中耳炎の症状とは? こんな症状が出たら早めに耳鼻科へ

中耳炎の症状は? こんな症状が出たら早めに耳鼻科へ

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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耳が聞こえづらい、耳鳴りがする。このような症状が起こっている場合、中耳炎を発症している恐れがあります。中耳炎は子供がかかる病気というイメージがありますが、意外と大人の患者さんも多いのです。

そこで今回は、中耳炎の代表的な症状や対処法をご紹介します。最近、耳が聞こえにくくなったという方は、ぜひ読んでみてくださいね。

  1. 中耳炎とはどんな病気?
  2. 中耳炎になる原因は?
  3. 中耳炎の症状は?
  4. 中耳炎の治療方法
  5. 中耳炎の予防法は?
  6. 急に子供が痛みを訴える場合は?
  7. おわりに

1.中耳炎とはどんな病気?

なぜ中耳炎になるの?

はじめに、中耳炎の定義や症状について解説します。

1-1.中耳とは?

耳は、構造上『外耳』『中耳』『内耳』と3つに分かれています。中耳炎とは、その中の中耳の部分で炎症が起こる病気です。中耳の中には、耳管と呼ばれる鼻とつながった通路があり、風邪をひくとウィルスや細菌が侵入するルートになります。

1-2.中耳炎とは?

中耳炎とは、中耳と呼ばれる鼓膜の内側の部分が炎症を起こす病気です。急性の場合は激しい痛みを伴うこともあります。慢性の場合は痛みは弱いのですが、耳の中に浸出液が溜まることによって耳が聞こえにくくなることもあるでしょう。急性中耳炎は子ども、慢性中耳炎は大人が発症しやすい病気です。

1-3.中耳炎の種類は?

中耳炎には、急性中耳炎と慢性中耳炎があります。急性中耳炎が3か月たっても治らない場合は、慢性中耳炎と診断されるでしょう。以前は鼓膜に穿孔があって耳だれを繰り返している場合のみ慢性中耳炎と呼んでいましたが、今では穿孔がなくても治癒が長引いているばあいにも慢性中耳炎ということがあります。

また、急性中耳炎がなかなか治らないと慢性中耳炎や滲出性中耳炎に移行してしまいます。そうなると大人でも子供でも治療が難しくなってしまうため、できるだけ早めに治すことが大切です。

滲出性中耳炎は子供に多く見られる症状です。つまり、中耳炎になってしまったら、最低3か月は定期的に耳鼻科に通い、医師の診察を受け続ける必要があります。

それぞれの中耳炎の詳細については以下の記事をご覧ください。
急性中耳炎とは? 症状や原因、ケア・治療方法を徹底解説
滲出性中耳炎ってどんな病気?症状・原因・治療法を徹底解説

1-4.子供の方が発症しやすい理由

中耳炎は、大人よりも子供がかかりやすい病気です。子供はまだ耳管が未発達で短いため、大人よりも雑菌が中耳に侵入しやすくなっています。そのため、鼻やのどが風邪をひいて炎症を起こすと、中耳炎を併発する頻度が高いのです。

また、鼻をうまくかめずに鼻をすすりあげることも、雑菌交じりの鼻水が耳管までいってしまい、中耳炎を引き起こす原因となります。

2.中耳炎になる原因は?

この項では、中耳炎になる原因を紹介します。

2-1.風邪からの移行

風邪で鼻づまりが起こると、鼻水をすすり上げてしまいがちです。鼻腔内と内耳は細い管で繋がっており、そこから細菌まじりの鼻水が耳の中に逆流すると、炎症が起こりやすくなります。また、風邪以外にも副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎でも同じように中耳炎の原因となるでしょう。

2-2.海水やプールの水

海水やプールの水が鼻から中耳内に入っても、中耳内で炎症を起こしやすくなります。特に、小さな子どもは抵抗力が弱いので、急性中耳炎を発症しやすいでしょう。

2-3.耳管の働きがうまくいかない

鼻と内耳をつなぐ耳管は、状況によって開いたり閉じたりして内耳内の圧力を調整します。しかし、この耳管の働きがうまくいかないと、内耳内で炎症が起きやすくなるでしょう。

3.中耳炎の症状は?

中耳炎の症状

では、中耳炎になったらどのような症状が現れるのでしょうか? この項では、それをご紹介しましょう。特に、小さい子供の場合は症状を言葉で訴えることができないため、親が注意深く観察してあげる必要があります。

3-1.耳鳴りや痛み・発熱・耳垂れなど

中耳炎になると、痛みや発熱が起こる場合もあります。風邪をひいた赤ちゃんや小さな子供が急に不機嫌になったり、激しく泣き出したりした場合は中耳炎を疑いましょう。耳から何かが流れ出した跡があった場合も要注意です。

