子どもの花粉症対策は? 特徴や症状、病院へ行くべきケースなど紹介

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

子どもが頻繁にくしゃみをしたり、鼻水が止まらない状態を見たりしていると、「何か病気になっているのでは?」と不安になりますよね。花粉シーズンでもない時期ににそのような症状が頻繁に起きている場合、もしかしたら花粉症の可能性があるかもしれません。

子どもが花粉症になった場合、どのように対策をすればいいのか、本記事で解説します。

  1. 子どもも花粉症になる?
  2. 子どもの花粉症に見られる症状と特徴
  3. 子どもの花粉症〜家でできる対策
  4. 子どもの花粉症〜適切な治療を受けよう
  5. 子どもの花粉症に関してよくある質問

この記事を読むことで、子どもの花粉症対策が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.子どもも花粉症になる?

花粉症=大人になって発症するものというイメージが強いですが、子どもも花粉症になります。では、どのような傾向があるのでしょうか。詳しく解説します。

1-1.早ければ2歳から花粉症になることも

子どもの場合は、5~9歳で発症する可能性が高くなりますが、早ければ2歳から花粉症に悩まされるケースもあります。10歳以下で花粉症になる子どもは、花粉への感受性が高い証拠です。そのため、大人になってから花粉症になるよりもアレルギーが重い状態となります。成長とともに重症化するリスクが高いので、早めの治療が必要です。「子どもだから自然と治る」という考えは持たないようにしてください。花粉症を発症する歳が早いほど、重症化のリスクが高くなることを覚えておきましょう。早期治療を行えば、症状もやわらぐので安心してください。

1-2.最近は子どもの発症が増えている

以前まで、2~3歳の子どもが花粉症になるケースはごく稀でしたが、近年は10歳以下で発症する子どもが増加しています。鼻アレルギー診療ガイドライン2009年版によると、5~9歳のアレルギー性鼻炎の有病率は、スギ花粉症が13.7%、スギ以外の花粉症が8.3%、通年性アレルギー性鼻炎が22.5%と花粉症がほぼ半数を占めていました。もはや、花粉症は国民病と言っても過言ではありません。

1-3.現代の生活様式が大きく関係している

子どもの花粉症発症率が高くなってきているのは、現代の生活様式が大きく関係しているといわれています。昔よりも技術が発達している今、屋内で遊ぶことが多く、外遊びが少なくなってきました。そのため、体の中にいるたくさんの微生物たちと共存関係が壊れてしまい、過剰なアレルギー反応を起こしてしまうのです。また、排気ガスの増加や大気汚染なども強く関係しています。

1-4.異物(アレルゲン)とIgE抗体

花粉症になるメカニズムは、子どもも大人も同じです。人の体には、外から侵入してくる異物(アレルゲン)に対して、それを排除する免疫や抗体(IgE抗体)という仕組みがあります。アレルゲンに反応する抗体を作りやすい体質がアレルギー体質で、花粉症になりやすいのです。IgE抗体が一定量に達した状態でアレルゲンが体内に入ると、敵とみなして花粉症で見られるくしゃみ・鼻水などの症状で外に排出しようとします。

2.子どもの花粉症に見られる症状と特徴

では、子どもの花粉症に見られる症状と特徴をチェックしていきましょう。

2-1.ハッキリしない・風邪と間違えやすい

大きな特徴は、大人よりも症状がハッキリしないことです。大人は自分で意識がしっかりしているので、「花粉かな?」と症状を疑うことができます。一方、幼い子どもは自分で判断できず、意思表示も難しいので花粉症かどうか判断できずにそのまま放置してしまいがちです。また、くしゃみ・鼻水・鼻づまりは風邪を引いたときの症状と似ているので、間違えやすい傾向もあります。くしゃみや鼻水に加えて、不機嫌で遊びや勉強に集中できないといった様子が見られる場合は、花粉症の疑いがあるでしょう。

2-2.大人との違いは重症化しやすい点

食物アレルギーとは違い、子どもの花粉症は自然治癒しにくく、重症化しやすいことが特徴です。成長とともに治るということは期待できません。逆に、大人になればなるほど、どんどん重症化するため、早めに治療を受ける必要があります。子どもが自分で意識できない分、大人である親がきちんと見極めることが大切です。いつもと違う様子がないか、注意深く観察してください。そして、些細な変化にも気づける状態にしておきましょう。

