咳を止める方法

咳を止める方法を知りたい! 長引く咳をスッキリ止める対処法

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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突然咳が出たり、長い間ずっと咳が止まらなかったりと、咳に悩まされている方が多いようです。

仕事中などに咳をゴホゴホとしてしまうと周りに迷惑が掛けてしまいますし、夜に咳が出ると睡眠不足になることもあるでしょう。仕事中にでる咳や夜の咳を止める方法、知っていると便利だと思いませんか?

そこで今回は咳の原因と対処法をご紹介していきます。ぜひ最後までお付き合いくださいね!

  1. 長引く咳の原因は?
  2. 咳を和らげる・止める方法は?
  3. まとめ

1.長引く咳の原因は?

2~3週間以上咳が続く場合は念のため診察を受けた方が良いでしょう。また、痰に血が混じるなどの異常がみられる場合や、咳が8週間以上続いた場合は特別な病気である可能性があります。咳だと思って甘く見ていたら、実は予想外の重大な病気の前兆だったと言うことも少なくありませんから、手遅れになる前に病院に行って医師の診断を受けなければいけません。

この項目では長引く咳の原因となる病気の代表例をご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1-1.慢性咳嗽

慢性咳嗽は病気そのものの名称ではなく、咳(咳嗽)が長く続く(慢性)状態を表しています。

乾燥すると渇いた咳が出やすい、夜寝る前に咳が出やすい、急激な温度変化で咳が出やすい、などのように病気ではないのに咳が出るという方は慢性咳嗽の可能性がありますので注意しましょう。

1-2.気管支喘息

気管支喘息、というと小児期に発症するイメージが強いのですが、それは誤りです。

気管支喘息は何歳からでも発症する可能性があり、むしろ60歳以降の高齢者は発症率が上がる傾向にあります。気管支喘息で出る痰は粘着性が高く、痰だけで気道を閉塞させてしまいますので、ご高齢の方の場合は特に注意しなければいけません。

気管支喘息は慢性的な咳の原因として大きな割合を占めていますので、長く咳が続く時には疑うべき病気の代表例です。

1-3.咳喘息

呼吸困難や息切れなどの特徴的な喘息の症状が出ない、初期段階のぜんそくと言えるような病気を指します。症状としては発作的な咳が出ます。

ストレス、肉体疲労、ハウスダスト、タバコ、寒冷地、運動などが原因で起こるとされていますが、未だに根本的な原因は分かっていないようです。

1-4.慢性閉塞性肺疾患

空気の通り道である気管支が炎症で膨らんだり、酸素を取り込む肺胞が炎症で傷ついてしまう病気で、一般的には『COPD』と呼ばれています。しかし、この病気になる大きな原因がタバコであるため、通称『タバコ病』とも呼ばれるているようです。階段上りや駆け足といった軽い運動の直後に咳が出る人は、COPDを疑いましょう。

症状の進行が遅いので悪化に気づきにくく、気が付いた時が死亡後というケースも少なくありません。また、風邪などで一気に症状が悪化することもあります。傷ついた肺は回復しませんので、なるべく傷が浅いうちに病院へ行って治療しましょう。

COPDになる主な原因は、前述したようにタバコが大半です。大気汚染も考えられますが、最近は少なくなってきていますのでまずないでしょう。喫煙者で運動後などに咳が出る場合は、病院に行ってくださいね。

1-5.喉頭アレルギー

喉頭アレルギーは長く続く咳の他に、喉のかゆみやイガイガ感などのように咽喉頭に症状があらわれます。風邪の時のように喉が赤く腫れたりはしないので分かりづらく、また咳止めの薬には反応しません。主な原因は、大気汚染、ハウスダスト、カビ、スギ花粉などの花粉、春に飛んでくる黄砂とされています。

1-6.肺がん

肺がんには乾燥した咳が長期間続く他、痰に血が混ざっていたり胸の痛みを感じるなどの症状がありますが、これらは肺がん特有の症状ではないため判断が難しい病気です。もっとも、長い咳は何かしらの病気にかかっている可能性が高いので、医療機関へ早めにかかりましょう。

