鼻の中にできる良性腫瘍・鼻茸とは? 治療法や手術の方法を紹介します。

鼻茸とは、鼻ポリープとも呼ばれる鼻腔内に生ずる良性の腫瘍です。粘膜が変形してできるものであり、ぶよぶよとしていて形がきのこに似ています。鼻の奥の方にできるために、ごく小さいうちは鼻の中を覗いても見えません。大きくなってくると鼻から出てくることもあり、取り除くには手術が必要です。鼻茸はひどい鼻づまりの原因となり、嗅覚障害を引き起こす可能性もあります。
そこで、今回は鼻茸の原因や治療方法をご紹介しましょう。

  1. 鼻茸とは?
  2. 鼻茸ができているかどうかのセルフチェック
  3. 鼻茸の治療方法
  4. 鼻茸を予防するためにできること
  5. 鼻茸で悩んでいる方のよくある質問

鼻茸がどういうものかという知識があれば、鼻茸を予防することもできます。鼻がつまりやすいという方や鼻茸がどのようなものか知りたいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

1.鼻茸とは?

はじめに、鼻茸の症状や鼻茸ができる原因などをご紹介します。どのような人の鼻に発生しやすいのでしょうか?

1-1.鼻茸とはどのようなもの?

鼻茸とは、鼻の奥にある粘膜が変形した良性の腫瘍です。つららのように鼻の上部から垂れさがっており、ものによっては親指の先くらいの大きさにまで成長します。小さいうちは気づきませんし、自覚症状もありません。鼻茸が大きくなると、鼻腔内がふさがれてひどい鼻づまりを起こすこともあるのです。また、鼻から出られなくなった鼻水が喉の奥に落ち込む後鼻漏という症状が起こることも珍しくありません。

1-2.鼻茸ができる原因とは?

鼻茸は、粘膜の炎症が重症化した場合に発生します。粘膜が炎症を起こす原因として代表的なものは副鼻腔炎です。特に喘息を伴う好酸球性副鼻腔炎といわれるタイプでは鼻茸が発生しやすいことが知られています。

鼻茸は基本的に良性ですが鼻茸と鑑別の難しいものとして乳頭腫や癌に伴う腫瘍があります。やや表面がざらざらしている、少し固い感じがある、出血しやすいなどの特徴もありますが、見た目では鑑別しにくいことも多く、最終的には一部を切り取って顕微鏡で調べる専門的な検査が必要です。

1-3.鼻茸ができると併発しやすい症状

鼻茸が原因の鼻づまりは、取り除かない限り完治しません。鼻づまりがひどくなると鼻呼吸ができなくなります。すると、体内へ取りこまれる酸素が不足して集中力の低下や頭痛が起こることもあるのです。また、口呼吸で眠るといびきをかきやすくなり、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害も起こりやすくなります。

1-4.鼻茸が日常生活に及ぼす影響

鼻茸ができると鼻づまりの他、鼻水の量も増えます。鼻水をしょっちゅうすすり上げたりどこでもかまわず鼻をかんだりすれば、人に与える印象も悪くなるでしょう。また、鼻がつまれば匂いも分からなくなります。すると、食べ物の腐敗やガス漏れ・火事などにも気がつきにくくなるのです。

2.鼻茸ができているかどうかのセルフチェック

  • 鼻づまりが以前に比べてひどくなった
  • 副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・ぜん息の治療中である
  • 鼻の中を覗くと何かぶよぶよとしたものが見える
  • 最近匂いをほとんど感じなくなった
  • 家族にいびきのひどさを指摘されるようになった
  • 後鼻漏の症状がひどくなった

このような症状に当てはまる方は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。

3.鼻茸の治療方法

この項では、鼻茸の治療方法についてご紹介します。どんな治療法があるのでしょうか?

3-1.鼻茸の診断方法

鼻茸ができているかどうかは、内視鏡を使って検査をします。細い管状の診療器具を鼻の中に入れれば、どのくらいの鼻茸が鼻の奥にできているのかすぐに分かるのです。さらに副鼻腔炎の程度を調べるにはCTなどが必要です。

3-2.投薬治療

鼻茸がまだ小さい場合は、服薬やネプライザーと呼ばれる医療器具で霧状の薬を鼻の中に噴霧する治療が行なわれます。薬には抗生物質が使われることが一般的です。特に、抗生物質を少量ずつ長期にわたって投与する治療法はマクライド療法と呼ばれ、副鼻腔炎の症状緩和にも効果が期待できます。投薬治療を行う場合は、医師と薬剤師の指示に従いましょう。自己判断で薬の量を変えたり投薬を中断したりしてはいけません。

3-3.手術

鼻茸がすでに大きくなっている場合は、手術をすすめられます。手術といっても鼻茸を切除するだけでしたら、局所麻酔をかけ日帰りで行えるのでそれほど大がかりな手術ではありません。しかし、鼻茸は再発しやすいポリープです。そのため、副鼻腔炎の病巣粘膜ごと鼻茸を切除する手術が行われることもあります。

