風邪による頭痛の原因・対処法は?~治し方のポイントと注意点~

風邪による頭痛の対処法は? 治し方のポイントと注意点

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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風邪を引くと、くしゃみ・鼻水・喉の痛みなどさまざまな症状が現れます。中でも、「頭痛」で悩まされている方が多いのではないでしょうか。風邪による頭痛がひどくなると、思うように仕事や家事ができず、日常生活に支障をきたしかねません。頭痛をやわらげるためには、まず、風邪による頭痛の原因を把握することが大切です。そして、頭痛が起きたときの正しい対処法をチェックしておきましょう。本記事では、風邪による頭痛の対策方法や治し方について説明します。

  1. 風邪と頭痛の関係を解説!
  2. 風邪による頭痛の対処方法
  3. 頭痛が長引くときに考えられる原因
  4. 病院へ行くべき症状は?
  5. 風邪と頭痛に関してよくある質問

この記事を読むことで、風邪による頭痛の原因と対策方法が分かります。頭痛に悩んでいる方や対策方法を知りたい方は、ぜひチェックしてください。

1.風邪と頭痛の関係を解説!

まずは、風邪と頭痛がどのように関係しているのか理解することが大切です。風邪で頭痛が起きる仕組みと特徴、発熱の有無についてチェックしておきましょう。

1-1.なぜ風邪を引くと頭痛が起きるのか

一般的な風邪は、ウイルス・細菌などの病原体が鼻や喉から気管支に入って発症します。気管支に入ったウイルス・細菌が気道粘膜に付着し、増殖することで風邪の症状が現れる仕組みです。そして、ウイルス・細菌の増殖で気道粘膜が炎症を起こし、その刺激が頭の神経にまで到達します。その結果、頭痛・発熱といった症状も現れるというわけです。

1-2.風邪による頭痛の特徴は?

頭痛にもさまざまな種類がありますが、風邪による頭痛は「発熱・鼻水・喉の痛みなどほかの症状が同時に現れること」が特徴です。もし、頭痛だけの場合は、風邪以外の病気の可能性があるでしょう。一般的に、風邪の引き始めは微熱・倦怠感(けんたいかん)・喉の痛みが現れます。続いて、鼻づまり・鼻水・咳(せき)・痰(たん)の症状に加えて、頭痛と発熱がひどくなるという流れです。
また、風邪による頭痛は、なぐられたような激しい痛みではなく、ズキズキとした「にぶい痛み」になるでしょう。頭の神経・血管が刺激されることで痛みが起きているため、その刺激を抑えなければなりません。

1-3.発熱はあるのか?

多くの場合、頭痛と同時に発熱を伴う可能性があります。頭の血管が刺激され広がり、炎症が起きるとその部分が熱を持つのです。また、インフルエンザ感染の場合は、高熱を伴うケースが多く、頭痛も強くなるといわれています。

2.風邪による頭痛の対処方法

風邪で頭痛が起きた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。誤った対応で症状を悪化させないためにも、正しい対処法を知ることが大切です。

2-1.体を休める

1番に大切なのは、早く「体を休めること」です。やらなければならない仕事や家事があっても、風邪による頭痛が起きているときは、できるだけ安静にしてください。風邪による頭痛は頭が重く「ぼーっ」としてしまうものです。騒がしい場所ではなく、余計な音がない静かな場所で休息を取りましょう。

2-2.痛みのある部位を冷やす

体の中に侵入したウイルス・細菌の影響で、頭の血管が広がり痛みが悪化しています。そのため、炎症を抑えるために、痛みのある部位を冷やしてください。冷やす方法は、保冷剤または氷を入れたビニール袋をタオルに包んで痛む部位にやさしく当てます。ほどよい冷たさで、広がった血管が収縮し痛みがやわらぐでしょう。冷たいものを直接当ててしまうと刺激が強すぎて頭痛がひどくなる可能性があります。必ず、タオルでカバーしてから冷やしてくださいね。

2-3.市販薬を使ってもいいのか?