初期段階の肺がんは健康診断ではなかなか見つけづらいので、人間ドックなどで実施するPET検査やCT検査を受けるようにしましょう。健康診断で分かる場合はある程度進行していることが多いようです。

1-7.マイコプラズマ肺炎

早朝や深夜に発作的な強い咳が出る病気で飛沫感染します。感染力が非常に強いため、病気に感染しやすいといわれる子供がマイコプラズマ肺炎にかかると、大抵は家族全員が感染してしまうようです。季節は夏の終わりから冬に流行します。潜伏期間は2~3週間で、治療には1~2週間が必要です。

2. 咳を和らげる・止める方法は?

2-1.薬を飲む

咳止め薬は多くの種類が市販されていますが、選ぶ際にちょっとしたポイントがあります。それが『痰が絡んだ咳が出ているかどうか』ということです。

一般的な風邪の場合、痰が絡んだ咳が出ることが多いので、痰を取り除く成分や気道を拡げる成分が入ったものを選ぶと良いでしょう。痰が絡まない乾いた咳が出る場合は気管支や気道の炎症によって咳が出ている事が多いので、咳中枢に直接作用する鎮咳薬が効果的です。

ただし、咳止めは根本的な解決にはなりません。咳が止まると治った気になってしまい放置しがちです。自然治癒するような病気ならば問題はないかもしれませんが、肺がんなどのような恐ろしい病であることもあります。症状を悪化させないためにも、薬を使ったら必ず病院に行くようにしましょう。

また、咳が止まらないからといって多く飲むようなことは止めるべきです。市販薬を服用する時は用法・用量をきちんと守ってくださいね。

2-2.喉を加湿させる

咳は痰を出そうと起こることが多いので、早く止めるためには、痰を出し切ってしまうことが重要となります。気道が乾燥していると痰を出しにくくなるので、こまめに水分を取って喉を濡らしたり、加湿器を使ったりして空気を湿らせましょう。咳を出にくくするための適正湿度は、60~80%程度とされていますが、湿度を上げすぎてしまうと今度はウイルスが繁殖しやすくなってしまうため注意が必要です。

2-3.こまめに掃除をする

一見なんの関係があるのか分からないという人もいるかもしれませんが、咳の原因はハウスダストなどのアレルギー性のものもありますので、こまめな掃除でアレルゲンを除去するのは咳を和らげることに繋がります。

こまめな掃除をしたうえで空気清浄機を使って空気中から異物・アレルゲンを排除することを心がけましょう。

2-4.食べ物・飲み物に注意する

咳を止める効果がある食べ物として大根があります。大根に含まれる辛み成分『アリル化合物』には殺菌作用や抗炎症作用があるため、咳やのどの痛みを和らげてくれるのです。

しかし、辛ければ良いというわけではなく、唐辛子の『カプサイシン』などは喉から水分を奪い痰を増やす原因となりますので避けましょう。また、アルコールも脱水作用があるため控えましょう。

2-5.温かいものを飲むように心がける

喉を温めることで咳を止める効果があります。喉にある甲状腺を温めることで、免疫力を上げる効果があるからです。ただし、熱すぎると粘膜を傷つけて逆に咳を増やす原因となりますので、白湯のようにややぬるめのものをゆっくりと少しずつ飲むようにしてくださいね。

2-6.はちみつを摂る

咳には蜂蜜、というのは有名な民間療法なので知っている方も多いでしょう。実は迷信ではなくしっかりとした根拠があり、はちみつに含まれるフラボノイドという成分に抗炎症・殺菌効果があるのです。

しかし、はちみつにはボツリヌス菌が含まれている場合があります。この菌は大人の腸内では繁殖しないため安全なのですが、腸内細菌が少ない1歳以下の乳児の場合はその限りではありませんので注意が必要です。

紅茶や生姜湯、ココアなどに入れると飲みやすいので、試してみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか? 今回は咳が長引く原因や咳を止める方法などについてご紹介しました。ただの咳だと思って侮ってはいけません。予想外の重大な病気にかかっている恐れもあります。長く咳が続くようなら、万が一に備えて病院に行って医師の診断を受けましょう!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績