副鼻腔炎で発熱することはあるの? その対処法は?

副鼻腔炎で発熱することはあるの? その対処法は?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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副鼻腔炎とは、鼻の周囲にある「副鼻腔」という場所が細菌やウィルスによって炎症を起こす病気です。風邪から移行することも多く、発症して3週間までのものは、急性副鼻腔炎と呼ばれています。副鼻腔炎を発症すると、粘り気のある鼻水が出て鼻づまりが起こるのが特徴です。人によっては発熱することもあるでしょう。しかし、普通の風邪と区別がつきにくいので、知らない間に悪化させてしまうこともあります。

そこで今回は、発熱を中心に副鼻腔炎の症状や治療方法を解説しましょう。

  1. 副鼻腔炎と熱の関係
  2. 副鼻腔炎で発熱した場合の対処方法
  3. 副鼻腔炎の治療方法
  4. 副鼻腔炎と発熱に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、病院を受診する目安や副鼻腔炎を予防する方法なども分かります。副鼻腔炎の症状や治療方法を知りたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.副鼻腔炎と熱の関係

はじめに、副鼻腔炎の症状や熱が出るケースを解説します。どのようなときに熱が出るのでしょうか?

1-1.副鼻腔炎の代表的な症状

前述のように、副鼻腔炎は副鼻腔が細菌やウィルスによって炎症を起こす病気です。発症すれば、膿(うみ)のような黄色・緑色の粘性がある鼻水が大量に出て、鼻づまりが起こります。風邪から移行することも多く、咳(せき)や喉の痛みといった風邪の諸症状が治まっても、鼻水・鼻づまりだけが長引く場合は、副鼻腔炎を発症している可能性があるでしょう。

1-2.副鼻腔炎で発熱するケース

副鼻腔炎が原因で発熱する場合は、微熱がほとんどです。ただし、高熱が出て激しい頭痛がするときは、副鼻腔の炎症が目や脳にまで達していることもあります。こうなると、硬膜外膿瘍(こうまくがいのうよう)や脳膿瘍(のうのうよう)などを発症する可能性もあるでしょう。風邪が治りかけていたのに急に高熱が出て、激しい頭痛が起こった場合は、至急病院を受診しましょう。

1-3.発熱をした場合の注意点

前述したように、副鼻腔炎が原因の発熱は微熱程度のものがほとんどです。しかし、鼻水・鼻づまり・発熱が同時に起これば、かなりつらいでしょう。また、副鼻腔炎自体は感染しませんが、副鼻腔炎の原因となった細菌やウィルスは感染する可能性があります。ですから、できるだけ早く耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診し適切な治療を受けましょう。

副鼻腔炎が原因で熱が出るときは微熱がほとんどなんですね。
風邪が治りかけていたのに急に高熱が出て、激しい頭痛が起こった場合は、至急病院を受診するようにしてください。

2.副鼻腔炎で発熱した場合の対処方法

副鼻腔炎が原因で発熱したと疑われる場合は、頭部や脇の下を冷やしましょう。応急処置になります。また、汗をかくので水分をこまめに補給してください。また、前述したように、高熱と頭痛が起こっている場合は、炎症が脳に達している恐れがあります。夜間にこのような症状が出た場合は、救急車を呼んでもかまわないので至急病院を受診してください。
なお、微熱程度でも必ず耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。

頭部や脇の下を冷やせばいいんですね!
あくまで応急処置です。高熱と頭痛が起こっている場合は、炎症が脳に達している恐れがありますから、夜間にこのような症状が出た場合は、救急車を呼んででも至急病院を受診しましょう。

3.副鼻腔炎の治療方法

この項では、副鼻腔炎の治療方法や病院を受診する目安について解説します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.病院を受診する目安

副鼻腔炎は、自然治癒することが難しい病気です。鼻水や鼻づまりが1週間以上続き、改善する様子が全く見えない場合は、耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診してください。また、前述したように発熱した場合はすぐに受診しましょう。副鼻腔炎を放置しておくと、慢性副鼻腔炎に移行し、完治がより難しくなります。

