これって病気?耳の奥が痛い! 耳の痛みがあるときの原因・改善法は?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

「耳の後ろが痛い」「耳の奥が痛い」など、耳の痛みに悩まされている方は不安でいっぱいになっているでしょう。耳は相手や自分の声を聞き、コミュニケーションをとるために必要不可欠な部位です。一時的な痛みでもくり返し起こるのは、何かしら理由があります。大きな病気にかかっている恐れもあるのです。放置しているとさらに症状が悪化することがあるため、できるだけ早めに正しい処置をしなければなりません。

そこで、本記事では、耳の奥が痛くなる原因や考えられる病気・改善方法など詳しく説明します。

  1. 耳の奥が痛くなる原因とは?
  2. 耳の奥が痛いときに考えられる病気は?
  3. 耳の奥の痛みを改善する方法
  4. 耳の奥の痛みにかんしてよくある質問

この記事を読むことで、耳の奥が痛くなる原因を知り、正しい処置で治すことができます。耳の奥が痛い方や治したい方は、ぜひ参考にしてください。

1.耳の奥が痛くなる原因とは?

「耳が詰まった感じがする」「耳が聞こえにくい」など、痛みのほかにもさまざまな症状が出てきます。症状を改善するには、最初に原因を知ることが大切です。そこで、耳の奥が痛くなる主な原因をチェックしておきましょう。

1-1.ストレス

ストレスは大病のもとだといわれています。耳の奥が痛くなるのも、ストレスが原因になっている可能性が高いです。過剰なストレスを受けると自律神経の1つである交感神経が活性化します。交感神経が活発になるほど体は緊張し、血行が悪くなるのです。結果、筋肉へ十分な酸素が行き渡らなくなります。首や肩の筋肉が硬くなり、後頭神経が圧迫されるのです。よって、耳の奥に痛みを感じることになります。また、ストレスが原因の場合、首・肩のこりだけでなく、頭痛も起こりやすいです。

1-2.耳掃除のやりすぎ

耳掃除をするときって気持ちがいいですよね。しかし、耳かきをやりすぎてしまうと耳の奥に痛みが走ることがあります。耳の中は非常にデリケートな部分です。刺激を強く与えてしまうことで、耳の中が傷ついて痛みが出てきます。さらに、傷ついた部分から菌が入ると外耳炎を起こす恐れもあるのです。耳掃除は1~2週間に1回がベストといわれています。やりすぎないように注意してくださいね。

1-3.気圧変化

飛行機に乗っているとき、耳の奥が痛くなること、よくありませんか? 実は、気圧変化が耳の奥の痛みと関係しているのです。気圧変化が原因の場合、中耳(ちゅうじ)という部分が関係しています。中耳(ちゅうじ)は、空気のとおり道である空間が耳の奥にまでつながっているのです。気圧の変化によって、空気がとおりにくくなり耳の奥に痛みが出てきます。とおり道が生まれつき細い人ほど、気圧変化による痛みを感じやすいでしょう。

1-4.リンパ節の腫れ

耳の奥がズキズキと痛いとき、首のリンパ節が腫れている可能性が高いです。首と耳は密接につながっているため、首のリンパ節が腫れると耳にまで悪影響をおよぼします。また、首のリンパ節が腫れる原因もさまざまです。最も多いのが肩こりになります。肩こりによって、リンパ節の中を流れているリンパ液が一か所にたまってしまうのです。リンパ液が一か所にたまると、リンパ節が腫れて痛みが起こります。

1-5.のどの炎症

神経痛によって耳の奥が痛くなることもあります。舌咽(ぜついん)神経と呼ばれている痛みを感じる神経が耳の奥にあるのです。舌咽(ぜついん)神経が圧迫されると耳の奥に痛みを感じます。そして、神経痛を起こしている原因がのどの炎症なのです。風邪などのウイルス感染によって、のどの炎症が起こります。

