寝起きの頭痛

寝起きの頭痛は何が原因? 朝の頭痛は睡眠時無呼吸症候群?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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「寝起きに頭痛が起きてつらい」「寝起きの頭痛の原因がわからない」など、朝の頭痛で悩んでいる方は多いでしょう。1日の始まりとなる朝に頭が痛くなると、気持ちが下がってしまいますよね。仕事や学校に行く気力も失(う)せてしまい、生活にも支障が出てしまうでしょう。寝起きの頭痛には何かしらの原因があるものです。頭痛を治すためにも原因を突き止める必要があります。そこで、本記事では、寝起きに起こる頭痛の原因やセルフチェック・睡眠時無呼吸症候群との関係・頭痛の対策法・治療法などについて詳しく見ていきましょう。

  1. 寝起きに起こる頭痛について
  2. 寝起きに起こる頭痛のセルフチェック
  3. 寝起きに起こる頭痛と睡眠時無呼吸症候群
  4. 寝起きに起こる頭痛の対処法
  5. 寝起きに起こる頭痛の治療法
  6. 寝起きの頭痛にかんしてよくある質問

この記事を読むことで、寝起きに起こる頭痛を治すために必要な情報とポイントを知ることができます。悩んでいる方・頭痛を治したい方はぜひ参考にしてください。

1.寝起きに起こる頭痛について

なぜ寝起きに頭痛が起きるのか、改善するためには原因を把握することが大切です。頭痛の基礎知識を踏まえつつ、原因について詳しく説明します。

1-1.頭痛とは

頭痛はありふれた症状の1つで、日本人の3~4人に1人が頭痛持ちだといわれています。そのうちのおよそ2,200万人が緊張型頭痛、840万人が片頭痛、1万人が群発頭痛です。頭痛のメカニズムは痛む部位に関係しています。頭部で痛みを感じる場所は、骨膜・太い血管・硬膜・頭皮・脳神経・脳をおおう筋肉・上部頸髄(けいずい)神経が代表的です。それらの場所にある組織が圧迫される・引っ張られる・炎症を起こすなどの異常で頭痛が起きます。

1-2.寝起きに起こる頭痛の原因

寝起きに起こる頭痛は一体何が原因なのでしょうか。朝に起きる理由と三大原因について詳しく説明します。

1-2-1.なぜ朝に起きるのか

寝ている間に私たちはたくさんの汗をかきます。個人差はありますが、ほとんどの人がコップ一杯分の水分を放出しているのです。よって、寝起きは体に水が足りていない状態といえます。水分不足から体温調節がうまくできず、頭痛が誘発されるのです。また、寝ている間にもエネルギーを消費しているため、寝起きの栄養状態・体の状態のバランスが崩れる結果、頭痛につながるともいわれています。

1-2-2.片頭痛

寝起きに起きる頭痛には、片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛の三大原因が関係しています。片頭痛は頭の片側にだけ脈打つような痛みが起き、吐き気などの症状を伴うのが特徴です。低血圧の女性に多く見られる頭痛でもあり、さまざまな原因があります。たとえば、アレルギー反応・ストレス・睡眠不足・喫煙・月経周期の変動・更年期障害などです。

1-2-3.緊張性頭痛

頭痛の種類の中でも患者数が最も多いのが、緊張性頭痛です。緊張性頭痛は首・後頭部・目・体のそのほかの筋肉に痛みが広がります。ほぼ毎日頭痛に悩まされ、寝ている間に痛みで目が覚めることもあるのです。また、肩こりを伴いやすい特徴を持っています。原因は睡眠不足・ストレス・不規則な生活習慣・目の疲れ・脱水・空腹などさまざまです。

