いびきを防ぐ4つの方法を紹介! 危険ないびきを見極めるポイントは?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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「いびきを防ぐ方法を知りたい」という人は多いでしょう。いびきは自分ではなかなか分からないものですが、家族に指摘されると気になりますよね。特に、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、病院での治療が必要な場合もあるでしょう。いびきの原因は病気以外にもさまざまなものがあるため、原因を突き止めて自分で対処することも必要です。

この記事では、いびきをかく原因や睡眠時無呼吸症候群との関係・いびきの防ぎ方などをまとめてご紹介します。

  1. いびきはよいのか、悪いのか?
  2. 鼻の病気といびきについて
  3. 睡眠時無呼吸症候群といびきについて
  4. 気をつけたいいびきをセルフチェック
  5. いびきを防ぐ方法
  6. いびきを病院で治療する方法
  7. いびきに関するよくある質問

この記事を読むことで、注意が必要ないびきや鼻の病気との関連性・いびきを防ぐために自分でできることなどが詳しく分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.いびきはよいのか、悪いのか?

まずは、いびきをかく原因や注意が必要ないびき・関連する病気などについてご紹介しましょう。

1-1.原因を知ることが重要

風邪を引いたときや疲れているとき・お酒を飲んだときなどにいびきをかくことがあります。このようないびきは一時的なものであり、原因を取り除くことで解消するはずです。そのほかにも、肥満や扁桃(へんとう)腺肥大が原因で息の通り道が狭くなっていることや、鼻の病気が原因になっているいびきもあります。自分のいびきの原因を知り、どう対処していくべきか考えましょう。

1-2.注意が必要ないびきもある

中には注意が必要ないびきもあります。特に、睡眠時無呼吸を伴ういびきは、日中の眠気や集中力の低下など、日常生活にも大きな支障をもたらすことになるでしょう。また、鼻やのどの疾患が原因でいびきをかく場合は、早めに適切な治療を受ける必要があります。

1-3.いびきをかく人は病気になるリスクが高い

いびきをかく人は、病気になるリスクが高い傾向にあります。たとえば、高血圧や脂質異常症・うつ病・糖尿病などは、いびきをかかない人に比べていびきをかく人の方が、罹患(りかん)率が高いといわれているのです。また、睡眠時無呼吸症候群患者のほとんどが、治療前からいびきをかいていたことが分かっています。

2.鼻の病気といびきについて

鼻の病気が原因になっているいびきについて、詳しくご紹介します。

2-1.いびきの原因となる鼻の病気は?

鼻の病気が原因で鼻のとおりが悪くなり、いびきの原因になることもあります。たとえば、副鼻腔(ふくびくう)炎や花粉症・アレルギー性鼻炎などによって鼻づまりが起こると、睡眠中のいびきにつながることもあるのです。そのほかにも、鼻中隔湾曲症がいびきの原因になることもあります。鼻の真ん中を仕切る骨が曲がっている病気で、鼻がつまりやすく、口呼吸になりやすいのが特徴です。

2-2.鼻のとおりをよくすると改善する

鼻の病気がいびきの原因になっている場合は、鼻のとおりをよくすることでいびきをかかなくなる可能性があります。蒸しタオルで鼻を温めて血流をよくしたり、鼻うがいをしたりして、鼻づまりを解消しましょう。鼻の粘膜が腫れているときは、耳鼻科を受診して適切な治療を受ける必要があります。鼻のとおりをよくすることでいびきが改善すれば、原因が鼻にあったことが分かるはずです。

3.睡眠時無呼吸症候群といびきについて

いびきは睡眠時無呼吸症候群とも深い関係があります。関連性やいびきの特徴をまとめました。

3-1.眠っている間に呼吸が止まる病気

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上、もしくは一晩に30回以上あることをいいます。睡眠中に繰り返し呼吸が止まることで、脳と身体を十分に休ませることができず、日中の強い眠気やだるさ・集中力の低下などがもたらされるのです。さらに、無呼吸状態が脳や心臓にダメージを与え、生活習慣病のリスクを高める原因にもなります。

