アレルギー性鼻炎と風邪の違い

アレルギー性鼻炎と風邪の違いは? 正しく見極める4つのポイント

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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くしゃみ・鼻水・鼻詰り。アレルギー性鼻炎と風邪にはこれらの共通する症状がありますよね。「なんだか風邪が長引くなぁ」と思っていたら実はアレルギー性鼻炎だったという場合もあることでしょう。確かにアレルギー性鼻炎と風邪には似た症状がありますが、その治療方法は全く異なります。ですからアレルギー性鼻炎と風邪の違いを正しく見分け、適切な治療を受ける必要があるのです。

そこでこの記事では、アレルギー性鼻炎と風邪を見分ける方法を紹介します。適切な治療を受けるために是非お役立てください。

  1. アレルギー性鼻炎と風邪、それぞれの特徴
  2. アレルギー性鼻炎と風邪の違い
  3. アレルギー性鼻炎と風邪の治療方法
  4. アレルギー性鼻炎と風邪に関するよくある質問
  5. まとめ

1.アレルギー性鼻炎と風邪、それぞれの特徴

アレルギー性鼻炎って?

はじめに、アレルギー性鼻炎と風邪の違いなどを解説します。どのような違いがあるのでしょうか?

1-1.アレルギー性鼻炎とは?

アレルギー性鼻炎は、アレルゲンが鼻粘膜に取りつき、それを洗い流そうと多量に鼻水が出る病気です。アレルゲンは花粉やハウスダストなど空気に混じって鼻に入ってきますので、鼻水が止まらなくなります。アレルゲンを除去しない限り鼻水が止まらないことが多く、水のような鼻水が多量に出るのが特徴です。

アレルギー性鼻炎の詳しい症状については、以下の記事で解説しています。
アレルギー性鼻炎と風邪の違いは? 正しく見極める4つのポイント

1-2.風邪とは?

風邪は、細菌やウィルスなどが体内に侵入して発生する感染症の一種です。抵抗力のある若い年代の方ならば、2~3日暖かくして安静にしていれば治るでしょう。抵抗力の弱い子どもや高齢者の場合は、病院で診察をしてもらい服薬治療などを行うと重症化しにくくなります。黄色がかったどろりとした鼻水が出るのが特徴で、熱・咳・のどの痛みなどの症状を伴うことが一般的です。

アレルゲンが鼻粘膜に取りつき、それを洗い流そうと多量に鼻水が出る病気がアレルギー性鼻炎なんですね。
風邪は、細菌やウィルスなどが体内に侵入して発生する感染症の一種で、黄色がかったどろりとした鼻水が出るのが特徴で、熱・咳・のどの痛みなどの症状を伴うことが一般的です。

2.アレルギー性鼻炎と風邪の違い

アレルギー性鼻炎と風邪の違い

2-1.発熱があるか?

アレルギー性鼻炎と風邪では発熱の仕方が異なります。

アレルギー性鼻炎の場合

  • 発熱を伴わない
  • 発熱があっても微熱程度

風邪の場合

  • 37度から38度位の微熱が出る
  • 39度を超える高熱になることもある

風邪を引くと体が風邪のウイルスと闘うため、発熱を伴います。しかしアレルギー性鼻炎の場合は体の免疫が異物に反応してそれを排除しようとしているだけで、ウイルスや細菌と闘っているわけではありません。そのためアレルギー性鼻炎によって発熱することはほとんどないでしょう。

2-2.症状が続く期間はどれくらいか?

アレルギー性鼻炎と風邪は症状が続く期間も異なります。

アレルギー性鼻炎の場合

  • 花粉症の場合は特定の樹木が花粉を飛散させる時期が終わるまで続く
  • 2か月~3カ月間くらい続くことがある
  • ハウスダストやペットの毛などによって起きる場合は原因を取り除かない限り症状が続く

風邪の場合

  • 適切な薬を飲めば1週間くらいで症状が治まる

アレルギー性鼻炎は季節や環境が原因で起こります。ですから症状が長引くのが特徴です。しかし、風邪の場合はウイルスが無くなれば完治しますので、短い期間で症状が治まることでしょう。

2-3.鼻水の状態はどうか?

