安易な耳鳴り対策は危険! 病気の症状として現れる耳鳴りの見分け方

安易な耳鳴り対策は危険! 病気の症状として現れる耳鳴りの見分け方

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

耳鳴りってツライですよね。
きっとあなたも「病院になんか行かないで、簡単に治る方法があればいいのに・・・」と情報を探し回っているのでは?

中耳炎の症状

その気持ち、よ〜く分かります。
ネット上には、『〇〇しただけで耳鳴りが治る!』なんて記事がたくさんありますからね。

でも、ちょっと待ってください!
知ってますか? 耳鳴りは病気の一症状や前兆として現れることが多いという事実を!
一時的に耳鳴りが治まったとしても、原因である病気はそのまま?!
それどころか、発見が遅れてさらに進行してしまうこともあるんです。

耳鳴りを治したいのに、病気が悪化しては本末転倒!
もし、耳が聞こえなくなったりしたら、日常生活にも大きな影響が出ます。
そんなことにならないためにも、どのような病気のときに耳鳴りが起きるのかをしっかりチェックしておきましょう。

原因となる病気のことがわかれば、病院へ行くべきかどうかの判断もしやすくなります。
この記事があなたの耳鳴りを改善するきっかけになれば嬉しいです。

  1. 耳鳴りとは?
  2. 耳鳴りの原因となる病気
  3. 病気が特定できない場合
  4. まとめ

耳の構造

1.耳鳴りとは?

耳鳴りとは、周りに物理的な音がないのに、耳や頭の中で『キーン』『ザー』『ジーン』『ゴー』のような音を感じる症状のことです。耳鳴りそのものは症状で、それ自体が病気ということではありません。本人しか感じられない自覚的耳鳴と第三者にも音が確認できる他覚的耳鳴に大きく分けられます。自覚的耳鳴であることがほとんどで、他覚的耳鳴の割合はごくわずかです。

自覚的耳鳴の多くは、外耳炎や中耳炎・耳垢栓塞(じこうせんそく)・さまざまな難聴など、耳の病気の一症状または前兆として現れます。高血圧や糖尿病など全身の病気や、ストレスなどの精神的な要因によって起こる場合も少なくありません。

一方、他覚的耳鳴は、普通の人なら気にならない体の中の音が耳に響いてくるという症状が特徴です。『カチカチ』『コツコツ』というような耳周辺の筋肉の収縮音が聞こえたり、血流による『ザー』というような雑音が聞こえたりします。実際、聴診器を当てれば第三者にもその音が聞こえるものです。耳の周辺を通る血流の乱れ・中耳にできる腫瘍・脳膜(脳を包む皮膜)を流れる血管の奇形などが原因と考えられています。

どちらも治療を要する場合はありますが、疲労やストレスが原因で一次的に起こることも少なくありません。耳鳴りを感じたら、まず、しっかり睡眠を取って疲労やストレスの解消を心がけてください。その結果、症状がなくなってしまえば、それほど深刻になる必要はありません。しかし、一晩たっても症状が改善しない場合は、原因となっている病気の早期発見につながることもありますので耳鼻咽喉科で診察を受けてください。

一口に耳鳴りといっても人によって聞こえ方や原因はいろいろあるんですね。
原因を突き止めるにはどうすればいいんですか??
通常、特に治療の必要がない耳鳴りの場合、一晩寝れば症状が治まります。
何日も耳鳴りが続いているようでしたら、病気の可能性も疑って医師の診察を受けてください。

2.耳鳴りの原因となる病気

耳鳴りが継続したり難聴を伴ったりする場合は、なんらかの病気が隠れている可能性もあります。以下に耳鳴りの原因となる主な病気を挙げました。耳鳴りに伴う症状で分類しましたので、思い当たる症状でチェックしてみてください。

2-1.耳鳴りに加え両耳の難聴を伴う病気

2-1-1.老人性難聴

人性難聴とは、加齢に伴い聞こえが悪くなる生理的変化です。音を感じとる蝸牛(かぎゅう 耳の構造図を表示)という器官の感覚細胞や、脳へ音を伝える神経経路などの細胞が年齢とともに減少するため、音を捉えたり情報を処理したりする機能が低下すると考えられています。加齢以外に明らかな原因がないことが特徴です。失われた細胞は再生することがないため、現在のところ老人性難聴の根本的な治療法はありません。