1-2-4.群発頭痛

群発頭痛は三大原因の中でも、最も強烈な痛みを感じる頭痛です。一定期間に激しい頭痛が起こり、1日に何回もくり返す特徴があります。また、頭痛は決まった片側に出現することが多く、1か月~数か月続く場合もあるのです。涙や鼻水が出る・鼻づまり・眼瞼(がんけん)下垂などの症状を併発する可能性があります。群発頭痛の原因は明らかになっていませんが、頭部の血管の拡張・炎症が主な原因です。目の後ろを通っている血管の拡張・炎症によって、目の奥が痛みます。

1-2-5.そのほか

三大原因のほかにも、睡眠時無呼吸症候群・鼻炎・歯ぎしり・蓄膿症などの場合も考えられます。鼻・口・目などの血管や筋肉は頭部とつながっているため、それぞれの組織が炎症を起こすと頭痛を誘発させてしまうというわけです。睡眠時無呼吸症候群については、【3.寝起きに起こる頭痛と睡眠時無呼吸症候群】で詳しく説明します。

1-3.起こりやすい人

過剰なストレスや不規則な生活習慣が寝起きの頭痛と深く関係しています。不規則な生活を送っている人ほど、寝起きの頭痛が起こりやすいといえるでしょう。特に、ストレスは三大原因の頭痛すべてに関係しています。日々の生活でストレスを感じやすい人は気をつけたほうがいいでしょう。近年、ストレスによる頭痛で悩まされている人は増えているのです。

2.寝起きに起こる頭痛のセルフチェック

寝起きに起こる頭痛は一体何が原因なのか、自分で調べる方法を紹介します。

2-1.チェック項目

片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛のどれに当てはまるのか、以下の項目で当てはまる数をA・B・Cとそれぞれ出してみてください。

●チェック項目A

  • 月に数回、頭痛をくり返す。持続時間は数時間から長くても3日
  • 頭痛がひどくなると、ズキンズキンと脈打つように痛くなる
  • 頭の片側、あるいは両側が痛む
  • 家事や仕事をするのがつらく、できれば寝ていたい
  • できれば動かずにじっとしていたい
  • 吐き気を伴うことがある。光や音に敏感
  • 頭痛が起こる前に肩や首がこる
  • 頭痛が起きたときはじっとして、痛みが治まるのを待つ

●チェック項目B

  • 同じような痛みがほぼ毎日起こる
  • 締めつけられるように重く痛む
  • 頭全体、もしくは後頭部や首筋が痛む
  • 家事や仕事は何とかできる
  • 動くと痛みが軽くなることがある
  • めまいや肩・首のこりを伴う
  • 頭痛のときはいつも肩や首がこる
  • 頭痛が起きたときはマッサージやストレッチをすると和らぐ

●チェック項目C

  • 1か月~2か月間、決まった時間に頭痛が起きる。痛みの持続は1~2時間程度
  • えぐられるように激しく痛む
  • 片方の目の奥が痛む
  • 激痛のためじっとしていられない
  • 目の充血や涙・鼻水を伴う
  • 頭痛が起こる同じ側の肩がこる

当てはまる項目がAに多かった方は片頭痛、Bは緊張性頭痛、Cは偶発頭痛の可能性があります。

2-2.注意点

セルフチェックは自己判断のため、正確な原因が知りたい方は病院できちんと検査してください。病院できちんと判断してもらったほうが、安心して適切な治療を受けることができます。

3.寝起きに起こる頭痛と睡眠時無呼吸症候群

寝起きに起こる頭痛は、三大原因以外にも原因があります。それが、睡眠無呼吸症候群です。睡眠時無呼吸症候群とは一体どんな病気なのか、詳しく見ていきましょう。

3-1.睡眠時無呼吸症候群とは

医学的には気道の空気の流れが止まった状態が10秒以上続くと、無呼吸と判断されます。普段、私たちは寝ている間にも呼吸を行い、体の中に酸素を取り込んでいる状態です。しかし、無呼吸の状態が7時間睡眠の中に3回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば「睡眠時無呼吸」とみなされます。睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に起きていることなので、なかなか自分では判断がしにくい症状でもあるのです。

