インフルエンザの初期症状は? 風邪との違いや対処法を紹介します。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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毎年冬になると流行するのが、風邪とインフルエンザです。この2つの病気には、咳・熱・鼻水・喉の痛みといった共通の症状もあります。しかし、インフルエンザは重症化すると脳症などの合併症を起こす可能性があり、命が危なくなることもあるのです。

そこで、今回はインフルエンザの初期症状や対処法・予防方法などをご紹介しましょう。

  1. インフルエンザの基礎知識
  2. インフルエンザの初期症状
  3. インフルエンザになったら
  4. インフルエンザの予防方法
  5. インフルエンザを予防したい方のよくある質問

インフルエンザの対処法や予防法を知っていれば、いざという時に役に立ちます。インフルエンザについて知識を深めたい方やインフルエンザの初期症状について知りたい方はぜひこの記事を読んでみてください。

1.インフルエンザの基礎知識

はじめに、インフルエンザの基礎知識をご紹介します。通常の風邪と何がちがうのでしょうか?

1-1.インフルエンザとはどんな病気?

インフルエンザは、インフルエンザウィルスに感染することによって発症します。高熱や咳・鼻水・腹痛・関節痛などが代表的な症状です。通常の風邪は複数の細菌やウィルス感染によって発症しますが、インフルエンザはインフルエンザウィルスに感染した時だけ発症します。ですから、ワクチンの接種による予防ができるのです。

1-2.インフルエンザ感染のメカニズム

インフルエンザは、インフルエンザに感染した人の唾液や鼻水に触れることによって感染します。インフルエンザに感染した人が、くしゃみや咳をするたびに、無数のインフルエンザウィルスが周囲にまき散らされるのです。そのため、学校や職場など大勢の人が一か所に集まって長時間過ごす場所で感染が拡大しやすい傾向にあります。

1-3.インフルエンザの種類

インフルエンザには、A型・B型・C型の3種類があります。時折話題になる新型インフルエンザは、A型インフルエンザの一種です。

この3種類のうちA型は最も感染力が強く、広い地域で流行します。B型は特定の地域で流行することはありますが、広範囲に流行することはあまりありません。C型はほとんど普通の風邪と変わらないため、感染しても気づかないケースがたくさんあります。

1-4.インフルエンザが冬に流行する理由

インフルエンザウィルスは、乾燥して冷たい場所を好みます。ですから、冬季に感染が起こりやすいのです。しかし、その他の季節にまったくインフルエンザが発症しないというわけではありません。条件がそろえば、春や夏もインフルエンザは発症します。

1-5.インフルエンザに感染しやすい人

インフルエンザは感染症ですから、免疫力が低下していたり抵抗力が弱っていたりする人が感染しやすい傾向にあります。赤ちゃんや幼児・高齢者・疲労がたまっている人・大病をして療養中の方は要注意です。また、気管支ぜん息などの持病がある方も感染しやすいでしょう。

インフルエンザは毎年約1千万人が発症し、そのうち合併症による死亡者も含めると多い年には約1万人が死亡しています。死亡率に直せば0.05%ですが、命の危険がある恐ろしい病気には変わりありません。

2.インフルエンザの初期症状

この項では、インフルエンザの初期症状についてご説明します。どのような特徴があるのでしょうか?

2-1.インフルエンザの感染から発病まで

インフルエンザウィルスに感染すると、1~3日間の潜伏期間を経て発症します。ですから、自覚症状がなくてもインフルエンザウィルスのキャリア(保菌者)になっている方は珍しくありません。特に、不特定多数の方が集まる場所に行く機会が多い人はキャリアになりやすいでしょう。

2-2.インフルンザの初期症状

インフルエンザA型を発症すると、いきなり38度以上の高熱が出る他、頭痛・吐き気・関節痛・咳・倦怠感などの症状が出ます。朝起きたら高熱が出ていたというケースも多いのです。インフルエンザB型に感染した場合はそれほど熱は上がりませんが、その他の症状はA型と同じように現れます。

2-3.普通の風邪との違い

一般的な風邪は、症状の出方がゆるやかです。鼻水や咳が出るようになったなと思ったら、熱が出てきたというケースも多いでしょう。また、熱はそれほど高く上がりません。37度台が多いでしょう。インフルエンザの場合は、前述した症状が一度に現れることもあります。

2-4.インフルエンザを放置する危険性

インフルエンザは、1週間もすれば完治します。しかし、適切な治療を受けないと脳症・気管支炎・肺炎・心不全といった合併症を引き起こし、命を失う危険もあるのです。特に、子どもがインフルエンザ脳症を発症すると、深刻な後遺症が残ることもあります。

3.インフルエンザになったら

この項では、インフルエンザになった場合の対処法をご紹介しましょう。ぜひ参考にしてくださいね。

3-1.すぐに病院を受診する

インフルエンザの治療薬は、発症後48時間以内に使わないと真価を発揮できません。ですから、高熱・咳・喉の痛み・鼻水といったインフルエンザの可能性がある症状が出たら、すぐに病院へ行きましょう。内科・小児科・耳鼻咽喉科など、インフルエンザの症状に対応している診療科すべてで、インフルエンザの治療ができます。

休日にインフルエンザが疑われる症状が出た場合は、救急外来を利用しましょう。地域名・救急外来で検索すれば、最寄りの救急外来がすぐに分かります。

3-2.インフルエンザだと診断された場合は?

