄機

鼻腔の中には毛がたくさん生えています。この毛が空気中のゴミやウィルスを絡めとり、きれいな空気だけを肺に送り込む役目をしているのです。つまり、天然の空気清浄機ですね。

また、鼻は異物が入ると反射的に押し出す機能が備わっています。それが「くしゃみ」です。
しかし、口はもともと呼吸器官ではありません。ですから、鼻のように空気をろ過することも、異物を反射的に排出することもできずにすべて呼吸器へと送り込んでしまいます。

1-2.口が渇くと口臭の元になる?

口呼吸をしている方は、常に口の中に外気が入ってきます。そうなると唾液が蒸発して口の中が乾燥しやすくなるでしょう。実は唾液というのは口の中を清潔に保つ役割があります。それが蒸発してしまうということは、口の中に雑菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因になります。「いつも口の中が匂う」という人はもしかしたら口呼吸が原因かもしれません。

1-3.歯並びが悪くなる

子供の口呼吸はいつまでたっても治らないと、歯並びにも影響します。口呼吸をしていると常に口があきっぱなしになっているわけですから、口の周りの筋肉が発達しません。筋肉が発達しなければあごは細くなり永久歯が生える隙間がなくなるのです。

ですから、口呼吸の子供は遅くとも入園をする前に鼻呼吸に切り替えるように親が指導してあげるとよいでしょう。

1-4.脳に酸素が供給されにくくなる

口は、本来呼吸器官ではありません。そのため口呼吸をしても十分に酸素が取りこめずに脳が酸素不足になってしまいます。眠くもないのに生あくびが出る、ぼーっとすることが多い、頭痛が起こりやすいという場合は、脳が酸素不足に陥っている可能性があるでしょう。

1-5.風邪をひきやすくなる

鼻腔内には粘膜があり、空気中の殺菌やウィルスをある程度からめとってくれます。しかし、口から喉にかけての粘膜は鼻ほど優秀ではありません。そのため、鼻呼吸よりも細菌やウィルスが体内に入りやすくなり、風邪をはじめとする感染症にかかりやすくなります。

2.鼻呼吸ができない原因は?

鼻呼吸ができない原因は?

鼻呼吸に切り替えたくても息苦しくてできない、という方もいます。それはいったいなぜでしょうか? この項では鼻呼吸ができない原因をご紹介していきます。

2-1.鼻が詰まっている

アレルギー性鼻炎などが原因で、常に鼻が詰まっていると鼻呼吸ができません。特に、ハウスダストなどの通年性アレルギー性鼻炎の場合は、ティッシュが手放せないという方も多いでしょう。常に鼻汁が鼻腔に詰まっていれば空気が通れず、口呼吸をせざるをえないのです。また、鼻汁が出なくても、アレルギー反応で鼻腔の内部が腫れあがっている場合も十分な空気が入らず、いくら呼吸をしても息苦しくなるのです。

2-2.鼻腔が狭い

一定の割合で生まれつき鼻腔が狭いため、鼻呼吸がしにくい人がいます。耳鼻科でレントゲンを撮ればすぐにわかることなので、アレルギー性鼻炎でもないのに口呼吸が治らないという方は、一度耳鼻科の診察を受けてみましょう。

2-3.鼻の病気

喘息や慢性副鼻腔炎の方は、鼻たけと呼ばれる鼻ポリープができやすいです。鼻たけができると、当然鼻腔はせまくなり、空気の通りが悪くなります。「最近鼻呼吸をしようとするとつらい、口呼吸のほうが楽だ」という方は鼻たけが原因かもしれません。

2-4.口を閉じにくい

口の筋力が弱かったり、歯並びが悪かったりして口が閉じにくくなると、どうしても口呼吸になりやすくなります。歯並びに異常がある場合は、矯正をすると口呼吸が治る可能性があるでしょう。それ以外は、口の筋力をつける訓練をしてください。

2-5.口呼吸がくせになっている

幼いころから口呼吸をしていると、鼻呼吸よりも自然に口呼吸をするようになってしまいます。その結果、意識して鼻呼吸をしないと口呼吸になってしまうこともあるでしょう。

3.まずは耳鼻科を受診しよう

まずは耳鼻科を受診しよう

口呼吸から鼻呼吸へ切り替えたいという方はまずは耳鼻科を受診しましょう。一見すると何も問題なさそうに思えても鼻呼吸がしづらい、できないという方は鼻に何らかの問題を抱えている場合が多いのです。

