扁桃炎の原因は何? 主な症状と対処・予防法をチェック!

扁桃炎の原因は? 主な症状と対処・予防法をチェック!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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扁桃炎(へんとうえん)とは、ウイルス・細菌が扁桃腺について増殖し炎症を起こしている状態のことです。「喉が赤く腫れている」「喉がイガイガする」「食べ物や飲み物が飲みこみづらい」と感じた場合は、扁桃炎の可能性があります。根本的な原因はウイルス・細菌の感染ですが、免疫力が低下しているときに扁桃炎になりやすい傾向があるのです。扁桃炎を予防・治療するためには、原因や仕組みを知るだけでなく、日々の生活を見直すことも大切でしょう。本記事では、扁桃炎の原因や対処法について解説します。

  1. 扁桃炎はどんな状態?
  2. 扁桃炎の原因は?
  3. 日常生活における原因は?
  4. 扁桃炎の対処方法
  5. 扁桃炎に関するよくある質問

この記事を読むことで、扁桃炎の原因や症状を知り、未然に防ぐためのコツも分かります。予防・治療について知りたい方は、ぜひチェックしてください。

1.扁桃炎はどんな状態?

まずは、扁桃炎の主な症状を説明します。

1-1.どんな状態か?

簡単に説明すると、ウイルス・細菌によって扁桃腺が炎症を起こした状態のことです。口を大きく開けると、舌のつけ根の両サイドに「こぶ」のようなものがあります。この「こぶ」を扁桃腺といい、口から体内に侵入してくるウイルス・細菌から体を守る「免疫」の役割を担う場所なのです。
しかし、喉の乾燥・風邪・疲れ・ストレス・気温の急激な変化などによって、扁桃腺の免疫力が低下し、ウイルス・細菌が付着してしまいます。その結果、扁桃腺が赤く腫れあがってしまうのです。
また、扁桃炎は、「扁桃腺炎」とも呼ばれています。子どもがかかる病気のように思われがちですが、大人でもかかる病気なので注意が必要です。

1-2.主な症状は?

扁桃炎の初期症状としては、喉が赤く腫れる・喉がイガイガする・食べ物や飲み物が飲みこみづらいなどがあります。喉(扁桃)が赤く腫れて、痛みが出るのが特徴です。できれば、初期症状のうちに正しい対処をすべきですが、仕事や家事が忙しくて放置すると、さらに症状が悪化します。唾液を飲みこむことすらつらくなり、関節痛・寒気が出てくることもあるでしょう。

1-3.扁桃炎の種類

扁桃炎は、「急性扁桃炎」と「慢性扁桃炎」の2種類があります。それぞれの特徴について解説しましょう。

1-3-1.急性扁桃炎

急性扁桃炎は、喉の違和感と同時に38~40℃の高熱が出るのが特徴です。発熱と全身の倦怠感(けんたいかん)に続いて、喉とリンパ節の痛みが生じます。急性扁桃炎は、急に症状が現れるため、いつどこで発症するのか予測できません。ウイルス・細菌の侵入が根本的な原因ですが、日々の過ごし方や食生活などで免疫力が低下しているときなど、さまざまな原因が合わさったときに発症しやすい傾向があります。

1-3-2.慢性扁桃炎

扁桃炎をくり返すようになると、慢性扁桃炎へと悪化します。さらに、慢性扁桃炎は「習慣性扁桃炎」「慢性単純性扁桃炎」「扁桃病巣感染症」の3種類があるのです。

  • 習慣性扁桃炎:3歳から発症が始まり6歳ぐらいがピーク。大人よりも子どもに多い。高熱・倦怠感などの症状が現れる
  • 慢性単純性扁桃炎:大人の感染が多い。原因は飲酒・喫煙など。微熱・喉の乾燥・異物感・刺激物を摂(と)るとしみるなどの症状が現れる
  • 扁桃病巣感染症:腎臓・皮膚・関節などの病気を併発しやすい

2.扁桃炎の原因は?

扁桃炎の主な原因は、ウイルスと細菌です。それぞれ、具体的にどんな種類が悪影響をおよぼすのかチェックしておきましょう。

2-1.ウイルス

扁桃炎を起こす主なウイルスは、アデノウイルス・単純ヘルペスウイルス・EBウイルス・エンテロウイルスの4種類です。病院で検査する際は、喉を綿棒でこすり、どのウイルスが付着しているのかという検査を行います。これらのウイルスの中でも、アデノウイルスは高熱・白目の充血、EBウイルスは高熱・首のリンパ節が腫れる症状が現れるでしょう。

2-2.細菌

扁桃炎を起こす細菌といえば、溶連菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌・黄色ブドウ球菌などがあります。細菌の中でも、溶連菌による扁桃炎は、重篤な合併症を起こす可能性があるので注意が必要です。たとえば、体がむくみ尿が出なくなる「急性糸球体腎炎」、腹痛が起こる「アレルギー性紫斑病」、発熱と関節痛が現れる「リウマチ熱」などがあります。また、溶連菌は周囲の人にうつる可能性も高いため、医師の許可が下りるまで外出できません。

3.日常生活における原因は?