1-6.そのほか

ほかの原因としては、「イヤホンの長時間使用」「耳に入った水」が挙げられます。外出時、耳にイヤホンをつけて音楽を聴いている方は多いです。しかし、長時間のイヤホン使用は耳の中の湿度を高くする要因になります。湿度が高くなると細菌が繁殖しやすくなるのです。結果、耳の奥に痛みを感じることになります。また、耳の中に水が入ったまま放置していると外耳炎などの病気になりやすいです。必死に水を綿棒でとろうとして傷つける恐れもあります。

1-7.注意すべき併発症状

耳の奥の痛み以外にも、頭痛やめまい・吐き気・肩こり・難聴・耳だれなどの症状があれば、すぐに病院へ行ってください。特に、耳だれはすぐに対処しなければなりません。耳だれとは膿(うみ)のことです。耳だれは中耳炎を起こしている可能性があります。自分で解決しようとせず、専門家に診てもらったほうがいいですよ。

2.耳の奥が痛いときに考えられる病気は?

耳の奥が痛いとき、病気が原因になっている可能性もあります。ここでは、考えられる病気とチェックポイント・症状・対処法と一緒に説明しましょう。

2-1.外耳炎(がいじえん)

綿棒などで掃除できる部分を外耳道(がいじどう)といい、炎症を起こした病気が「外耳炎(がいじえん)」になります。外耳炎(がいじえん)は外耳道(がいじどう)の皮膚炎とも呼ばれているものです。症状が軽いときは痛みはありませんが、ひどくなると口を開くだけで痛みが走ります。皮膚が炎症を起こしているため、消毒や軟膏(なんこう)を綿棒でぬっておきましょう。

2-2.中耳炎(ちゅうじえん)

中耳炎(ちゅうじえん)は外耳道(がいじどう)より奥のほう、中耳(ちゅうじ)の炎症になります。風邪や菌が鼻から入って耳の奥にたまるのです。耳だれが出てくる・耳が聞こえない症状が出てきたら中耳炎の疑いがあります。中耳炎(ちゅうじえん)の場合はすぐに病院へ行くことが対処法です。

2-3.副鼻腔炎(ふくびくうえん)

副鼻腔炎(ふくびくうえん)は細菌感染・ウイルス感染が原因となって起こす炎症です。副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる鼻腔(びくう)に隣接した空洞が炎症を起こしています。急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)は1か月以内で治りますが、慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)は完治するまで時間がかかるのです。鼻水や鼻づまりといった症状が出てきます。耳の奥の痛み以外にも頭痛・鼻づまり・鼻水・顔面痛があれば副鼻腔炎(ふくびくうえん)の可能性が高いです。急性・慢性どちらにせよ、すぐ耳鼻科に行ってください。

2-4.咽頭炎(いんとうえん)

咽頭炎(いんとうえん)はのどの炎症です。のどが痛い・違和感がある・咳(せき)が出るなどの症状があれば、咽頭炎(いんとうえん)の疑いがあります。すぐにできる対処法としては、のどの痛み止めです。軽い症状であれば、市販薬で症状は緩和します。ひどい場合は病院を受診してください。

2-5.メニエール病

有名人の中でもメニエール病にかかる方が多いです。メニエール病とは、突発的に激しいめまいと吐き気がくり返される病気になります。同時に、頭痛・難聴・耳鳴りも併発するのが特徴的です。メニエール病だと思ったときは、症状緩和効果のある栄養素を摂取しましょう。食物繊維やビタミン類が効果的です。なかなか治らないときは、病院で診てもらい、処方された薬を服用してください。

2-6.突発性難聴

突然耳が聞こえなくなる・耳鳴りがひどいなどの症状が起きたとき、突発性難聴の可能性があります。突発性難聴は突然耳が聞こえなくなる病気の1つです。年間におよそ3~4万人が発症するといわれています。いつもどおり音が聞こえるか聞こえないかが大きなポイントです。対処法としては、病院で処方される薬や注射になります。耳まわりの血流をうながす薬やステロイド剤が主流です。耳が聞こえない状態を放置せずに、すぐ病院へ行ってください。放置すればさらに悪化して、手術せざるを得なくなります。

