乾燥するときの対策

簡単にできる! 部屋が乾燥するときの対策方法

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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季節を問わず、部屋の環境のために空気が乾燥するのはよくあります。実は、室内の乾燥は健康に大きな影響を与えるので注意が必要です。乾燥によって、鼻やのどの粘膜が乾燥するため、のどを痛める、または、鼻づまりの症状などが出るでしょう。とりわけ、外気が乾燥しやすい季節には、室内のよい湿度を保つのはとても大切です。実は、部屋の乾燥対策は簡単にできます。快適な湿度を保って、病気にかからない健康な生活を目指しましょう。

  1. 快適な湿度の目安値
  2. 乾燥が体に与える影響
  3. 室内の乾燥対策

1.快適な湿度の目安値

快適な湿度の目安値は?

1-1.快適な湿度は40パーセントから60パーセント

湿度が低すぎたり、高すぎたりするなら、健康が損なわれる可能性があります。乾燥した状態では風邪をひきやすくなるのです。そのため、常に快適な湿度を心がけてください。湿度計を家に設置することからはじめましょう。わたしたちの健康にとって最適な湿度は、40パーセントから60パーセントです。特に寒い季節には、暖房の使用も増え、乾燥しやすいでしょう。湿度計をこまめにチェックする習慣をつけてください。

1-2.湿度が40パーセントの場合

冬になると、外気の湿度は30パーセントほどになります。湿度が30パーセントになると、乾燥しすぎている状態です。家の外の湿度は操作できないので、室内での対策を考えましょう。室内の湿度が40パーセント以下になるなら、のどが乾燥していることに気づくはずです。のどの乾燥には特に注意してください。のどが乾燥するのは、口腔(こうこう)粘液が乾燥するからであり、ウイルスへの防御が弱くなります。また、鼻の粘膜が乾燥するのも危険です。目に見えないところでは、ウイルスが活発に活動しています。部屋の乾燥には十分注意しましょう。

1-3.湿度が60パーセント以上の場合

それでは、逆に湿度が高いなら、どんな問題があるでしょうか。湿度が高いなら、汗が蒸発しにくいため、いわゆる「蒸し暑い」状態になります。また、カビやダニが発生しやすくなることにも注意しましょう。室内の乾燥を避けるあまり、逆に湿度が高くなりすぎる危険もあります。湿度が高いと、窓に結露が出るものです。湿度計の確認も行い、湿度が高すぎないようにも注意してください。

2.部屋の乾燥と湿度が及ぼす影響

部屋の乾燥と湿度が及ぼす影響は?

2-1.ウイルスが活発になる

部屋の空気が乾燥すると、ウイルスが持つ水分は蒸発します。その結果、水分が少ないウイルスは、空気中を舞うようになるのです。ウイルスが空気中に舞うなら、それだけ呼吸をとおして、わたしたちの体に入りやすくなります。ですから、部屋の乾燥は、「目に見えないウイルスを空域中に増やす」ものなのです。ウイルスの発生を防ぐためには、湿度計をこまめに確認して、空気が乾燥しすぎないよう気をつけなければなりません。体感では、湿度ははっきりとはわからないものです。必ず湿度計で確認してください。

2-2.粘膜の乾燥

鼻やのどの粘膜は、細菌やウイルスが体に入るのを防ぐ働きがあります。しかし、部屋が乾燥すると、 粘膜が乾燥するため、粘膜は本来の働きができません。そのため、粘膜はウイルスを防ぐことができず、乾燥した鼻やのどへ細菌やウイルスが入りやすくなるのです。乾燥すると、鼻水や鼻づまりがあるでしょう。また、のどの痛みや痰(たん)が絡むといった症状も出てくるはずです。このような症状はすべて、粘膜の乾燥により生じます。その結果、風邪をひくのです。ですから、いつも粘膜を保湿できるように部屋の空気に気をつけましょう。

2-3.湿度の多さによる健康被害

乾燥に注意しすぎて、何台も加湿器を使うなら、別の問題も起こります。湿度が多すぎると、部屋の壁や押し入れにカビが発生しやすくなるのです。ダニの発生にも注意してください。ダニはじめじめした湿度が大好きです。湿度が高いとダニはどんどん繁殖します。カビやダニはぜん息やアレルギーを引き起こす原因になるので注意しましょう。風邪をひかないために、乾燥に注意することは大切ですが、カビやダニの発生を防ぐため、湿度の高すぎにも気をつけてください。ダニは、湿度が55パーセント以下なるなら生きていけません。湿度計を見ながら、乾燥と湿度のよいバランスを保ちましょう。

3.室内の乾燥対策

室内の乾燥対策(加湿器)

3-1.加湿器を置く

部屋の乾燥を避けるためには、加湿器を使うのがおすすめです。加湿器の機能には、温度や湿度を設定するものもあります。自動で乾燥を防げるので便利です。また、加湿器には、スチーム式や超音波式、ハイブリッド式などいくつかの種類があります。自分の部屋や用途にあうものを選んでください。窓に結露が出てきたなら、換気も忘れないようにしましょう。加湿器だけに頼らずに、空気の入れ替えを行うのも大切です。

3-2.加湿器以外の方法

部屋の湿度を保つために、加湿器が必ずしも必要ではありません。たとえば、乾燥している部屋に洗濯物を干すなら、湿度を保つことができるでしょう。特に、寝ているあいだは乾燥に注意してください。ぬれたタオルなどを室内で干してから、寝ることもよいでしょう。マスクの使用も効果的です。また、部屋に霧吹きでミスト状の水をまくなら、乾燥を防ぐことができます。霧吹きで使う水にアロマオイルを数滴垂らすのもおすすめです。アロマオイルのよい香で、リラックス効果もあるでしょう。

3-3.室内の乾燥による健康被害の対処法

乾燥による鼻やのどの痛みや炎症が気になる場合は、耳鼻咽喉科で見てもらいましょう。声がかれるなどのどの違和感がある場合も、耳鼻咽喉科での相談をおすすめします。原因がはっきりしないなら、自分で診断するのは危険です。自分では、単なる乾燥による炎症だと思っても、実は違う病気が原因である場合もあります。自己判断ではなく耳鼻咽喉科の医師に見てもらいましょう。

まとめ

快適に過ごすことのできる湿度

わたしたちが快適に過ごすことのできる湿度は40パーセントから60パーセントです。乾燥しすぎている状態も、湿度が高すぎる状態も健康にはよくありません。乾燥は空気中のウイルスや細菌が活発化する原因となるからです。また、空気が乾燥にするなら、のどや鼻などの粘液が乾燥し、病気になりやすくなります。簡単な乾燥対策としては、

  • 加湿器を使う
  • ぬれたタオルや洗濯物を室内に干す
  • マスクや霧吹きを使う

などがよいでしょう。乾燥対策をしていても、鼻やのどの違和感があるなら、耳鼻咽喉科で見てもらいましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績