3-2.いびきは無呼吸症候群の代表的な症状

いびきは無呼吸症候群の代表的な症状といえます。何らかの原因で睡眠中に気道が狭くなるといびきが生じ、さらに気道が狭くなると最終的にふさがって無呼吸になるのです。このように、空気の通り道である気道がふさがって呼吸が止まるタイプを「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と呼び、睡眠時無呼吸症候群患者の9割がこれに該当します。

3-3.睡眠時無呼吸症候群の特徴は?

睡眠時無呼吸症候群の特徴としては、「いびきと呼吸が止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかき始める」というものがあります。呼吸が乱れて息苦しさを感じるため、苦しそうにいびきをかいているようであれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いでしょう。息苦しさから夜中に何度も目が覚めたり、寝汗をかいたりすることもあります。また、起床時には口の渇きや頭痛・身体の重さなどを感じることが多く、日中も強い眠気や疲労感に襲われる人がほとんどです。

4.気をつけたいいびきをセルフチェック

自分のいびきが注意が必要なものか、そうでないかを知るためにも、いびきをセルフチェックしてみましょう。以下の項目で当てはまるものが多いほど、注意が必要です。自分では分からない点も多いため、一緒に寝ている家族などにもチェックしてもらうことをおすすめします。

  • 毎晩大きないびきをかく
  • 睡眠中の呼吸停止を指摘されたことがある
  • 自分のいびきで目が覚める
  • 夜中にむせることがある
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 寝汗をかくことが多い
  • 朝起きたとき、口が渇いている
  • 朝起きたとき、熟睡した気がしない
  • 日中の眠気がひどい
  • 常に身体がだるい

5.いびきを防ぐ方法

いびきを防ぐ方法について、自分でできることや活用したいグッズ・トレーニングの方法などをご紹介します。

5-1.基本は口呼吸を改善すること

いびきを防ぐためには口呼吸を改善することが必要です。通常、寝ている間は鼻呼吸ですが、鼻で呼吸がしづらくなると、自然と口呼吸になってしまいます。寝ている間も口呼吸にならないようにするため、普段から気をつけるべきことやトレーニングの方法などを知っておきましょう。

5-2.自分でできることは?

いびきを防ぐために自分でできること、気をつけるべきことは以下のとおりです。

5-2-1.鼻の病気を治療する

鼻の病気がいびきの原因になっている可能性を考え、早めに耳鼻科を受診しましょう。治療を受けながらも、寝室に加湿器を置くなどして鼻のとおりをよくする工夫が必要です。

5-2-2.就寝時は横向きの体勢で

就寝時はできるだけ横向きの体勢で寝るよう習慣づけましょう。あお向けの状態で寝るとのどが狭くなり、空気の流れが悪くなってしまいます。

5-2-3.肥満に注意

太っていると首回りにも脂肪がつきやすく、上気道が狭くなってしまいがちです。肥満気味の人は適度なダイエットをし、脂肪を落とす努力をしましょう。

5-2-4.飲酒は控えめに

アルコールにはリラックス作用があるため、のどの筋肉の緊張が緩んで気道が狭くなりがちです。また、血行がよくなることで鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりを起こしやすくなります。特に、睡眠時無呼吸症候群と診断されている人は、飲酒によって症状が悪化する可能性があるため、お酒はできるだけ控えるように心がけましょう。

5-3.いびき防止グッズを活用する方法も

市販のグッズを活用していびきを改善する方法もおすすめです。鼻のとおりをよくする鼻腔(びくう)拡張テープや、口が開かないように固定するテープ・舌の落ち込みを防ぐためのマウスピースなど、さまざまなグッズが販売されています。自分に合ったものを探してみるとよいでしょう。

