喉の痛み

その喉の痛み、もしかしたら咽頭炎かも? 咽頭炎の症状・原因は?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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のどの痛みが長引いている。このような場合、咽頭炎を発症していることが考えられます。のどの痛みは「ただ風邪が長引いているだけだろう」と済ませてしまう人も多いですが、そのまま放置してしまうと、重大な症状を引き起こす恐れもあるのです。

そこでこの記事では、咽頭炎の詳しい症状や原因・治療法などをご紹介していきます。長引くのどの痛みに悩まされている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

  1. 咽頭炎とはどんな病気?
  2. 咽頭炎になるとどんな症状が現れるの?
  3. 咽頭炎になってしまう原因は?
  4. 咽頭炎になったらどうすればいいの?

1.咽頭炎とはどんな病気?

そもそも、咽頭炎とはどのような病気なのでしょうか。それを説明するために、まずは咽頭についてお話していきたいと思います。咽頭とは人間の、のどの部分です。そして、咽頭は次の3つの部位に分けることができます。

  • 上咽頭
  • 中咽頭
  • 下咽頭

のどの上から見て一番上が上咽頭、その下が中咽頭、一番下が下咽頭となっているわけですね。咽頭炎は、このうちの中咽頭と下咽頭が炎症を起こした状態のことを言います。ちなみに、上咽頭が炎症を起こした場合は上咽頭炎です。同じ咽頭炎であることに間違いはないのですが、上咽頭炎だけは普通の咽頭炎と分けて説明されるケースが多いため、こう呼ばれています。
このように、咽頭炎とは、のどの咽頭部分に炎症が起こる病気のことを指すわけですね。

2.咽頭炎になるとどんな症状が現れるの?

咽頭炎によってのどに炎症が起こると、さまざまな症状が現れます。「具体的にどんな症状が現れるんだろう?」と思う人は多いでしょう。そこでここでは、咽頭炎の症状などについてお話していきます。

2-1.咽頭炎の主な症状

咽頭炎の代表的な症状とされているのは、次のようなものです。

  • のどの痛み
  • 咳(せき)が続いている
  • 頭痛
  • のどに異物感がある(違和感を抱く)
  • 発熱
  • のどがよく渇く
  • 全身の倦怠(けんたい)感

以上が、咽頭炎の主な症状と言われているものです。どれも風邪のときに起こる症状と重なるため、これらの症状を感じても「のど風邪だろう…」と放置してしまう人が少なくありません。

2-2.咽頭炎には種類がある?

ひとくちに咽頭炎と言っても、急性咽頭炎・慢性咽頭炎・咽頭特殊感染症という3つの種類があります。特に、のどに異物感がある・違和感を抱く・咳(せき)が出るという症状が長引いている場合は、慢性咽頭炎である可能性が高いです。
また、そのほかにも特殊なタイプである咽頭特殊感染症というものもあります。

2-3.咽頭炎のタイプ別見分け方

咽頭炎のタイプを見分けるコツは、あるのでしょうか。ここでは、より具体的に咽頭炎のタイプを見分けるポイントをご紹介します。

  • 急性咽頭炎・慢性咽頭炎の見分け方について

急性咽頭炎・慢性咽頭炎では共通して、咽頭の部分が赤く腫れます。そのため、大きく口を開いてみるとわかりやすいのです。特に、前述したとおり慢性咽頭炎の場合はこれに加えてのどの不快感や咳(せき)が長引く症状が続きます。

  • 咽頭炎特殊感染症の見分け方について

咽頭炎特殊感染症の場合は、急性・慢性咽頭炎とは違った症状が現れます。見分けるポイントは、咽頭部分の状態です。咽頭炎特殊感染症の場合はこの部分がただれたり、白っぽくなったりします。

3.咽頭炎になってしまう原因は?