インフルエンザの検査は鼻水を採取して行い、30分ほどですぐに結果が出ます。インフルエンザと診断されたら、処方された薬を服用して安静に過ごしましょう。家族と生活している方は、マスクをつけると鼻水や咳に混じってウィルスが飛び散るのを防げます。インフルエンザの治療薬は飲み薬や吸入薬が一般的です。用法と用量を守って使用してください。

リレンザやイナビルは吸入薬ですから、きちんと吸入しなくては効果がありません。小さい子どもの場合はうまく吸入できないこともあるので、親がサポートしてあげましょう。

食欲が出ない場合は無理に食事を取らなくても大丈夫ですが、水分だけは忘れずに補給してください。スポーツドリンクを飲むとカロリーと水分を同時に補給できます。

3-3.インフルエンザの治療費など

インフルエンザの治療は健康保険が適用されます。検査料・診察料・薬代合わせても1万円以内ですむでしょう。

3-4.看病する人の注意点

インフルエンザは感染症ですので、看病している方に感染する可能性もあります。ですから、患者も看護する方もマスクをして、看病をしたら手を洗ってうがいをしましょう。より確実に予防するには、リレンザやイナビルといったインフルエンザの治療薬を予防薬として使う方法があります。詳しくは医師に相談してください。

また、子どもや高齢者がインフルエンザを発症した場合は、万が一に備えて救急外来がある病院を調べておいてもいいですね。

3-5.熱が下がっても油断しない

リレンザなどの治療薬を使うと、早ければ2~3日で熱が下がります。しかし、ここで無理をすると肺炎や気管支炎などを併発しやすくなるのです。最低でも1週間は無理をせずに安静にしていましょう。

インフルエンザにかかると「完治証明書」の提出を求める学校や職場も増えてきています。完治証明書は病院で無料・もしくは数百円で発行してくれるので、発病してから1週間程度たったらもう一度病院を受診してください。

4.インフルエンザの予防方法

この項では、インフルエンザの予防方法をご紹介します。実践できるものはぜひ実践してみてください。

4-1.うがい・手洗いを徹底する

外から帰ってきたら、うがいと手洗いを徹底しましょう。手や喉についたインフルエンザウィルスを落とす効果が期待できます。

4-2.部屋の湿度を一定に保ち、マスクをする

インフルエンザウィルスは、低温で乾燥した場所を好みます。ですから、部屋の湿度を40%~60%にするだけで感染をある程度防げるでしょう。加湿器が利用できない場合は、ぬれタオルを側に置いておくだけで乾燥を防げます。

マスクをすると自分の息で口周辺の温度が上がり、加湿効果が期待できるのでおすすめです。ただし、マスクだけではインフルエンザウィルスが鼻や口へ侵入するのを防ぐことはできません。うがい・手洗いを忘れないようにしましょう。

4-3.食生活と生活習慣を調える

ビタミン類は体の抵抗力を上げてくれます。特に、ビタミンCとB群はおすすめです。果物や野菜、豚肉に多く含まれているので積極的に取りましょう。

インフルエンザが流行する季節は、忘年会・新年会・歓送迎会なども多く、酒量が増えて夜更かしをしやすい時期です。飲酒はかまいませんが、過度に飲むのはやめましょう。また、睡眠不足にならないように気を付けてください。

4-4.予防接種を受ける

毎年10月くらいから、インフルエンザの予防接種が始まります。予防接種を受けてもインフルエンザに感染することはありますが、症状が軽くて済む場合も多いのです。

インフルエンザのワクチンは卵黄を使って製造されるため、卵アレルギーの方は接種を受ける前に医師と相談してください。子どもが予防接種を受ける場合は、自治体から補助が出ることもあります。

4-5.やってはいけないこと

インフルエンザの予防接種を受けてもインフルエンザを発症することはあります。ですから、予防接種をしたからといってうがいや手洗いをおろそかにしないようにしましょう。夜更かしも体の抵抗力を下げるのでできるだけ避けてください。

インフルエンザが流行しだしたら、混んでいる場所への外出はできるだけ控えましょう。また、具合が悪い時は無理に登校や出勤をしてはいけません。市販薬で無理に熱を下げるのは危険です。

近くに感染者がいる場合は、マスクをするなど自衛しましょう。

5.インフルエンザを予防したい方のよくある質問

Q.高齢者のインフルエンザ予防には、何に注意を払えばよいのでしょうか?
A.高齢者は免疫力も弱っています。人が多い場所に長時間滞在しないように注意しましょう。また、うがい・手洗いを徹底してください。

Q.予防接種は何月くらいに受けたらよいでしょうか?
A.予防接種の効果は、接種後2~3週間たたないと現れません。インフルエンザは毎年12月頃から流行が始まります。ですから、11月中に受けておくといいですね。

Q.万が一の場合に備えたいので、救急車を呼ぶ基準を教えてください。
A.夜間や休日 に容体が急変し、こちらの呼びかけに反応しない場合や意識がはっきりしない場合・けいれんを起こした場合などは救急車を呼びましょう。

Q.インフルエンザに何度も感染することはありますか?
A.型が違うインフルエンザが流行している場合は、何度も感染する危険があるので注意が必要です。

Q.赤ちゃんでもインフルエンザにかかりますか?
A.感染する危険性は十分にありますので、人ごみの中に赤ちゃんを連れていくのは極力避けましょう。

6.おわりに

いかがでしたか。今回はインフルエンザ発症のメカニズムや治療方法・予防方法などをご紹介しました。毎年インフルエンザが流行するとニュースで取り上げられます。近辺でインフルエンザの流行が確認されたら、うがいや手洗いを徹底し、外出時にはマスクをつけましょう。予防接種を受けておくことも大切です。特に、子どもや高齢者は予防接種を受けておくとたとえ感染しても症状が軽くてすみます。