耳鼻科でCT検査を受けるとわかることは?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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CT検査というと、肺や胃腸などの内臓を検査する装置というイメージがあります。
しかし、耳鼻科でもCT検査を受けられます。
では、この検査でどのようなことがわかるのでしょうか?
今回は耳鼻科で受けるCT検査についてご紹介します。
CT検査を受けて初めてわかる病気もあります。
耳鼻科に通い続けているけれど今ひとつ症状が良くならないという方や、耳鼻科でCT検査を受けてみたいという方はぜひ読んでみてくださいね。

目次

  1. CT検査とは?
  2. 耳鼻科でCT検査をするメリットとは?
  3. 耳鼻科でCT検査を行うにはどうしたらいいの?
  4. CT検査を受けられない場合がある人とは?

1.CT検査とは?

この項では、CT検査の仕組みや検査でわかることなどをご紹介していきます。
内臓の検査というイメージが強いCT検査ですが、実際はどうなのでしょうか?

1-1.CT装置の仕組みとは?

CTとは、Computed Tomography の略です。
日本語に訳すとコンピューター断層撮影といい、X線を用いて体の横断図(輪切り)を撮影できます。
人間ドックなどで受けた方も多いでしょう。
現在はコンピューターの進化により立体的な3D画像を作成できます。

1-2.レントゲンとどこが違うの?

X線を用いて体の内部を撮影する、という点ではCTもレントゲンでも同じです。
でも、CTは骨と軟部組織(粘膜や筋肉)の描出にすぐれており、撮影部位を数ミリ単位の断面で画像を作成することも可能です。
つまりレントゲン撮影では見つけられなかった疾患を発見できるのですね。
CT検査は人間ドックなどで用いられる他に、レントゲン検査では疾患の原因がわからなかった場合に用いられることが多いです。

1-3.CT検査で検査できる部位とは?

CT検査は全身に用いることができます。
CTで全身を検査することをCTスキャンとも言いますが、必要があれば頭のてっぺんからつま先まで撮影することが可能です。
頭部や内臓の検査にCTが良く使われる理由は、レントゲンでは発見できない疾患が多いことと、軟部組織が多く、そこに病巣があることも少なくないからです。
もちろん鼻や耳をスキャンすることも可能です。
ただ、CT装置は大型なものが多いので、耳鼻科の専門医院では置いてあるところが少ないのが現状です。

2.耳鼻科でCT検査をするメリットとは?

では、耳鼻科でCT検査をするとどんなメリットがあるのでしょうか?
この項では、それをご紹介していきます。耳鼻科に通っているけれど、なかなか症状が改善しないという方は、一度CT検査を受けたほうが良いかもしれません。

2-1.鼻の病気は長引く?

鼻の病気は「慢性副鼻腔炎」など、慢性がつくものが少なくありません。
慢性には、症状はあまりひどくないが、治りにくく、経過が長びく病気の性質という意味があります。
つまり完治までに時間がかかる病気が多いのです。
それが鼻の病気の性質と言ってしまえばそれまでですが、中には治療法が今ひとつ的確でないため、治りが遅くなっているケースもあるのです。

2-2.鼻の病気の診断は難しい?

「鼻詰まりがひどい、治らない」という症状で耳鼻科を受診される方は多いです。
鼻詰まりの原因はいろいろあります。わかりやすいものもあれば、病名が判明するまで何回も検査が必要なものもあります。
耳鼻科の検査は

  • 目視(肉眼での検査)
  • ファイバースコープ
  • レントゲン

などがありますが、骨と粘膜の異常が内部のほうで起こっているとなかなか診断がついにくい場合もあるのです。

2-3.CT検査を行うメリット

前述したように、CT検査は骨と軟部組織の描出に優れています。
また、数ミリ単位で撮影部を輪切りにして画像を映し出すこともできます。
つまり骨と軟部組織で構成されている鼻の病気の診断には、CT検査はぴったりです。

  • 耳鼻科に何か月も通っているが、症状がなかなか改善されない
  • 何件も耳鼻科を受診したが、明確な診断が付かず、対処療法で症状を抑えている

という人の場合は、一度CT検査を受けてみましょう。原因がはっきりするかもしれません。

3.耳鼻科でCT検査を行うにはどうしたらいいの?

耳鼻科でCT検査をしてもらうまでの流れは、以下のようなものです。

3-1.CT検査を行っている耳鼻科を探す。

CT装置を導入している耳鼻科の専門医院は少ないです。CT検査を希望する場合はまずCT検査をしてくれる病院を探しましょう。
総合病院ならばCT装置が置かれているところが多いですが、耳鼻科では検査をしていないという場合もあるので、総合病院で検査を受けたい場合は問い合わせてみましょう。

3-2.受診して今まで行った検査の経緯を話す

CT検査は受診した当日にすることはできない場合もあります。
特に大きな病院では完全予約制で、受診した日とは別の日に改めて撮影のために行かなければならない場合もあります。
ただ、最近では当院のように、予約なしでも受診した当日に検査が受けられて、10分後にはその結果説明までできる施設もあります。
CT検査を希望する場合は今まで受けてきた検査の内容を詳しく話しましょう。
そうすればCT検査が必要かどうか、医師も判断しやすくなります。

4.CT検査を受けられない場合がある人とは?

CT検査はとても安全な検査ですが、以下のような方は検査が受けられない場合があります

4-1.妊娠中の方

CT検査はX線を使用します。
妊娠しているとはいえ影響が出ないほどの量ですが、病院によっては万が一のことを考え、妊婦の方全般や、妊娠初期の方の検査を断っているところもあります。
ただ、耳や鼻などの耳鼻科領域の検査は腹部には影響しませんし、防護カバーを着用すれば、まず問題はないと言われています。

4-2.子供

鼻詰まりや副鼻腔炎による頭痛を訴える子供は多いです。
しかし、小さな子供はCT検査自体が負担になることもあるでしょう。
特に未就園児の場合は検査の内容が理解できず、動いてしまうと検査ができません。
一定の年齢になるまで検査を待ってくださいといわれることもあるでしょう。
当院で使用しているような耳鼻科専用のCTは検査時間も短く、放射線被曝量も少ないので小学生以上のお子さんであればほとんど大丈夫です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は耳鼻科で受けるCT検査の内容や検査を受けるメリット、検査を受ける際の注意点をご紹介しました。
まとめると

  • 鼻の病気はCT検査でわかるものもある
  • いつまでたっても治らない鼻の疾患や、原因不明の疾患の場合はCT検査を受けて初めて原因が判明する場合もある
  • 予約が必要か、受診当日に予約なしでも受けられるか確認する

ということです。
現在は、当院のように鼻や耳を撮影する小型のCT装置を導入している病院もあり、以前よりは手軽にCT検査を受けられるようになりました。
しかし、まだCT検査を受けるためには一定の検査や手続きが必要という病院も多いです。
小型のCT装置は被曝量も少なく設計されており、今やCTは気軽に受けられる検査になったと言えます。
鼻の病気がなかなか治らないという方や、原因不明の鼻の病気で悩んでいるという方はぜひCT検査を受けてみましょう。
また、「医師から鼻の手術をすすめられたけれど、本当に必要かどうか迷っている」という方もCT検査を受ければ病巣の様子がよくわかるので、納得できるでしょう。