胃腸風邪に注意! 風邪との症状の違い・ 予防法・治療法を解説!

11月も半ばを過ぎ、寒さも厳しくなってきました。そろそろ風邪が流行する季節。一口に風邪と言ってもいろいろな症状がありますが、中でも気を付けなければならないのが胃腸風邪です。たかが風邪、と思っていると重篤な症状になることも珍しくありません。幼児や高齢者は特に危険です。そこで、今回は胃腸風の症状や対処法・予防法などをご紹介しましょう。一般的な風邪では効果的な対処法が、胃腸風邪ではかえって症状を悪化させてしまうこともあります。

  1. 胃腸風邪とはどんな病気?
  2. 胃腸風邪の原因と種類は?
  3. 胃腸風邪の症状とは?
  4. 胃腸風邪を発症したらどうなるの?
  5. 胃腸風邪の治療方法
  6. 胃腸風邪のセルフケア
  7. よくある質問

予防法を知っていれば胃腸風邪に感染するリスクをぐっと減らすことができます。小さなお子さんや高齢者がご家族にいる方やや胃腸風邪をできる限り予防したいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

1.胃腸風邪とはどんな病気?

一般的な風邪がくしゃみや鼻水・咳や熱などの症状がよく出るのに対し、胃腸風邪とは腹痛や吐き気・下痢など胃腸に症状が強く出る風邪のことをいいます。38度を超える高熱が出るケースは少ないですが、その反面嘔吐や下痢・胃腸の不快感に長い間悩まされる方も珍しくありません。

感染力が強いのも特徴です。学校や職場などで感染者が出ると、あっという間に広がってしまうこともあります。しかも、インフルエンザのようにワクチンもありません。

発症してしまった場合は症状を和らげる対処療法が一般的です。胃腸風邪そのもので生命が危険にさらされることはありませんが、嘔吐や下痢によって脱水症状が起こると幼児や高齢者の場合は重篤な状態になることがあります。

2.胃腸風邪の原因と種類は?

この項では胃腸風邪の原因や種類をご紹介します。普通の風邪との違いは何でしょうか?

2-1.胃腸風邪の原因とは?

胃腸風邪の原因は、ウィルスです。ロタウィルスやノロウィルスなどが代表的なもので、名前を聞いたことがある方も多いと思います。これらの菌に感染すると一定の潜伏期間を経て発症するのが胃腸風邪です。ウィルスの中には生野菜などの食物中に潜んでいるものもあるので、より注意が必要になります。

2-2.胃腸風邪の種類とは?

胃腸風邪は、感染するウィルスによって名前が付けられます。たとえば、ノロウィルスに感染した場合は「ノロウィルス性胃腸炎」、アデノウィルスに感染した場合は「アデノウィルス性胃腸炎」と呼ばれるのが一般的です。

ウィルスによっては感染しやすい年齢層があるものもあり、幼児がかかりやすい胃腸風邪、高齢者がかかりやすい胃腸風邪などもあります。どのウィルスに感染したかによって潜伏期間や症状の出方が変わりますが、症状を見ただけではほぼ区別がつきません。胃腸風邪の種類を特定するには、病院で検査をする必要があります。

3.胃腸風邪の症状とは?

この項では、胃腸風邪の代表的な症状をご紹介します。普通の風邪と胃腸風邪では症状にどのような違いがあるのでしょうか?

3-1.胃腸の痛みや不快感

胃腸の痛みや不快感は、胃腸風邪に感染したほとんどの方が訴える症状です。素人では胃と腸の痛みの区別がつきにくいので、「お腹が痛い」「お腹が気持ち悪い」と訴えることもあります。人によっては吐き気を伴い、ひどい場合は胃が空になっても吐き気がおさまらないケースもあり、厄介です。

3-2.嘔吐や下痢

こちらも胃腸風邪の代表的な症状です。今まで元気だったのに急に食べ物を吐き、ぐったりしたというケースもあります。下痢と吐き気が同時にきてトイレから出られないということも珍しくありません。食べ物を食べると吐き気をもよおすということもあります。

3-3.食欲不振

ごく軽い胃腸風邪にかかった場合や、症状の重い胃腸風邪から回復しかけているときに出がちな症状です。食欲がない・たくさん食べられない・食事がおいしく感じられない・食べた後胃腸が重く感じるなどの症状を訴える方が多く、この症状が長引くと栄養が不足して抵抗力が落ちてしまいます。

4.胃腸風邪を発症したらどうなるの?

この項では、胃腸風邪を発症したらどのような経過をたどるのか、ということや放置しておく危険性や胃腸風邪とよく似た病気などをご紹介します。普通の風邪は暖かくして眠っていれば治ることもありますが、胃腸風邪はどうでしょうか?

4-1.胃腸風邪の病状経過

胃腸風邪は胃腸の不快感から始まる場合と、突然の嘔吐や下痢から始まる場合があります。
突然の嘔吐や下痢が始まった場合は、その後で一気に症状が悪化するケースも珍しくありません。

多くの場合、吐き気や下痢・胃腸の不快感は5日から1週間ほど続きます。その後は徐々に症状が納まりますが、胃腸にダメージが残ると食欲不振が長引くこともありますので注意が必要です。

4-2.適切な治療を行わないと?

