好酸球性副鼻腔炎
最近、学会などでも治りにくい副鼻腔炎としてしばしば取り上げられているのが好酸球性副鼻腔炎です。これは鼻内に増加している好酸球(自身の血球の一種)が主体となって炎症を起こしているものであり、通常の副鼻腔炎に比べて治療抵抗性であることが知られています。この病気の特徴として
1:多発性のポリープ
2:嗅覚障害の合併が多い
3:マクロライド系抗生物質の抵抗例が多い
4:ステロイド有効例が多い
5:しばしば喘息の合併が認められる。
6:上顎洞より篩骨洞病変が高度の例が多い
7:1型アレルギーは認めるもの、認めないもの様々である
8:難治例が多い
などがあります。この病気の本質はまだまだ未解明の部分が少なくありませんが、感染による好中球炎症を主体とした副鼻腔炎と異なりマクロライドはあまり効かないため薬物療法に多くは期待できません。
喘息や嗅覚障害を合併した重症例も多く、内視鏡下手術を施行し、術後ステロイドの内服や局所投与、局所の洗浄を行い、好酸球を含む粘液を洗い流す治療が有効とされています。そのためにも手術で副鼻腔を鼻腔と大きく交通をつけることが必要となります。重症例ではポリープ再発も認められますが、術後処置をしっかり行うことが、その予防に重要です。好中球性に比べて難治性ではありますが、マクロライド療法に多くを期待できない分、手術療法が果たす役割は大きく、鼻閉や後鼻漏が少なくなり喘息症状が著明に改善する場合も少なくありません。
当院では好酸球性副鼻腔炎の患者さんも多数受診されますが、軽症の場合は薬でコントロールできる場合もあり、重症の場合は1泊2日の短期入院手術を行っております。この疾患は術前のコントロール、術後管理が重要ですので、経験の豊富な医師への受診をお勧めします。
アスピリン喘息
アスピリン喘息はアスピリン様の薬理作用を持つ非ステロイド系解熱鎮痛薬(NSAIDs)により発作が誘発されるという特徴を持ち、喘息発作、アスピリン過敏症、鼻茸を3主徴とする疾患です。30〜50歳に発症することが多く、頻度としては成人喘息の4〜30%、中等症以上では10%以上に認められると言われています。前述の好酸球性副鼻腔炎と非常によく似た特徴を有し、好酸球性副鼻腔炎の一部あるいは類縁疾患と考えられます。従って、治療や経過もよく似ており手術療法のみで完全に治すことは困難かもしれませんが、手術によって鼻閉や喘息症状が劇的に改善し喘息薬の使用量が極端に少なくなることも多く経験しています。解熱剤や鎮痛剤など手術後に使えないお薬もあり、手術後の経過観察も重要です。

