しつこい鼻づまりは病気の可能性も! 鼻づまりの原因となる病気とその見分け方

しつこい鼻づまりは病気の可能性も! 鼻づまりの原因となる病気とその見分け方

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

かんでもかんでもスッキリしない鼻づまり。
日常生活で不便を感じながらも、「わざわざ病院へ行くのも・・・」とそのままにしていませんか?
もしかしたら、家にいながら鼻づまりが解消できる方法はないかな? とこの記事にたどり着いた方もいるかもしれませんね。

でも、安易にネット上の対策に頼るのは考えもの。
鼻づまりは誰もが経験するため軽く見られがちですが、何か重大な病気が隠れている可能性もあるからです。

こうした方法で一時的に改善されたとしても、原因が解消されなければすぐに再発してしまいます。
せっかくなら、根本から鼻づまりを治して、ずっと快適に過ごしたいですよね。
そのためにも、まずは鼻づまりの原因についてしっかりと知っておきましょう。

この記事を読めば、どのような病気が引き金となって鼻づまりが起きるのかがわかります。
病院へ行くべきか悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考に自分の症状をチェックしてみてください。
この記事があなたの鼻づまりを改善するきっかけになることを祈っています。

  1. 鼻づまりとは?
  2. 鼻づまりの原因となる病気
  3. まとめ

1.鼻づまりとは?

鼻づまりとは、鼻腔(鼻腔を図で見る)が狭くなることで空気抵抗が大きくなり、鼻呼吸がスムーズに行えなくなる症状です。鼻の病気のほとんどでこの症状がみられます。代表的な原因は、過剰に分泌された鼻水(かぜ症候群・花粉症など)・鼻の構造的な障害(鼻中隔湾曲症・肥厚性鼻炎・先天性後鼻孔閉鎖など)・鼻粘膜の腫れ(アレルギー性鼻炎・鼻茸を伴う副鼻腔炎など)の3つです。その他、鼻腔内の異物、鼻や副鼻腔・喉にできる腫瘍なども原因になることがあります。また、鼻粘膜の乾燥やストレスが原因で鼻づまりを起こすこともありますが、その割合はわずかです。

「たかが鼻づまり」と自己判断で放置するのは禁物です。長引く鼻づまりは、口呼吸による喉の乾燥や痛みだけでなく、いびき・睡眠障害などにつながることもあります。しっかり原因を見極めて適切な治療を受けるようにしてください。

2.鼻づまりの原因となる病気

以下に鼻づまりの原因となる主な病気を挙げました。鼻づまりに伴なう症状で分類しましたので、思い当たる症状でチェックしてみてください。

2-1.急性鼻炎

急性鼻炎とは、いわゆる鼻風邪のことです。ウイルスや細菌に感染することによって鼻粘膜が炎症を起こした状態をいいます。

症状 鼻づまり・鼻水・くしゃみ。水のような鼻水から次第に粘り気のある鼻水へ移行する。発熱・倦怠感・せき・痰を伴うこともある。
原因 ウイルス感染や細菌感染
要注意 子ども・高齢者
対応 1~2週間以上症状が続く場合は耳鼻咽喉科へ

2-2.慢性鼻炎

慢性鼻炎とは、鼻粘膜の炎症が慢性的に続く病気のことです。多くは急性鼻炎が長引いたものですが、別の病気に伴って生じることもあります。

症状 鼻づまり・粘り気のある鼻水。鼻づまりによって口呼吸となり、喉が乾く・口臭がきつくなるといった症状が出ることもある。
原因 急性鼻炎の反復や長期化
要注意 急性鼻炎・アレルギー性鼻炎を患っている方
対応 鼻づまりや鼻水の症状が長引く場合は耳鼻咽喉科へ