初めは高い音が聞き取りにくい程度であまり自覚症状はありませんが、緩やかに会話音域を経て低音域へと広がっていきます。聴力の低下度合いに左右差はありません。生理的な変化は、生活習慣病や動脈硬化・喫煙・ストレスなどに影響されることが多いため、症状には個人差が大きく見られます。早ければ30歳代で始まりますが、一般的に難聴を自覚するのは60歳前後が多いようです。50歳を超えると、「音は聞こえても何を言っているかわからない。」というように、聞き取り能力の低下を訴える方も出てきます。女性よりも男性のほうが早い時期に症状が現れるようです。

老人性難聴の代表的な症状
耳鳴り・高い音が聞き取りにくい・言葉が聞き取りにくい

2-1-2.騒音性難聴

音性難聴とは、騒音にさらされることによって起こる難聴です。個人差がありますが、長期かつ繰り返し音にさらされるほど発症しやすく進行していきます。音を感じとる蝸牛(耳の構造図を表示)という器官の感覚細胞の損傷が原因です。長時間騒音にさらされることが多い職業の方に生じやすいので、職業性難聴ともいわれます。

最初、耳鳴りを感じるようになり、次第に会話音域の声が聞こえにくくなると難聴を自覚するようになります。難聴は左右両側であることが多く進行性です。感覚細胞には再生能力がないため、一度発症すると聴力の回復は見込めません。なお、一度の大きな音で急激に聴力が落ちる場合は、音響外傷または急性音響性難聴と呼ばれます。

騒音性難聴の代表的な症状
耳鳴り・言葉が聞き取りにくい・左右両側の難聴

2-2.耳鳴りに加え片耳の難聴を伴う病気

2-2-1.突発性難聴

発性難聴とは、名前のとおり突然に発症する難聴です。ウイルス感染や内耳の循環障害(血液の流れが悪くなる)が関与しているとの説が有力ですが、はっきりとした原因は分かっていません。発症は30~50歳代の男性に多いのですが、子どもや高齢者に起こることもあります。

耳鳴りや耳詰まり、時には吐き気・めまいを伴って突然に難聴が起こります。そのため、いつ難聴が起こったのか、何日の何時からとはっきり自覚していることが多いのも特徴です。中には、目覚めたら難聴になっていたということもあります。難聴が軽い場合、症状は耳鳴りや耳詰まりだけのこともありますので、見過ごさないよう注意が必要です。通常、片耳に発症することが多いのですが、まれに両耳同時に起こることもあります。

突発性難聴の代表的な症状
耳鳴り・耳詰まり・吐き気・めまい・難聴

2-2-2.内耳炎

耳炎とは、内耳(耳の構造図を表示)に発生する炎症により平衡感覚や聞こえが傷害される病気です。細菌やウイルスによる感染か、急性中耳炎や髄膜炎が広がって発症する場合があります。中耳炎や髄膜炎になったとしても、すべての人が内耳炎になるわけではありません。

主な症状は、難聴や耳鳴り・耳詰まり・頭痛・めまい・嘔吐などです。内耳には、音を感じ取る器官と平衡感覚を保つ役割をもつ器官があります。炎症によりこれらの器官が障害を受けて機能が低下するためさまざまな症状が現れるのです。ウイルス感染による内耳炎の難聴は回復が難しいといわれています。内耳炎が疑われたらなるべく早く耳鼻咽喉科で診察をしてもらいましょう。

内耳炎の代表的な症状
耳鳴り・難聴・耳詰まり・頭痛・めまい・嘔吐

2-2-3.聴神経腫瘍

神経腫瘍とは、体の平衡感覚をつかさどる神経(前庭神経 耳の構造図を表示)に発生する良性の腫瘍です。遺伝的要素が関与しているのではないかともいわれていますが、真の原因はまだ解明されていません。まれに聴神経腫瘍の特殊例として両側に腫瘍ができることもあります。

