いびきの原因と対策とは? まずは耳鼻科を受診することが大切

いびきの原因と対策方法は? まずは耳鼻科を受診することが大切

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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「いびきがひどくて家族に苦情を言われた」「家族のいびきがひどいので心配」こんな悩みを抱えている人は意外に多いのではないでしょうか? いびきの中には、放っておくと大変なことになるものもあります。

そこで今回は、いびきの原因や対策方法をご紹介しましょう。「たかがいびき」と思わずに、できるだけ早く耳鼻科を受診することが大切です。自分のいびきがひどい人や、家族のいびきに悩んでいる、という人はぜひ読んでみてください。

  1. いびきの原因は?
  2. いびきの対処法は?
  3. いびきを治療する方法は?
  4. 病院を選ぶ際の注意点は?
  5. おわりに

1.いびきの原因は?

この項では、いびきの原因の代表的なものをご紹介します。いびきとは、睡眠中に上気道(鼻腔・咽頭)を空気が通過する時に、その中の粘膜が振動して音がする症状のことです。心配のないいびきもあれば、病気が原因のいびきもあるのです。

1-1.疲労

疲れすぎて眠りが深くなると口の中の筋肉がゆるみ、舌が気道をふさいでいびきをかきやすくなります。アルコールや睡眠薬などで眠りが深くなっても同じ症状が置きやすいです。

このような場合は、疲労が回復したり、アルコールや睡眠薬が抜ければいびきは改善します。普段はいびきをかかない人が時々いびきをかく、という場合は疲労やアルコールなどが原因のことが多いですので、心配はいりません。

1-2.肥満

体重が増えすぎると、首やあごの周りにも脂肪がついて気道を狭め、いびきをかきやすくなります。体重が増えるにつれて、いびきをかく日が増えてきた、という場合は肥満が原因でいびきをかいている可能性が高いでしょう。今すぐ健康に影響が出るわけではありませんが、睡眠時無呼吸症候群などの病気を引き起こす可能性もあります。ダイエットをして、首やあごの周りについた脂肪を落とすのが一番の改善方法です。

1-3.病気や体格

睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の症状のひとつにいびきがあります。また、急に意識を失い、大いびきをかき始めた場合は脳出血の可能性が高いです。病気が原因のいびきの場合は、治療をしなければ命にかかわることもあります。日本人は欧米人に比較してあごが小さく、あごに比例して舌が大きいので、舌の付け根が落ち込むタイプのいびきをかきやすいと言われています。

2.いびきの対処方法は?

この項では、病気以外が原因のいびきを治す方法をご紹介します。簡単に実行できるものもありますので、いびきに悩んでいる方はぜひ実践してみてください。

2-1.いびきを防止する枕を利用する

いびきは仰向けに寝ているときにもっともかきやすいです。つまり、横向きに寝るだけでもいびきがかきにくくなるのですね。ですから、市販されているいびきを防止する枕は横向き寝をしやすくする形をしているのです。

疲れているときやアルコールや睡眠薬を飲んだときに、このような枕を使用すれば、いびきを防止することができるでしょう。「枕がすぐに手に入らない」という場合は毛布を丸め、抱き付いて寝ても効果があります。

2-2.いびき防止のテープやマウスピースを利用する

口呼吸の習慣がある人は、鼻呼吸をしている人よりいびきをかきやすいです。つまり、口呼吸を鼻呼吸にかえるだけで、いびきをかきにくくなるのですね。いびきを防止するテープやマウスピースを利用すれば、口呼吸を鼻呼吸に替えやすくなります。このマウスピースは歯科器具ではありませんので、使用をしたい場合は耳鼻科医に相談をしてみましょう。

また、鼻炎や風邪で鼻が詰まっているときも口呼吸になりやすいですから、耳鼻科で適切な治療を受けることも大切です。

2-3.ダイエットをする

肥満が原因でいびきをかいている人にはもっとも有効な方法です。1か月に10キロ以上落とす過激なダイエットはリバウンドもしやすいので、無理のない範囲で行いましょう。前述した方法と合わせて行うとさらに効果的です。

また、肥満の方は夜更かしをするとつい夜食を食べてしまいがち。夜の食べすぎはダイエットの大敵です。早寝早起きを心がけるなど、生活習慣の見直しにも努めてください。

3.いびきを治療する方法は?

