風邪を引くと耳が痛い

風邪を引くと耳が痛いのはなぜ? 原因と対処方法を解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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風邪を発症したら、なぜか耳まで痛くなったという経験がある人はいませんか? 耳と鼻は繋がっています。そのため、風邪の細菌やウィルスが鼻から耳に入ってしまうこともあるでしょう。また、耳の痛みをがまんしているうちに、耳の聴こえが悪くなってしまうこともあります。そうなってから治療を開始すると、治るまで時間がかかることもあるでしょう。

そこで今回は、風邪をひくと耳が痛い原因や、対処方法を解説します。

  1. 風邪をひいて耳が痛くなる原因は?
  2. 耳が痛い場合の対処方法
  3. 病院を受診する目安と治療方法
  4. 風邪で耳が痛いことに関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、風邪から耳の病気に移行するのを予防する方法も、よく分かるでしょう。風邪をひくと耳が痛くなりやすいという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.風邪をひいて耳が痛くなる原因は?

この項では、風邪をひいて耳が痛くなる原因を解説します。どのような原因があるのでしょうか?

1-1.鼻のかみ方が悪い

力任せに鼻をかむと耳がツーンとなったり、痛みを感じることも珍しくありません。がまんして鼻をかみ続けてしまうと、鼓膜の内側の内耳という部分が圧力で傷ついてしまうこともあるでしょう。ですから、鼻をかむたびに鼻が痛くなるという場合は、鼻のかみ方を改善する必要があります。

1-2.中耳炎の発症

風邪をひいてしばらくたったら、猛烈に耳が痛くなった。このような場合は、中耳炎を発症している可能性があるでしょう。鼻と中耳は耳管という管で繋がっています。風邪をひいて鼻水をすすり上げていると、鼻水が耳管を通して中耳まで届いてしまうこともあるでしょう。鼻水には、風邪の細菌やウィルスが入っています。そのため、中耳内が炎症を起こすことも珍しくありません。特に、小さな子どもの場合は鼻をきちんとかむことが難しく、中耳炎を発症しやすいのです。

1-3.副鼻腔炎の発症

風邪が治りかけたときに耳が痛くなる場合は、副鼻腔炎を発症している可能性があります。副鼻腔炎とは、鼻と目の間にある副鼻腔という空洞内が炎症を起こす病気です。こちらも、鼻をすすりあげると鼻汁が副鼻腔に入り、炎症を起こします。副鼻腔炎の症状がひどくなると耳の方まで痛みを感じることもあるでしょう。

1-4.そのほかの原因

これまでご紹介した病気以外にも、風邪から以下のような病気に移行した場合、耳が痛くなることがあります。

  • 咽頭炎
  • 扁桃炎
  • 逆流性食道炎

咽頭炎や扁桃炎で耳が痛くなる原因としては、その奥にある舌咽神経や三叉神経を刺激して耳が痛いと感じる場合があります。このようなときは原因である咽頭や扁桃の炎症を治す必要があります。

2.耳が痛い場合の対処方法

この項では、耳が痛い場合の対処方法を解説します。どのような方法があるのでしょうか?

2-1.鼻のかみ方を変える

鼻をかんだときに耳が痛くなる場合は、鼻のかみ方を見直してみましょう。片方の鼻をティッシュでしっかりと押さえ、片方ずつゆっくりとかんでください。両方の鼻をいっぺんにかんだり、力いっぱいかんだりすると、耳に大きな負担がかかり痛みの原因となります。

2-2.冷やす

中耳炎は、急に痛みが出る場合があります。夜中に痛みが出た場合は、保冷材などで耳を冷やしましょう。痛みが和らぎます。ただし、あまり低温で冷やしすぎてもいけません。血の巡りが悪くなり、炎症が治りにくくなる場合もあります。保冷剤もタオルでくるむなどして、少し冷たくて気持ちいい程度の温度にしてください。

また、これは応急処置にすぎません。必ず耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、子どもの場合は鼓膜が破れて耳だれが出ることもあります。こうなると、痛みが一旦和らぐので、朝まで様子を見ましょう。耳だれは、ウエットティッシュなどでふいてあげてください。

2-3.市販の鎮痛薬を服用する

市販の鎮痛薬を服用すれば、一時的に痛みが和らぐこともあります。こちらも応急処置でしかありませんので、できるだけ早く耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。

3.病院を受診する目安と治療方法

この項では、病院を受診する目安と治療方法について解説します。

3-1.病院を受診する目安

鼻をかむとき以外も耳の痛みが持続している場合は、できるだけ早く耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。中耳炎や副鼻腔炎・咽頭炎などは、自然治癒するのが難しい病気です。また、中耳炎を治療せずに放っておくと、聴力の低下が起こることもあります。

3-2.病院での治療方法

中耳炎・副鼻腔炎・咽頭炎の治療方法は、基本的に投薬治療です。中耳炎の場合、鼓膜の内側に膿がたまっている場合は鼓膜を切開し、膿を出すこともあります。局部麻酔をしてから行うので、痛みはありません。時間は20分ほどです。

投薬治療は、症状が治まっても医師から治療の終わりを告げられるまで、薬を飲み続けましょう。自己判断で止めてはいけません。

3-3.子どもの中耳炎を防ぐ方法

前述したように、子どもは風邪をひくと中耳炎を発症しやすくなります。そのため、鼻風邪を引いたら耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診し、鼻水をすってもらいましょう。そうすれば、鼻水をすすり上げることもなくなります。また、ドラッグストアには鼻吸い器も売っているので、利用してみてもいいですね。

3-4.副鼻腔炎の予防方法

副鼻腔炎も、鼻水のすすり上げなどが原因で起こります。治療せずに放置しておくと、慢性化して治療が大変になることもあるでしょう。風邪をひいて鼻水が大量に出る場合や、青っぽい膿のような鼻水が1週間以上続いている場合は、病院を受診しましょう。投薬治療をすれば、治りも早くなります。

4.風邪で耳が痛いことに関するよくある質問

Q.耳の痛みでどのような病気か判断することはできますか?
A.とても難しいので、耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。

Q.耳の痛みは、いきなり起こりますか?
A.はい。そのようなこともありますし、じわじわと痛みが増していくこともあるでしょう。

Q.赤ちゃんも中耳炎を発症しますか?
A.はい。発症します。耳の辺りをしきりに触り、機嫌が悪い場合は耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診してください。

Q.子どもの鼻づまりは、小児科を受診した方がいいでしょうか?
A.小児科よりも、耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診してください。

Q.大人でも中耳炎になりますか?
A.はい。特に、抵抗力が落ちていると発症しやすいでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は風邪のときに耳が痛くなる原因や対処方法を解説しました。風邪自体は軽くても、それがきっかけでほかの病気へ移行する場合も珍しくありません。たかが風邪、とがまんしていてはダメです。耳が痛くなったらできるだけ早く、耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診してください。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績