咽頭炎の原因は、タイプ別で異なります。ここでは、咽頭炎の原因についてタイプ別にご紹介していきましょう。

3-1.急性咽頭炎の原因

この場合の主な原因は、細菌やウィルス感染と言われています。また、ガスや煙などが咽頭を刺激することで炎症が出るケースもあるため、喫煙が原因となることもあり、喫煙者は注意が必要です。そのほかにも、副鼻腔炎(ふくびくうえん)や後鼻漏(こうびろう)など、鼻に関する病気が原因で発症することもあります。鼻の病気が原因の場合、鼻水がのどに流れ落ちてくる感覚がしたり、黄色い鼻水が出たりする症状が見られるのが特徴です。のどの痛みに加えてこのような症状がある場合は、鼻の病気を治療することも考えていきましょう。

3-2.慢性咽頭炎の原因

慢性咽頭炎の主な原因とされているのは、次の3つです。

  • 急性咽頭炎を放置するなどして、長期間患っていたことで発症するケース
  • アルコールの過剰摂取によって咽頭が刺激されたことが原因
  • 喫煙による刺激での発症

以上の3つが原因のほとんどとされていますが、急性咽頭炎と同様に副鼻腔炎(ふくびくうえん)などの鼻に関する病気が原因となることもあります。注意しましょう。

3-3.咽頭特殊感染症の原因は?

こちらはほかの2つとは違って、その名前のとおり特殊な病原菌が原因とされています。特に深くかかわっていることが多いのは、次の3つです。

  • ジフテリア菌
  • 梅毒
  • クラミジア

4.咽頭炎になったらどうすればいいの?

実際に咽頭炎を患ってしまった場合、どうすればいいのでしょうか。ここでは、対策や予防法、治療についてなどをご紹介していきます。

4-1.タバコやアルコール好きの人は要注意

前述したように、咽頭炎は過剰な喫煙とアルコールの摂取が原因で発症することも多いです。そのため、タバコとアルコールどちらも大好きという人はもちろん、片方でも過剰摂取しがちという人は気をつけるようにしましょう。咽頭炎になってしまった場合は、タバコ・アルコールを控えるようにすることをおすすめします。しかし、タバコやアルコールが好きな人にとっては、突然やめてしまうのは大きなストレスにつながりやすいため、危険です。少しずつで構わないので、量を減らしていくなど工夫してみましょう。

4-2.痛みがひどい場合は解熱鎮痛剤を

のどの痛みがひどすぎると、痛くて仕事や家事に集中できなかったり、声を出すのも億劫(おっくう)だったり、眠れなかったりしますね。そのような場合は、解熱鎮痛剤を飲んで痛みを和らげるようにすると良いでしょう。とはいえ、解熱鎮痛剤は一時的に痛みを緩和するだけなので、咽頭炎そのものを改善してくれるわけではありません。咽頭炎を改善するためには、原因をつきとめ、適切な治療を行っていくようにしましょう。

4-3.何より早めに耳鼻科へ

咽頭炎かもしれない…と感じた場合は、早めに耳鼻科を受診しましょう。やはり専門の医師に状態をみてもらい、適切な治療をしてもらうことが、一番です。咽頭炎は放置しておくと、慢性咽頭炎につながることもあるものなので、あなどれません。また、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などの鼻の病気が関係していることもあるので、耳鼻科なら鼻の病気も一緒に治療することができるでしょう。放置して慢性化したり、重い症状になったりしてしまうのを防ぐためにも、早めに耳鼻科を受診することをおすすめします。

まとめ

咽頭炎の症状や原因、治療法などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか? 咽頭炎は主な症状がのどの痛みや熱、頭痛、倦怠(けんたい)感などであるため、「のど風邪をひいたのかも…」と勘違いしてしまう人も多くいます。そのため、「ただの風邪だから…」と放置してしまうケースが多いのです。しかし、風邪だと思って放置していると、どんどん悪化し、慢性化してしまう可能性もあります。

風邪と似た症状が多いため、つい軽く考えてしまいがちですが重症化しないためにも、早めの対処が必要不可欠です。「風邪にしては、どうものどの痛みが長引いてる気がする」そう感じた場合は、とにかく早めに耳鼻科で診察を受けてみましょう。何事も早期発見、早期治療です。常に万全の状態を維持するためにも、長引くのどの痛みを放置しないようにしていきましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績