5-4.口の周りの筋肉を鍛えるトレーニング方法

口の周りの筋肉を鍛えて、鼻呼吸を自然に習慣づけることも可能です。口呼吸を改善する「あいうべ体操」というトレーニング方法が注目されているため、ぜひ実践してみてください。以下の4つの動作を繰り返すだけの、簡単なトレーニングです。

  1. 「あー」と大きく口を開く
  2. 「いー」と口を横に広げる
  3. 「うー」と口を前に突き出す
  4. 「べー」と舌を突き出して下に伸ばす

6.いびきを病院で治療する方法

いびきを病院で治療してもらう方法や注意点などをまとめました。

6-1.こんなときは受診を

いびきで病院を受診するべきなのは、以下のような場合です。

  • 毎晩大きないびきをかいている
  • 睡眠時無呼吸を伴っている
  • 何を試してもいびきが改善されない
  • いびきが原因で熟睡感が得られない

6-2.耳鼻科またはいびき専門外来へ

鼻やのどの病気が原因の場合は、耳鼻咽喉科で診察を受け、適切な治療を受ける必要があります。耳鼻科的な治療で鼻づまりを改善することでいびきをかかなくなることもあるでしょう。睡眠時無呼吸が伴う場合は、呼吸器科でも診てもらえます。また、最近は睡眠時無呼吸症候群を専門に扱ういびき専門の睡眠外来も増えてきているため、相談してみるとよいでしょう。

6-3.治療方法

病院でいびきを治療する際は、まず耳鼻科的検査によって鼻づまりの有無を調べます。鼻づまりがなくいびきが習慣化している場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査へと進むのが一般的な流れです。睡眠時無呼吸症候群の治療法には、主に以下の3つがあります。

  • CPAP療法:寝ている間に気道に空気を送り続け、気道を開いた状態にしておく治療法
  • マウスピース治療:下あごを前方に固定することで、気道を広く保つ治療法
  • 外科的手術:気道をふさぐ部位を取り除く治療法

6-4.自分に合った病院を選ぶことが大切

いびき治療のために病院を受診する際は、自分に合った病院を選ぶことが大切です。いびき治療の実績が豊富か、通いやすい場所にあるかだけでなく、必要であればほかの専門医を紹介してくれるなど、患者にとって良心的な病院を選ぶとよいでしょう。

7.いびきに関するよくある質問

「いびきについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.女性でいびきに悩んでいる人はどのくらいいるのでしょうか?
A.20~30代に多く、女性全体の15%に及ぶことが分かっています。

Q.いびき防止のために横向きで寝ようとしていますが、いつの間にかあお向けになってしまう場合、どうすればよいですか?
A.背中のあたりにクッションなどを当てがったまま眠り、あお向けになるのを防ぐとよいでしょう。また、横向き寝用の抱き枕などもあるため、利用するのもおすすめです。

Q.いびきをかきやすい人にはどのような特徴がありますか?
A.首が太くて短い人・舌が大きい人・肥満気味の人・口呼吸をするクセがある人・ストレスや疲れがたまっている人などです。

Q.子どもが毎晩いびきをかくのは、何か問題があるのでしょうか?
A.子どものいびきは、扁桃(へんとう)腺肥大やアレルギー性鼻炎・副鼻腔(ふくびくう)炎などが原因になっている場合が多いです。また、子どもでも睡眠時無呼吸症候群になることがあるため、「日中、強い眠気に襲われる」「集中力がない」などの症状が見られるときは、一度受診してみるとよいでしょう。

まとめ

いびきをかく原因やいびきを防ぐ方法・病院での治療法などをまとめてご紹介しました。「いびきに悩んでいるが恥ずかしくて病院に行けない」という人も 多いと思います。しかし、いびきの中には健康にも大きな影響をもたらすものもあり、放っておくと重大な病気を引き起こす原因にもなるのです。自分のいびきは何が原因なのかを知り、適切な対処をするために、ぜひこの記事を参考にしてください。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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