鼻掃除の方法

正しい鼻掃除の方法は? 鼻垢の正体と間違った掃除方法について

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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なんとなく鼻の中がムズムズする、痒(かゆ)い、鼻水が詰まっていて苦しい…そんな状況だからこそ、鼻をキレイにする必要があります。定期的に鼻掃除をすることでさまざまなトラブルを未然に防げるでしょう。

そこで、どうすれば鼻掃除ができるのか、鼻掃除の仕方や注意点について詳しく説明します。鼻の中を掃除したい人は必見ですよ。

  1. 鼻垢(びこう)の正体は?
  2. 正しい鼻掃除の仕方
  3. 危険な掃除の仕方と注意点について
  4. 鼻掃除に関するよくある質問

1.鼻垢(びこう)の正体は?

一般的に“鼻糞(はなくそ)”と呼ばれているものが“鼻垢”です。子供の教育上、言い方が不適切として“鼻垢”と呼ばれるようになりました。放置すればするほど鼻の中に溜まる“鼻垢”とはどのようなものなのでしょうか。

1-1.“鼻水”と“ホコリ”が固まったもの

いつの間にか鼻の中に溜まってしまう鼻垢の正体は、主に“鼻水”と“ホコリ”です。よく風邪を引いた時に鼻水がたくさん出ますが、その時の鼻水は少し黄色がかっています。黄色になるのはその中にウイルスや菌がたくさん含まれているからです。体が、中にあるウイルス・菌をなんとかして排出しようとかんばっている証拠なので安心してください。風邪を引いていない時でも常に鼻の粘膜から分泌物が出ています。その分泌物が乾燥し、鼻垢になってしまうのです。

また、息を吸うときにやってくるホコリが鼻毛につかまり、鼻垢になるケースもあります。ホコリや菌が体の中に入らないように防いでくれる鼻毛は本当にありがたいです。鼻毛をうっとうしく感じるかもしれませんが、とても大切なものなのであまりカットしすぎないようにしてください。ほとんどの鼻垢は“鼻水”が乾燥したものと、“ホコリ”が固まったものと考えるとよいでしょう。

1-2.白血球の死骸(しがい)

“白血球の死骸”が原因で鼻垢が発生することもあります。白血球の死骸は、風邪のウイルスや菌と戦った証拠であり、白血球の中にはウイルスや菌がたくさん入っているのです。風邪を引いた時はとくに鼻水がたくさん出てきてしまいますが、それは正常に免疫機能が働いている証でもあるので安心してください。

鼻水や鼻垢が多ければ多いほど、体外にウイルス・菌を排出しています。白血球の死骸を取り除くためにも定期的な鼻の掃除が必要でしょう。放置しておけばずっと鼻の中に死骸が積み重なっていくので風邪を引いた時はこまめに、普通の状態でも定期的な掃除が大切です。

鼻垢を完全になくすことはできないんですね。
はい。定期的に掃除をすることが大切です。

2.正しい鼻掃除の仕方

2-1.直接手でほじるのはNG!

いつの間にか鼻をほじってしまい、鼻血が出てきたことはありませんか? 鼻血が出るほど鼻の中をほじってしまうのはとても悪いことです。鼻は思っているより非常にデリケートな部分であり、直に指や爪でほじるとすぐに鼻の粘膜が傷ついてしまうでしょう。傷ついたところから菌やホコリが入り、さらに炎症を起こしてしまいます。

できれば、指・爪で直接ほじるのではなく、“綿棒”を利用してください。綿棒を鼻の入り口から1cm以内ゆっくりなぞるだけでOKです。何回もなぞる必要はありません。外回り、内回りと合計2回だけで十分に鼻の掃除ができます。

あまりやりすぎてしまうと粘膜が傷ついてしまうので気をつけてくださいね。よりキレイに掃除するために、鼻の粘膜がほぐされている「お風呂あがり」がオススメです。お風呂あがりの方が上手に汚れや垢を取り除けるでしょう。

2-2.効果的な掃除方法“鼻洗浄”とは?

