頭痛を緩和する方法

蓄膿症で頭痛がつらい! 症状を緩和する方法は?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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蓄膿症による頭痛を緩和する方法をご紹介します。
蓄膿症とは、副鼻腔炎が慢性化した状態です。
蓄膿症が原因で頭痛や吐き気、歯痛などの症状が起こることもあり、放置しておくと中耳炎になる可能性もあります。
場合によっては、発熱や寒気を訴える人も少なくないでしょう。
蓄膿症による頭痛は、もちろん蓄膿症を治療することで改善できます。
しかし、治療の効果が現れるまではつらい思いをすることになるでしょう。「蓄膿症による頭痛の治し方を知りたい」「冷やすことで緩和できるのか?」そんな悩みを解決するために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

1.蓄膿症とは?

まずは、蓄膿症とはどのような病気なのかをご紹介します。そのメカニズムや症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

1-1.蓄膿症=慢性副鼻腔炎

風邪が長引いたことで「急性副鼻腔炎」になったことがある人は多いでしょう。
急性副鼻腔炎とは、細菌やウイルスによって副鼻腔の粘膜に炎症が起こり、膿がたまってしまった状態です。
風邪が治っても「いつまでたっても鼻水や鼻詰まりがよくならない」というとき、耳鼻科を受診するとそう診断される人がほとんどでしょう。
副鼻腔は頬、両目の間、額の下にあり、粘膜でおおわれた空洞になっています。
それぞれが鼻の中とつながっているのです。
この部分の炎症が慢性化することを「慢性副鼻腔炎」または「蓄膿症」と言います。

1-2.蓄膿症の原因

蓄膿症の原因は、ほとんどが風邪です。
風邪がきっかけで急性鼻炎になり、症状が3か月以上続くと慢性副鼻腔炎を発症することが多くなります。
鼻水や鼻詰まりなどの症状が長引くと、鼻の粘膜が腫れて鼻腔へ空気が流れにくくなるのです。
そして、分泌物が出て行きにくくなり、副鼻腔に膿や菌がたまってしまいます。
そのほかにも、カビによって副鼻腔炎が起こることもあるのです。
体が健康なときは問題ありませんが、抵抗力が弱くなっているときはカビに感染しやすくなります。

もう一つの原因は好酸球です。好酸球とはご自身の白血球の一種で、これが鼻水の中に多く出てくると粘膜の炎症を起こして副鼻腔炎になります。

1-3.蓄膿症の症状

蓄膿症の症状は鼻水や鼻詰まりだけではありません。
以下のような症状が現れた場合は、蓄膿症を疑いましょう。

  • 息苦しいほど鼻が詰まっている
  • 何度鼻をかんでも鼻水が出てくる
  • 粘り気のある黄色や緑色の鼻水が出る
  • 両頬や目の周囲などが痛む
  • 鼻水が喉まで落ちてくる
  • 鼻詰まりで嗅覚が鈍り、食事の味が分かりにくい
  • 鼻の中から悪臭がする
  • 頭痛

蓄膿症を放置していると、中耳炎や目の痛み、脳膿症や髄膜炎などの合併症を引き起こす場合もあります。「ただの鼻詰まり」と油断せず、早めに耳鼻科を受診してください。

2.蓄膿症の頭痛を緩和する方法

蓄膿症の症状として、頭痛もその1つです。
蓄膿症の頭痛を緩和するためにはどうしたらよいのでしょうか。

2-1.市販の鎮痛剤を飲む

蓄膿症による頭痛を解消する方法は、蓄膿症を治療するしかありません。
しかし、応急処置として鎮痛剤を飲むことで痛みを和らげることはできるでしょう。
市販の鎮痛剤を飲むことで炎症が落ち着き、痛みを緩和する効果があります。

ただし、蓄膿症の中には鎮痛剤に過敏反応を起こして、喘息や呼吸困難、鼻水や鼻詰まりの悪化などを起こす体質の方もおられます。
これは先ほどお話しした好酸球が原因となる蓄膿症の方にしばしば見られます。
ご自身の蓄膿症がどのようなタイプかわからない場合は、まず病院での診断を受けてから鎮痛剤を使う方が安全でしょう。

2-2.体を温める

体が冷えると、副鼻腔内にたまっている膿の排出が悪くなります。
そのため、体を常に温めておくようにしましょう。
お部屋の温度をいつもより少し上げ、外出の際には重ね着をするようにしてください。
また、温かいタオルを鼻の周りに置くのも効果的です。
生姜湯に浸したタオルだと血行がよくなるため、さらにおすすめでしょう。
体を冷やす作用のある食事を裂け、温かい飲み物をこまめに飲むようにしてください。
ただし、体を温めて頭痛が悪化するようなら、すぐにやめましょう。
冷やした方が効果的な場合もあるため、どちらも試してみてください。

3.蓄膿症を予防するには?

蓄膿症とは、急性副鼻腔炎が慢性化した状態です。
つまり、慢性化する前に予防することで症状を軽く抑えることができるでしょう。
蓄膿症の予防方法をいくつかご紹介します。

3-1.風邪が長引かないようにする

蓄膿症は、風邪がきっかけとなって起こることがほとんどです。
つまり、予防するためには、なるべく風邪を引かないようにすること、長引かないようにすることが大切でしょう。
風邪を引くとドロドロとした鼻水が多く出るようになります。
この状態が長引くと、炎症が起こりやすくなるのです。
鼻の粘膜を清潔な状態に保つように、鼻洗浄をするのもおすすめです。

3-2.部屋を清潔にする

ハウスダストや花粉症などのアレルギー性鼻炎が原因で蓄膿症を引き起こす場合もあります。
そのため、蓄膿症対策として部屋を清潔にすることも大切なポイントです。
部屋が汚れていると、目に見えない汚れやハウスダストが充満しています。
蓄膿症になりやすい人は常に部屋をきれいにしておきましょう。
また、定期的な空気の入れ替えも大切です。

花粉症の方は予防のために薬を服用するとか、マスクを着けるなどして鼻の粘膜を腫らさないようにするのも予防策になります。

3-3.免疫力を高める

蓄膿症は、体が弱っているときになりやすい病気です。
そのため、普段から免疫力を高めるように努力しましょう。
特に、睡眠不足やストレスは免疫力を弱くする原因になります。
バランスのとれた食事や適度な運動、早寝早起きを心がけ、健康的な毎日を送ることが大切なのです。
ストレスや疲労がたまりやすい人は、自分なりのリフレッシュ方法を見つけてください。
心の状態は体の健康も左右します。
蓄膿症は、一度かかるととてもつらい病気です。
事前に対策をすることで普段から予防しておきましょう。

4.まとめ

いかがでしたか?
蓄膿症の原因や症状・頭痛を緩和する方法についてお分かりいただけたと思います。
蓄膿症による頭痛は、痛みと重さを感じる特徴的なものです。
早めに対処しなければ不眠の原因にもなるため、十分注意してください。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績