喘息で痰が絡む原因とは? 痰が絡むときの対策と日常生活のポイント

喘息で痰が絡む原因は? 痰が絡むときの対策と日常生活のポイント

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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喘息は発作を起こす病気で、咳が必ずつきまといます。喘息で咳は出るのに加え、痰が絡むといった症状もあるでしょう。原因は、気管内の炎症が関連しています。喘息はわずかな刺激でも発作を起こすため、咳と痰で苦しいという状況が続くのです。喘息に悩んでいる方は、痰の特徴や対処法などを覚えておきましょう。

今回は、喘息と痰の関連についてご紹介します。

  1. 痰は喘息症状のひとつ
  2. 喘息における痰の特徴
  3. 喘息における痰の注意点
  4. 痰の対処法
  5. 喘息の治療法
  6. 喘息に関するよくある質問
  7. まとめ

この記事を読むことで、喘息と痰の関連がよく分かります。対策をしっかりとってつらい症状から解放されましょう。喘息で苦しんでいる方はぜひご一読ください。

1. 痰は喘息症状のひとつ

喘息は、ゼイゼイ・ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)が特徴ですが、痰も喘息の症状に含まれています。なぜ痰が出るのか、痰が出る喘息の特徴などを見ていきましょう。

1-1.喘息で痰が出る原因は?

喘息を発症している場合、常に気管内が炎症を起こしています。そのため、わずかな刺激でも過敏になっている気管が反応し、咳や痰が出るのです。繰り返し起こるのが特徴で、発作時は特にひどくなります。

1-2.痰が出る喘息の種類

痰が出る喘息には種類があります。それぞれの特徴などを覚えておきましょう。

1-2-1.気管支喘息

最も代表的なのは、気管支喘息です。咳・痰・喘鳴(ぜんめい)といった症状が現れます。重症度は人によって異なり、ハウスダストや花粉などの影響により、年々増加傾向にあるのが特徴です。

1-2-2.小児喘息

1〜3歳の乳幼児が発症するのが、小児喘息です。主に、アレルゲンが原因となっており、症状は気管支喘息と似ています。成長に従い、治っていくのが特徴です。アトピー性皮膚炎と併発するリスクが高いでしょう。

1-2-3.咳喘息

咳喘息は、喘鳴(ぜんめい)を伴わないのが特徴です。風邪などを引いた際に発症することが多く、痰が絡む咳が出ることもあります。風邪が治っても、咳だけが長引くというケースもあるでしょう。

2.喘息における痰の特徴

喘息による痰の色や状態、特徴などを見ていきます。

2-1.痰の色や状態は?

痰に色がつくのは、細菌感染によるものです。鼻水が緑色に濁るのも同じメカニズムで、膿(うみ)や死滅した白血球を含むためだとされています。喘息による痰の場合、黄色や緑色に変色するでしょう。褐色の痰が出る場合、喘息以外の病気である可能性もあります。

2-2.特徴

喘息による痰は、繰り返し起こる・痰が続くといった特徴があります。発作がひどいときは頻回に起こり、体力の消耗もひどいでしょう。

2-3.痰が出やすい時期・時間など

喘息の特徴として、季節の変わり目は症状が強まる傾向にあります。痰が出やすいのも、同じ頃です。特に夜間は乾燥などの影響を受け、咳や痰が出やすくなるので注意が必要でしょう。

2-4.そのほか

喉に絡む痰の影響で、声が出ないことがあります。喘息の診断を受けていない場合も、2週間以上咳などの諸症状が続くようなら、医療機関で治療を受けましょう。

3.喘息における痰の注意点

喘息で痰が出る場合の注意点をまとめました。

3-1.痰がたくさん出て気道を塞ぎ、呼吸が困難になる

痰がたくさん出る場合、喉の奥に付着して気道を狭めてしまいます。喘鳴(ぜんめい)で呼吸が荒くなるのに加え、痰による閉塞で息苦しさが増すでしょう。呼吸そのものが困難になってしまうケースも珍しくありません。仰向け(あおむけ)になって深呼吸してから咳をするなどの痰切りなどを行い、気道を確保するようにしてください。

3-2.そのほか

痰を除去するためには、病院で去痰薬を処方してもらうことも大切ですが、応急処置を覚えておくと安心です。深く息を吐き出し、咳をして痰を出しましょう。乳幼児や高齢者は自分で痰切りができない場合もあります。医師の指示に従い、痰切りを行うようにしましょう。

4.痰の対処法

前項でも痰切りの方法をご紹介しました。ほかにも日常生活における対策などを解説します。

4-1.痰の上手な切り方

痰切りをするときは、仰向(あおむ)けの姿勢がおすすめです。深く息を吸い込んでから、咳をして痰を出します。深呼吸は気道を広げるため、痰が出しやすくなるのです。要するに、咳をしても痰がすっきり取れないときは、仰向(あおむ)けで咳をすると楽になります。