また、痛みが無くても耳に違和感があれば子供や赤ちゃんは耳を頻繁に触ります。この場合も、できるだけ早く病院に連れて行きましょう。

3-3.呼びかけに反応しない、テレビの音量が大きくなる

「子供が呼びかけに反応しなくなった」『テレビの音量を以前より大きくしている」という場合も中耳炎が疑われます。中耳炎になると聴力が低下しますから、呼びかけに気が付かなくなったり、テレビの音量が大きくなるのですね。特に風邪をひいた後にこのような症状が現れた場合は、できるだけ早く耳鼻科を受診しましょう。

また、大人が中耳炎になった場合も耳が聞こえにくくなります。60代以上の高齢者は、耳の聞こえが悪くても「年のせい」と思いがちですが、急激に聞こえが悪くなった場合は中耳炎の疑いもありますので、耳鼻科を受診して耳の中を診てもらいましょう。

3-4.集中力が切れる、ぼーっとする

中耳炎になると、常に耳の中に水が入っているような感じがして気持ち悪いです。耳の状態が気になって集中力が低下したり、ボーっとすることが増えることもあるでしょう。子供の場合は風邪をひいた後、大人の場合はストレスが引き金になって中耳炎を発症することが多いです。耳の違和感が原因で集中力が途切れがちになったり意識がボーッとする場合は、耳鼻科を受診しましょう。

4.中耳炎の診断・治療方法

中耳炎の治療法は?

では、中耳炎の診断・治療法はどのようなものがあるのでしょうか? この項では、それらをご紹介していきます。

4-1.中耳炎の診断方法

中耳炎の診断方法は耳の内部を視診することで下されます。急性中耳炎の場合は、鼓膜の状態を診ればすぐにわかるでしょう。滲出性中耳炎が疑われる場合は、レントゲンやCTを取ることもあります。

4-2.中耳炎の治療方法

4-2-1.投薬

中耳炎の治療に使われる薬は、抗生物質や鎮痛剤・点耳薬です。抗生物質で炎症を治療し、点耳薬で雑菌の繁殖などを防ぎます。特に、鼓膜切開をして治療した場合は、点耳薬をして内耳内に雑菌が入るのを防ぐことが大切です。また、痛みがある場合は鎮痛剤で痛みを抑えます。

4-2-2.鼓膜切開

中耳に膿や浸出液が溜まっている場合は、鼓膜を切開してそれを排出する治療が行われることもあります。麻酔をかけて切開をするので痛みはありませんが、耳の中にメスが入る恐怖感と、鼓膜を切開する時の大きな音から、嫌がる子供も少なくありません。大人でも決して気持ちが良いものではありません。鼓膜切開を避けるためには、中耳炎が疑われたらできるだけ早く耳鼻科に行くことが大切です。

5.中耳炎の予防法は?

中耳炎の予防法

子供の中耳炎は、できるだけ鼻水をすすったりためないようにしたりするだけで、だいぶ予防することができます。自分で鼻をかめない赤ちゃんや小さい子供の場合は、鼻吸い器を使ったり、耳鼻科で鼻を吸ってもらったりしても良いでしょう。

鼻風邪をひきやすい子供の場合は、中耳炎になる前に耳鼻科に通っておくことも大切です。「たかが鼻風邪」と甘く見ないほうが良いでしょう。大人の場合は、ストレスをためないことが一番の予防法になります。

また、まれに子供の頃中耳炎になったのに十分に治療を受けていなかった場合、大人になるまで中耳炎の症状を引きずってしまうことがあります。「耳が常にすっきりしない」という場合は、一度耳鼻科で診察を受けてみましょう。

6.急に子供が痛みを訴える場合は?

子供が痛みを訴える場合

子供が中耳炎になると、急に痛みを訴えだす場合があります。昼間ならば病院に連れて行けばよいのですが、夜間ではそうもいきません。病院が閉まっている夜半や休日に急に痛みを訴えだしたら、以下のことを試してみましょう。

  • 寝ていた場合は、立たせるか座らせる
  • 痛い側の耳の後ろを冷やす
  • 小児用の痛みどめや解熱剤を飲ませる

これで、大抵の痛みは治まる可能性が高いです。しかし、痛まなくなったからといって中耳炎が治ったわけではありません。病院が開いたら、必ず医師の診察を受けましょう。中耳炎になりやすい人は再発を繰り返します。ですから、いつでも診てもらえるようにかかりつけの耳鼻科を作っておくと便利ですよ。

7.おわりに

中耳炎の症状のまとめ

いかがでしたか? 今回は中耳炎の症状や治療法・予防方などをご紹介しました。
まとめると

  • 中耳炎は子供は風邪をひいた後にかかりやすい
  • 大人はストレスが多すぎるとかかりやすい
  • 痛みを訴えたり、呼びかけに応えなくなったりしたらすぐに病院に連れて行くこと
  • 中耳炎の予防は、鼻をすすったり、ためたりしないことが大切

ということです。中耳炎は決して怖い病気ではありませんが、慢性化すると聴力の低下などを引き起こします。疑わしい症状がでたら、できるだけ早く耳鼻科を受診しましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績