初期症状として片耳の難聴や耳鳴りが現れ、めまいや顔面神経麻痺(まひ)・顔面のけいれんなどを伴うこともあります。腫瘍が成長して脳を圧迫するようになると、意識障害や呼吸障害の恐れもありますので注意が必要です。片側の難聴が少しずつ進行していくようでしたら、迷わず耳鼻咽喉科で診察を受けてください。

聴神経腫瘍の代表的な症状
耳鳴り・片耳の難聴・めまい・顔面神経麻痺・顔面のけいれん

2-2-4.外リンパ瘻

リンパ瘻(ろう)とは、内耳(耳の構造図を表示)を満たしているリンパ液が中耳(耳の構造図を表示)に漏れることで、耳鳴りやめまい・難聴などの症状が起こる病気です。中耳と内耳の間にある内耳窓(耳の構造図を表示)というところに、何らかの原因で小さな穴があくことで発症します。頭部外傷の他、力仕事や鼻をかむ・トイレでいきむなどで中耳や内耳の圧力が高まって起こるとされていますが、多くの場合は原因不明です。ダイビングや飛行機の離着陸時のように、急激な気圧変化によって発症することもあります。

難聴や水が流れるような耳鳴り・耳詰まりなどの症状が多く、めまいを伴う場合は患者全体の半数程度です。きっかけとなる原因と同時に発症することもありますが、徐々に悪化していく場合もあります。また、症状の改善・悪化を繰り返す場合も見られるなど、症状の現れ方はさまざまで個人差のあることが特徴です。通常、症状は進行していきます。外リンパ痩が疑われたら、早急に耳鼻咽喉科で受診してください。

外リンパ瘻の症状
耳鳴り・難聴・耳詰まり・めまい

2-2-5.メニエール病

ニエール病とは、内耳(耳の構造図を表示)の異常によりめまいが起こる病気です。内耳を満たしている内リンパが過剰になる内リンパ水腫が原因であることは分かってきました。しかし、なぜ内リンパが過剰になるか完全には解明されていません。地方よりも都市部に、単純労働よりも専門職・管理職に、さらに神経質な人の発症率が高いため、ストレスが影響しているのではないかと考えられています。30~40歳代の男性に多い傾向がありますが、近年、女性の発症も増えてきました。

突然、回転性のめまい(ぐるぐる回る感じ)が起こり、片側に耳鳴りや耳詰まり・難聴を伴うのが特徴です。めまいは、30分から数時間ほど続きしだいに治まります。発作は繰り返し起こりますが、その間隔は一定ではありません。めまいの程度は徐々に軽くなっていくものの、難聴の度合いは進行していきますので注意が必要です。

普通、めまいは長くても数時間でおさまってしまうため、ホッとしてそのままにしてしまいがちです。しかし、めまいの発作はメニエール病とは限りません。他の病気の可能性もありますので耳鼻咽喉科医の診察を受けてください。

メニエール病の代表的な症状
片側の耳鳴り・回転性めまいのめまい・耳詰まり・難聴

2-3.耳鳴りに加え耳の痛みを伴う病気

2-3-1.限局性外耳道炎

局性外耳道炎とは、軟骨に囲まれた耳の穴の入り口付近、限られた場所に発生する外耳道炎です。耳かきなどによる傷、耳に入った不潔な水などがきっかけで発症します。軟骨部は、毛包(毛根を包む細胞)や皮脂腺・汗腺など多くの組織があるため細菌に感染しやすい場所です。感染がこじれると、膿(うみ)がたまり耳の入り口部分が膨れあがる(耳癤-じせつ)こともあります。

激しい痛みが現れます。耳を引っ張ると痛みが強くなることが特徴です。痛みが頭部にまで広がって、頭痛のように感じられることもあります。抗生物質や痛み止めを飲めば1週間程度で改善しますが、化膿(かのう)がひどいときは切開して膿を出します。

