血管運動性鼻炎とは

【注目】血管運動性鼻炎とは?原因・治療・セルフケアの対策を伝授!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

鼻炎になると鼻水が止まらなくなったり、鼻の下が赤く荒れてしまったりして嫌ですよね。鼻炎にもさまざまな種類がありますが、アレルギー検査をしても陰性なのに鼻水が止まらない・季節の変わり目になると症状が出るなどの場合は、血管運動性鼻炎の可能性があります。そこで、今回は、血管運動性鼻炎について知りたい人のために、詳しく解説しましょう。原因は何かを知り、治療やセルフケアの方法を理解してください。

  1. 血管運動性鼻炎の基礎知識を学ぼう
  2. 血管運動性鼻炎の症状と原因について
  3. 血管運動性鼻炎とそのほかの鼻炎の違い
  4. 血管運動性鼻炎の影響とは?
  5. 血管運動性鼻炎の治療について
  6. 血管運動性鼻炎のセルフケアを学ぼう
  7. 血管運動性鼻炎についてよくある質問

この記事を読むことで、血管運動性鼻炎について詳しい知識が身に付き、効果的な治療を受けることが可能です。原因を除去し、速やかに治療を開始することで不快な症状を軽減できるようになります。一刻も早く適切な対応をするためにも、記事をしっかり読んでみてください。

1.血管運動性鼻炎の基礎知識を学ぼう

最初に、血管運動性鼻炎の基本を学びましょう。定義やメカニズム、なりやすい人や患者数について解説します。

1-1.血管運動性鼻炎の定義

血管運動性鼻炎は、アレルギー性鼻炎ではありません。似たような症状を持ちますが鼻汁の中に好酸球(アレルギー反応によって生じる物質)を認めることができず、判断が付かないからです。実際にアレルギー検査をしても陰性との結果が出ます。しかし、何らかの原因によって鼻粘膜の自律神経が乱れ、アレルギー性鼻炎に似た症状が起こっているのは事実です。

1-2.血管運動性鼻炎のメカニズムを学ぼう

血管運動性鼻炎は、寒暖差が激しい環境を行き来したときに発症しやすいことが特徴です。

そのため、「寒暖差アレルギー」と呼ばれることもあります。たとえば、以下のようなときに発生しやすいものです。

  • 夏に冷房の効いた屋内から暑い屋外に出たとき
  • 冬に暖房の効いた屋内から寒い屋外に出たとき
  • 寝起きにふとんから出たとき
  • 冬に風呂場で衣類を脱いだとき(室温が低い場所で)

寒暖差が激しい場所を移動することで、鼻の粘膜の自律神経が過剰に反応してしまうことで起こります。周囲の環境に慣れると症状が消えるのも、血管運動性鼻炎の特徴です。

1-3.血管運動性鼻炎になりやすい人は?

以下のような人は、血管運動性鼻炎になりやすいので注意しましょう。

  • 冷房・暖房の効いた室内と外部の行き来が激しい
  • 不規則な生活をしている
  • 睡眠不足
  • 大きなストレスを抱えている
  • 飲酒の機会が多い
  • タバコを吸う
  • 強い匂(にお)いの香水を使う
  • 激辛料理を好む

2.血管運動性鼻炎の症状と原因について

血管運動性鼻炎の症状と原因を解説します。効果的な治療を行うためにも、しっかり学んでおきましょう。

2-1.血管運動性鼻炎の主な症状とは

血管運動性鼻炎の症状は、以下のような特徴があります。

  • 主な症状はくしゃみと鼻汁
  • 症状が出るのは一時的
  • 同じ状況でも出るときと出ないときがある
  • 安静にしているときは症状が出ない

2-2.血管運動性鼻炎の併発症状について

併発症状としては、以下のようなものがあります。併発症状が必ず出る人もいれば、まったく出ない人もいるなど、個人差が大きいことが特徴です。

  • 頭痛
  • だるさ
  • 動悸(どうき)
  • 立ちくらみ・めまい

2-3.血管運動性鼻炎の主な原因を解説

血管運動性鼻炎の主な原因は、鼻の中の自律神経の過剰反応です。寒暖差を察知したり刺激物を吸い込んだりすることで、鼻の粘膜が過剰反応し、多くの鼻汁を出します。鼻汁を出すことで鼻の粘膜を防御しようとしているのです。自律神経の過剰反応は、人によって出る条件が異なります。自分がどんなときに反応しやすいのか、記録に付けておくと役に立つでしょう。