病気が原因のいびきの場合は、医師による治療が必要です。この項では、いびきの治療の方法をいくつかご紹介しましょう。いびきの治療は、ひとりひとりにあったものをすることが大切です。まずは耳鼻科医の診察を受けてください。

3-1.鼻マスクやマウスピースをする

睡眠時無呼吸症候群の治療で行われる方法です。
睡眠時に鼻マスクをつけて鼻から気道に一定の圧力の空気を送り込むことで、上気道を広げいびきを改善します。
マウスピースは前述したように、口呼吸から鼻呼吸への切り替えを助けてくれます。
鼻マスクをつけて眠るには慣れが必要のため、数日間入院して鼻マスクをつけても眠れるように指導をしてくれる病院もあります。

3-2.手術

「扁桃」や「口蓋垂(のどちんこ)」が肥大して上気道を狭めている場合や、上気道が生まれつき狭い場合は、手術を勧められる場合があります。
扁桃の手術は小さな病院ではできませんので、大学病院などに転院する必要もあるでしょう。
手術自体はさほど難しいものではなく、入院日数も長くはありませんが、社会人の場合は仕事を調整するなど事前の準備が必要です。
医師や家族、会社の上司とよく相談をして日程を決めましょう。「口蓋垂(のどちんこ)」とその周りの粘膜をレーザーなどを用いて広げる手術で(LAUP)は外来手術としても日帰りで行われますが、いびきに対する効果は確実とは言えません。

3-3.薬物治療

気道拡張作用のある薬を投与していびきを改善する方法ですが、単独で使われるより鼻マスクや手術の補助的役割として行われることが多いでしょう。医師の指示に従って用法用量を守り、服薬してください。

4.病院を選ぶ際の注意点は?

いびきの治療は耳鼻咽喉科の分野です。しかし、耳鼻科医が扱う病気はとても数が多く、医院によってはいびきの治療は行っていない所もあります。いびきの治療が目的で耳鼻科医を受診する場合、いびきの治療を看板に掲げている病院を選ぶとよいでしょう。インターネットの口コミサイトで、いびきの治療に定評のある病院を探してもよいですね。

ただし、「口蓋垂(のどちんこ)」とその周りの粘膜をレーザーなどを用いて広げる手術(LAUP)ですべてのいびきがよくなるわけではありません。また、この手術は保険適応で3割負担なら3万円前後ですが、病院によっては自費診療で10万~20万請求される場合もありますので注意しましょう。

同じ悩みや病気を抱えている人の意見を聞くことができれば心強くもあります。いびきは治療を始めたから、といってすぐに治るわけではありませんし、治療によって完全には消失しない場合もあります。

原因を特定するだけでも検査を複数しなくてはならない、ということもあるでしょう。疑問があれば医師に質問をしても構いません。根気強く治療を続けることが大切です。

社会人の場合は、会社の近くの耳鼻科のほうが通いやすい、という場合もありますので、病院を選ぶ際にはよく考えましょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回はいびきの原因や対処法についてご紹介しました。
まとめると

  • いびきには心配のないいびきと、病気が原因の治療が必要ないびきがある。
  • 病気が原因ではないいびきの場合は、枕や呼吸法を変えれば改善することもある。
  • 病気が原因の場合は、いびきを治療してくれる耳鼻科医を受診しよう。
  • いびきの治療は時間がかかるので、根気強く行うことが大切。

ということです。「たかがいびきくらいで病院に行くなんて」と思う方もいるかもしれません。しかし、いびきをかくということは、体や脳が酸素不足になっているという証拠です。
いびきをかくことが多いほど、脳や体は疲労し、仕事にも支障が出てくるでしょう。交通事故や労災事故を起こす可能性も高くなります。家族からいびきのひどさを指摘された場合はできるだけ早く耳鼻科を受診し、原因を突き止めて治療を開始しましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績