頭痛の原因が風邪だと分かっているのなら、市販の風邪薬を服用してよいでしょう。風邪薬の中には、炎症を抑える成分が入っているので多少痛みがやわらぐ可能性があります。ただし、症状が重い場合は、自己判断で市販薬を服用するのではなく、医師または薬剤師に相談したほうがよいでしょう。あくまで、市販薬は一時的に症状を抑えるだけです。その点をきちんと踏まえて使用してください。

2-4.注意点

市販薬を使用する際は、風邪薬と頭痛薬は絶対に併用しないでください。なぜなら、ほとんどの市販の風邪薬には、頭痛薬にも使われる消炎鎮痛成分が含まれているからです。消炎鎮痛成分は、痛み止めや解熱の効果を持っています。つまり、同じ成分が含まれているため、併用すると効き目が強すぎてしまうのです。その結果、吐き気・めまいなど副作用が起きやすくなり、長期間服用すると薬物乱用頭痛になる可能性も高まります。

3.頭痛が長引くときに考えられる原因

きちんと安静にして風邪が治っても頭痛が長引く場合は、ある疾患が隠れている可能性があります。では、どのような病気が隠れているのでしょうか。

3-1.髄膜炎(ずいまくえん)

髄膜炎は、ウイルス・細菌・悪性腫瘍が脳の組織に広がり、脊髄(せきずい)や脳を取り巻いている膜に生じる炎症状態のことです。頭痛の持続が主な症状で、ほかに発熱・うなじまわりのこわばりなどがあります。排便時にいきんだり、頭を動かしたりするときに痛みが強くなる点が特徴といえるでしょう。治療が遅れると脳に後遺症が出るリスクが高まるため、早めの治療が必要です。

3-2.片頭痛(へんずつう)

片頭痛は、片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つように痛む頭痛です。1度痛み始めたら、4~27時間ほど続くといわれています。月に1~2回程度、多いときには週に1~2回と定期的に発症し、動くと痛みが悪化する・痛みが起きている間はちょっと頭を動かすだけでも痛みが強くなる点が特徴です。特に、睡眠の質が悪く睡眠不足状態が続くと、片頭痛になりやすいといわれています。

3-3.副鼻腔炎(ふくびくうえん)

副鼻腔炎は、ウイルス・細菌感染で炎症反応が起きる症状です。発症から1か月以内に症状がやわらぐ「急性副鼻腔炎」と、3か月以上持続する「慢性副鼻腔炎」の2種類があります。どちらとも頭痛を伴いますが、急性副鼻腔炎は発熱が目立ち、慢性副鼻腔炎のほうが頭痛・頭重感などの随伴症状が起きやすいでしょう。

3-4.花粉症

春のシーズンになると症状が現れる花粉症も、頭痛の原因の1つです。花粉症による鼻水・鼻づまりの症状が長く続くと、鼻の粘膜が腫(は)れ上がります。そうすると、鼻の中の空気のとおり道が狭くなり、脳へ十分な酸素が届かなくなってしまうのです。つまり、「脳の酸欠状態」となり、酸素を得るために血流を増やそうと血管が拡張し、神経を刺激して頭痛が起きます。
また、花粉に対して免疫機能が過剰に反応し、「ヒスタミン」という物質が体内で多量に放出されるでしょう。そのせいで鼻と目の粘膜が炎症を起こし花粉症の症状が現れますが、ヒスタミンは血管を拡張させる作用もあります。そのため、頭痛が起きやすくなるのです。

4.病院へ行くべき症状は?

「ただの風邪だから」とあまく見てはいけません。症状の悪化を防ぐためにも、病院で診てもらったほうがいいケースをきちんと把握しておきましょう。

4-1.症状が長引く場合は要注意!

風邪による頭痛が長引く場合は、受診をおすすめします。なぜなら、風邪が原因で頭痛が起きているのではなく、疾患が関係している可能性が高いからです。前述したとおり、頭痛=風邪が原因とは限りません。髄膜炎・片頭痛・副鼻腔炎・花粉症などが関係している場合は、市販薬だけで治まる可能性が低く、きちんとした治療を受ける必要があります。また、中には「くも膜下出血」「脳出血」「脳梗塞(のうこうそく)」など、命にかかわる疾患の可能性もあるのです。頭痛が1週間以上長引くのであれば、すぐに病院で検査してください。