鼻の掃除は“ほじる”のではなく、“洗う”のが1番だと言います。鼻の中を洗うことを“鼻洗浄”と言いますが、いったいどのような方法なのでしょうか。

鼻洗浄は2つの方法がありますが、初心者でも簡単にできる方法を紹介しましょう。まず、温かい食塩水を用意します。片方の鼻を押さえながらもう片方の鼻で食塩水を吸い込み、少しだけ息を止め、鼻の中から食塩水を出してください。これを片方ずつ3~5回繰り返すとよいでしょう。

ポイントは“飲み込まないギリギリのところまで吸い込む”ことと、“食塩水を使う”ことです。
鼻から食塩水を吸い込む際は、飲み込まないように気をつけてくださいね。鼻から水を吸い込むと“キーン”として痛い思いをしますが、それは真水で行っているからです。

食塩水を利用すれば痛むことはありませんし、ぬるま湯で行うととてもスムーズに鼻の中をキレイに掃除できるでしょう。

2-3.鼻掃除に欠かせない“鼻毛の処理”

鼻毛を処理するための電動カッター等が発売されていますが、鼻毛の処理も正しく行わなければなりません。鼻毛を処理しようと鼻毛抜きを利用して根元から抜く人がいます。根元から抜いてしまうと毛穴が刺激され、そこから細菌が入る可能性があるので注意してください。鼻毛は抜くのではなく、カットしましょう。

すべての鼻毛を処理したい気持ちもわかりますが、処理するのは鼻から出ている部分だけでOKです。鼻の奥にある鼻毛までカットしてしまうと、外からやってくるウイルスや菌を防げません。鼻毛は異物が入らないように防いでくれる大切な部分なので、鼻毛がないと炎症をすぐ起こしてしまいます。こまめに鏡でチェックし、鼻から出ている部分だけ鼻毛をカットするとよいでしょう。

鼻を洗い、鼻毛を手入れすることで鼻腔内をキレイに保てるんですね。
はい。ただし、何事もやりすぎに注意しましょう。綿棒を使ってもそれほど鼻垢がついていない場合、鼻を洗う必要はありません。

3.危険な掃除の仕方と注意点について

3-1.鼻うがいで注意しておきたいこと

鼻うがいは鼻の中にある汚れやホコリ、菌をすべて取り除ける効率的な方法ですが、気をつけなければ中耳炎になってしまう危険性も持ち合わせています。鼻うがいをしている最中につばを飲み込むと、耳の方に食塩水が流れていってしまうので非常に危険です。

鼻の中に食塩水を入れたら絶対につばを飲み込まないこと、そして息を止めてください。鼻から入れて口から出す方法もありますが、初心者は少し難しいので無理をせず、そのまま鼻から出せばOKです。それだけでも洗浄効果は抜群なので安心してください。

また、鼻づまりがひどい状態も鼻うがいはオススメできません。鼻の中に食塩水が残ったまま、鼻をかむ危険性があるからです。逆に炎症を起こす恐れがあるので、鼻づまりがひどい時は別の方法をとってくださいね。

3-2.鼻掃除をする前に基礎知識を身につけること

何の知識もないまま鼻掃除、鼻うがいをすることは非常に危険です。たとえ友人に効果があったとしても、自分には効果がないかもしれませんし、間違った方法で掃除をすると逆効果になることもあります。実際に、正しい方法だと思っていた掃除のやり方が間違っていたせいで、鼻の中が傷つき、炎症を起こした人も少なくありません。

鼻掃除・鼻うがいをする時は、必ず本当に正しいやり方かどうか確認してください。不安な人は耳鼻科で教えてもらうとよいでしょう。

鼻掃除も自己流で行ってはならないんですね。
はい。耳鼻咽喉科で鼻うがいのやり方を習ってもいいでしょう。

4.鼻掃除に関するよくある質問

Q.綿棒などで鼻掃除をしてはダメですか?
A.大丈夫ですが、力任せにほじったり鼻の奥まで入れすぎないように気をつけてください。

Q.鼻の中に血の塊があるようでムズムズします。
A.かさぶたと同じですから、そっとしておきましょう。

Q.鼻うがいは何歳からできますか?
A.小学校高学年くらいならば、問題なくできるようになるでしょう。

Q.鼻の粘膜を傷つけてしまったらどうしたらいいですか?
A.そっとしておきましょう。いじってはいけません。鼻の粘膜は出血しやすいですし、傷口から細菌感染することもあります。

Q.鼻血が出やすいと鼻垢もたまりやすいでしょうか?
A.そんなことはありません。どちらかというとほこりっぽい場所にいる方が、鼻垢は溜まりやすいでしょう。

まとめ

鼻掃除の正しいやり方、注意点について説明してきましたが、いかがでしたか? きちんと正しい方法で掃除を行えば、ずっとキレイな常態で鼻の中を維持し続けられます。

  • 鼻垢は鼻水とホコリが固まったもの
  • 直接手でほじるのはNG
  • 綿棒を活用しよう
  • 鼻洗浄、鼻うがいは食塩水を使う
  • 鼻毛の処理は根元からカットする
  • 鼻から出ている部分だけカットする
  • 鼻うがいは無理にしないこと
  • 基礎知識を身につけること

鼻血が出るような掃除の仕方ではなく、鼻の粘膜が傷つかない程度で掃除をしましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績