2-7.おたふくかぜ

耳の下にある唾液腺の耳下腺(じかせん)が腫れるとおたふくかぜになります。両側の耳が腫れるとおたふくのようになることから、この名前がつけられました。耳の奥が痛くなるのもおたふくかぜの症状です。耳下腺(じかせん)が腫れるほど、痛みもひどくなります。おたふくかぜは耳の痛みと同時に、熱が出てくるのが特徴的です。対処法としては、耳を冷やす方法があります。耳を冷やすことで炎症を抑え、痛みが引くのです。タオルなど布をまいた保冷剤で冷やしてみてください。

2-8.顎関節症

顎関節症は、顎の関節がズレることで起こる病気です。顎のかみ合わせの悪さが主な原因になります。耳鳴り・耳の詰まった感じ・頭痛・歯痛などの症状が併発する恐れがあるのです。「顎のかみ合わせが悪いな」と感じたら歯医者で検査してもらいましょう。すぐに対処しなければ、顎や耳まわりの痛みがさらにひどくなります。痛みが我慢できないときは、市販の鎮痛剤を服用してください。また、固い食べものは控えましょう。

2-9.耳管狭搾症(じかんきょうさくしょう)

耳の奥が痛いとき、耳管狭搾症(じかんきょうさくしょう)という病気も考えられます。耳管狭搾症(じかんきょうさくしょう)とは、耳管がとじることで傷みが起きる病気です。耳の奥が痛くなると同時に、耳鳴りや違和感もあります。耳管は開閉することで中耳(ちゅうじ)と外耳(がいじ)の気圧を調整している部位です。しかし、気圧変化や鼻・のどの炎症が起きると耳管がとじたままになってしまいます。さらに、耳管狭搾症(じかんきょうさくしょう)は長時間不快な症状が続くのが特徴的です。そのため、当てはまる症状があればすぐに病院へ行ってください。

3.こんなときは病院へ行こう!

病気は早期発見が何よりも大切です。早めに診察を受けることで、早期治療はもちろん、治療方法の選択肢が増えます。「まだ軽い症状だから大丈夫!」と思ってはいけません。違和感を覚えたり、症状が2~3日続いたり、ひどい痛みが出たりしたときはすぐに受診してください。症状を放置すれば最悪なケース、耳が聞こえなくなる恐れもあるのです。

4.耳の奥の痛みを改善する方法

耳の奥の痛みを改善する方法をいくつかご紹介します。自分でできる改善法もあるので、ぜひ試してみてください。

4-1.冷やす

最も主流な改善法として冷やす方法があります。炎症による痛みに効果的です。冷やすときは保冷剤を直接当てるのではなく、タオルなどに包んでください。そして、痛みのある部分に当てましょう。冷やすことである程度の痛みが緩和できます。

4-2.ツボ

人間には体中にツボがあります。ツボの中に、耳の痛みを緩和できるものがあるのです。耳の痛みに効果的なツボを以下にまとめてみました。

  • 頭きょう陰(あたまきょういん):耳の後ろにある骨のふくらみから上のくぼみ
  • 翳風(えいふう):耳たぶの後ろ、耳たぶのつけ根部分にあるくぼみ
  • 下関(げかん):耳のつけ根部分からほお骨に沿って指3本ぶんのところにあるくぼみ
  • 合谷(ごうこく):手の甲、親指と人差し指の間にある

ツボはやさしくゆっくりと5秒間ほど押すのがポイントです。間に休憩をいれて何度が押していきましょう。また、なでるようにマッサージをするのも効果的です。

4-3.鎮痛剤

病院で処方される薬の中には、痛みを抑える鎮痛剤があります。どうしても辛抱できない方は、市販の鎮痛剤でも大丈夫です。ただし、あくまで鎮痛剤は痛みを抑える一時的な薬になります。根本的な改善にはならないので注意してください。鎮痛剤を服用しても痛みが治まらない場合は、すぐに病院へ行きましょう。