4-2.激しい頭痛が起きた場合

症状が長引くだけでなく、激しい頭痛が起きた場合も病院へ行くべきケースです。激しい頭痛は、くも膜下出血や脳出血の可能性もあり、痛み始めてから1週間の対処で生死が決まるといわれています。もし、バットでなぐられたような突然の激痛・頭痛と同時に吐き気が現れたら、早めに受診しましょう。

4-3.そのほか

「症状が長引く」「激しい頭痛が伴う」場合だけでなく、ほかにも気をつけておきたいケースがあります。たとえば、「今まで経験したことがない頭痛」が起きたときです。いつもの様子と異なる頭痛が起きたときは、深刻な病気がひそんでいる可能性があります。また、日に日に頻度と程度が増す・精神状態の変調を伴う・発熱と嘔吐(おうと)を伴う頭痛も注意が必要です。

4-4.何科を受診すべきか?

風邪を引いて頭痛が起こったときは、一般内科を受診します。思い当たる原因もなく、頭痛が何日も続いたり、頑固な頭痛に悩まされたりしたときは、頭痛外来・神経内科・脳神経科を受診してください。頭痛と合わせて、鼻・喉の症状が重い場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
一般的に、全身の症状が現れている場合は内科、喉・耳の症状がひどい場合は耳鼻科を受診するのがベストです。自身に現れているのはどんな症状なのか、しっかり確認してください。

5.風邪と頭痛に関してよくある質問

風邪と頭痛に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.片頭痛がひどくなったときの対処法は?
A.片頭痛持ちの方で、風邪を引いて症状が悪化した場合は、こめかみを押さえて血流を阻害するとよいでしょう。片頭痛は、「ズキンズキン」と脈打つように痛むのが特徴です。血管の拡張が原因で痛みが出ているため、入浴・運動・マッサージは控えてください。血管の拡張を促進させるような処置は避けるべきです。

Q.やってはいけない対処法は?
A.一時的に痛みがやわらぐから、と頭痛薬・風邪薬を服用し続けるのはNG行為です。あくまで、市販薬は一時的な対処で、根本的な原因は解消できません。様子を見て、症状が長引くのであれば受診しましょう。また、頭痛が起きているのに激しい運動をしたり、動きまわったりするのもNGです。安静にして、睡眠を取り栄養バランスのよい食事を心がけてください。

Q.風邪による頭痛の予防ポイントは?
A.体内へのウイルス・細菌の侵入を防ぐことが基本です。微熱・倦怠感・喉の痛みなどが出てきた際は、風邪の引き始めかもしれません。頭痛を防ぐためには、引き始めにきちんと栄養のある食事を摂(と)り、睡眠をしっかり確保することが大切です。ファストフードなど脂肪分の多い食べものを控え、野菜・果物などビタミン・ミネラル分が多く含まれている食べものを摂ってください。そうすれば、体内の免疫力を上げ、症状が軽いうちに治すことができるでしょう。

Q.風邪とインフルエンザの頭痛は違うのか?
A.インフルエンザの症状は、ほとんど風邪と同じです。しかし、風邪に比べて症状の度合いが強い特徴があります。インフルエンザの頭痛は風邪よりも激しく、我慢できないほどです。ほかにも、38℃を超える高熱・食欲不振・全身の倦怠感・筋肉痛・悪寒などが激しくなります。

Q.耳鼻科の選び方が知りたい
A.どの耳鼻科を受診すべきか悩んだときは、実績と経験・医師の対応などに注目してください。「川村耳鼻咽喉科クリニック」は年間400件の手術実績があり、丁寧な診察を行っています。電話またはホームページのフォームから相談が可能なので、悩んでいる方はぜひ1度お問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか? 風邪による頭痛は、侵入したウイルス・細菌の感染で炎症を起こし、血管を拡張させ脳の神経を刺激しているのが原因です。ズキズキとした痛みが特徴で、風邪が治れば自然と痛みもなくなるでしょう。しかし、風邪が治っても症状が続いたり、激しい頭痛が起きた場合は、別の病気がかくれているかもしれません。また、鼻・喉の症状が強く現れている場合は、副鼻腔炎などの可能性もあります。現れている症状によって原因と治療法が異なるため、病院できちんと検査してもらったほうが安心です。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績