2-3.鼻茸

鼻茸とは、鼻の粘膜にできるキノコ状の柔らかいポリープのことです。多くの場合、慢性鼻炎や慢性副鼻炎などに合併して起こります。

症状 鼻茸が小さければ鼻水が出る程度。鼻茸が大きくなると、鼻づまり・味覚障害・後鼻漏・頭痛などの症状が起こることもある。
原因 明確な原因は不明。鼻腔内の分泌物が刺激となってできる・好酸球性炎症・アレルギー反応の一種などの説がある。
要注意 慢性鼻炎・慢性副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・喘息を患っている方
対応 慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎と診断された経験があり、ひどい鼻づまりが続いている場合は耳鼻咽喉科へ

2-4.風邪症候群

風邪症候群は、鼻や喉などの粘膜に急性の炎症が起こる病気の総称です。大きく普通感冒と流行性感冒(インフルエンザ)の2つに分けられます。単に風邪といった場合、普通感冒を指すのが一般的です。

症状 鼻づまり・くしゃみ・鼻水。最初は透明でサラサラ、症状の進行とともに黄色く粘り気のある状態となる。頭痛や発熱を伴うこともある。
原因 ウイルス感染・細菌感染
要注意 子どもや高齢者・呼吸器やその他の基礎疾患をもっている方
対応 数日経っても症状が治らない場合は耳鼻咽喉科へ

2-5.アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、アレルギーの原因物質が鼻の粘膜と反応することによって起こる病気です。ハウスダストなどが原因となるものを通年性アレルギー性鼻炎、花粉などが原因となるものを季節性アレルギー性鼻炎といいます。

症状 鼻づまり・鼻水・くしゃみ。季節性アレルギー性鼻炎の場合は、目のかゆみ・涙目・喉のかゆみを伴うこともある。
原因 ハウスダストやダニ・ペットの毛・カビ・花粉(スギ花粉・イネ科の花粉・ブタクサ花粉)などの抗原が鼻粘膜を刺激することで起こる。
要注意 アトピー体質の方・アレルギー体質の方
対応 症状が長引いたり生活に支障があったりする場合は耳鼻咽喉科へ

2-6.血管運動性鼻炎

血管運動性鼻炎は、アレルギー性鼻炎とほぼ同様の症状を示しながらも、検査で原因物質が特定できない病気です。ある特定の状況下で症状が現れやすいという特徴があります。

症状 鼻づまり・鼻水・くしゃみ
原因 明確な原因は不明。自律神経の異常によって起こるとみられる。寒い場所から暖かい場所へ移動したときや精神的なストレスを感じたとき、香水のにおいやタバコの煙を嗅いだとき、アルコール・辛い食べ物を摂取したときなどに症状が出る。
要注意 季節の変わり目、不規則な生活をしている方
対応 症状がいつまでも治らない場合は耳鼻咽喉科医へ

2-7.急性副鼻腔炎

人間の鼻は、息を吸ったり吐いたりする鼻腔(鼻の穴 鼻腔を図で見る)と隣接する副鼻腔(副鼻腔を図で見る)で構成されています。急性副鼻腔炎とは、副鼻腔の粘膜に炎症が発生して鼻詰まりや鼻水などの症状が現れる病気のことです。

症状 鼻づまりや鼻水。最初はサラサラとした透明な鼻水で、徐々に悪臭を伴う膿のような鼻水へと移行する。悪化すると頭痛や発熱・悪寒などを伴うこともある。
原因 副鼻腔のウイルス感染や細菌感染。アレルギー性鼻炎や風邪症候群がきっかけとなることもある。
要注意 風邪症候群・アレルギー性鼻炎を患っている方・体の抵抗力が落ちている方
対応 鼻汁のにおいや量が気になったり痛みがひどくなったりした場合は耳鼻咽喉科へ

2-8.咽頭がん

咽頭がんは発症部位によって、上咽頭がんと中咽頭がん・下咽頭がんに分類されます。この中で鼻づまりが起こるのは上咽頭がんです。喉の最上部、鼻腔の後方に位置する部位(上咽頭を図で見る)にできる悪性腫瘍が上咽頭がんです。

