悪寒や寒気を感じるのはなぜ? 原因・メカニズム・対策などを解説!

悪寒や寒気を感じるのはなぜ? 原因・メカニズム・対策などを解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

寒気・悪寒(おかん)は、体がゾクゾクしたり、ガタガタ震えたりする症状のことを指しています。冬の寒い時期に、室内から外へ出るときに感じる「寒気」は体が急に冷えたことによる生理的な現象ですが、暖かい室内にいるのに「寒気」を感じる場合は異常です。体が何かしら不調のサインを出している証(あかし)といえるでしょう。そんな病的な寒気を感じる場合は、病気にならないための先手を打たなければなりません。そこで、本記事では、寒気の原因・対策について解説します。

  1. なぜ寒気が起きるのか?
  2. 寒気と熱の関係は?
  3. 寒気の原因をチェック!
  4. 熱がない寒気の原因は?
  5. 寒気の対処方法
  6. 寒気と悪寒に関してよくある質問

この記事を読むことで、寒気や悪寒の原因と正しい対処法が分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.なぜ寒気が起きるのか?

寒気と悪寒を防ぐためには、なぜ起きるのかメカニズムを知ることが大切です。それでは早速、チェックしていきましょう。

1-1.寒気、悪寒とは?

寒気・悪寒とは、全身がゾクゾクする不快な症状のことです。背中のあたりがゾクゾクして「風邪かな?」と思ったら、たちまち熱が上がったという経験をした方が多いのではないでしょうか。発熱初期の寒気・悪寒は、震えが伴うこともあります。また、症状が強い場合は「悪寒戦慄(おかんせんりつ)といわれ、顔面蒼白となり、全身の震えが止まらなくなるでしょう。

1-2.なぜ起こるのか?

体が震えるのは「寒さ」を感じているときですが、病的な寒気と悪寒は、発熱して体温が高くなっているのに震えます。発熱は、体温を上げて免疫機能の働きを向上させ、ウイルスを撃退しようとする免疫反応の一種です。体温を外に逃がさないように血管を閉じ、体表面の血流を低下させるため、寒気と悪寒が起きるといわれています。

2.寒気と熱の関係は?

熱が出るときに寒気・悪寒がするのは、筋肉を震えさせて熱を生み出そうとする証拠です。では、寒気と発熱には、具体的にどのような関係があるのでしょうか。

2-1.寒気と熱は関係あるのか?

まず、理解してほしいのが「発熱は悪い症状ではない」ということです。発熱により感染に抵抗する力(免疫力)が高まるため、病原体の力が弱まります。寒気と悪寒は、「これから熱が出るよー!」という体のサインともいえるでしょう。つまり、筋肉を震わせて発熱しようとしているのです。

2-2.熱が出ない場合

「頭痛・悪寒がしたので体温を測ってみたが、35℃台だった」というケースも多く見られます。実は、悪寒を感じても発汗によって、普段よりも体温が低くなることもあるのです。また、脇に汗をかいていて、うまく体温が測定できていない可能性もあります。「発熱していないから大丈夫」と決めつけないように気をつけましょう。

3.寒気の原因をチェック!

寒気と悪寒のメカニズムを把握したところで、次は具体的な原因をチェックしていきましょう。ここでは、寒気と悪寒に関係する病気と、それぞれに伴う症状を解説します。

3-1.風邪

1番に考えられる原因が「風邪」です。くしゃみ・鼻づまり・鼻水・咳(せき)・喉の痛みが主な症状ですが、風邪の引き始めに悪寒・寒気を感じることがあります。特に、ひどい寒気と悪寒を感じる場合は、重症の可能性があるでしょう。また、悪寒を伴う風邪の場合は、咽頭炎(いんとうえん)の炎症を起こしている可能性もあります。咽頭炎とは、咽頭と呼ばれる部位の炎症です。咽頭は鼻や口を通して直接外と接するところなので、感染を起こしやすい傾向があります。