限局性外耳道炎の代表的な症状
耳鳴り・激しい痛み・耳の穴付近の腫れ

2-3-2.航空性中耳炎

空性中耳炎とは、気圧の変化を受けて、鼓膜(耳の構造図を表示)の内側と外側の圧力に差が生まれることによって発症する中耳炎です。飛行機の着陸時や高層ビルのエレベーター・トンネルなど、気圧が急激に変化するときに起こります。鼓膜の内側と鼻腔(鼻の奥の空洞)は耳管(耳の構造図を表示)という管でつながっていて、耳管が開閉することで耳の中の圧力が一定に保たれています。ところが、急激に気圧が変化すると、耳管が閉じたままとなり圧力調整がうまくいきません。その結果、鼓膜が内側にへこんで中耳に炎症が起こるのです。

通常は、気圧の変化を受けても耳詰まりや軽い痛みが出る程度で、しばらくすれば治まりますので問題ありません。しかし、鼻の病気(風邪・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・アデノイド肥大・上気道炎)などで耳管の機能が阻害されていると、激しい耳の痛みや耳鳴り・難聴・耳詰まりが現れます。重症になると外リンパ瘻に進んでしまうこともありますので、症状が改善しない場合は耳鼻咽喉科で診察を受けてください。

航空性中耳炎の代表的な症状
耳鳴り・耳詰まり・軽い痛み

2-4.耳鳴りに加え耳だれを伴う病気

2-4-1.慢性中耳炎

性中耳炎とは、鼓膜(耳の構造図を表示)に開いた穴がふさがらなくなることで長期間かつ持続的に膿が出る病気です。通常、急性中耳炎が悪化すると、鼓膜に穴が開いて中の膿を外に出し炎症を治そうとする力が自然に働きます。炎症が治まれば、この穴はふさがるのが普通です。ところが、中耳炎を繰り返したり治りが不十分だったりした場合、穴が開いたままになって細菌が中に入り慢性中耳炎になってしまうのです。外傷によって鼓膜に穴が開くことで慢性中耳炎になることもあります。

主な症状は難聴と耳だれです。鼓膜に開いた穴が小さいうちは軽い難聴で済みます。しかし、穴が大きくなり感染が続くと、耳の中の神経にまで影響が及び強度の難聴や耳鳴りを引き起こすことになりますので注意が必要です。ここまで進行すると聞こえはかなり悪くなります。

慢性中耳炎の代表的な症状
耳鳴り・難聴・耳だれ

2-4-2.真珠腫性中耳炎

珠腫性中耳炎とは、中耳に真珠のような白い塊ができて、さまざまな症状を引き起こす病気です。鼓膜(耳の構造図を表示)や耳の穴の皮膚が中耳に入り込んで増殖して真珠腫と呼ばれる塊ができます。真珠腫と呼ばれるのは、病変が真珠のように白く見えるためです。腫という文字から腫瘍ではないかと思われるかもしれませんが、腫瘍ではありません。鼻をすする癖のある人に発症しやすいといわれています。

初期症状は耳だれですが、進行すると真珠腫が骨を破壊するため、難聴やめまい・耳鳴り・顔面神経麻痺などを引き起こします。一般的な中耳炎よりも重い病気です。そのまま放置すると髄膜炎や脳腫瘍などの頭蓋内合併症に発展し生命に関わる場合もあります。完全に治すためには、手術で真珠腫を摘出する必要がありますので、まずは耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。

真珠腫性中耳炎の代表的な症状
耳鳴り・耳だれ・難聴・めまい・顔面神経麻痺

2-5.耳鳴りに加え耳詰まりを伴う病気

2-5-1.耳垢栓塞

垢栓塞(じこうせんそく)とは、耳あかが固まって耳の穴をふさいでしまうほど大きくなった状態のことです。水泳や洗髪で耳の穴に水が入って耳あかが膨張したときや、耳かきで耳あかを奥に押し込んでしまったときに起こります。自覚しないこともありますが、難聴や耳詰まり・耳鳴りが主な症状です。感染を引き起こして外耳炎・中耳炎の原因になることもあります。

無理に耳あかを取ろうとすると、鼓膜(耳の構造図を表示)や外耳道(耳の構造図を表示)を傷つけ鼓膜裂傷や外耳炎の原因になることもあります。耳あかが取りにくい場合は耳鼻咽喉科で処置してもらいましょう。