胃腸風邪に劇的に効く薬はありません。だからといって適切な治療をしないと、感染が拡大する恐れがあります。胃腸風邪の原因となるウィルスは、嘔吐物や下痢に多量に含まれており、看病をする方が感染することも珍しくありません。ウィルスが付着した手で調理をすると、食物に付着して感染が広がることもあります。市販の下痢止めや嘔吐止めを不用意に使うと症状が長引くこと恐れがあり危険です。水分を適切に取らないと脱水症状を起こす可能性も高まります。

4-3.胃腸風邪とよく似た病気

胃腸風邪とよく似た病気には、胃炎や腸炎・食中毒などがあります。胃炎や腸炎は胃腸風邪より症状が長引くことが多く、食中毒は重篤な症状になることもあるので素人判断は危険です。胃腸に不調を感じたら、まずは病院で診察を受けてください。

4-4.胃腸風邪と関連する病気

胃腸風邪は胃腸に症状が強く出るので、食事が食べられずに抵抗力が落ちます。そのため、感染症にかかりやすくなり、胃腸風邪が治ったら普通の風邪をひいたというケースも珍しくありません。嘔吐が頻繁になると胃酸によって食道や喉の粘膜にダメージを受けることもあります。赤ちゃんの場合は下痢によるオムツかぶれにも注意が必要です。

5.胃腸風邪の治療方法

この項では、胃腸風邪の治療方法をご紹介します。どのような治療が行われるのでしょうか?

5-1.病院を受診する目安

嘔吐や下痢・腹部の痛みが1日たっても収まらないという場合は、病院を受診しましょう。赤ちゃんの場合は短時間で脱水症状がでることもあります。半日様子を見て病院を受診するのがおすすめです。夜間診療でもかまいません。食物を扱う仕事についている方は、胃腸の不快感が長引いた時点で病院を受診すると感染拡大を防げます。

5-2.胃腸風邪は何科?

胃腸風邪かなと思った場合は、基本的に内科を受診します。最近は内科ではなく消化器科を掲げる病院も多いので、こちらでもかまいません。子どもの場合は、小児科で大丈夫です。

初めての病院を受診する場合は、症状を問診票にできるだけ詳しく書いておきます。また、胃腸風邪と普通の風邪を併発しているケースも珍しくありません。特に、子どもの鼻が詰まっている場合は注意が必要です。

中耳炎を発症していることも多いので、鼻が詰まっていたり耳の痛みを訴えていたりする場合は、耳鼻咽喉科も同時に受診しましょう。その他に気になることがある場合は、医師に相談してください。検査をしてくれたり他の病院を紹介してくれたりします。

5-3.検査などはするの?

胃腸風邪の検査は、検便が一般的です。胃腸風邪の原因であるウィルスは便に含まれて外へ排出されるので、それを検査すると感染しているウィルスの種類が分かります。明らかに胃腸風邪と分かる場合は検査を行わないこともあり、必ず検査が行われるわけではありません。

5-4.治療方法や投薬など

胃腸風邪を即効で治す薬はありません。嘔吐や下痢で弱った体力を回復させ、ウィルスが外へと排出されるのを待ちます。症状によっては、ウィルスを殺す抗生物質が処方されることが一般的です。脱水症状が起こらないように点滴などが行われることもあります。

5-5.注意点

症状によっては、長時間病院の待合室で待っていることがつらいこともあります。この場合は、インターネット予約を導入している病院がおすすめです。待っている間に嘔吐や下痢が抑えられなくなる場合もあるので、ビニール袋を用意したり替えのオムツを多めに持っていったりしておくと慌てません。

6.胃腸風邪のセルフケア

胃腸風邪になると食事が満足に取れなくなるケースも珍しくありません。食欲がない場合は無理に食べなくても大丈夫です。その代り、水分補給を忘れずに行いましょう。糖分が入った水分なら、栄養補給にもなります。水分はできれば常温で、冷たすぎるものは胃腸に負担がかかるのでおすすめできません。食欲が出てきたら、おかゆや軟らかく煮たうどんなどを食べれる分だけ食べます。風邪が治っても暴飲暴食は当分控えてください。症状が納まるまでは腹部を温めながら体を休めることが大切です。

7.よくある質問

Q.胃腸風邪の予防法はありますか?

A.胃腸風邪を防ぐには、うがい手洗いが第一です。流水だけでなく石けんも使いましょう。家族が胃腸風邪にかかったら、嘔吐物などの始末  は介護用の手袋をつけて行ってください。

Q.胃腸風邪が完治したという目安は?

A.嘔吐や下痢と言った症状がなくなり、食欲が回復したら完治と考えてよいでしょう。学校や職場によっては医師の完治証明書がないと投稿や出勤を認めない場ところもありますので、そのような場合は病院で判断してもらってください。

Q.胃腸風邪の時に食べない方がよいものはありますか?

A.あげものなどの胃腸に負担がかかるものや刺激物は避けた方がよいでしょう。一度に大量に食べるのもおすすめできません。

Q.水分を摂取してもすぐに吐いてしまう場合はどうしたらいいでしょうか?

A.その状態が半日続いたら、すぐに病院を受診してください。夜間救急でもかまいません。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、胃腸風邪の原因や症状、対処法などをご紹介しました。たかが風邪と思っていると、脱水症状などで重篤な症状になることもあります。無理をして出勤や登校をすると、いたずらに感染者を増やすことになるので気をつけましょう。「風邪の時は栄養をつけないと」と無理して食べる必要はありません。しっかりと水分を摂取して回復を待つことが大切です。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

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