3-2.インフルエンザ

毎年、猛威をふるうインフルエンザは、全身がゾクゾクするような悪寒を引き起こすことがよくあります。インフルエンザは38~40℃の高熱が出るため、一般的な風邪よりも悪寒・寒気がひどくなるのが特徴です。

3-3.肺炎

寒気の原因が肺炎というケースもあります。肺炎による悪寒は、発熱の前に現れることがほとんどで、38℃以上の高熱が5日以上続くでしょう。また、肺炎は風邪をこじらせたり、放置したりすることで発症することも多く、インフルエンザなどに引き続いて発症する二次感染ともいわれています。二次感染による肺炎は重症化しやすいため、早めの治療や感染予防が大切です。

3-4.食中毒、盲腸

食中毒は、ウイルス・細菌に汚染された食べ物・飲み物を摂(と)ることで感染します。主な症状は、下痢・吐き気・嘔吐(おうと)・発熱などですが、発熱に伴って悪寒を感じることもあるのです。特に、牛・豚・鶏(にわとり)などの食肉や卵にひそんでいる「サルモネラ菌」に感染した場合は、ゾクゾクと全身に悪寒を感じることがよくあります。
また、悪寒と同時に、下腹部へ痛みを感じる場合は「盲腸」の可能性もあるでしょう。腹痛のほかにも、食欲不振・発熱・吐き気・嘔吐などが現れます。

3-5.膀胱炎(ぼうこうえん)、腎盂炎(じんうえん)

悪寒に伴って排尿時の痛みが起きた場合、「膀胱炎」の可能性があります。また、激しい腹痛や発熱が同時に現れた場合は、「腎盂炎」の可能性もあるでしょう。早急に、病院で診てもらうことをおすすめします。

3-6.脳疾患

脳梗塞(のうこうそく)・脳出血などの脳血管障害が起きると、悪寒を感じることがあります。悪寒だけでなく、意識障害・運動マヒ・発熱の症状が出るのが特徴です。脳血管障害を放置すると、命に関わるおそれがあるため、早めの受診をおすすめします。

3-7.そのほか

ほかにも、悪寒を感じる原因はさまざまです。たとえば、熱射病・熱中症が重症の場合、体温を調整する機能が低下し、高熱と悪寒を伴うことがあります。熱中症の場合は、悪寒のほかにめまい・大量の発汗・頭痛・吐き気などが生じるでしょう。

4.熱がない寒気の原因は?

熱がない寒気の原因は、主に「月経周期のホルモンバランス」「更年期障害」「ストレス」の3つがあります。それぞれの特徴と伴う症状をチェックしておきましょう。

4-1.月経周期のホルモンバランス

排卵後から次の生理までの期間「黄体期」は、女性ホルモンのプロゲステロンが多く分泌され体温が上昇します。そして、生理が始まると体温が下がりますが、このホルモンバランスの変化が悪寒につながるのです。また、生理中には受精卵のために子宮に温度や栄養が集まりやすく、末端が冷えて寒気を感じやすくなります。基礎体温をつけると、風邪や病気との違いを判断しやすいでしょう。

4-2.更年期障害

更年期障害の症状は、ほてり・耳鳴り・手足のしびれ・頭痛・めまい・悪寒など体の症状から、イライラ・不安感など心の症状までさまざまです。卵巣機能の低下によって女性ホルモンのエストロゲンが低下することで発症します。ほてり・発汗などホットフラッシュが起きると、その反動として寒気を感じるというわけです。

4-3.ストレス

ストレスは自律神経のバランスが乱れる原因です。自律神経のバランスが崩れると、体温が上昇して微熱が持続し、それに伴って寒気を感じることがあります。

5.寒気の対処方法

寒気を感じたときは、どのように対処すればよいのでしょうか。自分でできることと、受診したほうがいいケースを説明します。

5-1.自分でできること

悪寒を感じたときは、できるだけ体を温めてください。厚着をしたり、温かい飲み物を飲んだりすることで、体を冷えから守ることができます。また、これから発熱が起こる可能性が高まるため、安静にすることが大切です。もし、熱が出た場合は、一時的な対処法として解熱鎮痛薬を服用するとよいでしょう。

