突発性難聴は早期治療が重要! 耳鳴りの原因やメニエール病との違い

突発性難聴は早期治療が重要! 耳鳴りの原因やメニエール病との違い

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

突然起こる耳の違和感や聞こえの悪さは、突発性難聴の可能性があります。突発性難聴は、耳鳴りやめまいを併発する病気で、早めに治療をすることが大切です。さまざまな不快症状と聴力低下で慌てる方も多いと思います。早期治療が求められる病気であるため、受診すべき症状や治療方法などをしっかり覚えておきましょう。
今回は、突発性難聴についてご紹介します。

  1. 突発性難聴とはどんな病気か?
  2. 突発性難聴の症状とは?
  3. 突発性難聴の前兆とは?
  4. 突発性難聴の原因について
  5. 突発性難聴の治療について
  6. 突発性難聴の後遺症と再発について
  7. 突発性難聴でよくある質問
  8. まとめ

この記事を読むことで、突発性難聴についてよく分かります。セルフチェックなどを参考に、ご自身の症状と見比べてください。再発の可能性や後遺症なども覚えておきましょう。

1. 突発性難聴とはどんな病気か?

突発性難聴の特徴やなりやすい人などを解説します。

1-1.突発性難聴の特徴

突発性難聴は、耳の閉塞感や聴力低下などを引き起こす病気です。前触れなく起こるのが特徴で、突然発症します。多くの場合、片耳に発症しますが、両耳に発症する場合もあるのです。

1-2.早期治療が重要

突発性難聴の治療は、発症から48時間以内に始めたほうがいいとされています。なぜなら、時間が経(た)つと聴力が回復しにくいからです。異変に気づいたら、すぐに受診するようにしましょう。

1-3.メニエール病やほかの難聴との違い

突発性難聴とメニエール病は、非常に似ている病気です。メニエール病の場合、めまいと耳鳴りが同時に起こり、繰り返します。また、内リンパ水腫が原因でメニエール病になることが分かっており、原因不明の突発性難聴とは違うということもあるでしょう。
難聴にはいくつかの種類があります。急性難聴も突発性難聴に似ていますが、発症年齢が若く、20〜30代に目立つのが特徴でしょう。老人性難聴は、50〜60代と年齢層が上がるのが特徴です。突発性難聴は、中間に位置し、40〜50代が好発する病気となっています。

1-4.なりやすい人・最近の傾向とは?

突発性難聴は、ストレスを強く受けている人がかかりやすい病気とされています。また、不規則な生活を送っている方も注意が必要です。ウイルス感染による発症も指摘されています。最近の傾向として、若い世代でも発症する確率が高まりました。突発性難聴が特別な病気ではなく、誰でもかかる恐れがある病気だということです。

2.突発性難聴の症状とは?

突発性難聴の症状をいくつかご紹介します。

2-1.耳鳴り

耳がこもるような感覚や、キーンという耳鳴りがするのが特徴です。突発性難聴発症初期に起こりやすいもので、めまいを併発することがあります。

2-2.めまい

耳の違和感を抱くとともに、めまいを併発するとお伝えしました。めまいを感じた場合、吐き気や頭痛も発症することがあります。メニエール病と間違うことがあるのは、症状が似ているためです。

2-3.吐き気

めまいのせいでぐるぐると回転しているような感覚を抱き、吐き気を伴う場合があります。

2-4.セルフチェック

以下のような症状があったら、突発性難聴を疑いましょう。

  • 片耳の違和感
  • 聴力の低下を感じる
  • キーンという耳鳴りがする
  • 耳の閉塞感を抱く
  • ぐるぐる回転するようなめまい
  • 頭痛や吐き気を伴う

3. 突発性難聴の前兆とは?

突発性難聴は、病名のとおり、突然起こる難聴です。前兆となる症状はあるのかを見ていきましょう。

3-1.前兆の症状1・閉塞感

突発性難聴の初期症状では、耳に閉塞感を抱くことがあります。水が詰まったような感じで、音がこもるのが特徴です。

3-2.前兆の症状2・耳鳴り

キーンという耳鳴りや、ザーザーと雑音が聞こえる場合、突発性難聴の初期症状である可能性が高いでしょう。普段より聞こえが悪くなったら注意が必要です。

3-3.前兆の症状3・頭痛

耳鳴りや耳の閉塞感とともに、風邪の初期症状に似た頭痛を感じる場合があります。頭痛の後に耳鳴りがするというのも、突発性難聴の特徴です。

4.突発性難聴の原因について

突発性難聴は、最近増えてきている病気です。原因について考えていきましょう。

4-1.まだ解明されていない

諸説はあるものの、突発性難聴の原因ははっきりと解明されていません。ウイルス感染による内耳の炎症という説もあります。

4-2.有力な説

若い世代にも発症が増えていることもあり、ストレスとの関連が指摘されています。また、内耳の血流が滞(とどこお)り、機能が低下することも原因ではないかとされているのです。

5.突発性難聴の治療について

突発性難聴は、発症からなるべく早い段階で治療することがポイントです。治療方法や薬についてご紹介します。

5-1.早期治療が大事

突発性難聴は、発症から2週間以内の治療が望ましいとされています。早期治療により、聴力の大幅な回復が見込めるからです。一方、治療が遅れ、発症から1か月以上経過してしまうと、聴力の回復は期待できなくなるでしょう。

5-2.治るのか?

