耳閉感を治したい!…とお悩みの方へ〜原因や対処法3つのポイント〜

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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耳が詰まっている感じがする、音が遠くに感じる…このような症状を「耳閉感(じへいかん)」と呼びます。聞き慣れない言葉ですが「高い場所に登ったり、プールで泳いだりした後になる感覚」といえば思い当たる人は多いでしょう。耳閉感は、継続すると耳鳴りやめまいに発展するケースもあります。耳の病気が原因のこともあるので放置は禁物です。耳閉感の症状や原因、対処法などをご紹介しましょう。

  1. 耳閉感の症状
  2. 耳閉感の原因
  3. 耳閉感の対処法
  4. まとめ

1.耳閉感の症状

「耳閉感(じへいかん)」と聞くと、日常ではなじみのない症状のように感じます。けれども、耳閉感は誰でも体験したことがある症状…といっても過言ではありません。どのような症状なのでしょうか。

  1. 耳の穴が閉まっているような感じで音が遠くに聞こえる。
  2. 耳が詰まっているような感じがする。
  3. 飛行機に乗ったときのような耳がふさがったような感じがする。
  4. プールで耳に水が入ったときのような感じがする。
  5. しゃべると自分の声が耳の中でひびく。

上記のような症状を感じたことがある人は多いでしょう。これらの症状を耳閉感と呼びます。

実は、耳閉感自体は病気ではありません。そのため、耳閉感があってもすぐ元に戻るようなら問題はないのです。けれども、症状が数日間続いたり、何度も繰り返したりするようなら要注意でしょう。

耳閉感だけではなく、耳鳴り・耳の痛み・めまい・頭痛などの症状が現れる人もいます。耳閉感は、耳鼻科系疾患(しっかん)の症状として現れることも多いのです。

2.耳閉感の原因

耳は、外耳(がいじ)・中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)に分かれています。それぞれの部分に問題があって耳閉感が起こるのです。

2-1.外耳に原因がある場合

外耳は、外から見えている耳の部分、耳の穴、鼓膜(こまく)まで続く外耳道(がいじどう)を指します。外耳は、外の音を集めて鼓膜に届けたり、耳の奥にある中耳や内耳を守ったりする役目を持っているのです。

外耳のトラブルによる耳閉感は以下のようなものがあります。

2-1-1.水泳やシャワー後の耳閉感

シャワーが耳にかかったり、プールで泳いで耳に水が入ったりした後になる耳閉感は、以下のような原因があります。

  • 水滴が鼓膜に付き、鼓膜の振動が悪くなっている。
  • 耳かすが水分を含んでふくらんだために、外耳道をふさいでいる。

2-1-2.間違った耳掃除

  • 綿棒で掃除をしたときに、綿の部分が耳に残ってしまった。
  • 耳かきで引っかきすぎて、外耳道に炎症を起こし腫れてしまった。
  • 耳かきのし過ぎで出血したり、鼓膜に炎症を起こしたりしている。

耳掃除で清潔を保つことは大切ですがやり過ぎは禁物です。

2-2.中耳に原因がある場合

中耳は、鼓膜、鼓膜内側の耳小骨が収まっている鼓室(こしつ)および中耳腔(ちゅうじくう)、鼓室と上咽頭(じょういんとう)を結ぶ通気口である耳管などを指します。

中耳のトラブルによる耳閉感には以下のような原因が考えられるのです。

2-2-1.滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)

滲出性中耳炎とは、鼓室(=中耳腔)に液体がたまっている中耳炎のことです。液体がたまることにより、外耳道から伝わった音が中耳、内耳へと伝わらなくなるために耳閉感が起こります。子供に多い耳の病気ですが、大人でも風邪を引いた後になることもあるのです。

2-2-2.耳管開放症(じかんかいほうしょう)

耳管開放症とは、鼓室と上咽頭を結ぶ耳管が開きっぱなしになるために起こる病気です。自分の声がひびく、耳がふさがった感じがするなどの耳閉感に悩まされます。また、めまいや軽度の難聴になることもあるでしょう。