5-2.受診したほうがいいケース

高熱が出た・悪寒が長引く場合は、受診したほうがいいケースです。また、悪寒・高熱のほかに、激しい頭痛・全身痙攣(ぜんしんけいれん)・呼吸困難などの症状がある場合も、注意が必要でしょう。主治医がいる場合は、相談してください。主治医がいない場合は、内科を受診するとよいでしょう。

5-3.注意点

寝不足状態が続いたり、ファストフードやコンビニ食品など偏った食事ばかりしていると、寒気を感じやすくなりがちです。そのため、生活習慣・食生活が乱れている方は、日々の過ごし方を改める必要があります。日常生活を規則正しく過ごすことで、免疫力がアップし、ウイルス・細菌の侵入を防ぐことができるでしょう。

6.寒気と悪寒に関してよくある質問

寒気と悪寒に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.発熱の程度と震えは関係があるのか?
A.体温が37℃前後になると寒気を感じはじめます。筋肉を震わすことで、体内で熱を産出しているからです。さらに症状が進行すると、熱が38℃ほどに上がり、体がガタガタと震えるようになります。体の熱が高まるほど、震えも大きくなるでしょう。

Q.悪寒と発熱が伴う場合の対処法は?
A.寒がらない程度に手足を温めることが大切です。靴下を履(は)いたり、温かい飲み物を飲んだり工夫しましょう。ただし、厚着しすぎたり布団を多くかぶせたりすると、逆に、体内の余計な熱が放散できなくなってしまいます。布団・服も寒がらない程度に薄くすることが大切なポイントです。

Q.近年、増加しているストレス性高体温症とは?
A.ストレス性高体温症は、慢性的にストレスを感じるようになると、37~38℃の微熱が持続する症状のことを指します。解熱剤を使用しても熱が下がらないのが特徴なので、ストレスを感じないようにリラックスすることが1番の対処法です。

Q.悪寒の震えと痙攣(けいれん)は別もの?
A.痙攣は悪寒と同じように体が震える症状です。しかし、それぞれメカニズムが異なります。寒気・悪寒による震えは、筋肉を動かすことで体温を上げようとする働きからきているものです。一方、痙攣は筋肉が極度の緊張状態になることで起きるため、震えとはまったく違います。異常な筋肉の収縮が長時間続き、筋肉が突っ張ったりこわばったりした状態は、悪寒・寒気ではなく「痙攣」です。痙攣が起きたときは、すぐに病院で検査してもらいましょう。

Q.鼻づまり・鼻水などがひどい場合は何科を受診すべき?
A.寒気・悪寒の原因が風邪の場合、鼻づまり・鼻水など症状がひどくなるでしょう。そんなときは、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。風邪=内科と思われがちですが、現れている症状で診療科を変えてください。鼻・耳の症状が強く出ている場合は、耳鼻咽喉科となります。「川村耳鼻咽喉科クリニック」は、年間400件の手術実績があり、どのような悩みでも相談が可能です。ぜひ1度、相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか? 寒気・悪寒は、背筋がゾクゾクとするような寒さを感じ、体の震えが起きる症状のことです。風邪・インフルエンザ・肺炎・食中毒・膀胱炎などさまざまな原因があり、中には、ストレスなど心因性の原因が関係していることもあります。寒気・悪寒を感じたときは、これから熱が上がる可能性が高いので、安静にして栄養のある食べ物を摂ることが大切です。規則正しい日常生活を送り、栄養バランスの整った食生活を心がけておけば、症状の悪化を防ぐことができるでしょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績