図解でわかる! 鼻茸(鼻ポリープ)の症状・原因・治療法をサクッと解説

図解でわかる! 鼻茸(鼻ポリープ)の症状・原因・治療方法をサクッと解説

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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鼻ポリープの症状

づまりがいつまでも治らない鼻の奥に違和感がある。その症状、もしかしたら鼻茸(鼻ポリープ)が原因かもしれません。

鼻茸は近年患者数が急増していて、軽症も含めると100万人以上ともいわれています。一度発症すると再発を繰り返すことが多い厄介な病気です。

この記事では、鼻茸の原因や症状・治療方法について分かりやすく解説します。

  1. 鼻茸とは?
  2. 鼻茸の症状の現れ方
  3. 鼻茸の原因
  4. 鼻茸の検査・診断方法
  5. 鼻茸の治療方法
  6. 鼻茸が疑われたら

1.鼻茸とは?

鼻茸

茸とは、半透明でゼラチン質のように柔らかくみずみずしい腫瘤(できもの)が鼻の穴にできる病気です。鼻ポリープとも呼ばれます。他の病気と合併して起こることが多く、慢性副鼻腔炎では10~20%に見られます。

単一で発生する単房性、いくつかが連続して発生する多房性・多発性などがあります。ぶどう状・茎のついた洋梨状・釣鐘状など、形状はさまざまです。大きくなると、鼻の穴から見えたり、気道をふさいだりすることもあります。

通常、左右の鼻に発生します。片側だけの場合悪性腫瘍の疑いもあるため注意が必要です。

2.鼻茸の症状の現れ方

鼻茸が鼻の中にできることによって、さまざまな症状が起こります。初期症状から順を追って説明します。

鼻茸が小さいうちは鼻水が出る程度です。症状を自覚するまでに2年から3年かかることもあります。

鼻茸が大きくなり鼻の穴をふさぐようになると、両側の鼻づまりが起こります。

鼻がつまることによって、後鼻漏(鼻水が喉に流れる症状)や頭痛嗅覚障害などの症状が現れます。

※ 嗅覚障害とは、においを感じる嗅覚に何らかの異常が生じる状態をいいます。

進行すると記憶力減退耳管狭窄症などが起こる場合もあります。

※ 耳管狭窄症とは、耳と喉をつなぐ耳管が狭くなることで、さまざまな症状を引き起こす病気です。

3.鼻茸の原因

鼻茸は特定の原因ではなく、さまざまな要因が重なり合って発生すると考えられています。そのほとんどは、他の疾患の合併症として現れます。

主な原因疾患は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎・鼻中隔弯曲症などです。鼻粘膜の慢性的な炎症によって、粘膜の分泌物による刺激が長期かつ局所的に続くことによって発生します。

IgE抗体や白血球の一種である好酸球(それぞれアレルギー疾患で増加する)が鼻茸の組織内に存在することから、アレルギーが原因であるという見方もあります。

4.鼻茸の検査・診断方法

鼻の内部を観察することで診断します。必要に応じで、さまざまな装置を用いて検査を行うこともあります。

鼻の中を入念に観察し、鼻茸の有無や状態を確認します。

鼻粘膜の炎症や鼻中隔の湾曲などによって判断が難しい場合には、内視鏡を用いて観察します。

合併する病気を調べるために、X線検査CT検査などを行うこともあります。

乳頭腫などの良性腫瘍や悪性腫瘍が疑われる場合には、粘膜の一部を切り取って顕微鏡で確認する病理組織検査を行います。

鼻茸が感染性のものかアレルギー性のものかを調べるために、鼻汁細菌検査アレルギー検査を行うこともあります。

5.鼻茸の治療方法

鼻茸の治療としてまず行われるのは、薬剤を用いた保存療法です。保存療法で改善が見られない場合には、手術療法を検討します。

5-1.保存療法

ステロイド内服薬を短期的に使用し、1〜3か月ほどステロイド点鼻薬を使って様子を見ます。

粘り気のある鼻水を伴っている場合には、鼻からの分泌物を抑制する効果のあるマクロライド系抗生物質を少量併用することもあります。

5-2.手術療法

まず、麻酔注射を用いて局所麻酔を行います。

鼻の穴から内視鏡を入れ、モニター画面を観察しながら鼻茸を摘出します。手術時間は片側30分〜60分ほどです。

慢性副鼻腔炎を合併している場合には、病的な炎症を起こしている粘膜の除去手術を同時に行うこともあります。

手術後は薬物治療定期的な患部の洗浄などを行います。完治までには3か月ほど要するのが一般的です。

6.鼻茸が疑われたら

鼻づまりが長期にわたって続いてる方鼻水の量が多い方は鼻茸ができている可能性があります。特に、これまで慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎と診断されたことがある方は気を付けてください。自己判断をせずに、耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績