耳鼻咽喉科 大阪府大阪市城東区の川村耳鼻咽喉科クリニック

耳鼻咽喉科|最新の機器と手術法で年間250件の実績 川村耳鼻咽喉科クリニック(大阪府大阪市城東区)。CTを完備し、アレルギー性鼻炎、花粉症、副鼻腔炎、蓄膿症、鼻中隔湾曲症の日帰り手術・短期入院手術を行っています。

耳の病気

滲出性中耳炎 滲出性中耳炎の治療

小児の滲出性中耳炎は耳管の機能的、形態的未成熟に関係があり、これが成熟してくる10歳過ぎには自然治癒する傾向があります。だからといって悪い状態を放置しておくと将来手術が必要な真珠腫性中耳炎に移行したり、手術も困難な癒着性中耳炎になる可能性も指摘されています。また、小児期の難聴は生活や学業に支障をきたし耳閉感は精神的にも多大なストレスを与えます。反復しやすいタイプの場合はあまり悪い状態が続かないように気長に治療する必要があります。

1:保存的治療

滲出性中耳炎の原因には風邪などの上気道感染や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などがあります。これらの急性期には細菌を叩く抗生物質や粘液溶解剤などの服薬、貯留した鼻汁を吸引除去する局所処置、細かい霧状の薬を吸入するネブライザー療法などが有効です。 一方上気道炎症の慢性期にはマクロライド系抗生物質を少量で長期間服用する治療が効果的であることが知られています。この系統の抗生物質は少量にすると細菌をに対する作用よりも炎症を起こすサイトカインの産生を抑え粘膜の機能を改善する作用があり、治療効果が高く副作用が起こりにくいとされています。このように滲出性中耳炎の治療にはその原因となっている炎症を抑える薬物療法が重要です。また、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などで鼻が悪いと鼻をすする習慣が付きやすくなります。鼻すすりは中耳に陰圧をかけることになり滲出性中耳炎に悪影響を与えますので坑ヒスタミン剤などで鼻の治療を行い、鼻すすりの習慣をやめる必要があります。中耳の陰圧を解除したり換気を改善する処置として耳管通気療法を行うこともあります。

3:鼓膜切開

鼓膜切開とは鼓膜表面を麻酔し、極小のメスで小さな穴をあけて液体を排出する方法で、難聴を改善させ中耳腔の換気を行う効果があります。薬ではなかなか良くならない時や生活に支障をきたすほどの難聴がある場合には必要となります。鼓膜の麻酔には綿球に麻酔液を浸して鼓膜表面に置く方法や外耳道に麻酔液を注入して微弱電流を流すイオン麻酔法があります。これらの麻酔を行うと切開に伴う痛みほとんどありません。鼓膜切開による穴が後々まで残ることはまずなく、多くの場合は数日から1週間ほどで自然とふさがります。むしろ鼓膜が閉じた後に再び液体が貯まったときなどは何度か切開が必要になることもあります。切開そのものは数回あるいは数十回行っても問題はないと言われていますが小さな子に何度も恐い思いをさせることはなるべく避けたいものです。当院では極力保存的治療を優先していますが難治性の時には必要となることもご了解下さい。

貯留液

3:チュービング

チューブ

何度か切開を行っても滲出性中耳炎が反復するような場合には中耳の換気と貯留液の排泄を目的として 鼓膜にチューブを挿入します。チューブの種類には数ヶ月の短期留置型と1〜2年の長期留置型がありますがいずれも穴の大きさは1mm程度で外径も数mmの小さな物です。方法としては、まず前述の鼓膜切開を行ったあと中耳の滲出液を吸引し、このチューブを挿入します。鼓膜表面の麻酔をしますので痛みはほとんどありませんが顕微鏡を見ながら行う手技ですので動いたりするとできないこともあります。従って小学校低学年までは全身麻酔で行うことが多くなります。多くの医療施設では1〜2泊でチュービングを行いますが当院の場合には岩野耳鼻咽喉科サージセンターにて日帰り手術を行います。挿入したチューブは自然に抜ける場合もありますが抜去は外来で簡単に行えます。

3:アデノイド切除術

アデノイド切除術

小児期には鼻の奥(上咽頭)に扁桃組織の一種であるアデノイドが存在し、病的に大きいと耳管咽頭口を圧迫して滲出性中耳炎の原因となり副鼻腔炎の治癒も遅らせます。アデノイドは7歳前後で最も大きくなり、その後は縮小していきますが滲出性中耳炎に悪影響を及ぼしているときにはチュービングと合わせてアデノイド切除を行います。この時には全身麻酔で1泊入院が必要です。