いびきが枕で改善

枕を変えればいびきが改善する? どんな枕を使えばいいの?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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家族の安眠を妨害するだけでなく、自分の健康にも影響がある『いびき』。自分では気づきにくいですが、相談できるところも少なく悩んでいる人も多いでしょう。こうした中、枕を変えるといびきが軽減するということが言われています。枕を変えるだけでいびきが治るの?と半信半疑の方もいるでしょう。しかし、枕の高さや幅などがあっていないといびきをかきやすくなることは事実です。

そこで今回は、どのような枕を使えばいびきを防止できるのかについてご紹介します。いびきの対策のひとつとして枕を変えてみたいという方はぜひ読んでみてくださいね。

  1. いびきと枕の関係は?
  2. いびきは放っておいても問題ないの?
  3. いびきの治療とは?

1.いびきと枕の関係は?

まず初めに、なぜ枕の形状によっていびきが改善されたり逆にかきやすくなったりするのでしょうか? この項ではその理由をご紹介します。

1-1.いびきをかく原因は?

いびきは、寝ているうちに舌が気道に落ち込んで狭くなることが原因の一つです。狭い岩の割れ目などに風が勢いよく通りぬけると音がしますね。あれと同じ原理です。太った人がいびきをかきやすいのは、気道に脂肪がついて一般の人より気道が狭くなりがちになります。

また、年を取ると喉の筋肉が衰えて舌を支えきれず、寝ている間に気道に落ち込みやすくなりいびきをかくことが多くなるのです。

1-2.枕の高さといびきの関係

枕は高すぎても低すぎてもいびきをかきやすくなると言われています。高すぎる枕を使うとくの字に気道が折れ曲がってしまい、気道が狭くなりやすいでしょう。しかし、低い枕なら気道が確保できるかといえばそうでもありません。逆に低すぎる枕を使うと、喉の筋肉が舌を支えきれずに気道に落ち込みやすくなります。

1-3.枕の形といびきの関係

枕の中心部が低く両側が高くなっている枕は、寝ているときに姿勢が変えにくいです。常にあおむけに寝ていると、舌が気道に落ちやすくなり、いびきもかきやすくなるでしょう。ある程度姿勢を変えられる枕の方が、いびきをかきにくくなります。自由に横向きになれる枕を選ぶとよいですね。

また、羽毛の枕など柔らかい枕は、頭を乗せるとかなり沈みます。たとえちょうどよい高さの枕を選んでも重みで低くなってはどうしようもありません。柔らかすぎる枕にも注意してください。

1-4.自分にぴったりの枕の高さを知るには?

では、自分にぴったりの枕の高さを知るにはどうしたらよいでしょうか? 一番確実な方法は、寝具売り場で測定してもらうことです。しかし、枕の高さを測定してくれる所がないという場合は、4つくらいに折りたたんだバスタオルを枕の下に置いて眠ってみましょう。これでいびきが軽減されたなら、今までの枕が低すぎたということです。

また、枕がもしかして高いかも? と思った場合は、タオルを折りたたんで今の枕の高さよりも少し低めの塊を作り、そこに頭を乗せて寝てみましょう。これでいびきが解消されれば今までの枕は高すぎたということになります。さらに、いびきをかく人は羽毛の枕など形が変わりやすいものより、蕎麦殻や低反発枕など、形が変わりにくい枕のほうがおすすめです。

寝ているときに姿勢が変えにくい枕はいびきをかきやすいんですね。
高すぎたり低すぎたりしない枕がよいでしょう。ぴったりの高さを知るためには寝具売り場で測定してもらうのもおすすめです。

2.いびきは放っておいても問題ないの?

いびきは誰でもかく可能性があります。生まれたての赤ちゃんも条件がそろえばいびきをかきます。では、放っておいても大丈夫ないびきと、治したほうが良いいびきの違いは何でしょうか? この項ではそれをご紹介します。

2-1.放っておいても問題ないいびきとは?

ひどく疲れたときや、たくさん飲酒したときは体中の筋肉がゆるみいびきをかきやすくなります。これは、体が回復すればいびきも自然に止まるので放っておいても問題ありません。

また、風邪で鼻がつまって口呼吸になった場合もいびきをかきやすくなります。さらに、加齢でいびきをかきやすくなった場合は喉の筋肉を効果的に鍛えることはできないので、残念ながら根本的な解決は難しいでしょう。横向きに寝るなど工夫すればいびきをかきにくくなります。

2-2.放っておいていけないいびきとは?

  • 肥満気味の人が夜ごとにいびきをかいている場合
  • ひどいアレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症で鼻がつまって呼吸ができずにいびきをかく場合
  • 扁桃腺が大きすぎて気道がふさがっていびきが出やすい場合

このような原因でいびきをかく場合は、治療が必要です。とくに太った人がいびきをかいている場合は睡眠時無呼吸症候群の危険性もあります。

  • 家族からいびきのひどさを指摘された
  • 横向きに寝たりしているのにいびきが止まらない
  • 鼻がつまっていつも口呼吸

という場合は、たかがいびきぐらいと思わず、一度耳鼻科に相談してみましょう。

いびきには放っておいても大丈夫なものとそうでないものがあるんですね。
肥満気味でいびきがひどい場合や、鼻づまりがひどすぎる場合、扁桃腺が大きすぎて気道がふさがっている場合などは治療が必要でしょう。

3.いびきの治療とは?

いびきの治療は大きく3つに分けられます。

  • 鼻詰まりを治療して鼻呼吸に戻す
  • ダイエットと睡眠時無呼吸法の治療を並行して行う
  • 手術

アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症が原因で口呼吸になり、いびきをかきやすい人の場合は、鼻詰まりの治療がメインになります。アレルギー性鼻炎の場合はアレルゲンを除去すれば少しは症状が軽くなるでしょう。それだけではよくならない場合はレーザー手術(ラジオ波下甲介焼灼術)や鼻中隔矯正術が必要かもしれません。 いわゆる「のどちんこ」(口蓋垂)が長い場合は、それを切る咽頭形成術(LAUP)が効果的な場合もあります。 ただ、いずれの手術も効果は絶対ではありませんので医師とよく相談して決めましょう。

また、睡眠時無呼吸法は放っておくと昼間突然意識がなくなる可能性もあり、事故につながる可能性があるのでダイエットや、いびき治療用呼吸器・マウスピースをつけて寝るといった治療法をします。

ただし、治療してすぐに劇的にいびきが改善されるとは限りません。家族に迷惑をかけないためにも、いびきをかいているときは寝室を分けるなど工夫が必要です。

鼻詰まりの治療や手術をするんですね。
はい。また、睡眠時無呼吸症候群の場合は、ダイエットや呼吸器・マウスピースをつけて寝るといった治療法をします。

おわりに

いかがでしたか? 今回はいびきと枕の関係についてご紹介しました。

まとめると

  • いびきは枕が高すぎても低すぎてもかきやすい
  • あおむけに寝る姿勢に固定されるまくらもいびきをかきやすい
  • 柔らかすぎる枕もいびきをかきやすい
  • 横向けになれるある程度固さのある枕を使おう

ということです。いびきは本人に自覚がない分治療が難しい場合もあります。また、ひとり暮らしの場合は自分のいびきに気づかないこともあるでしょう。しかし、朝起きた後極端に喉が渇いていたり、ひりひりしているようならば、夜中にいびきをかいている可能性が高いです。鼻がつまっている人もいびきをかきやすいのだと自覚しましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績