3-3-1.手術の方法

鼻茸を取り除く手術は、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)という方法で行われます。これは、局所麻酔をかけて鼻から手術器具を注入し、内視鏡で病巣を確認しながら手術をしていく方法です。この方法ですと体への負担が少なく、症状によっては日帰りもできます。病巣が大きく全身麻酔が必要な手術になると、入院が必要です。手術でどこまで切除をするかは医師とよく相談して決めましょう。

3-3-2.手術にかかる費用や時間

鼻茸を切除するだけならば、手術は30分程度で終わります。切り取る病巣粘膜が大きいほど手術の時間は長くなりますが、それでも2時間程度で終わることが多いでしょう。当日は、局所麻酔や全身麻酔を行った後で手術に臨みます。日帰りの場合は外来を受診してそのまま手術という流れになる病院もあるのです。
鼻茸を切除する手術は健康保険が適用されます。ですから、費用は数千円~10万円以内が一般的です。

3-3-3.術後のケア

手術の後は多少の腫れや痛みが起こるケースもありますが、心配はいりません。痛みがひどい場合は鎮痛剤が処方されます。入浴は2日後くらいから許可されますが、熱いお湯に入ったり長湯をしたりすることは避けてください。飲酒も医師の許可が出るまではやめましょう。
手術後は、定期的に医師に患部を診せて治り具合を確認してもらいます。

4.鼻茸を予防するためにできること

この項では、鼻茸の予防のためにできることをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

4-1.鼻炎の治療をしっかりとうける

鼻茸をできる限り予防するためには、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の治療をしっかりと受けることが大切です。副鼻腔炎とは、鼻や目の周りにある副鼻腔内が炎症を起こす病気で、ウィルスや細菌・好酸球と呼ばれる白血球の一種が原因で発生します。年齢や性別にかかわらず発症する病気で、風邪から移行することも多いのです。
鼻水・鼻づまりはよくある体の不調のため、軽視されることもあります。しかし、副鼻腔炎が慢性化すると頑固な鼻づまりの他に頭痛・顔面痛・集中力の低下・後鼻漏などの症状が起こるのです。ですから、風邪が治ったのに膿のような鼻水が止まらないという場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。自然治癒することはめったにありません。

4-2.体を酷使しない

特に好酸球性副鼻腔炎を患っている方は、風邪やインフルエンザにかかると鼻茸が大きくなりやすいという特徴があります。一般的な副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の方も、体調が悪くなると症状が悪化しやすいのです。ですから、夜更かし・暴飲暴食といった生活習慣は改めましょう。
また、鼻をいたわることを忘れずに。冬の外出時にはマスクをつけ、部屋の湿度を60%程度に保つように心がけると鼻づまりが改善しやすくなります。

4-3.やってはいけないこと

鼻茸ができているかどうかは素人では分かりません。ですから、ひどい鼻づまりがおきたらすぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。素人判断で市販の点鼻薬等を乱用してはいけません。また、サプリメントや健康食品に鼻茸を予防したり縮小したりする効果は期待できないのです。また、漢方薬も鼻茸には効果はありません。たとえ「鼻茸に効果あり」と謳っている商品を見つけても、過信しないようにしてください。鼻茸の治療には時間がかかりますが、焦らず根気強くおこなっていきましょう。

5.鼻茸で悩んでいる方のよくある質問

Q.鼻茸は子どもでも発生するのでしょうか?
A.多くは大人になって副鼻腔炎が重症化すると発生します。しかし学童期には後鼻腔ポリープと呼ぶ、頬の裏にある上顎洞という副鼻腔から鼻の奥へ続く鼻茸が発生する事があります。片方の鼻だけ急に鼻詰まりが強くなった時などは要注意です。常に口を開けて呼吸をするようになったり、夜間のいびきがひどくなった場合は、鼻茸ができている可能性があります。副鼻腔炎を一度発症したら、医師に完治を告げられるまで病院へ通い、治療を受けてください。

Q.市販の点鼻薬で鼻づまりを治していますが、あまりよくないのでしょうか?
A.市販の点鼻薬は血管を収縮させる成分が入っています。そのため、鼻づまりに大変効果的です。しかし、鼻づまりを根本的に治す効果はありません。そのため、鼻づまりを改善しようと乱用していると、かえって粘膜が腫れたり炎症を起こしたりするのです。ですから、鼻づまりが2週間以上続いて改善の気配がない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

Q.服薬がとても大変です。
A.鼻茸の投薬治療は時間がかかります。ですから、あらかじめ1日分の薬を小分けして専用ケースに入れておくなど服薬を忘れない工夫をしましょう。自己判断で服薬の時間をずらしたりしてはいけません。

Q .鼻茸はサプリメントや健康食品などで小さくすることはできますか?
A.できません。一定以上の大きさがある鼻茸は手術で取り除くしかないのです。

Q.手術で仕事に支障が出ることが心配で、決心がつきません。
A.単に鼻茸を切除するだけならば、日帰り手術で行えます。翌日から仕事に復帰しても問題ありません。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は鼻茸ができる原因や手術の方法などをご紹介しました。鼻茸だけがある日いきなり発生することはほとんどありません。ほとんどの場合は副鼻腔炎やぜん息と併発します。ですから、鼻茸を取り除くだけでなく鼻炎やぜん息の治療も一緒に行っていくことが大切です。たかが鼻水・鼻づまりと思わず、症状が長引いている場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

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