3.血管運動性鼻炎とそのほかの鼻炎の違い

血管運動性鼻炎とそのほかの鼻炎について比較してみましょう。主な違いやセルフチェックの方法について解説します。

3-1.血管運動性鼻炎とそのほかの鼻炎との比較

鼻炎の種類ごとに、主な原因を比較してみましょう。

  • 血管運動性鼻炎:周囲の環境の急激な寒暖差・強い臭覚刺激など
  • アレルギー性鼻炎:特定のアレルギー物質に過剰反応
  • 風邪などウイルス性の鼻炎:ウイルスの感染
  • 薬による鼻炎:病気治療薬の副作用による鼻炎

3-2.血管運動性鼻炎とそのほかの鼻炎の主な違い

血管運動性鼻炎は、アレルギー性鼻炎のような特定の原因がありません。ほかの鼻炎とは違い、根本的な原因を特定しづらいのが血管運動性鼻炎なのです。また、常に症状が常に出ているとは限らないため、自己診断が難しいという側面があります。自分ではアレルギー性鼻炎だと思っていても、実は血管運動性鼻炎だったという例も多いものです。

3-3.血管運動性鼻炎かどうかセルフチェックしてみよう

血管運動性鼻炎の疑いがある人は、以下のセルフチェックを試してみてください。多く当てはまる人ほど、疑いが強くなります。

  • 朝起きたときに一時的に症状が出る
  • 温度差が激しい環境に出入りしたときに症状が出る
  • 季節を問わず症状が出る
  • 症状が長引かず数分から数十分で収まる
  • アレルギー検査・ウイルス検査で反応が出ない
  • 病気治療薬を飲んでいない
  • 喫煙・飲酒の習慣がある
  • 寝不足で疲れが取れない
  • 大きなストレスを抱えたままである
  • 食事時間が不規則・偏食気味
  • 不規則な生活を送っている
  • 現在妊娠している

4.血管運動性鼻炎の影響とは?

血管運動性鼻炎の影響を詳しく学びましょう。放置しば場合や、ほかの病気との関連について解説します。

4-1.血管運動性鼻炎の影響

血管運動性鼻炎は、単体で命にかかわる病気ではありません。また、症状が一時的であることも多いため、軽く考える人が多いのも事実です。しかし、放置すると鼻炎が慢性化して常に鼻汁に悩まされることになるでしょう。鼻の粘膜は、体内にウイルスや雑菌が入り込まないようにするバリアの役目を持っています。放置して症状がひどくなれば、ほかの病気になりやすくなるなどさまざまな悪影響が心配です。

4-2.血管運動性鼻炎で考えられるほかの病気

血管運動性鼻炎と似たような症状が出る病気としては、以下のようなものがあります。

  • 風邪(かぜ)
  • アレルギー性鼻炎
  • 副鼻腔炎

いずれも鼻汁・くしゃみなどが代表的な症状です。アレルギーの自覚が無くても、アレルギー性鼻炎の可能性は否定できません。また、副鼻腔炎ということもあります。自己判断はできないので、耳鼻科で検査を受けましょう。

4-3.血管運動性鼻炎と関連する病気や症状

血管運動性鼻炎は、自律神経の過剰反応が根本的な原因です。そのため、同様に自律神経の乱れが原因による不眠やうつなども出やすくなっています。ほかにも、過敏性腸症候群・神経性胃炎・メニエール病など、気になる症状が無いか確認しましょう。血管運動性鼻炎の治療も大切ですが、関連する病気についても気を付けてください。

5.血管運動性鼻炎の治療について

血管運動性鼻炎の治療について、詳しく解説します。検査・診断方法だけでなく、治療方法や気になる入院日数・費用の目安なども学びましょう。

5-1.病院へ行くべき症状とは

以下のような症状があるときは、病院に行きましょう。

  • 鼻炎が慢性化している
  • 鼻炎で日常生活に支障が出ている
  • 頭痛やめまいなどの併発症状がある

たかが鼻炎と侮っていると、症状がひどくなるばかりです。血管運動性鼻炎も早期に治療を開始した方がいいに決まっています。

5-2.血管運動性鼻炎の治療は何科を受診する?

血管運動性鼻炎の治療は、耳鼻科を受診してください。鼻炎の治療に力を入れている耳鼻科であれば、血管運動性鼻炎の診断・治療例が豊富にあります。また、適切な治療を受けることができるものです。なお、当川村耳鼻咽喉科クリニックでも、血管運動性鼻炎など鼻炎治療で高い評価を受けています。不快な症状を一刻も早く解消するためにも、お気軽に来院ください。

5-3.血管運動性鼻炎の検査・診断方法

血管運動性鼻炎の疑いがあるときは、以下の検査を行います。

  • 医師による問診・視診
  • 鼻汁検査
  • 特異的IgE抗体検査
  • 皮膚テスト
  • 鼻粘膜誘発テスト

上記の検査結果を総合的に判断し、血管運動性鼻炎かどうかの判断を下すことになります。

5-4.血管運動性鼻炎の治療方法について

血管運動性鼻炎は、投薬による治療が主になります。基本的には、対症療法で進めるため、まずは投薬治療による効果を見極めることになるのです。投薬治療に向かない(薬アレルギーなど)場合は、最初から手術を選択することもあります。いずれにしても、治療方法にかんしては医師からきちんと説明を受けて納得してから進めていきましょう。

5-5.血管運動性鼻炎の手術・入院日数・費用の目安を知ろう

投薬治療の効果が出ない場合は、医師の判断によって手術を行うことがあります。たとえば、鼻粘膜の一部を固める電気凝固術やレーザーやラジオ波などで粘膜を焼き、再生を試みる手術ですね。また、副交感神経を遮断する後鼻神経切断術を選択することもあります。鼻づまりがひどいときには、鼻粘膜の一部を切り取る鼻粘膜切除術・鼻中隔(びちゅうかく)矯正術なども検討することになるでしょう。レーザーやラジオ波を使った鼻粘膜焼灼術など粘膜部分のみの場合は、日帰り入院も可能です。鼻や鼻骨を切開することになると、1週間程度の入院も覚悟しましょう。なお、費用については病院と手術の内容によって異なります。当川村耳鼻咽喉科クリニックの検査・手術費用ページを目安にしてください。良心的な設定で治療が受けやすいとの評判をいただいています。

5-6.血管運動性鼻炎の投薬について

血管運動性鼻炎の治療薬は、主に以下のようなものです。症状の出方や体質によって、医師が処方します。

  • コルチコステロイド点鼻スプレー:鼻の粘膜の炎症を抑える
  • ヒスタミン点鼻スプレー:ヒスタミンの過剰分泌を抑えてくしゃみをやわらげる
  • 抗コリン点鼻薬:毛細血管の収縮を促して鼻づまりを解消する

5-7.血管運動性鼻炎の治療にかんする注意点

血管運動性鼻炎の治療は、根気強く行うことが大切です。主な治療法や投薬と体質・生活環境の改善となります。治療を開始しても、劇的な効果が出るとは限りません。医師の指導に従って治療を継続してください。なお、自己判断で治療を中止してはいけません。また症状が再発する原因になります。

6.血管運動性鼻炎のセルフケアを学ぼう

血管運動性鼻炎は、セルフケアで緩和します。具体的な方法を詳しく学びましょう。

6-1.血管運動性鼻炎のセルフケア方法

血管運動性鼻炎を緩和するためには、日常生活を見直すことが大切です。食事に気を付け、十分な睡眠を取り、自律神経を整えましょう。

6-1-1.血管運動性鼻炎に効果的な食事

血管運動性鼻炎には、以下のものを多く摂(と)りましょう。

  • 緑黄色野菜・果物:ビタミンが豊富で丈夫な粘膜を作る・免疫力を高める
  • ヨーグルト・納豆:腸内環境を整えて便秘を解消する

なお、香辛料が効いた食べ物や熱過ぎ・冷え過ぎている食べ物は控えてください。症状がひどくなる恐れがあります。

6-1-2.血管運動性鼻炎と運動について

適度な運動は、自律神経を整えます。毎日続けられるよう、体に無理なくできる運動を心がけましょう。たとえば、毎日30分程度のウォーキングがおすすめです。通勤時間を早めて歩いてもいいですし、帰宅時に公共交通機関の利用をやめて、歩くようにしてもいいでしょう。適度な運動は、ストレス解消にも効果的なのでぜひ試してみてください。

6-1-3.そのほかの対処法について

自律神経を整えるためには、たっぷりの睡眠と休息が大切です。夜ふかしを避け、ふとんに入った後はスマートフォンなどを見ずにすぐに眠りましょう。体に合った寝具に交換して、眠りやすい環境に整えてください。また、ストレスを感じている人は、自分なりに解消法を見つけておきましょう。心身ともにリラックスすることで自律神経が整い、血管運動性鼻炎に効果が出るのです。

6-2.血管運動性鼻炎のセルフケアでのNG行為とは?

セルフケアに励むことは重要ですが、やり過ぎて神経質になってもいけません。血管運動性鼻炎は、自律神経の乱れが根本にあるからです。何ごとも、ゆったりと構えている方がうまくいきます。また、セルフケアを続けても改善しないときは、ほかの方法を試してみてください。セルフケアにも、合うものと合わないものがあります。合わないものを続けても、無駄に時間が経過するだけなので気を付けましょう。

7.血管運動性鼻炎についてよくある質問

最後に、血管運動性鼻炎にかんするよくある質問に回答します。気になる症状をスッキリ解消するためにも有益な内容ですから、ひとつずつ確認しておきましょう。

7-1.血管運動性鼻炎とほかの鼻炎が同時に起こることはありますか?

血管運動性鼻炎とアレルギー性鼻炎など、複合して起きることがあります。両方の疑いがある場合は、医師に相談して検査を受けましょう。治療方針は、医師の判断によります。しかし、最も大切なことは患者本人がつらい症状から解放されることです。血管運動性鼻炎とほかの鼻炎が同時発症した場合の治療方針にかんしても、きちんと説明を受けて納得してから進めましょう。

7-2.血管運動性鼻炎がいつ発症するか予測できませんか?

まずは、自分がどんなときに症状が出やすいか思い出してください。寝起きに出やすい人もいれば、外出時に出やすい人もいます。多くの場合は、気温の寒暖差が激しい環境を行き来することで発症するものです。夏に冷房の効いた部屋で冷え過ぎないように上着を羽織って調整したり、冬には暖房を使い過ぎないようにしたりして、外気との寒暖差を小さくしてみましょう。そのほかにも、症状が出そうなときにマスクを着用して鼻の粘膜を守るなど、いろいろと試してみてください。

7-3.妊娠してから血管運動性鼻炎になることはありますか?

妊娠は、女性にとって大きな体調変化です。普段は鼻炎とは無関係な人でも、妊娠を機会に血管運動性鼻炎になる可能性はあります。特にアレルギー体質でもなくウイルス感染の疑いも無いのに、くしゃみや鼻汁で悩むときは、血管運動性鼻炎を疑いましょう。かかりつけ医に相談して、胎児に影響が無い治療方法を進めてください。

7-4.子どもの血管運動性鼻炎の治療で気を付けることは?

子どもは、心身が未発達な状態です。そのため、自分だけでは投薬がうまくできなかったり投薬タイミングを管理できなかったりすることも多いでしょう。保護者がきちんとサポートをして、適切に治療を受けることが必要です。また、子どもは鼻の中をいじるくせがあることが多く、不必要に鼻の粘膜に刺激を与えてしまいます。特に治療中は、鼻をいじらないように言い聞かせてください。

7-5.血管運動性鼻炎は再発しやすいというのは本当ですか?

鼻炎は、再発しやすいものです。血管運動性鼻炎も、ひとたび治療が完了して数年経過すると再発することがあります。しかし、再発するかどうかはわかりません。まずは、現在の治療に専念してください。なお、再発を防止するためには普段からのセルフケアや対策が大切です。血管運動性鼻炎を発症しやすい生活習慣を改め、規則正しい生活を送るようにしてください。

まとめ

今回は、血管運動性鼻炎について詳しく解説しました。原因を突き止め、正しい対応と治療をすることで、つらい症状も必ず改善します。まずは、自分が血管運動性鼻炎であるのかどうか判断するためにも、医師の診断を受けましょう。信頼できる耳鼻科に相談し、適切な治療を受けることが大切です。また、日常生活にも気を配りましょう。血管運動性鼻炎の悩みを解消し、スッキリとした毎日を送ってください。