前述したとおり、早期治療で回復は見込めます。発症からなるべく早く治療を受けることが大切です。異変を感じたら、すぐに受診しましょう。

5-3.病院へ受診すべき症状とは?

耳鳴りや耳の閉塞感など、普段と違う症状があったら、すぐに受診したほうがいいでしょう。めまいを併発している場合、メニエール病の可能性もあります。聴力検査などを行い、突発性難聴かどうかの診断を受けてください。

5-4.治療方法

突発性難聴の治療は、薬物療法がメインとなります。治療期間は1週間〜1か月が目安です。薬物療法を行いながら、安静を保(たも)つことが回復への近道となります。なるべくストレスのない環境で過ごすようにしましょう。

5-5.薬について

突発性難聴の治療では、ステロイド・血管拡張剤・代謝改善薬などを使うのが一般的です。ステロイドは炎症を鎮める作用があり、内耳の血流を促す目的で、血管拡張剤や代謝改善薬を用います。突発性難聴の特効薬はまだ確立していません。そのため、症状の進行具合を見ながら、対症療法となります。

5-6.そのほか

ストレスや過労などがきっかけで突発性難聴になるケースがあり、十分な休息を取ることが望ましいとされています。薬物療法を始めても無理をせず、ゆったりと過ごすように意識しましょう。

5-7.補聴器などについて

補聴器などの装具は、聴力の回復を待ってから考えたほうがいいでしょう。治療開始が早ければ、聴力は元のレベルまで回復します。そのため、急いで補聴器を用意する必要はありません。また、治療開始前に補聴器を使うのも避けましょう。正しい診断ができなくなってしまいます。治療経過を見ながら、医師と相談して決めるようにしてください。

6.突発性難聴の後遺症と再発について

突発性難聴の再発や後遺症などを解説します。

6-1.どんな後遺症があるのか?

突発性難聴の治療が遅れた場合、聴力低下による疲れやすさなどの後遺症が残る可能性があります。発症した患者のうち、3分の1が何らかの後遺症に悩まされており、高音域や低音域などの耳鳴りが続くケースもあるでしょう。耳鳴りによる精神不安などを感じることもあるため、早めの治療で回復することが大切なのです。

6-2.再発の確立など

突発性難聴は、ほかの難聴と比べ、再発しない病気とされています。患者のうち、3分の1は完治する病気です。再発をする場合は、ほかの疾患である可能性もあります。メニエール病や脳疾患などを疑い、病院を受診するようにしてください。

7.突発性難聴でよくある質問

突発性難聴は突然聞こえが悪くなる病気であるため、不安になることが多いものです。質問集を参考にしてみてください。

Q.入院を要する場合もあるのか?
A.重度の聴力低下が見ることができる場合、入院して点滴などの処置を行います。高酸素療法などを併用する場合もあるでしょう。

Q.突発性難聴の診断にはどのような検査が必要か?
A.聴力検査のほかに、平衡機能検査を行います。レントゲン撮影を要する場合もあるでしょう。いずれも症状に応じて行うものです。

Q.突発性難聴は予防できないのか?
A.予防法はありません。しかし、ストレスや疲労などが関わっている可能性があるため、規則正しい生活やバランスの取れた食事を心がけることが大切だとされています。睡眠もしっかり取るようにしましょう。

Q.薬の副作用があるのではないかと不安に感じる
A.突発性難聴の治療にはステロイドを使うため、副作用の心配をする方がいます。確かにステロイドは副作用が懸念される薬ですが、突発性難聴の場合は短期間の使用に留(とど)まるため、さほど大きな心配はありません。薬を適切に服用せず、後遺症を残すほうが危険です。

Q.突発性難聴が治りにくい人とは?
A.糖尿病や高血圧など、生活習慣病を患っている場合は、治療をしても治りにくい傾向にあります。突発性難聴の治療と同時に、基礎疾患の治療も並行して行いましょう。

8.まとめ

いかがでしたか? 突発性難聴は50〜60代に好発する病気ですが、最近では若年層も発症することが増えています。誰にでも起こりやすい病気で、ストレスやウイルス感染などが原因とも指摘されているのです。耳鳴りやめまいなどを感じたら、すぐに病院を受診し、早めに治療を開始することが聴力回復には重要なポイントになります。異変を軽視しないことが大切です。予防法は確立されていませんが、普段から規則正しい生活を心がけ、ストレスのない過ごし方を意識しましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績