4-2.生活習慣

普段から水分の摂取を心がけてください。白湯(さゆ)や水がおすすめです。カフェインを含むものや炭酸が含まれているものは、気道を刺激するため、避けるようにしてください。水もなるべく常温で刺激を少なくしてから飲みましょう。水分を取る習慣を持つだけで、痰の粘度が下がり、出しやすくなります。痰切りに困っている場合も実践してみてください。

4-3.湿度・温度管理

室内の湿度低下は、気道に痰が絡む原因です。普段から加湿を心がけ、室内を一定の湿度に保(たも)つことがポイントになります。湿度は、50〜60%程度が理想でしょう。加湿が難しい場合は、濡(ぬ)れタオルを室内に干すだけでも、湿度を上げることができます。急激な温度差も注意が必要です。気道を刺激し、咳や痰を誘発します。温度差が生じないよう、十分な管理をしましょう。

4-4.そのほかにできること

免疫力を上げ、体力を維持することが、喘息の治療では大切です。睡眠と食事にも注意し、規則正しい生活を送るようにしてください。

5.喘息の治療法

喘息の薬や検査について見ていきましょう。

5-1.検査方法

喘息の診断前は、検査を行います。胸部レントゲンで肺の中の状態を確認し、スパイロメーターと呼ばれる肺機能検査機器を用い、呼吸時の酸素量を測定するのです。また、喉に付着した痰を取り出し、好酸球の数値を調べる検査も行います。喘息の種類を特定するためには、血液検査やアレルゲンテストなども並行して行うでしょう。喘息の進行度を測るため、気道過敏性テスト(アストグラフ)を併用することもあります。

一連の検査を行い、風邪か喘息かの見極めを行うことが大切です。子どもの場合、百日咳など喘息と似た症状を発症する病気もあります。そのため、検査をきちんと行い、正しい診断をすることが、喘息の治療前には必要なのです。

5-2.治療法について

喘息の治療には、発作を抑える薬と症状を抑える薬を併用します。症状を抑える薬は、吸入ステロイドを用い、喘息の予防に努めるのです。発作を抑える薬は発作時に使うもので、ネブライザーなどを用いて吸入を行います。ほかには、気管支拡張剤や経口ステロイドを用いる場合もあります。

6.喘息に関するよくある質問

喘息による痰は、息苦しさを感じるため、夜もぐっすり眠れないなどの悩みが出てきます。質問集などを参考に、改善に向けて対策を整えてください。

Q.大人になってから喘息を発症することはあるのか?
A.はい、あります。喫煙や生活習慣などの環境因子が原因となり、大人でも発症することがあるのです。咳が2週間以上続く場合、風邪ではない可能性があるでしょう。速やかに医療機関を受診してください。

Q.痰が緑色で臭いのはなぜ?
A.痰にはさまざまな細菌や死滅した白血球が混じっているため、臭いを感じることがあります。また、喘息以外の病気も疑われるでしょう。副鼻腔(ふくびくう)炎や肺化膿症など、膿(うみ)が溜(た)まる病気です。病院で正しい診断を受けてください。

Q.喘息の症状が治っても、治療は継続すべきなのか?
A.喘息の発作が改善しても、コントロールを続けることは大切です。健康的な生活を送るためにも、発作を繰り返さない治療は必要でしょう。医師とよく相談をし、治療方針を決めてください。

Q.喘息を起こさないためにできる工夫とは?
A.禁煙はとても大切です。症状の悪化を防ぎ、発作を起こしにくくします。また、ストレスを抱え込まず、自律神経の乱れを防ぐこともポイントになるでしょう。睡眠を十分に取り、体力や免疫力をつける工夫もしてみてください。

Q.湿度や温度管理以外でできることは?
A.こまめに掃除をすることと、定期的に寝具を洗濯することです。室内に布製品が多い場合は、なるべく革張りのものにするなど、ハウスダストが蓄積しない環境に変えて見ましょう。換気も行うようにしてください。

7.まとめ

いかがでしたか? 喘息は喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる症状以外に、痰が絡む咳が出ることがあります。発作で気道が狭くなっているのに加え、痰が絡みついて息苦しさが増すことでしょう。痰は細菌や死滅した白血球を含んでおり、緑色になることがあります。粘着性があるのが特徴です。なるべく粘度を抑えるため、水分の摂取を心がけましょう。湿度や温度管理、規則正しい生活を送ることも、喘息の発作を抑えるポイントになります。普段からできることから実践し、つらい症状を乗り切る工夫をしましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績