若い女性に多い病気で、過激なダイエットにより耳管周囲の脂肪が落ち耳管が開くことが原因です。また、ストレスによる自律神経の乱れや、不健康な生活習慣により引き起こされることもあります。

2-3.内耳に原因がある場合

耳の一番奥にあるのが内耳です。音を感じ取る管、センサーの役目をする管ほか、複雑な形をした管たちが合わさった構造になっています。内耳は側頭骨(そくとうこつ)の中に収まっている大切な部分です。

内耳にトラブルがあると耳閉感が起ります。

2-3-1.低音障害型感音難聴(ていおんしょうがいがたかんおんなんちょう)

低い音だけが聞き取りにくくなる難聴です。内耳の蝸牛(かぎゅう)という管に入っているリンパ液がうまく流れず、聴覚の神経が働きにくくなるために起こります。30〜40代の女性に多く、ストレスや過労が原因のことが多い病気です。

3.耳閉感の対処法

2の項目でご紹介したように、耳閉感はさまざまな原因で引き起こされます。どのような対処法があるのでしょうか。

3-1.耳の掃除はていねいに行う

耳あかがたまっている状態でプールに入ったり、シャワーを浴びたりすると耳あかがふくらんで外耳道をふさぎます。普段から耳の掃除を行い清潔を心がけましょう。

ただし、血がでるほど耳かきをしたり、綿棒を奥に突っ込んだりするのは禁物です。あくまでもやり過ぎには気を付けてください。

3-2.ストレスをためない

中耳や内耳で起こるトラブルを予防・軽減するには、日常の中でストレスをためないように心がけることも大切です。楽しめる趣味を見つけたり、夢中になれるスポーツを始めたりなどしてライフスタイルを変えるようにしてください。

また、無理をして疲労をためないことも大切です。限界になる手前で休養を取りましょう。体を休めると、耳閉感による苦しみから解放されることもあります。

3-3.漢方薬を服用する

耳閉感の原因となる、耳管開放症の改善には漢方が用いられることがあります。漢方医学では「耳の詰まり」は気鬱(きうつ)=「気」のとどこおりと考えられているのです。

耳管開放症には「加味帰脾湯(かみきひとう)」がよいという臨床結果もあります。ほかにも、「小柴胡湯合香蘇散(しょうさいことうごうこうそさん)」も耳閉感によいとされている漢方薬です。

3-4.耳鼻咽喉科で診察を受ける

耳閉感が続く、収まっても何度も繰り返す場合は、自己判断で放置してはいけません。耳鼻咽喉科で診察を受けるようにしてください。加齢や疲れなどによるものだろうと思っていたら、耳の病気になっていたということもあるのです。

聴力検査やティンパノメトリー(鼓膜検査)、X線検査などさまざまな方法で検査を行い原因をつきとめてもらえます。

外耳道の異物や耳あかなどが原因の耳閉感であれば、症状にもよりますが1回の受診で治るでしょう。耳閉感が気になりながらもなんとなく放置していたら、耳の病気が悪化してしまった…ということも少なくありません。予防のためにも早めに診察を受けることをおすすめします。検査の設備が整った病院を選びましょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

耳が詰まっているような感じがする、自分の声が頭にひびく…など、「耳閉感」の症状や原因、対処法をご紹介しました。

耳閉感自体は、誰でも感じることなのでそれほど心配することはありません。しかしながら…

  • 耳閉感のみならず、耳鳴り・耳の痛みなどの不快な症状がある。
  • 耳閉感が治ったと思ったらまたぶり返した。

上記のような場合は、耳の中のトラブルが考えられることがおわかりいただけたかと思います。

耳は非常に複雑な構造で、外からキャッチした音を脳に伝える大切な働きをする器官です。少しでも不快感や違和感を覚えたら、まずは専門医の診察を受けるのが一番でしょう。病院に行くのが面倒に思えても、症状が軽いうちのほうがそれだけ早く治ります。上記でご紹介したような症状に心当たりがあったら、自己判断をせずにぜひ病院に行ってくださいね。