3-2.頭痛との関係

起床時の頭痛は睡眠時無呼吸症候群の症状の1つです。睡眠時間が少なかったときに、寝起きの頭痛が起きるという方は多いでしょう。これは、脳が十分に休めなかった証拠です。無呼吸状態が続くほど、脳が必要な酸素を得られなくなり、同じ状況になってしまいます。その結果、起床時の頭痛が現れるのです。

4.寝起きに起こる頭痛の対処法

寝起きに頭痛が起きた場合、すぐにできる対処法があります。対策法やNG行為などについて詳しく見ていきましょう。

4-1.対策法とは

原因が片頭痛の場合は痛むところを冷やして暗い部屋で安静にしてください。光や音に過剰に反応する恐れがあるため、できるだけ静かな環境の中で過ごすことが望ましいです。また、血管の収縮効果があるカフェインを摂取して拡張を抑えるのもいいでしょう。緊張性頭痛の場合は、温かいお風呂につかり、首や肩の血液の流れを活性化させてください。体を温めることで症状がよくなる方は多いのです。また、仕事中は適度に休憩をとる・ストレスを解消するなど、リラックスできる空間を心がけましょう。そして、偶発頭痛の場合は、激しい痛みが起きるため、自分で対処するには難しいところがあります。自覚症状があればすぐに病院を受診してください。

4-2.薬について

市販の頭痛薬で痛みを抑える方法もあるでしょう。しかし、頭痛薬は一時的な対処法であり、根本的に改善できるとは限りません。また、強い薬であればあるほど、体が慣れてしまい、効き目がなくなる恐れがあります。さらに、逆に刺激が強すぎて頭痛が悪化するというケースもあるのです。そのため、原因がはっきりしていないのに頭痛が起きるたびに市販の薬を服用するのは控えたほうがいいでしょう。

4-3.NG行為

激しい運動をする・刺激物を食べる・光や音のある場所で過ごすなどの行為はNGです。頭痛の種類によっては、逆に頭痛が悪化するケースもあります。また、頭痛が悪化すると、めまいや吐き気を伴い、上手に立って歩くことができなくなる可能性もあるのです。できるだけ、安静に過ごすことが1番の対策になります。

4-4.注意点

あまりにも頭痛が激しく、立っていられないという状態であれば、すぐに病院へ行きましょう。また、寝起きの頭痛が毎日続くようであれば専門家に診てもらったほうが賢明です。「それほど心配することじゃないからいいや」と放置していては、症状が悪化してしまいます。クモ膜下出血や脳出血・脳腫瘍・髄膜炎という病気の可能性もあるため、病院で正しい処置を受けましょう。

5.寝起きに起こる頭痛の治療法

受診すべき症状・病院選びのポイント・治療法など、寝起きに起こる頭痛の治療について詳しく説明します。

5-1.受診すべき症状

頭痛の中には、緊急に集中治療を受けなければ死に至る疾患の可能性もあります。そこで、受診すべき症状を以下にまとめてみました。

  • 激しい頭痛が起きて我慢できない
  • 高齢者や5歳児で初めて発する頭痛
  • 寝起きの頭痛が長く続いている
  • 特定の時間や行動のときに頭痛が起きる
  • 明るいものを見ると頭痛がひどくなる
  • 発熱・発疹(ほっしん)・痙攣(けいれん)など全身症状を伴う

5-2.病院選びのポイント

適切な治療ができるかどうかは、病院選びにかかっています。多数存在する病院の中から、一体どこを選べばいいのでしょうか。病院選びのポイントを以下にまとめましたのでぜひチェックしてください。

  • 頭痛の症状や原因について丁寧に説明してくれるか
  • 親身になって相談にのってくれるか
  • 睡眠時無呼吸症候群などあらゆる原因を考慮するか
  • 検査・手術費用が明確になっているか
  • 専門的な技術と豊富な経験を有しているか