耳垢栓塞の代表的な症状
耳鳴り・耳詰まり・難聴

2-5-2.滲出性中耳炎

出(しんしゅつ)性中耳炎とは、炎症によって細胞から染み出た液体(滲出液)が鼓膜(耳の構造図を表示)の奥、中耳腔(耳の構造図を表示)にたまる病気です。鼓膜の内側と鼻腔(鼻の奥の空洞)をつなぐ耳管(耳の構造図を表示)に障害が起こることで発症するのではないかといわれています。通常、滲出液は耳管を通って鼻の奥に流れますが、耳管に障害が起こると浸出液を排出できません。その結果、中耳空に浸出液が溜(た)まってしまうのです。耳管が十分に形成されていない乳幼児や、耳管の働きが衰えた高齢者に多く見られます。

難聴が主な症状です。しかし、乳幼児の場合は訴えることができません。『呼んでも返事がない』『テレビの音が大きい』『話し声が大きい』などの変化があったら難聴が疑われます。軽い難聴でも言語取得に影響することがあるため、早めに耳鼻咽喉科で診察を受ける方がいいでしょう。

大人では、難聴のほかに耳鳴り・耳詰まり・頭が重いなどの症状が見られます。高齢者の場合、加齢のせいだと思い込み放置してしまうことが多いようです。症状が悪化すると、鼓膜が耳の中の壁にくっついてしまう癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎などの病気に進展する可能性もありますので注意してください。

滲出性中耳炎の代表的な症状
耳鳴り・難聴・耳詰まり・頭が重い
こんなにたくさんの病気が耳鳴りの原因になるなんて・・・。
これじゃ、なかなか自分で判断するのは難しいんじゃないですか?!
そうですね。
ある程度の検討はつけることができますが、自己判断は禁物です。
症状が長期化している場合には、病気かどうかをはっきりさせるためにも耳鼻咽喉科に行ったほうがいいでしょう。

3.病気が特定できない場合

耳鳴りは、病気以外にも過度なストレスなど精神的なことが原因となって起こることもあります。これらの場合、病院で検査を受けても異常が見つからないことがほとんどです。このようなケースでは、耳鳴りに加え原因がわからないことによる不安が重なり、さらに状況を深刻化させてしまうこともあります。

かつては、原因の分からない耳鳴りは治療するのが困難だといわれていました。しかし近年では、脳を耳鳴りに慣らして不快感を解消する方法が確立されています。

3-1.治療方法

耳鳴りそのものの完治が困難な場合には、精神的な苦痛や生活上の障害を軽減するための治療が行われます。

まず行われるのが、マスカー療法をはじめとする音響療法です。耳鳴りに近い周波数の音を聴かせて、耳鳴りに意識が集中しないように慣らしていくという方法がとられます。同様の考え方から、好きな音楽を聴く方法も有効です。場合によっては、音響療法に加え医師のカウンセリングによる心理療法を併用(TRT療法)した治療を行うこともあります。

耳鳴りが原因で、眠れない・不安を感じるなどの訴えがある場合には、苦痛や不安を和らげる処置も必要です。状況に応じて、催眠剤や抗うつ剤・抗不安剤の処方やカンセリング・精神分析などが行われます。

医療の進歩によって、治療をしても症状が改善されない場合や、原因不明の耳鳴りに対しても治療が行えるようになってきました。もう治らないと諦めずに、まずは一度耳鼻咽喉科で相談してみてください。

原因がわからない場合や病気の完治が難しい場合の耳鳴りも治療ができるんですね。
耳鳴りそのものが治るわけではありませんが、耳鳴りの不快感は軽減することができます。
もう治らないと諦めずに、まずは一度耳鼻咽喉科で相談してみてください。

4.まとめ

この記事では、耳鳴りを引き起こす病気とその症状、原因が特定できない場合の治療方法などについて紹介しました。
思い当たる症状はありませんでしたか?
耳鳴りが疲労やストレスによる一時的なものなら問題ないのですが、病気の兆候や一症状として現れることもあります。
病気を悪化させないためにも、2日以上耳鳴りが続く場合はすぐに耳鼻咽喉科で受診しましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績