2-3.中耳炎、呼吸疾患などの病気を併発することも

子どもの花粉症を放置すると、中耳炎や呼吸疾患などの病気を併発するリスクが高まります。鼻水やくしゃみが花粉症の代表的な症状ですが、子どもは無意識のうちに鼻水をすすってしまうので、耳の中に膿がたまりやすくなるのです。その結果、中耳炎になり、治療が遅れると聞こえづらくなってしまうでしょう。中耳炎を放置したまま大人になると耳が聞こえなくなる恐れもあるため、悪化を防止するためにも早期治療が必要なのです。

3.子どもの花粉症〜家でできる対策

早期治療が必要になるからこそ、子どものうちにできる対策を実践することが大切です。ここでは、子どもの花粉症に有効な対策方法を解説します。

3-1.メガネやマスクで花粉をシャットアウトする

簡単にできる対策方法として、メガネやマスクを装着し花粉をシャットアウトするのがおすすめです。特に、花粉の飛散量が多い時期は、学校などへ行く外出時にメガネとマスクをつけさせて、しっかりと花粉症対策をしてあげてください。家の中に花粉を持ち込まないよう、帰宅時には玄関先で花粉をよく払います。洗顔・うがい・手洗いは基本中の基本です。また、中耳炎予防のために、鼻をかむことも意識づけさせるようにしましょう。

3-2.空気清浄機と掃除で花粉を取り除く

花粉は外だけでなく、室内に入り込んできたものもあります。家の中に漂っている花粉をキャッチするためには、空気清浄機が大活躍するでしょう。浮遊する花粉や床や家具などに落下する前に、空気清浄機でキャッチしてください。床や家具に落ちた花粉を取り除くために、定期的に掃除を行うことも大切です。空気清浄機では除去できない花粉を、掃除機で吸引したり、ぬれぞうきんで拭き取ったりしましょう。

3-3.夜は加湿器で花粉対策を

花粉が飛び始める冬場から春先にかけて、子ども部屋に暖房器具を設置すると思います。その際、エアコンを使用するとその風でフィルターにたまった花粉が舞い上がり、床に落ちた花粉が浮遊しやすくなるので加湿器を使用してください。加湿器を使うことでのどの乾燥がやわらぎ、のどの違和感が少なくなります。また、適度な加湿は花粉症だけでなく、風邪やインフルエンザ対策にもなるのでおすすめです。

3-4.早めに適切な治療を受けることが大事

何よりも、早めに適切な治療を受けることが大きな対策となります。前述したように、子どもの花粉症は重症化しやすい傾向があるので注意しなければなりません。専門科で適切な治療を受けることで症状がやわらぎ、重症化防止につながります。

4.子どもの花粉症〜適切な治療を受けよう

ここでは、子どもの花粉症における治療方法とポイントを解説します。

4-1.普段より症状が出ている場合は病院へ

いつもよりも少し違う様子が見られる場合は、すぐに病院を受診してください。たとえば、くしゃみがよく出るようになった・鼻をすすっている・鼻水をかんでも出てくるなどです。症状のほかにも、日常生活や学校生活において集中力が低下することもあります。「集中力や記憶力が低下しているな」と感じたときも、花粉症の症状が表れている判断材料になるでしょう。子どものサインを見逃さず、症状を早期に見つけることが大切なポイントです。

4-2.検査方法はアレルギー検査と鼻粘膜の状態

花粉症の検査・診断方法は、基本的に大人と同じでアレルギー検査と鼻粘膜の状態を見ることになります。1~2歳の赤ちゃんでもできる「イムファストチェック」は血液検査の1つで、指の先を少し刺してにじんだ血液で簡易検査を行う方法です。スギ・ダニ・猫の3種類のアレルギー程度を調べることができ、痛みもなく早く結果が出るのが特徴となります。子どもの花粉症が増加している今、小さな子どもでも安心して受けられる検査方法が登場しているのです。