症状 鼻づまりや鼻出血・耳の詰まり・難聴など。腫瘍が脳神経を圧迫するようになると、物が重なって見えるといった眼の症状や顔面知覚異常・嚥下障害といった神経症状が出ることもある。
原因 EBウイルスやホルムアルデヒド・塩蔵魚(中国や東南アジアの伝統食で塩に漬けて保存した魚)などが危険因子となる
要注意 40~60歳の男性
対応 肺・骨・肝臓などへ転移することも多いため、気になる症状が現れた場合は早めに耳鼻咽喉科へ

2-9.アデノイド増殖症

鼻の奥(喉の一番上)にあるリンパ組織の塊をアデノイド(アデノイドを図で見る)といいます。アデノイド増殖症とは、このアデノイドが増殖・肥大した状態のことです。

症状 鼻づまり・鼻声・口呼吸・いびき・耳だれ・耳痛・咳など
原因 明確な原因は不明
要注意 3〜8歳ごろまでの子ども
対応 素人がアデノイド増殖症かどうかを判断するのは非常に困難なため、該当する症状がある場合は耳鼻咽喉科へ

2-10.鼻中隔湾曲症

鼻腔( 鼻腔を図で見る)は鼻中隔(鼻中隔を図で見る)と呼ばれる仕切りで左右に分けられています。鼻中隔湾曲症とは、この鼻中隔が日常生活に支障をきたすほど大きく曲がっている状態のことです。

症状 鼻づまり。鼻出血・頭痛や頭重感・いびき・睡眠時無呼吸症候群などを伴うこともある。
原因 成長過程において、鼻中隔を構成する3つの骨の成長スピードが異なることで、湾曲が起こる。打撲等の外傷によって生じることもある。
要注意 慢性的な鼻づまりのある方・鼻を強打した覚えのある方
対応 鼻詰まりが長引く場合は耳鼻咽喉科へ

2-11.乾酪性上顎洞炎

副鼻腔(前述)の中で最も大きい空洞を上顎洞内(上顎洞を図で見る)といいます。乾酪性上顎洞炎とは、この上顎洞内にチーズのような乾酪性物質が充満する炎症のことです。

症状 片側の鼻づまり・悪臭を伴った膿性または粘り気のある鼻水・鼻出血・頬の腫れや痛みなど。原因菌が移動することで目や歯の痛みを引き起こすこともある。
原因 上顎洞が真菌(カビ)に感染することで起こる
要注意 糖尿病や悪性腫瘍などの病気を患っている方、ステロイド薬・免疫抑制剤などの薬を使用している方
対応 気になる症状がある場合は耳鼻咽喉科へ

2-12.鼻癤

鼻癤とは、鼻の頭や鼻腔(鼻腔を図で見る)の入り口周辺の毛根・皮脂腺に膿が溜まって炎症を起こしている病気のことです。

症状 鼻の頭の皮脂腺や鼻の穴の入り口付近が赤く腫れ痛みが出る。腫れがひどくなると、鼻詰まりや顔面痛・頭痛を起こし発熱を伴うこともある。
原因 鼻をいじったり鼻毛を抜いたりすることによる細菌感染
要注意 糖尿病の方・皮膚がかぶれやすい方・鼻毛を抜く癖がある方
対応 数日経っても腫れが引かない場合は皮膚科または耳鼻咽喉科へ

まとめ

この記事では鼻づまりを引き起こす病気とその見分け方について解説しました。鼻づまりで息苦しいときは、なんとかしようと鼻をかみたくなると思います。しかし、鼻を強くかむのは危険です。空気の逃げ場がなくなり、鼻とつながっている中耳や副鼻腔に細菌が入り込んで炎症の原因になりかねません。また、いつも口を開けて口呼吸をしているような場合は鼻閉があるはずです。長期間、鼻づまりが続いている場合、何か病気が原因となっている可能性もあります。まずは耳鼻咽喉科で診察を受け、病気の有無をチェックしましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績