アレルギー性鼻炎と風邪には鼻水が付き物ですが、その質が少し異なります。

アレルギー性鼻炎の場合

  • サラサラした鼻水が大量に出る

風邪の場合

  • サラサラした鼻水が徐々に粘り気を帯びるようになる
  • 鼻水の色が黄色く変わる

風邪が原因で出る鼻水にはウイルスやそれと闘った白血球の死骸が含まれています。そのため、風邪が治り始めると鼻水は粘り気を帯びるようになるのです。しかしアレルギー性鼻炎は体がウイルスと闘うことによって起きるわけでは無いので、鼻水は常にサラサラしています。

2-4.くしゃみや咳・喉の痛みはどうか?

アレルギー性鼻炎と風邪ではくしゃみや咳、喉の痛みの頻度や程度も異なります。

アレルギー性鼻炎の場合

  • くしゃみ:非常に多い・出る時は数十回続く人もいる
  • 咳:ほとんど出ない
  • 喉:痛みは無いがイガイガすることがある

風邪の場合

  • くしゃみ:少ない・続けて出ても4回くらい
  • 咳:頻繁に出る
  • 喉:痛みや腫れを伴う場合が多い

アレルギー性鼻炎と風邪にはくしゃみや咳、喉の痛みが伴うことがありますが、その症状は全く同じではありません。違いをしっかり見極めるようにしてください。

発熱があるかどうかが違ってくるんですね。
アレルギー性鼻炎は熱があっても微熱程度ですが、37度から38度位の微熱が出ることが多く、39度を超える高熱になることもあります。

3.アレルギー性鼻炎と風邪の治療方法

アレルギー性鼻炎と風邪の治療方法

この項では、それぞれの治療法を解説します。どのような治療方法なのでしょうか?

3-1.風邪の治療方法

風邪の場合は、基本的に暖かくして安静に過ごし、栄養のあるものを食べれば回復します。病院を受診した場合は薬を処方されますので、指示通り服薬してください。脱水症状などに気をつけて、多めに水分を取るとよいでしょう。風邪薬や解熱剤などは市販されていますが、それを飲んで無理に働いてはいけません。無理をするほど回復に時間がかかります。

3-2.アレルギー性鼻炎の治療方法

アレルギー性鼻炎は、アレルゲンを特定した後でアレルギー症状を抑える治療を行います。アレルギーを確実に、かつ根本的に治癒する方法は、現在のところありません。限りなく症状を出ないようにする治療法はありますが、受けるには条件があるものが多いので、医師と相談しながら治療を進めて行きましょう。

風邪は安静に過ごして栄養のあるものを食べれば回復するんですね。
アレルギー性鼻炎は、確実かつ根本的に治癒する方法は、現在のところないため、アレルギー症状を抑える治療を行います。

4.アレルギー性鼻炎と風邪に関するよくある質問

アレルギー性鼻炎はある日突然発症することはありますか?

ここでは、風邪やアレルギー性鼻炎で悩む方から寄せられることの多いよくある質問を回答とともに紹介します。ぜひ、参考にしてください。

Q.風邪からアレルギー性鼻炎に移行することはありますか?
A.はい。風邪で免疫力の低下が起こり、アレルギー症状が出るようになるということはあります。

Q.アレルギー性鼻炎は何歳くらいから発症するのでしょうか?
A 花粉症は、2歳で発症したという例があります。子どもでも発症しますので気をつけましょう。

Q.アレルギー性鼻炎はある日突然発症することはありますか?
A.はい。十分にありえます。

Q.アレルギー性鼻炎は、食物アレルギーが原因で起こることはあるでしょうか?
A.食物が鼻粘膜に取りつくということはほとんどありません。ですから、食物アレルギーで鼻炎になる可能性は少ないでしょう。

Q.アレルギー性鼻炎は手術で治せますか?
A.症状が重篤な場合は手術を受ければ、かなり症状を緩和させることができるでしょう。医師からすすめられる場合もあります。

これで気になっていたことがわかってスッキリしました。
しっかりと症状を見分けて、適切な治療を受けるようにしてくださいね。

5.まとめ

アレルギー性鼻炎と風邪のまとめ

いかがでしたか? この記事ではアレルギー性鼻炎と風邪を見分ける4つの方法ご紹介しました。

  • 発熱の仕方
  • 症状が続く期間
  • 鼻水の質
  • くしゃみ・咳・喉の痛みの頻度や程度

アレルギー性鼻炎と風邪の症状はこれらの点で異なっています。正しく症状を見分け、適切な治療を受けるようにしてくださいね。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績