医院名:川村耳鼻咽喉科クリニック 
住所:〒536-0001 大阪市城東区古市3丁目23-21 
電話番号:06-6939-8700

アレルギー性鼻炎の手術

一番上に戻る
TEL:06-6939-8700TEL:06-6939-8700 インターネット予約インターネット予約 お問い合わせ

アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する手術治療

アレルギー性鼻炎は体質的な疾患であり、厳密には手術によってアレルギー性鼻炎そのものが治るとは言えません。しかし近年、様々な手術方法の開発によって鼻粘膜をアレルギー反応が起こりにくい粘膜に変える、あるいはアレルギーが起こっても鼻づまりや鼻水、くしゃみが起こりにくい粘膜に変えることは可能になってきています。アレルギー性鼻炎に対するラジオ波凝固術(ラジオ波焼灼術・レーザー手術)や後鼻神経切断術はその代表的なものです。

アレルギー性鼻炎のタイプや重症度によっても適する手術方法が異なります。当クリニックでは全国で行われているアレルギー性鼻炎に対する全ての手術を日帰り、あるいは一泊二日で行っております。(日帰りや一泊で手術ができる理由についてはこちらをご覧ください。)

アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する手術治療の選び方

以下にそれぞれの手術方法の適応や特徴をまとめました。ご自身の状態によって最適な手術方法は異なります。最終的には医師との相談になるかもしれませんが、どのような場合にどのような方法が適するか、所要時間や費用や効果もまとめましたので参考にしてください。

術式 ラジオ波下甲介焼灼術
(レーザー手術)

後鼻神経凍結術
鼻中隔矯正術

粘膜下下甲介骨切除術
(鼻中隔矯正術)

粘膜下下甲介骨切除術

後鼻神経切断術
ラジオ波下甲介焼灼術(レーザー手術)+後鼻神経凍結術 鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術 (鼻中隔矯正術)+粘膜下下甲介骨切除術+後鼻神経切断術
所要時間 日帰り(15~20分) 日帰り(60~90分) 日帰り(90分)
麻酔方法 局所麻酔 局所麻酔 局所麻酔
手術日 ほぼ毎日外来中 毎朝、火・水昼、月・金午後 毎朝、火・水昼、月・金午後
手術方法 アレルギーを起こす下甲介粘膜の表面をラジオ波で凝固、後鼻神経を粘膜上から凍結します。 ①に加えて鼻中隔の弯曲部を矯正し、下甲介は肥厚が著明な場合は粘膜の裏で骨を摘出します。 ②に加えて下甲介骨を摘出した後に後鼻神経を切断し、その断端を凝固します。
どんな方に適するか 骨の形態に問題がなく、粘膜の腫れが強い方に適します。鼻水が多い方には効果が弱い場合もあります。 骨の形態に問題があり、ラジオ波手術が行えない方、鼻づまりの強い方に適します。鼻水が多い方には効果が弱い場合もあります。 骨の形態に問題があり、鼻水も多い方に適します。アレルギー性鼻炎の手術治療の中では最も効果が高い方法です。
対象年齢 鼻の操作をいやがらない年齢(10歳くらい)から。 骨の成長がほぼ終わる17歳以上から。 後鼻神経切断術神経は12歳くらいから。鼻中隔矯正術は17歳くらいから。
費用(3割負担で) 約1万円 約4万円 約18万
(ただし高額医療費適応です。詳しくは手術費用の項をご覧下さい)

※横スクロールで全体を表示

アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する手術方法

以下にアレルギー性鼻炎(花粉症)の治療に用いられる手術方法について、それぞれ詳細を記載します。手術を検討される場合にはそれぞれの手術方法によってメリット、デメリットがありますし、日数や費用も異なります。当院ではアレルギー性鼻炎に対する全ての手術を行っております。お困りの際はお気軽にご相談ください。

ラジオ波凝固術(ラジオ波焼灼術・レーザー手術)+鼻内後鼻神経凍結術

ラジオ波凝固術(ラジオ波焼灼術・レーザー手術)

アレルギー性鼻炎は下甲介粘膜に抗原が付着することで発症します。炭酸ガスレーザーなどを用いてこの粘膜を浅く焼くと粘膜は3〜4週間で抗原が侵入しにくく、腫れにくい粘膜に生え替わります。また、粘膜下のアレルギーに関係する細胞も減少するためアレルギーの症状が軽くなると考えられています。

この方法は私の出身大学である関西医科大学が世界ではじめて行った手術であり 約20年間に数千人の患者さんに行われており(私個人でも1500人ほどの経験があります)、ハウスダストに対する有効性(症状が手術前の半分以下になる率)は約80%に認められています。スギなどの花粉症に対してもステロイド点鼻などの薬物療法以上の効果が認められています(平成13年:スギ花粉症に対する季節前レーザー手術の治療成績)。

