鼻前庭湿疹とはどんな病気?

鼻前庭湿疹とはどんな病気? 原因・症状・治療方法を解説

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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鼻前庭とは鼻の穴の入り口部分です。鼻毛が生えている辺りといえば分かりやすいでしょう。鼻前庭湿疹とはそこが何らかの原因によって湿疹が症状です。ひどくなると鼻の下まで湿疹ができてしまうことがあります。決して珍しい病気ではありませんが、適切な治療を行わないと不快な症状が長びくこともあるでしょう。

そこで、今回は鼻前庭湿疹の症状や原因・治療法などをご紹介します。

  1. 鼻前庭湿疹の基礎知識
  2. 鼻前庭湿疹の治療方法
  3. 鼻前庭湿疹の治療方法
  4. 鼻前庭湿疹に関するよくある質問

この記事を読めば、鼻前庭湿疹の対処方法だけでなく予防方法も分かります。鼻前庭湿疹に悩まされているという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

1.鼻前庭湿疹の基礎知識

はじめに、鼻前庭湿疹の症状や原因などの基礎知識をご紹介します。どのような病気なのでしょうか?

1-1.鼻前庭湿疹とは

鼻前庭湿疹とは、鼻前庭が鼻水などの刺激で炎症を起こして湿疹ができます。

  • 皮膚が赤くなる
  • ぶつぶつができる
  • かゆみや痛み
  • 患部がむずむずしてかきむしりたくなる

といった症状が代表的なものです。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などで常に鼻水が出ている方がなりやすく、花粉症の季節になると患者数が増加します。性別問わず、すべての年代で発症する病気ですが、大人よりも皮膚の柔らかい子どもに発症しやすいものです。赤ちゃんでも鼻風邪をひくと発症することがあります。

1-2.鼻前庭炎との違い

鼻前庭湿疹とよく似た病気に、鼻前庭炎があります。鼻前庭炎は、鼻腔内に常在しているブドウ球菌によって鼻前庭が炎症を起こすもので、鼻をよくいじる方に多い病気です。特に、鼻毛を抜く癖がある方は、毛穴の中で菌が繁殖することが多いでしょう。かさぶたができることも多く、痛みとかゆみが主な症状です。湿疹とは異なり、鼻水が常に出ていなくても発症します。

1-3.鼻前庭湿疹になりやすい方

鼻前庭湿疹は鼻水や分泌液による刺激が原因ですので、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などを発症している方がなりやすいでしょう。肌の弱い子どもや赤ちゃんならば、鼻風邪をひいても発症することがあります。また、大人でも1年中鼻水が止まらないという方は、発症する可能性が高いでしょう。

2.鼻前庭湿疹の治療方法

この項では、鼻前庭湿疹の治療方法をご紹介します。何科で治療を受ければよいのでしょうか?

2-1.鼻前庭湿疹を治療できる診療科と治療方法

鼻前庭湿疹は、耳鼻咽喉科で治療を行います。目診をすれば、すぐに鼻前庭湿疹かどうかは分かるでしょう。治療は抗生物質やステロイドの入った軟膏を患部に塗る投薬治療が中心です。
鼻前庭湿疹を放置していると、鼻腔内に常在しているブドウ球菌が炎症か所から侵入してさらに症状がひどくなります。ですから、まだ症状が軽いうちに耳鼻咽喉科を受診しましょう。放っておけば治ると思わないことが大切です。

2-2.自己流の治療はしない

湿疹を治す塗り薬はドラッグストアにも販売されています。しかし、鼻前庭湿疹には効果が薄いのでおすすめできません。また、刺激の強いものもあるので、不用意に患部へ塗らないよう注意しましょう。また、不潔な布や鼻をかんだ後のティッシュなどで患部をこすってもいけません。余計に症状がひどくなります。

2-3.鼻炎の治療も大切

鼻前庭湿疹は、鼻水や鼻炎の際に出る分泌液などの刺激によって発症します。ですから、一度治っても鼻炎が治まらない限りまた再発するでしょう。ですから、鼻炎の治療も同時に行っていくことが大切です。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎は治療に時間がかかりますが、根気強く治療を続けていきましょう。

3.鼻炎の種類とそれぞれの治療方法

この項では、鼻前庭湿疹の原因でもある鼻炎の種類や治療方法をご紹介しましょう。ぜひ参考にしてください。

3-1.副鼻腔炎

副鼻腔炎とは、鼻の周りにある副鼻腔が炎症を起こす病気です。風邪症候群やインフルエンザなどの感染症から移行することも多く、どろりとした黄色っぽい鼻水が出ます。風邪の後でいつまでも鼻水だけが長びく場合は、副鼻腔炎を発症していることが多いでしょう。副鼻腔炎は早めに治療すれば、予後が良い病気です。しかし、放っておくと慢性化し副鼻腔に膿が溜まるようになります。慢性副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれ、ひどい鼻づまりや顔面痛・頭痛などの症状が起こるのです。

3-2.アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、アレルゲンが鼻粘膜に付着することで発症します。水のような透明でさらさらした鼻水がたくさん出るのが特徴です。花粉症もアレルギー性鼻炎の一種で、ハウスダストなどでもアレルギー性鼻炎が発症することもあります。アレルギー性鼻炎は突然発症することも珍しくありません。ある日いきなり透明な鼻水が止まらなくなった場合は、できる限り耳鼻咽喉科を受診しましょう。

3-3.鼻炎の治療方法

アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎は投薬による治療が中心です。耳鼻咽喉科ではネブライザーと呼ばれる機械で霧状の薬を鼻に直接噴霧することもあります。副鼻腔炎の場合は、粘性のある鼻水を吸ってもらうとかなりすっきりとするでしょう。
ひどい鼻水が長期間続いた場合は、鼻粘膜焼灼術という鼻の粘膜を焼く手術が行われることもあります。詳しくは医師と相談しましょう。

4.鼻前庭湿疹に関するよくある質問

Q.保湿などをしても鼻前庭湿疹は防ぐことはできませんか?
A.鼻前庭を保湿するのはとても難しいので、鼻水を止める治療を受けましょう。

Q.ステロイドはあまり使いたくありませんが、大丈夫ですか?
A.ステロイドはマイナスイメージを持たれがちですが、正しく使えば大変効果があります。医師の処方ならば安心ですから、使いましょう。

Q.大人な場合はどのような方が発症しやすいですか?
A.皮膚が弱い方や、重い鼻炎の方が発症しやすい傾向にあります。

Q.鼻前庭湿疹が発症した際、気を付けることは何でしょうか?
A.刺激が厳禁ですので、ティッシュなどでごしごしと鼻水をぬぐわないようにしてください。

Q.鼻炎が自然治癒することはありますか?
A.ほとんどありませんので耳鼻咽喉科を受診し、治療を受けてください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は鼻前庭湿疹についてご紹介しました。かゆみや痛みは大人でもつらいものです。子どもの場合はつい気になって患部をいじってしまうことも多いので、大人が注意してみてあげましょう。再発を防ぐには、鼻炎の治療も忘れずに行うことが大切です。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績