耳垢が臭い!? その原因と対処法とは? 耳垢を取れば臭いは消えるの?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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今の日本人は、世界で最も臭いに敏感といわれています。
ですから、自分の体が臭うと不安になる方もいるでしょう。
今回は、耳垢が臭う場合の原因と対処法をご紹介します。
耳垢も条件によっては臭うのです。しかし、対処法を間違うと大変なことになるでしょう。
ですから、耳垢が臭うイコール不潔というわけではありません。
耳鼻咽喉科を受診し、治療する必要があるケースもあるのです。
最近、耳垢が臭うような気がするという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 耳は臭いやすい場所?
  2. 耳垢が臭う原因とは?
  3. 耳垢の臭いを取る方法とは?
  4. 正しい耳掃除の方法とは?
  5. おわりに

1.耳は臭いやすい場所?

人体には、いくつか体臭が強い場所があります。
代表的なのはわきの下ですね。
特に、夏に汗をかくと独特の臭いがする方もいます。
また、性器周辺も臭いが強いでしょう。
さらに、耳の中や後ろも実は体臭が強く発せられる場所です。
これは、耳の後ろのあたりに強い臭いを発する汗が出る腺があるため。
はるか昔、人は耳の後ろやわきの下から出る臭いで異性を引きつけていたそうです。
しかし、文明が発達した現代では強い臭いは嫌われます。
ですから、みな必死になって臭いを消そうとするのです。
皆さんも、耳は全体的に臭いやすい場所であることを覚えておきましょう。

2.耳垢が臭う原因とは?

耳が臭いやすい場所ということは、これでお分かりいただけたかと思います。
では、なぜ耳垢が臭うのでしょうか?
この項では、耳垢が臭う原因の一例をご紹介していきます。

2-1.皮脂の過剰分泌

耳垢には種類があり、乾燥してかさかさした耳垢が出る人と湿っていてべっとりとした耳垢が出る人がいます。
これは、皮脂の量の差。
つまり、耳の穴の中で皮脂の分泌が多いと、耳垢も湿っているのです。
耳垢に限らず、湿ったものというのは独特の臭いがあります。
ですから、湿った耳垢の人は乾燥した耳垢の人よりも、耳垢が臭いやすいでしょう。
これはもう体質ですので、完全に無臭にするというわけにはいきません。

2-2.耳垢のたまりすぎ

耳垢がたまりすぎていると、独特な臭いがします。
耳垢は皮脂や外部から入りこんだ汚れが固まったもの。
体のほかの部分からでる垢も臭いはあります。
しかし、耳垢は狭い部分に詰まっていますから、すっきりきれいに取りのぞけない場合も多いでしょう。
ですから、耳掃除をしなさすぎても、耳垢は臭ってきます。

2-3.膿(うみ)の臭い

では、耳掃除を念入りにすれば耳垢が臭わなくなるか、といえばそれは間違いです。
耳掃除をしすぎると、デリケートな耳の中の皮膚を傷つけてしまいます。
そうなると、耳の穴の入り口から、鼓膜までの部分が炎症を起こすのです。
これを「外耳炎」といいます。
外耳炎になると傷つけた皮膚が膿(うみ)んで、膿(うみ)が出る場合があるのです。
この膿(うみ)が臭胃の原因。
また、逆に鼓膜の内側にある「中耳」という部分が炎症を起こすこともあります。
これが「中耳炎」です。
中耳炎にかかると、鼓膜の内側に膿(うみ)がたまります。
しかし、何かの拍子に鼓膜に穴が開くと膿(うみ)が一気に外耳へと流れこみ、耳垢と混じって臭いを発するのです。
なんだか大変なことのように思えますが、中耳炎になると鼓膜から膿(うみ)が出ることは珍しくありません。
中耳炎は子どもが発症しやすい病気ですが、膿(うみ)が外耳の外側まで流れだしてから気づくことも多いのです。
ちなみに、鼓膜は穴があいてもきちんとふさがりますので、聴力に影響はありません。

3.耳垢の臭いを取る方法とは?