手術に伴う危険性や後遺症はなく、痛みや出血もほとんどないため、日帰りで安全に行える手術として近年広く普及しつつあります。ただ、レーザー手術の場合、1回では効果が不十分で数回照射が必要なこともあります。以前に「アレルギー性鼻炎に対するlaser surgeryの問題点 」というシンポジウムで検討した結果では1回照射の有効率は40%前後でした。かといって何回も照射すると患者さんの肉体的、時間的、時には経済的な負担も増えます。そのため、当院では近年開発されたラジオ波凝固装置を用いて粘膜を焼灼しております。

ラジオ波手術の作用機序はレーザー手術とほぼ同等ですが、鼻の奥まで観察の可能な内視鏡を用いて下甲介粘膜全体をレーザーよりやや深く焼灼することにより1回の手術で効果があらわれるという大きな長所があります。

手術の実際
  • 痛み止めの薬をガーゼに染み込ませたものを鼻の中に数枚入れて局所表面麻酔を行います。
  • 内視鏡で見ながら粘膜局所に痛み止めの注射を追加します。
  • 両側の下甲介をラジオ波で焼灼します。時間は両側で10〜15分ほどです。
  • 手術中は焦げたようなにおいを感じるときもありますがほとんど痛みはありません。
  • 重症の時などは次に述べる凍結術を引き続き行います。
  • 恐怖感の強い小児などでは全身麻酔下でも可能です。
術後の経過
  • 手術を行った部分は軽いやけどのような状態になり術後しばらくはかさぶたが付着します。
  • 特に最初の1週間はゼラチン状のかさぶたが付くために鼻閉が強くなりますが2週目からはかさぶたが薄くなり鼻の通りは良くなってきて、4週目頃にはほぼ粘膜が再生します。
  • 最初の1週間は粘っこい鼻汁が出ます。徐々に水性になってきて量も減少します。
  • 術後の痛みは軽度で鎮痛剤を服用される方はほとんどなく翌日以後も痛みが続く様なことはありません。
  • 出血も軽度で2〜3日鼻水に血がにじむ程度であり、特に血を止める処置も必要ありません。
  • においや味がわからなくなることはありません。
  •  

    • 術後の経過

鼻内後鼻神経凍結術

鼻内後鼻神経凍結術<

粘膜表層で起こったアレルギー反応は知覚神経を介して下甲介から中枢(脳)へと伝えられてくしゃみ発作を引き起こすとともに、中枢から下甲介へ分布する分泌神経を介して鼻水の分泌を引き起こします。アレルギー性鼻炎ではこの神経反応が過敏になっているために弱い刺激に対しても過剰なくしゃみ、鼻水が起こることが知られています。また、アレルギーはなくても冷たい空気などの刺激でくしゃみ、鼻水が起こる方もいます。

このことから、数十年前には鼻水を分泌する神経を切断して鼻水を止める試みがしばしば行われていました(ヴィディアン神経切断術:図のA)。しかし、当時の手術は内視鏡が無く、歯茎を切り顔の骨の一部を削って行われていたために体に対するダメージが大きく、涙を分泌する神経も同時に切断する結果、眼が乾くといった合併症が問題となっていました。

上記の問題を解決する方法として考え出されたのが後鼻神経に対する手術です(図のB)。後鼻神経はくしゃみに関係する知覚枝と鼻汁を分泌する神経を含みますが涙の分泌神経は含ないために、これを選択的に変性させることにより鼻水、くしゃみに対する抑制効果が高く、体へのダメージが軽い、涙液分泌は保たれるといった特徴があります。

後鼻神経は中甲介の後端部に一致して蝶口蓋孔という骨の穴から鼻腔内に侵入し、粘膜の裏を通って下甲介に分布します。したがって最も安全に後鼻神経の過敏な知覚および分泌を抑制するには粘膜表面から同部位を凍結変性させることが有効です。当院ではアレルギー性鼻炎や温度変化に敏感な鼻水などに対して前述の粘膜焼灼術と組み合わせて日帰りで行っております。

手術の実際
  • 多くの場合、前述のラジオ波焼灼術と同時に行います。
  • 後鼻神経が鼻腔内に侵入する部位に麻酔の注射を行います。
  • 手術は局所麻酔で粘膜の上から後鼻神経を数分間冷却するだけですので両側でも5〜6分で終了し、出血や手術後の腫れもほ とんど無く安全に行うことができます。
  • 痛みもほとんどありませんが、直後1時間ほどの間に神経に対する刺激痛が起こることがあります。この痛みも鎮痛剤で抑えられる程度であり、鎮痛剤をのまれる方は2〜3人に1人です。
  • 手術による合併症や機能傷害も無く、匂いを感じる神経は後鼻神経とは別ですので嗅覚に対する影響もありません。
  • 小児や恐怖心の強い方は日帰りの全身麻酔で行うこともできます。
  • 重症の場合、あるいは鼻腔形態が不良の場合はこれを矯正しなければ手術装置が後鼻神経に到達しないときがあります。このような場合には後に述べる粘膜下下甲介骨切除術と組み合わせて後鼻神経の粘膜下凍結術や切断術を行います。

鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術

中には、鼻腔の形態が悪くレーザー手術ができない場合やレーザー手術を何度行っても効果が表れない方もおられます。レーザー手術の適応は、その方の症状や鼻腔形態により異なり、レーザー手術で誰もが良くなるとは限りません。

また、薬の効果が少ない鼻詰まりの場合、粘膜の腫れよりも骨の構造に問題がある場合がほとんどです。これはアレルギー性鼻炎の方でも同様です。

鼻腔の形態が悪いときには、それを改善しないと鼻閉や鼻汁も改善しないので鼻中隔矯正術や下鼻甲介の手術が必要になる場合もあります。これらの手術は余分な骨を除去するものでほぼ永久的な効果が見込まれ日帰りでも可能です。

特徴

粘膜を保存する手術ですので鼻の機能が温存され出血も多くありません。

切開は鼻の中で行いますので外に傷はつきませんし、見た目の鼻の形も変わりません。

アレルギー性鼻炎を併発している方にはラジオ波凝固術を同時に行います。

局所麻酔を使用して1時間半ほどで終了します。副鼻腔炎を併発している場合には内視鏡下副鼻腔手術(ESS)も同時に行います。その場合には1泊の全身麻酔手術で行うこともあります。

費用

3割負担の方で鼻中隔矯正術と粘膜下下鼻甲介切除術を同時に行って約6万円弱です。

粘膜下下甲介骨切除術+後鼻神経切断術

鼻汁が特にひどい方にはレーザー手術が効きにくい場合もあります。アレルギー反応、特に後鼻神経を介するくしゃみや鼻水が極めて強い方には、後鼻神経切断術を行います。この方法はもともとレーザー手術無効の方に対する術式として、後鼻神経を完全かつ確実に切断することを目的に、世界で初めて私が考案・報告した術式です。(論文:粘膜下下甲介骨・後上鼻神経切除術・2000年・耳鼻咽喉科臨床:川村繁樹ほか)

この手術はレーザー手術が効かなかった方を含めても9割以上の方に有効であり、ほとんどの方が少なくとも3年間効果が持続しました。したがってアレルギー性鼻炎に対する手術も何種類かありますし、最大の効果をあげるには的確に術式を選択する必要がありますが、全国的にもこれら全ての手術を行い、的確に適応を判断できる医療機関は少ないと思います。

後鼻神経には直径1〜2mmの蝶口蓋動脈が伴走しており、この血管と神経を剥離して神経のみを選択的に切断することは理想的です。しかし、これは技術的に極めて困難で、そのために神経を確実に切断するには伴走する血管も同時に切断する必要がありますが、従来の医療機器では止血能力の不足や鼻腔深部には使用できないなどの問題がありました。

我々が使用している超音波凝固装置は小型で凝固止血能に優れ、内視鏡下での使用に適しています。神経を完全に切断するため凍結手術を上回る長期的な効果が得られます。(レーザー手術が無効だった方でも、くしゃみで90%、鼻水で75%、鼻づまりで100%の有効率)

実際に全国の大学病院など追試が行われており良好な成績が報告されております。ただ、いかにすぐれた機器であっても血管を切断する限り出血の危険性は皆無ではありません。

当院での手術療法

当院では、さらに手術方法を改良することにより開院後は1例の出血例も認めておらず、それによって90分程度の日帰り手術で行えるようになりました。この手術は多くの施設では7~10日間の入院で行われております。長期間の入院ができない方にとっては時間的、肉体的にも利点は大きいと思います。

大阪市ではこどもの医療費の助成が平成29年11月診療分から、対象年齢を15歳(中学校修了)から18歳(18歳に達した日以後における最初の3月31日)まで拡充されます。所得制限はありますが、これによって受験前の高校生でも手術医療費の負担が低くなります。

費用

費用は高額医療費適応となりますので、所得によって自己負担額が変わりますが、平均的な年収であれば手術、麻酔、入院全てで3割負担の方で約8~9万円(鼻中隔矯正術も同時に行った場合)です。

当院は、大阪府大阪市はもとより、京都・奈良・兵庫など、近隣の県より手術を希望される方も多くいらっしゃいます。相談は無料で受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。