扁桃炎の原因は、ウイルス・細菌の感染ですが、健康体であれば未然に防ぐことができます。日常生活の悪影響で免疫力が低下し、感染しやすくなるのです。では、日常生活における原因には一体どのようなものがあるのでしょうか?

3-1.疲れ

間接的な原因といえるのが、「疲れ」です。疲労がたまると、免疫力が低下しやすくなります。体が元気な状態のときは、侵入してくるウイルス・細菌と戦える状態です。しかし、免疫力が低下すると、扁桃腺にウイルスと細菌が付着し増殖しやすくなります。疲れを感じたときは、体を休めて体力をもとに戻すのが1番です。

3-2.口内環境

もともと、口内にはさまざまなウイルスと細菌がひそんでいます。健康体のときは、良い菌の働きが活性化しますが、口内環境が悪化すると悪い菌の活動が積極的になるのです。その結果、口内環境がさらに悪化し、ウイルスと細菌が扁桃腺に付着し増殖しやすくなります。また、扁桃炎になると、口臭がひどくなるでしょう。口内環境も扁桃炎の原因となるため、歯磨きなどで口腔ケアを徹底してください。

3-3.お酒・タバコ

扁桃炎は、お酒をたくさん飲みタバコを吸う人ほど起こりやすいといわれています。なぜなら、アルコールの刺激で炎症しやすく、タバコの煙も扁桃腺への刺激となるからです。頻繁に、飲んだり喫煙したりしている方は、控えるように工夫しましょう。また、喉に違和感がある場合は、飲酒・喫煙をしないようにしてください。

4.扁桃炎の対処方法

「扁桃炎かな?」と思ったときは、どのように対処すればよいのでしょうか。

4-1.セルフケア

一時的な対処法といえば、市販薬の服用です。扁桃炎になりかけの場合は、市販薬で効く可能性があります。たとえば、喉の痛みと腫れを抑えるスプレータイプや、水なしで飲める顆粒(かりゅう)タイプなどです。ただし、あくまで一時的な処置となるため、服用しても症状が治まらない場合は、受診してください。

また、安静にすることも大切です。飲酒・喫煙・激しい運動は避けます。そして、栄養価が高く喉ごしの良い食べ物を摂取しましょう。栄養ゼリー・アイスクリーム・バナナ・麺類・スープ系がおすすめです。そして、食べ物だけでなく、水分も十分に摂取してください。

さらに、口内環境が悪化しているのなら、こまめにうがいをし、喉に繁殖した菌を洗い流すようにしましょう。現在では、気軽に持ち運びができる殺菌・消毒スプレーもあるので、違和感があるときにサッと喉にかけるとよいかもしれませんね。

4-2.日常ケア

扁桃炎を防ぐためには、日々のケアが大切です。主なケアの方法は、「免疫力を高める食生活」「喉の乾燥防止」「規則正しい生活習慣」の3つがあります。それぞれの具体的な方法を解説しましょう。

4-2-1.免疫力を高める食生活

基本的に、1日3食、栄養バランスの良い食事を摂(と)ることが大切です。中でもビタミンCとビタミンEを積極的に摂取しましょう。

ビタミンCは免疫力を高め、ビタミンEは抗炎症作用があります。扁桃炎の初期症状に摂取すると悪化も防ぐことができるのでおすすめです。また、殺菌作用がある「はちみつ」を温かい紅茶に入れて飲むとよいでしょう。保湿効果が抜群なので、乾燥から喉を守る作用も期待できます。

4-2-2.喉の乾燥防止

扁桃炎は、喉の乾燥も大きく関係しているので定期的なうがいを心がけてください。特に、気温差が激しい季節の変わり目や寒い時期は、喉が乾燥しやすくなるでしょう。外出時にはマスクを着用したり、室内で加湿器を使ったりするなど工夫することが大切です。また、こまめに水分を摂取してください。

4-2-3.規則正しい生活習慣

きちんと睡眠を取り、疲労・ストレスのない生活を送っているでしょうか。生活習慣が乱れている方ほど、扁桃炎が発症しやすくなる傾向があります。そのため、規則正しい生活に改善することが大切です。また、適度な運動や気分転換で自律神経を安定させましょう。

4-3.病院へ行くべきケースは?

