正しい鼻のかみ方

鼻のかみすぎで耳が痛い理由は? 正しい鼻のかみ方について知ろう

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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風邪を引いたり、花粉症・アレルギーになってしまうと「鼻水」が止まりません。どんどん出てくる鼻水をかみ続けていると次第に耳も痛くなり、頭痛が起こることもあるでしょう。このように鼻のかみすぎから悪循環に陥ってしまうのです。

そこでこの記事では、鼻のかみすぎで耳が痛い理由、正しい鼻のかみ方について詳しく説明します。鼻をかむたびに耳が痛い、頭痛が起きてしまうと悩んでいる人はぜひチェックしてください。

  1. 鼻のかみすぎで耳が痛くなる原因
  2. 耳が痛くなってしまう間違った鼻のかみ方
  3. 正しい鼻のかみ方

1.鼻のかみすぎで耳が痛くなる原因

なぜ鼻をかみすぎてしまうと耳まで痛くなってしまうのでしょうか。原因をきちんと把握しておけば耳が痛くなったときの正しい対処ができます。鼻をかむことでよく耳が痛くなる人は原因について知っておきましょう。

1-1.鼻の中に存在しているバイ菌

鼻水が出る症状は、体内にあるウイルス・菌をなんとか排出しようとする自然行為です。鼻の中にはたくさんのバイ菌がうようよしている状態になっていますが、このバイ菌が耳にいってしまうことで耳に痛みが出てきてしまいます。鼻の中に存在しているバイ菌が原因で耳が痛くなってしまうのです。

耳にバイ菌がいってしまうと“急性中耳炎”を引き起こすおそれがあり、耳まで悪影響を与えてしまいます。もし耳が痛い場合は、すぐに痛いところを氷や冷水・冷却シートなどで冷やしてください。

一時的な応急処置となりますが、冷やすだけでもある程度の痛みが緩和されます。もちろん、鎮痛剤も痛みを抑えてくれますが、鎮痛剤のアレルギーがある方やインフルエンザの時は使えない場合もあるので注意が必要です。

そして、翌日には耳鼻科を受診してください。急性中耳炎になった場合は、できるだけ早めに処置を受けることが大切です。

1-2.頭痛が起きるケースはとくに注意すること

鼻のかみすぎで耳が痛くなる原因は主に、鼻の中のバイ菌が耳にいってしまうことですが、頭痛が起きるのはなぜでしょうか? 鼻のかみすぎで頭痛が起きるケースは“急性副鼻腔炎”や“慢性副鼻腔炎”が起こっている可能性が非常に高いです。

副鼻腔炎を発症すると片方だけでなく、両方の鼻に鼻づまりが発生し、ドロッとした黄色の鼻水が出てきます。鼻がつまることで口呼吸になってしまい、頭がボーッとすると同時に、鼻づまりを解消しようと力まかせに鼻をかんでしまいます。そうすることで頭を刺激し、頭痛がさらにひどくなってしまうのです。

鼻のかみ方によっても頭痛が解消されることがよくあるのであまくみてはいけません。かみ方もとても大切なポイントになってくることを常に覚えておいてください。

では、正しいかみ方・間違ったかみ方の違いとは何なのか、次の項目で詳しく説明します。

2.耳が痛くなってしまう間違った鼻のかみ方

2-1.力いっぱい鼻をかむ

もしかして鼻をかむとき力いっぱいかんではいませんか? ほとんどの人に当てはまるかみ方だと思いますが、力いっぱい鼻をかむと鼻の中が傷ついてしまうので間違ったかみ方になります。鼻の中が傷つくと鼻血が出たり、鼻と同時に耳が痛くなってしまうので気をつけてください。できるだけ力まかせにかむのではなく、やさしくゆっくりかむとよいでしょう。

また、鼻をかむと同じくらい気をつけてほしいのが“鼻をすすること”です。どうしてもかめない状況でやってしまいがちなのですが、鼻をすすってしまうと細菌・ウイルスが鼻の奥に入ってしまい、耳の中にまでいってしまいます。耳の中に細菌・ウイルスが入ると耳が痛くなり、中耳炎を引き起こす要因にもなるので絶対にしないでくださいね。鼻をすすることが癖になっている子供には、大人が正しい鼻のかみ方を教えてあげましょう。

2-2.両方の鼻を同時にかむ

両方の鼻を同時にかむことも間違ったかみ方になります。両方の鼻を同時にかんでしまうと副鼻腔炎になりやすく、鼻汁が鼻の奥に入ってしまうため、耳が痛くなってしまうでしょう。
鼻だけでなく耳にとっても悪いので注意してください。

鼻を片方ずつ押さえながらきちんとかみましょう。また、中途半端に鼻をかむことも間違ったやり方です。中途半端なかみ方をしてしまうと鼻の中にウイルスや菌が残ってしまい、さらに増殖してしまいます。

鼻をかむことで耳が痛くなってしまう人はほとんどが力まかせで鼻をかんでいますが、中途半端にかむ人も少なくありません。中耳炎を起こさないためにも中途半端なかみ方はやめてください。しっかり鼻水が最後まで出るようなかみ方をすることが理想的です。

3.正しい鼻のかみ方

3-1.片方ずつゆっくりかむこと

正しい鼻のかみ方は基本的に“片方ずつゆっくり少しずつかむこと”です。片方ずつしっかり鼻を押さえ、ゆっくり少しずつかんでいきましょう。力づくで鼻水を押し出さないようにできるだけ最後までやさしくかむことが1番大切です。力を入れないと鼻水が出ないと不満に思うかもしれませんが、ゆっくり少しずつ小さな力で鼻をかんでいけば最後まで鼻水は出ます。その方が鼻の中を傷つけることなく、鼻水が全部出せるでしょう。耳がおかしいと感じることはありませんし、痛みや中耳炎も起こりません。

鼻のかみ方を改善するだけでも頭痛や痛みが緩和されます。実際、力まかせで鼻をかんでいた人が「片方ずつゆっくり少しずつかむように心がけたおかげで痛みがなくなった」という例もあるのです。鼻のかみすぎで耳が痛いと悩んでいる人はぜひかみ方を改善してください。

3-2.肌にやさしいティシュを使う

鼻のかみ方はもちろんですが、鼻のまわりが荒れないように肌にやさしいティッシュを使うのもひとつの方法です。特に、鼻をかむことが多い人はティッシュを常に鼻に当てている状態なので、できるだけ肌にやさしいタイプのティッシュを使ってください。

多少値段は高くなってしまいますが肌にやさしいティッシュに変えるだけでも肌が荒れずにかめるのでオススメです。ドラッグストアで販売しているティッシュの中でどれが1番よいのか、インターネットで口コミや評判を調べておくと選びやすいでしょう。

まとめ

鼻のかみすぎでなぜ耳が痛くなってしまうのか、正しい鼻のかみ方、間違ったかみ方について説明しました。

最後にもう一度確認したいと思います。

  • 鼻の中にあるバイ菌が耳にいってしまう
  • 急性中耳炎のおそれがある
  • 頭痛がある場合は急性副鼻腔炎・慢性副鼻腔炎のおそれがある
  • 力いっぱい鼻をかむ、両方の鼻を同時にかむことはNG
  • 片方ずつゆっくりかむ
  • 口からいっぱい息を吸い鼻水を出す
  • 肌にやさしいティッシュを使う

正しい鼻のかみ方に改善していけば頭痛や耳の痛みも次第になくなります。いくら正しい方法でかんだとしても症状が改善されない場合はすぐに耳鼻科を受診してください。中耳炎や急性副鼻腔炎を起こしている可能性があるので、早めの処置が大切です。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績