3-2.診察方法と治療方法

副鼻腔炎が疑われる場合は、鼻と喉の奥を視診したり、レントゲンを撮ったりします。副鼻腔炎になるとレントゲンでは副鼻腔が真っ白に写るので、診断しやすいでしょう。
副鼻腔炎の治療方法は、鼻水の吸引・ネブライザー(噴霧器)による鼻の中への薬の噴射・投薬などがあります。必要ならば、副鼻腔の洗浄も行われるでしょう。なお、副鼻腔炎の治療は時間がかかることも珍しくありません。症状が治まっても、医師から治療の終了を告げられるまで、投薬や通院を続けましょう。

3-3.手術がすすめられるケース

副鼻腔炎が再発をくり返したり慢性化したりしている場合は、病巣を切り取る手術をすすめられることがあります。また、副鼻腔炎が重症化すると鼻と副鼻腔をつなぐ排出口がふさがってしまったり、鼻茸(はなたけ)と呼ばれる良性のポリープができたりすることもあるでしょう。そのような場合も、手術がすすめられます。手術の多くは内視鏡下副鼻腔手術(ESS)と呼ばれる方法で行われ、日帰りで済むものです。しかし、症状が重篤だった場合は入院が必要になることもあります。医師とよく相談して、手術の方法ややり方を選びましょう。

3-4.病院の選び方

副鼻腔炎の治療は、耳鼻科・耳鼻咽喉科で行います。前述したように通院が長引くことが多いので、通いやすい病院を選びましょう。人によっては、職場の近くの方が通いやすい、という人もいるでしょう。ただし、内視鏡下副鼻腔手術は行っている病院が限られています。慢性化した副鼻腔炎を治療してほしい場合は、病院のホームページを確認し、手術を実施しているところを選びましょう。
なお、副鼻腔炎は子どもや赤ちゃんも発症します。子どもが病気になると小児科を受診するのが一般的ですが、副鼻腔炎は耳鼻科・耳鼻咽喉科でないと治療できません。副鼻腔炎が疑われる場合は、耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診してください。

手術がすすめられるケースもあるんですね。
手術の多くは日帰りで済みます。医師とよく相談して、手術の方法ややり方を選びましょう。

4.副鼻腔炎と発熱に関するよくある質問

この項では、副鼻腔炎による発熱でお悩みの方から寄せられることの多い質問と回答をまとめて紹介します。ぜひ、参考にしてください。

Q.副鼻腔炎で高熱が出やすくなる人はいますか?
A.糖尿病や悪性腫瘍の患者は、副鼻腔で真菌が繁殖する副鼻腔真菌症になりやすいので、高熱が出やすいでしょう。副鼻腔真菌症は、重症化すると脳や目も影響を受けます。

Q.副鼻腔炎を予防するにはどうしたらいいですか?
A.鼻をすすらないようにしましょう。鼻をすすると、副鼻腔に鼻水が逆流しやすくなります。

Q.副鼻腔炎の薬に副作用はあるでしょうか?
A.炎症を止める薬に、下痢や吐き気などの副作用が出ることがあります。また、鼻水を止めようと市販の点鼻薬を乱用すると、点鼻薬性鼻炎という副作用が出ることもあるでしょう。

Q.副鼻腔炎と普通の風邪の違いはなんですか?
A.副鼻腔炎は鼻水と鼻づまりが主な症状なのに対し、風邪は、咳・喉の痛み・発熱などの症状が現れます。なお、副鼻腔炎を発症した場合も発熱や喉の痛みが出ることもありますので、個人で風邪か副鼻腔炎かを判断するのは難しいでしょう。病院を受診してください。

Q.副鼻腔炎は再発することがあるのでしょうか?
A.はい。再発することは珍しくありません。人によっては風邪をひくたびに、副鼻腔炎になるという人もいます。あまり再発をくり返す場合は、手術をすすめられることがあるでしょう。

副鼻腔炎と発熱で疑問に思っていたことが解決してよかったです!
ぜひ参考にしてくださいね。微熱程度でもあまく見ずに、耳鼻科・耳鼻咽喉科で診察を受けてください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は発熱を中心に副鼻腔炎の症状や治療方法を解説しました。副鼻腔炎は風邪と間違えやすい病気ですが、風邪と異なり、自然治癒する可能性は低い病気です。たかが鼻水と放置をしていると、慢性化してしつこい鼻づまりなどに悩まされることになります。早い段階で耳鼻科・耳鼻咽喉科で適切な治療を受けましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績