内耳炎の症状や原因とは? 早期治療が後遺症を防ぐ!

内耳炎の症状や原因は? 早期治療が後遺症を防ぐ!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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難聴や耳鳴りなどのほかにめまいや吐き気などがある場合は、内耳炎が疑われます。内耳炎は、放置しておくと日常生活にもさまざまな支障が現れる疾患です。後遺症に悩まされる可能性もあるため、早めに治療をする必要があります。この記事では、内耳炎の症状や原因、全身への影響などについて詳しくご紹介しましょう。

  1. 内耳炎はどんな病気なのか?
  2. 種類別に特徴を紹介
  3. 全身への影響とは?
  4. 治療について
  5. 内耳炎に関するよくある質問

この記事を読むことで、内耳炎について詳しくわかるはずです。ぜひ参考にして早めに対処してください。

1.内耳炎はどんな病気なのか?

まずは、内耳炎についてご紹介しましょう。

1-1.内耳部分に炎症が起こる疾患

内耳炎とは、内耳部分に炎症が起こる疾患のことをいいます。中耳炎と違って、耳とは無関係に見える症状も現れるのが特徴です。少しずつ症状が現れてゆっくりと進行する場合と、急激に強い症状が現れる場合があります。

1-2.音を感じ取り、平衡感覚をつかさどるのが内耳の役割

内耳は耳の最内部にあり、音を感じ取り、平衡感覚をつかさどるのが主な役割です。内耳炎を発症すると、音を察知する蝸牛(かぎゅう)や、平衡感覚をつかさどっている三半規管が影響を受けることになります。そのため、耳の症状のほかに、回転性のめまいや体のふらつきなどの症状が現れるのです。

1-3.後遺症の可能性も

内耳炎の主な症状はめまいや難聴で、治療が遅れると後遺症が残ることもあります。また、めまいは吐き気などを伴うことが多く、平衡感覚を失ってまっすぐ歩くことが困難になるでしょう。

1-4.原因は中耳炎

内耳炎の主な原因は、中耳炎の発症によるものです。中耳炎を治療せずに放置しておくと、内耳骨が破壊され、細菌やウイルスが内耳まで入り込み、内耳炎に発展します。そのため、中耳炎の段階で確実に治療することが大切です。耳の痛みや発熱、耳だれなど中耳炎の症状があるときは、早めに耳鼻科を受診しましょう。

2.種類別に特徴を紹介

内耳炎にはいくつか種類があります。種類別の特徴をご紹介しましょう。

2-1.ウイルス性内耳炎

ウイルス性内耳炎は、インフルエンザやはしか、おたふくなどのウイルスが原因で起こります。高度難聴の症状が出た場合などは、難聴の回復が見込めない場合もあるでしょう。

2-2.髄膜炎性内耳炎

髄膜炎にかかると、蝸牛(かぎゅう)から脳につながっている内耳道を経て、菌やウイルスが内耳に入り込むことがあります。内耳炎の症状に加えて、発熱や頭痛、吐き気、意識障害などが併発することもあるでしょう。

2-3.中耳炎性内耳炎

中耳炎から炎症が広がって起こるのが、中耳炎性内耳炎です。内耳炎の中で最も多いのがこのタイプでしょう。中耳炎が急性か慢性かによって、難聴の回復度が変わるのが特徴です。

内耳炎はさまざまな種類に分けられるのですね。
原因を特定するためにも、早めに耳鼻科を受診してください。

3.全身への影響とは?

内耳炎は耳や全身にさまざまな影響を及ぼします。具体的に見ていきましょう。

3-1.聴力への影響

内耳炎による難聴は内耳の機能異常によって起こるもので、「感音難聴」と呼ばれます。両方の耳に感音難聴が起こると、大きな声で話しかけられても聞こえにくくなるでしょう。どちらか片方の場合も、騒がしい場所などで話を聞き取るのは難しくなります。

3-2.平衡感覚への影響

内耳炎によって内耳の機能に異常が起こると、自分や周囲がぐるぐると回っているようなめまいに襲われるようになります。まっすぐ歩くことが困難になるなど、日常生活に大きな支障をきたすことになるでしょう。

内耳炎になると、普通の生活を送るのが難しくなることもあるのですね。
だからこそ、早めに原因を突き止める必要があります。気になる症状があるときは、すぐに耳鼻科を受診してください。

4.治療について

病院での内耳炎の治療法についてご紹介します。

4-1.治療は主に薬物療法

内耳炎の治療は、主に薬物療法によって行われます。原因となる細菌やウイルスを除去するために、抗生物質や抗菌薬などが使われることになるでしょう。また、内耳の機能回復のために、ビタミン剤やステロイドの投与が行われることもあります。そのほかにも、症状によって頭痛やめまい・吐き気などの症状を和らげる薬が処方される場合もあるでしょう。

4-2.手術が必要になる場合もある

真珠腫性中耳炎など重度な慢性中耳炎が原因になっている場合は、手術が検討されることもあるでしょう。耳小骨が破壊されている場合は人口耳小骨を使って修復し、内耳に穴が開いている場合はふさいで元の状態に近づける必要があります。

4-3.日常生活でも注意が必要

病院での治療を受けると同時に、日常生活でもいくつか注意しなければならない点があるということを覚えておきましょう。特に、めまいやふらつきなどがあるときは、車の運転や機械の操作などをしないようにしてください。高いところに登るときも注意が必要です。その上でしっかりと休息をとり、耳に負担をかけるような騒音は避けるようにして過ごしてください。

病院での治療だけでなく、セルフケアも重要になるのですね。
つらい症状を和らげるために、セルフケアは必要不可欠でしょう。激しい運動を避け、明るい光を見ないようにするなど、気をつけるべき点はたくさんあります。

5.内耳炎に関するよくある質問

「内耳炎について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.ストレスは内耳炎によくないのでしょうか?
A.ストレスは内耳の血流を悪くし、内耳炎の悪化を招きます。ストレスのない生活を送ることを心がけてください。

Q.内耳炎になりやすい人にはどのような特徴がありますか?
A.お酒を飲む人やタバコを吸う人、ストレスをためやすい人、中耳炎を何度も繰り返している人は、リスクが高くなるでしょう。

Q.内耳炎はどのような検査によって診断されますか?
A.聴力検査や平衡機能検査、耳だれの培養検査などによって診断されるのが一般的です。

Q.内耳炎の症状に市販薬は効きますか?
A.諸症状を緩和する市販薬はありますが、内耳炎を治すことは不可能です。根本的な原因を取り除くためには、早めに耳鼻科を受診しましょう。

Q.内耳炎と中耳炎の症状を見分けるポイントは何ですか?
A.症状だけで区別するのは難しいでしょう。基本的に、内耳炎は中耳炎に比べてめまいやふらつきがひどく現れることが多くなっています。

まとめ

いかがでしたか? 内耳炎の症状や治療法などを詳しくご紹介しました。内耳炎は、難聴やひどいめまいなどを引き起こす怖い病気です。治療が遅れると後遺症が残ることもあるため、症状に気づいたらできるだけ早く受診することをおすすめします。ぜひこの記事を参考にして対処してください。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

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論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績