5-3.治療法について

頭痛の治療は、食事療法や生活習慣改善・薬物療法が一般的です。日々ストレスを溜(た)め込まない生活を送る・栄養バランスの整った食事をする・規則正しい生活を送るなど医師の指導を受けながら改善していきます。また、睡眠時無呼吸症候群の場合は、マウスピースやレーザー手術などで治療することになるでしょう。人によって原因も異なるため、きちんと検査をしなければなりません。

5-4.薬物療法

病院から処方される薬は頭痛の種類・症状によって異なります。たとえば、片頭痛の場合はトリプタン系薬剤・NSAIDs・エルゴタミン/カフェイン製剤などが代表的です。緊張性頭痛はNSAIDs・解熱鎮痛薬・抗炎症薬・抗不安薬、群発頭痛はベラパミル・純酸素吸入法による治療・トリプタン系製剤の注射になります。薬物療法の際は医師や薬剤師からきちんと薬の説明を受け、正しく服用することが大切です。

5-5.手術について

命にかかわる疾患による頭痛の場合は、その疾患に適した手術が必要です。脳に腫瘍がある場合はすぐに取りのぞかなければなりません。また、睡眠時無呼吸の場合も鼻の形態異常に対する手術や扁桃摘出術があります。原因によって手術内容も異なることを覚えておいてください。「川村耳鼻咽喉科クリニック」では、睡眠時無呼吸に対する治療を行っています。気になる方は1度相談してみてはいかがでしょうか。

6.寝起きの頭痛にかんしてよくある質問

寝起きの頭痛にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。

6-1.何科を受診すればいいのか?

内科、または耳鼻咽喉科を受診してください。内科を受診しても原因がわからない場合は自律神経失調症の可能性があります。その場合は心療内科の受診をすすめられるでしょう。鼻やのどにかんする症状がひどい場合は耳鼻咽喉科でも構いません。

6-2.頭痛以外に見られる、睡眠時無呼吸症候群の症状とは?

起床時、頭痛のほかにも口の渇き・熟睡感がない・スッキリ起きられない・体が重いと感じる傾向があれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。ほかにも、睡眠時のいびきや寝汗・何度も目が覚める症状も同じです。

6-3.薬物療法に副作用はあるのか?

体質や症状と合っていない薬を服用したとき、病院から処方されたものであっても副作用が起きます。頭痛がひどくなる・吐き気やめまいが起きるなどの副作用が現れた場合は、すぐに服用をやめて担当の医師に相談しましょう。

6-4.寝起きの頭痛が悪化する習慣とは?

寝る前にスマートフォンやパソコンなどの強い光を目にしていませんか? 強い光は脳に刺激を与えるため、半分起きたような状態になってしまいます。その結果、熟睡できずに寝不足状態のまま朝を迎えることになるのです。また、寝る前のアルコールや食事もNG習慣となるので気をつけてください。寝る前は体をリラックス状態に導くことが大切です。

6-5.予防策が知りたい

何よりも日ごろの生活習慣を正すことに意識してください。特に、ストレスフリーの生活を心がけましょう。過剰なストレスを感じたときは、大好きな音楽を聴く・アロマオイルを焚(た)く・ストレッチをするなどして心身をリラックスさせることが大切です。

まとめ

いかがでしたか? 寝起きの頭痛の原因は、片頭痛・緊張性頭痛・偶発頭痛という三大原因が挙げられます。起きている症状や痛みのある場所を確認しながら、何が原因なのか突き止めてください。中には、睡眠時無呼吸症候群や脳梗塞などの疾患が原因の可能性もあります。自分でわからない場合は、病院できちんと検査してもらいましょう。原因がはっきりとわかれば、適切な治療を受けることができます。また、日々の生活習慣やストレスも関係しているため、規則正しい生活習慣を送るように意識していきましょう。事前に、寝起きの頭痛の知識を身につけておけば、症状を和らげることができますよ。