扁桃炎が悪化して痛みがひどくなったり、市販薬でも治まらなかったりしたときは、病院へ行ってください。扁桃炎は早めに治療を受けることで、2~3日で改善することがほとんどです。病院で適切な治療を受けるのは、慢性化を避けるためにも必要なことといえるでしょう。少しでも異変を感じたときは受診をおすすめします。

5.扁桃炎に関するよくある質問

扁桃炎に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.病院での治療は、どんな内容か?
A.日常生活を規則正しくするための指導とともに、薬物治療が一般的な方法です。喉が腫れたり、扁桃炎が慢性化したりしているときは、きちんと治療を受けなければなりません。薬物治療の場合は、主に以下の抗生物質が処方されます。

  • ペニシリン系:溶連菌による感染症の場合に多く使用される
  • セフェム系:ペニシリンよりも効果が強いため、高齢者など免疫力が低下している場合は副作用の危険がある
  • マクロライド系:ペニシリン系抗生物質でアレルギー反応を起こす場合に使われる

ただし、注意してほしいのが、これら抗生物質の薬はウイルス感染症に効き目がないことです。その場合は、症状を抑えるための対症療法となります。

Q.手術が必要なケースは?
A.扁桃炎をくり返すケースに、「扁桃摘出術」という手術を行うことがあります。扁桃摘出術は、扁桃腺の炎症を起こさないこと、病巣感染を防ぐことが目的です。何度も扁桃炎をくり返すと、関節リウマチ・腎炎などの合併症を引き起こす可能性が高くなるので注意しなければなりません。手術に関しては、検査を受ける病院の医師と相談してください。

Q.慢性扁桃炎を放置するとどうなるのか?
A.扁桃炎が慢性化した状態は、絶対に放置してはいけません。なぜなら、肌荒れ・肩こり・関節炎などの症状だけでなく、腎臓病・心臓病・大腸炎・失明・全身の疾患など、命に関わる病気にもつながるからです。1年間に扁桃炎の症状を2回以上くり返しているのなら、1度病院で検査してもらいましょう。

Q.腫れた扁桃に白っぽいものがついているのは何?
A.口を開けて鏡で見てみると、腫れた扁桃に白っぽいものがついていることがあります。これは、ウイルス・細菌の死骸(しがい)で、「膿栓(のうせん)」とも呼ばれるものです。数が多かったり痛みがある場合は、医師に相談することをおすすめします。

Q.何科を受診すればいいのか?
A.扁桃炎は、口蓋(こうがい)と咽頭(いんとう)の病気に当てはまるため、耳鼻咽喉科を受診してください。川村耳鼻咽喉科クリニックでは、手術実績があり、さまざまな症状に適した治療を行います。電話またはホームページのフォームから相談を受けつけているので、ぜひ1度お問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか? 扁桃炎は、喉の奥にある扁桃腺が赤く腫れあがっている状態です。ウイルスと細菌が付着し増殖しているため、免疫力をあげてウイルスと細菌を体外に出す必要があります。また、疲れ・ストレス・不規則な食生活と生活習慣など間接的な原因も関係しているのです。生活を見直しながら、喉のケアをきちんと行えば、扁桃炎を初期段階で抑えることができるでしょう。また、扁桃炎が悪化している場合は、耳鼻科できちんと診てもらうことが大切です。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

監修者

川村 繁樹
医療法人 川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
医学博士
関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科 特任教授
身体障害者福祉法第15条指定医

耳鼻咽喉科専門医として10年間にわたり大学付属病院の部長を経験し、平成16年に川村耳鼻咽喉科クリニックを開業。親切で丁寧な診察・手術に定評があり、毎月300名以上の新患が来院。

  • 花粉症やアレルギー性鼻炎に対する凝固手術(局所麻酔下・日帰り):約1~2ヶ月
  • 鼻中隔弯曲症と中等以下副鼻腔炎に対する手術(局所麻酔下・日帰り):約10ヶ月
  • 鼻閉に対する鼻中隔弯曲症と下甲介の手術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症アレルギー性鼻炎に対する後鼻神経切断術(局所麻酔下・日帰り):約半年
  • 重症副鼻腔炎に対する手術(全身麻酔・一泊):約5ヶ月

の手術待ち状況となっている。

アレルギー性鼻炎に対する最も効果の高い手術として認識されている『超音波凝固装置による後鼻神経切断術』や、副鼻腔炎に対する新しい術式である『前方からのアプローチによる内視鏡下鼻内手術』を考案し、平成23年の日本鼻科学会『好酸球性副鼻腔炎の診断と評価作成基準の試み』では全国から選ばれた5人の内、唯一開業医として参加。現在も毎年250件以上の手術を行っており、継続的にその成績を学会や論文で報告している。

ドクターズ・ファイル取材記事

論文・著書、シンポジウム・講演・海外発表の実績