鼓膜穿孔とはどんな状態

鼓膜に穴があく鼓膜穿孔とはどんな状態?効果的な治療方法は?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
ドクターズ・ファイル取材記事
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鼓膜穿孔(こまくせんこう)とは、文字どおり鼓膜に穴があいてしまった状態のことです。鼓膜に穴があくこと自体は、それほど珍しいことではありません。中耳炎などの病気が原因でもあくことがあります。通常、あいた穴は自然にふさがりますが、穴が大きかったり、何度もくり返しあいてしまったりすると、塞がらなくなることもあるでしょう。この場合は、治療が必要です。

そこで、今回は鼓膜穿孔の原因や治療方法をご紹介します。

  1. 鼓膜穿孔の基礎知識
  2. 鼓膜穿孔のセルフチェック
  3. 鼓膜穿孔の治療方法
  4. 鼓膜穿孔に関するよくある質問

この記事を読めば、鼓膜穿孔の予防方法も分かるでしょう。子どもが中耳炎をよく発症するという方や、耳だれがよく出るので悩んでいるという方も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.鼓膜穿孔の基礎知識

はじめに、鼓膜穿孔(こまくせんこう)とはどのような状態かということや、鼓膜穿孔を放置しておく弊害をご紹介します。鼓膜に穴があいていて、聴力に影響はないのでしょうか?

1-1.鼓膜穿孔とは?

鼓膜穿孔とは、前述したとおり鼓膜に穴があいている状態のことです。鼓膜は外耳と中耳を隔てる膜のようなもので、音を振動に変化させて小耳という器官に伝える役割を担っています。鼓膜が破れると耳が聴こえなくなるというイメージがありますが、鼓膜が大きく破損しない限り、音が聴こえなくなるということはありません。

また、鼓膜は外傷や中耳炎等の病気で穴があくこともよくあります。中耳炎になると中耳の中に膿が溜まることがあり、その膿が鼓膜を突き破ることがあるのです。また、膿を出すためにわざと医師が鼓膜を切開することもあるでしょう。

外傷の場合は、耳掃除をしていて鼓膜を傷つけてしまったり、平手打ちの衝撃などで破れたりすることがあります。

どちらの場合も時間が経てば穴は自然と塞がるでしょう。しかし、何度も鼓膜が破れてしまうと穴が塞がらなくなることもあるのです。

1-2.鼓膜に穴があきっぱなしだとどうなるの?

鼓膜に穴があきっぱなしになると、聴力の低下や炎症が起こります。前述したように、鼓膜は音を振動に変える器官です。そこに穴が開いてしまえば、音が振動に変換されにくくなってしまいます。完全に聴こえなくなるわけではなく、音が遠くに聴こえたりくぐもって聴こえたりすることが多いでしょう。

また、鼓膜に穴が開いていると雑菌が中耳へ入り込みやすくなります。中耳の炎症とは、すなわち中耳炎のことです。鼓膜に穴があきっぱなしになると、中耳に発生した膿が耳だれとなって流れ出ます。不快なのはもちろんのこと、炎症をくり返すことで聴力が低下することもあるでしょう。

1-3.鼓膜穿孔は気づかないことも多い?

鼓膜に穴があくなんて大変だと思われるでしょうが、実は、鼓膜穿孔に気づかない方も多いのです。特に、中耳炎で鼓膜に穴があく場合は、溜まっていた膿が流れ出すことで一時的に痛みが軽減する場合もあるでしょう。特に、子どもの場合は膿が流れることで機嫌がよくなることもあるので、親が中耳炎だと気づかないこともあります。

とはいえ、鼓膜穿孔を放っておくと最悪の場合、髄膜炎などを発症することもあるので、耳鼻咽喉科を受診してしかるべき治療を受けましょう。