4-4.病院

耳だれが出る・めまいがする・激しい痛みなどがある場合は、病院へ行きましょう。「何科に行けばいいの?」と悩む方は多いですが、耳鼻咽喉科に行ってください。顎関節症の疑いがある方は歯科になります。病院に行き、原因がわかれば適切な処方がされるでしょう。病院では薬物療法が主になります。ひどい場合はそのまま手術ということにもなるので、しっかり医師からの説明を受けてください。

4-5.NG行為

耳の奥が痛いとき、やってはいけない行為があります。それは、むやみに耳をさわらないことです。特に、何が原因で痛くなっているのかわからないときはさわらないようにしてください。むやみに耳の外や中に触れてしまうと、手から菌が入ってしまう可能性があります。また、激しい動きをするのもNGです。めまいや頭痛が併発している場合は、安静にしてください。アルコールや刺激物も控えたほうがいいですよ。

5.耳の奥の痛みにかんしてよくある質問

耳の奥の痛みにかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.子どもの耳の痛み対処法・注意点とは?
A.子どもは風邪を引いた後に中耳炎を発症しやすいです。まずは、保冷剤で耳を冷やしてあげてください。また、子どもの場合は症状が軽くても受診したほうがいいです。最初は症状が軽くても、後からひどくなるケースがあります。そのため、放置するようなことは絶対にしないでください。

Q.上手な耳の栓抜き方法とは?
A .気圧変化で耳が痛む場合、水を飲んで耳の栓抜きをしてください。アメをなめたり、ガムをかんだりするのもおすすめです。手っ取り早いからと、鼻をつまんでふくらませてはいけません。耳に大きな刺激を与えてしまいます。

Q.耳に水が入った場合はどうすればいいのか?
A.耳に水が入ったとき、綿棒やティッシュで無理にとらないようにしてください。耳の中を傷つける恐れがあります。水が入ったときはあお向けに寝転がって「あ~う~」といいながら口を開閉してください。そして、1~2分ほど安静にした後、ゆっくり頭を転がすと水が出てきます。

Q.副鼻腔炎の手術費用・日数はどのくらい?
A.副鼻腔炎の手術は、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)があります。内視鏡を使い、モニターに映像を映しながらおこなう手術です。重症の場合は1泊2日になりますが、軽症の場合は日帰りでもできます。手術費用は数十万円ほどです。

ただし、症状や病院・クリニックによって金額は異なります。具体的な手術日数や費用にかんしては、病院・クリニックに尋ねてください。

Q.耳鼻咽喉科の選び方は?
A.適切な治療ができるかどうかは受診する耳鼻咽喉科にかかっています。実績・経験豊富かどうか、丁寧な説明を受け、理解したうえでの検査や治療ができるかどうかに注目してください。患者様の気持ちを尊重する耳鼻咽喉科は、安心して治療を受けることができます。川村耳鼻咽喉科は、患者様が納得していただける医療を提供することが基本理念です。患者様により詳しい病気の原因や治療説明をおこなうので、安心して相談してください。

川村耳鼻咽喉科

まとめ

いかがでしたか? 耳の奥の痛みはストレスや耳掃除のやりすぎ・気圧変化・リンパ節の腫れなどさまざまな原因があります。自分の痛みは何が原因になっているのか、突き止めることが大切です。そして、症状に合った改善策・治療法を見つけていきましょう。

一時的な対策としては鎮痛剤の服用や冷やす方法があります。しかし、根本的な原因を改善するには耳鼻咽喉科を受診するのが1番です。親身になって話を聞いてくれるか、丁寧に説明してくれるか慎重に見極めていきましょう。

症状を放置すると、中耳炎・外耳炎などの病気に進展する恐れもあるため、できるだけ早めに受診してくださいね。