では、耳垢の臭いを取るにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、耳垢の臭いを少しでも取る方法をご紹介します。

3-1.入浴時に耳の穴も洗う

耳の皮脂分泌が多い人は、入浴した際に耳の穴もきちんと洗いましょう。
といっても、せっけんをつけてごしごしと洗う必要はありません。
固く絞ったタオルで、耳の穴の中を拭くだけで十分です。
そうすれば、余分な皮脂は取れてくれるでしょう。
また、耳の後ろは垢がたまりやすい部分です。
ですから、ここはせっけんをつけてよく洗いましょう。
特に、子どもは汗の分泌が盛んですから、人によっては大人よりも臭うことがあります。
よく親が洗ってあげましょう。

3-2.耳鼻咽喉科で治療を受ける

外耳炎や中耳炎になると、痛みもあります。
自然治癒をする場合もありますが、長い間膿(うみ)が流れっぱなしでは、聴力に影響が出る場合もあるのです。
ですから、耳に痛みを感じた場合や急に耳垢が臭い出した場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。
子どもや赤ちゃんの場合は耳の痛みを訴えられないこともあります。
しかし、耳を盛んにいじったり後ろから呼びかけても振り向かなかったりする場合は、中耳炎の可能性があるのです。
外耳炎や中耳炎の治療は点耳薬や飲み薬が中心になります。
しかし、耳掃除の仕方を改めないと、再発の恐れもあるのです。

4.正しい耳掃除の方法とは?

耳掃除は力任せにひっかけばよいというわけではありません。
耳の皮膚は大変デリケートです。
ですから、綿棒のように柔らかいものでもガリガリとひっかけば皮膚を傷つけてしまうでしょう。
耳掃除をする場合は、乾いた耳垢なら耳かきを湿った耳垢の場合は綿棒を使用します。
そして、耳の入り口から1センチくらいのところまでを、撫でるように掃除しましょう。
奥をひっかきすぎると、かえって耳垢を奥の方へ押しこめてしまいます。
また、耳掃除は1か月に1~2度行えば十分です。
毎日行う必要はありません。
子どもの場合は耳管が細く、どんなにそっと耳掃除を行っても耳垢を押しこめてしまう場合があります。
ですから、子どもや赤ちゃんの場合は定期的に耳鼻咽喉科で耳掃除をしてもらってみよいでしょう。
「わざわざ耳鼻科で?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、無理に耳垢を取ろうとして耳の皮膚を傷つけるよりよいのです。
また、外耳炎や中耳炎になったら、医師から許可が出るまで耳掃除は禁止してください。
さらに、外耳炎になった場合は綿棒を新しく買いなおしましょう。
外耳炎の原因が綿棒についた雑菌の可能性もあるのです。
さらに、耳かきも清潔な場所にしまいましょう。
よく文房具と一緒にペン立てに立てて置く人もいますが、それよりは救急箱などの中に入れておく方がよいですね。
また、耳かきが近くにないからといって爪で耳掃除をしてはいけません。
雑菌をこすりつけているのと一緒です。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、耳垢が臭う原因とその対処法をご紹介しました。
まとめると

  • 耳垢が湿っている方は臭いやすい。
  • 外耳炎や中耳炎になると膿(うみ)が出て臭う場合もある。
  • 耳は強い体臭を発する場所なので、丁寧に洗う必要がある。
  • 外耳炎や中耳炎になったら速やかに耳鼻咽喉科を受診する。

ということです。耳垢が臭うと耳の穴から臭いがするような気がする人もいるでしょう。
しかし実際は、それほど強い悪臭がすることはめったにありません。
また、耳が臭うという場合の多くが耳の後ろに垢がたまっていてそれが臭うのです。
ですから、耳の後ろをよく洗いましょう。
特に、女性は髪が長い人も多いですから耳の後ろを洗い忘れがちです。
タオルで拭くだけでも違いますので、試してみてくださいね。
また、外耳炎や中耳炎を放置しておくと聴力が低下する場合もあります。
膿(うみ)ができってしまうと一時的に痛みは治まりますが、必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう。