鼻炎がいびきの原因

鼻炎がいびきの原因になるって本当? 改善方法や治療法はあるの?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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家族からいびきがうるさいと指摘され、悩んでいる。鼻づまりになったらいびきをかくようになった。このような悩みを抱えている方はいませんか? 鼻炎を発症して鼻がつまると、いびきをかきやすくなります。鼻炎が治ればいびきも解消しますが、症状によっては耳鼻咽喉科や耳鼻科で治療をする必要があるのです。

そこで、今回はいびきと鼻炎の関係や、いびきの解消方法をご紹介します。

  1. いびきと鼻炎の基礎知識
  2. いびきの弊害
  3. 鼻炎によるいびきを解消・治療する方法
  4. 鼻炎の手術について
  5. 鼻炎やいびきについてよくある質問

この記事を読めば、いびきを解消するヒントがつかめるかもしれません。鼻づまりやいびきに悩まされている方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

1.いびきと鼻炎の基礎知識

はじめに、いびきや鼻炎のメカニズムや鼻づまりになるといびきをかきやすい理由をご紹介します。いびきと鼻炎には、どのような関係があるのでしょうか?

1-1.いびきのメカニズム

いびきは、気道や鼻腔内を空気が通過する際に出る音です。笛が鳴るのと同じようなメカニズムと考えると、イメージしやすいでしょう。いびきは、何らかの理由で気道や鼻腔内が狭くなることによって発生しやすくなります。口呼吸をする際に出るいびきを口いびき、鼻腔内が狭くなることによって起こるいびきを鼻いびきというのです。

ストレスや飲酒による筋肉のゆるみ・気道に舌が落ちこむ・扁桃腺やアデノイドの肥大・肥満など、口いびきの原因は色々あります。鼻いびきの場合は、鼻炎による鼻づまりが原因のことがほとんどです。いびきをかく人のうち、口いびきは75%、残りの25%が鼻いびきといわれています。

1-2.鼻炎とは?

鼻炎とは鼻粘膜が炎症を起こし、鼻水や鼻づまりなどの症状が出る病気です。細菌やウィルス感染が原因で起こる鼻炎や花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎、鼻の横にある副鼻腔という空洞内が炎症を起こす副鼻腔炎など、いくつもの種類があります。細菌やウィルスに感染したことが原因の鼻炎ならば、2週間もすれば症状が改善するでしょう。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の場合は、耳鼻咽喉科で適切な治療を受けないと症状が改善しにくいのです。

細菌やウィルス感染が原因の鼻炎や副鼻腔炎の場合は、黄色がかって粘り気のある鼻水が出ます。アレルギー性鼻炎の場合は、水のようにサラサラとした鼻水が大量に出るのが特徴です。

1-3.鼻炎といびきの関係

鼻炎になると鼻づまりが起こりやすくなります。すると、鼻腔内が狭くなって鼻いびきをかきやすくなるでしょう。また、鼻の粘膜が炎症によって厚くなり、鼻腔を狭めてしまうこともあります。鼻が完全につまってしまうと口呼吸になるので、余計にいびきをかきやすくなるでしょう。鼻がつまるようになったらいびきを指摘されるようになったという場合は、鼻炎がいびきの原因である可能性が高いのです。

2.いびきの弊害

いびきをかくようになると、一緒に寝ている方の睡眠が妨げられます。たかがいびきくらいと思うかもしれませんが、人によってはかなりの音でいびきをかくこともあるでしょう。

また、いびきは自分の睡眠を妨げる原因にもなります。気道や鼻腔が狭くなるということは、それだけ体内に供給される酸素の量が少なくなるということです。体が酸素不足になれば、熟睡もできません。たっぷり眠っているはずなのに、日中でも眠気が取れない場合は、いびきによって熟睡が妨げられている可能性があります。

気道が完全にふさがってしまうようになれば、睡眠時無呼吸症候群という病気です。この病気を発症すると呼吸ができなくなるため、睡眠中に何度も目覚めることになり、日中に耐えがたい眠気に襲われるようにもなるでしょう。心臓にも過剰な負担がかかり、糖尿病の発症率もあがる恐ろしい病気です。

3.鼻炎によるいびきを解消・治療する方法

この項では、鼻炎によるいびきを解消する方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.市販の薬を利用する方法

鼻腔拡張テープや点鼻薬を寝る前に使用すれば、鼻が通りやすくなります。どちらも薬局で手に入りますので、用法・用量を守って使用しましょう。鼻づまりを解消する効果のある市販の飲み薬を使うのもよいですね。

この他、寝室の湿度を60%以上に上げても、鼻粘膜についたウィルスや花粉などが洗い流されやすくなるため、鼻の通りが良くなります。

3-2.寝具を見直す

枕が高すぎると首が曲がり、気道が狭くなりがちになりです。枕が高すぎる方は、首がまっすぐに伸びるように高さを調節しましょう。また、寝具に使われている綿・羊毛・ソバガラ・羽毛や、寝具の中で繁殖するダニはアレルゲンになりやすく、アレルギー性鼻炎の原因にもなります。防ダニ効果のあるカバーをかけるなど、アレルゲンを吸いこまない工夫をしましょう。アレルゲンが分からない場合は、耳鼻咽喉科やアレルギー科で検査をしてくれます。花粉症の場合は、花粉が飛び交う時期に寝具を外に干さないことも大切です。

3-3.こんな症状の場合は病院へ

  • 水のような鼻水が突然出だし、目のかゆみや涙・くしゃみ・咳などの症状も出る
  • 黄色がかった粘り気のある鼻水が2週間以上続き、改善の兆しがない
  • 子どもが鼻をつまらせた

このような場合は、耳鼻咽喉科や耳鼻科を受診しましょう。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の疑いがあります。また、子どもが鼻づまりを起こすと、いびきをかくだけでなく中耳炎を発症することもあるのです。念のため、耳鼻咽喉科や耳鼻科で耳と鼻の様子を診てもらってください。なお、小児科では鼻づまりを治せませんので注意しましょう。耳鼻科や耳鼻咽喉科では、投薬や鼻の中の洗浄をする治療を行います。

3-4.注意点

市販の点鼻薬は、乱用すると鼻の粘膜が乾燥するドライノーズや点鼻薬性鼻炎を発症する可能性があります。特に、点鼻薬性鼻炎は鼻の粘膜が肥大することもある厄介な病気です。点鼻薬を使うようになってから鼻づまりが悪化したという場合は、至急耳鼻咽喉科を受診してください。

4.鼻炎の手術について

前述したように鼻炎の治療は基本的に投薬ですが、重度のアレルギー性鼻炎や慢性化した副鼻腔炎、鼻炎が原因で鼻茸という良性のポリープができた場合などは、手術をすすめられることがあります。鼻炎の手術には、

  • 粘膜下下鼻甲介切除術(ねんまくかかびこうかいせつじょじゅつ)
  • 後鼻神経切断術(こうびしんけいせつじょじゅつ)
  • 副鼻腔手術
  • 鼻中隔矯正術(びちゅかくきょうせいじゅつ)
  • 鼻茸の切除

などの種類があります。これらの手術は内視鏡を使って行う内視鏡下手術で行われることが一般的で、手術跡も目立ちません。ただし、重症の場合はメスを使った手術が行われることもありますので、医師の説明をよく聞いてください。手術自体は30分~1時間で終わり、日帰りで行えるものもあります。入院する場合は1泊2日~2泊3日が一般的です。健康保険が適用になりますので、費用は数万円程度になります。

これらの手術は、個人病院でも総合病院でも行われていますので、かかりつけ医がある場合はまずは相談してみましょう。手術を行っていない耳鼻咽喉科をかかりつけ医にしている場合は、紹介状を書いてくれます。一から病院を探す場合は、ホームページを参考にしてもよいでしょう。耳鼻咽喉科・耳鼻科のホームページには、行っている手術について詳しく記載されていることも多いのです。

5.鼻炎やいびきについてよくある質問

Q.鼻炎になると必ずいびきをかくようになりますか?
A.必ずとは限りません。また、男性のほうがホルモンの関係でいびきをかきやすいでしょう。

Q.鼻炎の手術は、どのような時にすすめられるのですか?
A 再発をくり返す場合や、重度の花粉症になった場合にすすめられることがあります。

Q.子どもがアデノイド肥大と診断されました。やはりいびきをかくようになるのでしょうか?
A.可能性はあります。また、アデノイド肥大になると鼻詰まりや中耳炎を発症しやすくなりますので、手術をすすめられることもあるでしょう。

Q.人暮らしですので、自分がいびきをかいているかどうか分かりません。
A.いびきを感知して録音をするスマートフォン用のアプリもあります。レコーダーを利用してもいいですね。

Q.口いびきと鼻いびきはどうやって見分けたらよいでしょうか?
A.寝ている時に口を開けていれば、口いびきをかいています。家族がいる場合は、寝ている様子を観察してもらいましょう。

6.おわりに

いかがでしたか。今回は、鼻炎が原因でおこるいびきの症状や治療方法をご紹介しました。いびきは自分ではなかなか気がつきにくいものです。朝起きた時に、口の中が乾燥していたり眠りが浅い日が続いたりする場合は、いびきをかいているかもしれないと考えましょう。また、鼻炎が2週間以上続き、症状も改善しない場合は一度耳鼻科や耳鼻咽喉科を受診してください。