4-3.治療方法は大人と同じ

治療方法も検査と同じく、基本的に大人と同じ方法を採用しています。症状に応じて、抗ヒスタミン薬を服用したり、ステロイド点鼻薬などで治療することになるでしょう。従来は成人にしか使用できなかった第2世代の抗ヒスタミン薬も、小さな子どもに使用できるものが増えてきました。耳鼻科など医療機関を受診し、子どもの症状に合った方法で治療を始めてください。

4-4.手術が必要なケースもある

抗ヒスタミンやステロイド点鼻薬でも症状が改善しない場合は、手術を行うことがあります。また、状態と場合によっては手術が効果的なケースもあるので、まずは検査を受けましょう。ただし、レーザー治療など内容によっては、7歳〜と年齢制限があります。小学生に上がる年代にならなければ手術ができないこともあるので、不安な方は耳鼻科に相談してください。

5.子どもの花粉症に関してよくある質問

子どもの花粉症に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.花粉症と風邪の症状を見極めるコツは?
A.くしゃみ・鼻づまり・鼻水など花粉症の代表的な症状の中で、子どもは鼻づまりで悩ませるのが大きな特徴です。熱がないのに鼻づまりがひどいケースは、花粉症の疑いが強いといえるでしょう。鼻づまりが多い傾向にあるのは、子どもは鼻が小さく詰まりやすいからです。しかし、鼻づまりは見た目では分かりにくいため、口を開けているか・鼻で息がしづらくなっているかが見極めるポイントになるでしょう。口呼吸することが多くなっているはずですので、注意深く観察してみてください。

Q.目の症状がひどい場合の対処法は?
A.子どもの花粉症の場合、目の症状も発症するケースが多い傾向があります。頻繁に目をこすったり、目の充血や目のまわりのむくみがひどくなったりしているときは、眼科を受診してください。そして、処方された目薬で対処しましょう。市販薬でも目薬は手に入りますが、子どもに合っているのか分からないので処方された目薬を使うことをおすすめします。また、子どもが目を触らないように注意することも大切です。

Q.花粉症の根治療法は何歳からできる?
A.花粉症の根治療法として採用されるのは、舌下免疫療法です。しかし、この方法は5歳にならなければ子どもの体力がついていけず、逆効果になってしまいます。5歳以上であれば、舌下免疫療法ができるので、選択肢の1つに入れるといいでしょう。ほかにも、薬剤を1日1回服用してアレルゲンを体に慣らす方法などがあります。6~11月ごろが療法を始める最適な時期で、1か月に1度の受診が必要となるのです。

Q.レーザー治療とは?
A.7~8歳になるとできる治療で、鼻粘膜のひだにレーザー光線を照射し意図的に日焼けのような跡を作ります。花粉症で赤く腫れ上がった粘膜を焼き縮めることで鼻の空間が増え、鼻水を出す働きが抑えられるので鼻づまりや鼻水が緩和されるでしょう。子どもの治療で気になる副作用が少ないことも大きなメリットです。なるべく、レーザー治療に長(た)けている耳鼻科を選んでください。

Q.病院選びのポイントは?
A.子どもの花粉症治療の実績があるか・手術や治療方法など細かく説明してくれるかに注目してください。しっかりと検査を行い、治療内容を説明してくれる病院またはクリニックなら、安心して治療を受けることができます。川村耳鼻咽喉科は、アレルギー性鼻炎をはじめとする鼻の治療を行っており、ひとりひとりの患者と向き合うことを心がけているのでご安心ください。無料相談も受けつけているので、ぜひ1度相談して見てはいかがでしょうか。

まとめ

子どもの花粉症は年々増えているといわれています。くしゃみや鼻水など代表的な症状に加え、昼間に元気がなかったり、集中力が低下したりしていると、花粉症の疑いが増すでしょう。基本的に、子どもの花粉症に対する治療は大人と同じですが、症状の具合に応じて適切な処置を受けることが大切です。市販薬で対策をするよりも、小児科に赴き、きちんと調べてもらってから治療を受けてください。また、早めに治療を受けるほど、症状も軽いうちにやわらぐでしょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績