また、子供の場合は「自分が口呼吸である」という自覚がありませんから、親が気が付いて病院に連れて行く必要があります。子供が気が付くと口を開けている、食べ物をこぼしながら食べる、いびきがひどいという場合には一度病院を受診しましょう。

病院では、鼻呼吸ができない原因を調べてほしいといえば、医師は承知してくれます。もし、手術など外科的処置が必要な場合は別の病院を紹介されることもあるでしょう。子供の場合は、ひとつかかりつけの耳鼻科を作っておくと後々まで役に立ちます。

4.口呼吸から鼻呼吸へ切り替える方法

口呼吸から鼻呼吸へ切り替える方法

この項では、口呼吸から鼻呼吸へ切り替える方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.鼻づまりが原因の場合

鼻がつまって鼻呼吸ができない場合は、鼻のとおりを良くする必要があります。慢性の鼻づまりは副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の可能性が高いでしょう。そのため、まず耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診し、原因を突き止めてください。鼻づまりを治す方法には、以下のようなものがあります。

  • 投薬:抗生物質や鼻の通りを改善する薬・アレルギー症状などを抑える薬などを投与し、鼻づまりを改善し、アレルギーの症状を抑える。
  • 手術:後鼻神経を切断したり、鼻の粘膜を焼いたりする手術を行うことにより、鼻づまりやアレルギーの症状を抑える。

一般的に、まずは投薬で鼻づまりの改善を試み、効果が薄い場合は手術が提案されるでしょう。手術と言っても日帰りで行えるものも多いので、長期間入院する必要はありません。

4-2.口呼吸がくせになっている場合

特に理由なく口呼吸がくせになっている場合は、鼻呼吸に矯正する必要があります。起きている間は、意識して鼻呼吸をしましょう。眠っている間はマウスピースをはめたり、口に医療用テープをはったりしてみると効果的です。医療用テープを川の字に3本ほど貼って寝ると口呼吸ができませんから、自然と鼻呼吸に切り替わります。

医療用テープならば肌にダメージはありませんし、どうしても苦しければすぐに、外れるはずです。医療用のテープはドラッグストアで手に入りますので、購入してみましょう。マウスピースの制作は、かかりつけの歯科医に相談してみてください。

4-3.口の筋力が弱い場合

口の筋力が弱い場合は、ストローを吹いたり、ろうそくを吹き消すように口をすぼめて息を吐き出したり、舌を突きだしてしまうという動作をくり返すと、口回りの筋肉を鍛えられます。また、アイスキャンディーや棒付きの飴などを唇だけで5分間挟む訓練をすると、口の筋肉が鍛えられていくでしょう。さらに、ものを食べる際に30回以上噛むようにすると、口の周りの筋肉を鍛えられます。固いものを意識して食べても効果的です。

おわりに

口呼吸を鼻呼吸に切り替えるメリットや方法についてのまとめ

いかがでしたか? 今回は口呼吸を鼻呼吸に切り替えるメリットや方法をご紹介しました。
まとめると

  • 口はそもそも呼吸をする器官ではない
  • 口呼吸を続けていると口臭がきつくなったり歯並びが悪くなったりする
  • 鼻呼吸がつらいという場合はまず耳鼻科医の診察を受ける

ということです。呼吸は無意識に行っているものですから、人によっては口呼吸をしているという自覚がない人もいます。また、長年口呼吸を続けてきた人は、鼻呼吸ができるようになっても切り替えるのは大変でしょう。しかし、鼻呼吸にするだけで口臭が軽くなったり、口元がしまってくるなら頑張ろうという気持ちになれますね。

口呼吸から鼻呼吸への矯正は、子供が小さいうちに行うのが効果的です。「うちの子は口呼吸かも」と思ったら念のために耳鼻科の診察を受けましょう。

特にいつもぽかっと口を開けてテレビを見ている、という子供や発音が不明瞭な子供は要注意です。鼻が詰まっていると集中力にも影響が出てきます。できるだけ早く治してあげてください。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績